H25年度 学校だより№5

優しさとかしこさをもち たくましく生きる子
=目標をたてて
積み重ねを大事にし
意欲的に取り組む子=
惻隠の情
運動会は,赤組のW優勝という結果でした。
両組とも,W優勝を目指して連休明けから競技に,応援に取り組んできたわけです
から,この結果は,赤組にとっては最高であり,白組にとっては残念極まりないもの
だったといえます。閉会式での,白組の少し沈んだ雰囲気は印象的でした。
表彰式で優勝旗や準優勝トロフィ,応援賞トロフィを代表の子どもたちに渡しなが
ら,ロンドンオリンピックのことを思い浮かべました。閉会式のことです。
IOCのジャック・ロゲ会長が挨拶をしました。テレビで何気なく見ていた様子な
ので,これから述べる内容は,私の印象としてとらえていただければと思います。
ロゲ会長は,最初に勝者に対して賞賛の言葉を贈っていたと思います。次に,敗者
に対して,「ロンドンに集った各国・地域の精鋭は,そのほとんどが敗者としてこの
地を去ることになった。しかし,潔く負けを認め,新たな挑戦に向けて立ち上がろう
とする姿は尊敬に値します。」というような内容の言葉も贈りました。
この言葉が終わった後,スタジアムの観客,10万人くらいいたでしょうか。スタ
ンディングオベーションがしばらく続いたことを覚えています。
ロンドンオリンピックの開会式で違和感があったのは,かなり高齢になったポー
ル・マッカートニーが,これも,40年あまり前のビートルズ時代の「ヘイ・ジュー
ド」を歌ったことです。なぜ,今「ヘイ・ジュード」なのか全く理解できませんでし
た。
しかし,閉会式のこのシーンを見たとき,「ヘイ・ジュード」が採用された意味を
自分なりに納得しました。「ヘイ・ジュード」は再出発する者への応援歌ともとれる
歌詞で歌われています。イギリスのオリンピック実行委員会(のような組織があった
と思います。)は,オリンピックが始まるときにすでに敗者の存在を意識して,敗者
に対するエールを送っていたのだと考えられます。
西欧の文化では,潔く負けを認める,改めて挑戦する,というようなことを人間性
の資質として,高く評価しているのではないかと感じました。
孟子の性善説にある「惻隠の情」という文化が日本にもあります。新渡戸稲造の「武
士道」では,敗者への共感やいたわりの心として世界に紹介され,これも高く評価さ
れました。
勝負に負けたとか,思っていた通りの結果にならなかったとき,悔しさが心に溢れ
ます。しかし,この感情は,この結果に至るまで,一生懸命に取り組んだ者だけが味
わえる貴重なものだと私は考えます。
過程にそれなりの積み重ねがなかった場合,負けたことや不本意な結果を,「~だ
ったら」「~していれば」などの言い訳でかわし,自分の力の至らなさとして捉える
ことが出来なくなってしまいます。当然,そこからの再出発や新たな挑戦は出来る筈
がありません。
白組の子どもたちには,運動会の悔しさをどこかで取り返してもらいたいと思って
います。運動会はもう今年度はありませんが,これからの学校で行う様々な活動の中
で,機会を見つけて,頑張って取り組んでもらいたいものです。赤組は,運動会の結
果に至ることができた過程をしっかり思い出し,これからの活動でも積み重ねを大切
にして取り組んでもらいたいと思っています。
運動会:徒競走の記録
1,2年の記録
50m走
3,4年の記録
80m走
5,6年の記録
100m走
授 業
運動会
授 業
運動会
授 業
運動会
11″3
11″06
16″0
15″18
18″71
18″99
11″2
11″97
16″4
15″12
18″35
17″10
10″2
10″49
16″9
15″68
21″09
19″07
10″2
11″74
17″4
16″77
17″71
16″86
11″0
11″20
17″9
17″00
18″66
18″10
12″1
11″90
19″2
17″41
19″18
18″92
10″4
10″40
18″2
16″58
21″84
20″34
10″6
10″70
16″7
14″94
17″69
16″50
9″6
9″60
16″7
15″80
平均
平均
9″6
10″25
14″9
14″63
19″01
18″23
10″4
10″20
16″1
15″33
13″3
12″10
16″7
15″72
10″4
10″17
平均
平均
10″7
10″00
16″92
15″84
平均
平均
10″78
10″84
ほとんど変化なし
約1秒短縮
約 0.8 秒短縮
※
6年生で1人,けが
のため,徒競走に出場
できませんでした。
そのため,総数が1
人分少なくなってい
ます。
開会式で「昨日の自
分より速く走りまし
ょう」と話をしたのは,
授業のときの記録よ
り速く走りましょう
という意味です。
子どもたちには,運
