氏 名 安田 邦彦

ふ
氏
り
が
やすだ
な
名
くにひこ
職
安田 邦彦
取得学位
博士(理学)
名
講師
京都大学大学院理学研究科
受賞歴等
主な担当科目
臨床化学検査学、臨床化学検査学実習
所属学会
日本生化学会、日本分子生物学会、日本基礎老化学会
教
育
業
績
実施
事項
概要
年月(日)
【教育方法の実践例】
○ 生化学実習
(京都薬科大学生化学教室・助手(助教))
1995 年 4 月〜
実習は一回約 80 人/セット(合計 4 セット)について
1997 年 11 月
行うが、6 つ程度の小グループにわけさらに 3 人一組
で取り組ませた。実習終了時には個別に実習内容と得
られた結果についてレポートを作成・提出させ、同時
にその場で口頭試問を行い習熟度及び問題発見の糸口
とした。最終的なレポートにもこれらの内容を記述さ
せ、実験結果と考察としてまとめたものを後日提出し
てもらった。さらに全体の理解度を計るために実習試
験を行った。
○ 生理学及び遺伝子検査学講義
(京都保険衛生専門学校・非常勤講師)
1999 年 4 月〜
「生理学」においては指定の教科書が配布されたが、
2001 年 3 月
説明が不十分であったため、独自に各項目事にプリン
トを作成し、時にはビデオを用いるなどして、視覚的
にも理解できるように講義を行い、臨床検査技師にな
るための目的にあった講義を行った。「遺伝子検査学」
においては指定の教科書すらなく、授業の内容自体も
独自で検討し、全て独自で作成したプリントを用いて
遺伝子のなりたちから実際の検査方法について講義を
行った。また実際の検査方法は時折ビデオを用いるな
どして紙面だけではなくより理解できるように創意工
夫して講義を行った。実際の検査器具や実験器具を準
備して講義中に手に取ってみせることでよりイメージ
しやすいように心がけた。
○ 遺伝子検査学実習
(京都保険衛生専門学校・非常勤講師)
2000 年 12 月〜
採用時には組み込まれていなかったが、学校側からの
2001 年1月
要望で遺伝子検査実習を立ち上げることとなった。基
本内容は PCR 法による遺伝子診断で、ヒトの血液サン
プルから DNA を抽出し、PCR を用いた遺伝子検査方法
を提案、さらにその実習内容及び進め方、実際の実習
準備から実習講義についても先頭に立って担当し、遺
伝子検査実習をスタートさせた。実習前にビデオによ
る実習前講義を行い、実習後には実習の結果の理解を
深めるために各学生同士で結果を交換し、学生自身に
自分の結果を説明させた。
○ 神経・感覚器系講義
2010 年 10 月〜
医師として必要