動会の1週間前にこ
のことについて話し
ました。
したがって,授業の
ときの記録は,その時
点での子どもたちの
最高記録だといって
よいと思います。
運動会の記録が授
業のときの記録より
速くなるように,授業
のときに少し遅めに
走るというような操
作はできなかったと
いうことです。
1,2年生には,
「自分の記録」
「走る目標」を知ることや設定することは,発達段
階上難しいこともあり,運動会の記録は,授業のときの記録とほぼ同じでした。これ
は,運動会の目標の一つである,「日頃の体育学習の成果を発表する」ことを達成し
ていたといってよいと考えています。
3,4年生は,私が思っていた以上に自分の記録を意識し,運動会当日はより集中
していた様子が,運動会のときの記録から見ることができました。
一発勝負なので,個別には運動会のときにうまく走れなかった子もいたでしようが,
みんな,目標をしっかり持って取り組んでいたといってよいと思います。今年度の重
点目標の「目標を立てて」という部分が達成できていたと評価しています。
さらに言えば,運動会の最終種目の全員リレーの子どもたちの走りは,徒競走の時
より一段と力強くなっていました。
JRC登録式
6月5日(水)の全校朝会のときに「JRC登録式」を行いました。
「JRC」とは青少年赤十字のことです。
2年生から6年生までは既にJRCに登録しているので,この登録式は1年生の登
録が主な目的です。登録式では,赤十字社や青少年赤十字について次のことを子ども
たちに説明しました。
【赤十字社の始まり】
スイス人のアンリー・デュナン(1825 年~1910 年)の活動が始まりです。
昔,フランスとオーストリアの間で戦争がありました。両方の国の兵士が,大
勢傷つき死んでいきました。
アンリー・デュナンは,傷ついた兵士をどちらの国であろうとも助ける活動を
しました。
アンリー・デュナンは,一方の国の人たちから,なぜ敵の兵士も助けるのかと
聞かれ,次のように答えました。「人類はみな兄弟」と。このような活動がもと
になり,「赤十字社」が生まれました。
※ アンリー・デュナンは,1901 年に第1回ノーベル平和賞を受賞しています。
【赤十字社の広がり】
現在は,日本も含めて,世界187カ国が「赤十字社」の活動をしています。
活動の内容は,災害で困っている人たちを助けたり,貧しい国々の人たちを応援
したりする活動などをしています。
【青少年赤十字(JRC)】
青少年赤十字(JRC)は,これらの活動を学校で行っていこうとするもので
す。
ちかいでは「つくすことをちかいます」とあります。これは,自分の得になる
ことだけを考えて行動するのではなく,みんなのためになることも考えて行動し
ようということです。
ちかいの中にある「心身を強健にし」は,自分自身を大切にしましょうという
ことです。自分自身が健康で,正しく考えられる知識や知恵をもっていないと,
ほかの人たちにつくすことができないからです。
「人のためと郷土社会のため」は,家族や友達,地域の人たちへの感謝や思い
やり,自然やいろいろな施設・設備などを大切にしましょうということです。
「国家と世界のために」は,日本の国を思いやったり,地球全体にある多くの
国や自然を思いやったりすることです。
みなさんが少しずつこのような心を育てていき,力を合わせていくことで,わたし
たちのすむ地域や日本,世界がとてもよい社会になっていきます。
JRCの「ちかい」をいつも心のどこかにおいて生活していきましょう。
【青少年赤十字 JRC の「ちかい」】
ちかい
わたくしは
青少年赤十字の一員として
心身を強健にし
人のためと郷土社会のため
国家と世界のために
つくすことをちかいます
このあと,「ちかい」を全校で朗読し,6年生がJRCのバッヂを1年生に渡して
式を閉じました。
教室には,「ちかい」と「アンリーデュナンの肖像」のポスター,子どもたの「ち
かいの署名」が掲示されています。機会があったらご覧ください。
これからの予定(9日より)
6月 9日(日)1年学年行事
6月10日(月)読み聞かせ 寺子屋塾
6月11日(火)体力テスト
6月13日(木),14日(金)5,6年修学旅行(佐渡)
6月16日(日)5,6年学年行事
6月17日(月)~21日(金)中里っ子チャレンジウィーク※
6月20日(木)全校図書の日
6月24日(月)寺子屋塾
6月30日(日)2年学年行事
7月 3日(水)第2回「ふれあいタイム」
7月 4日(木)~7日(日)なかさと交流
7月10日(水)学習参観日 学級懇談会
救急法講習 臨時PTA総会
※
「中里っ子チャレンジウィーク」は中里地区小中一貫教育の活動の一つです。
保育園,小学校,中学校が同時に取り組みます。子どもたちの生活習慣や学習習
慣の確立をねらって取り組むものです。保護者・地域の皆様のご協力もよろしく
お願いいたします。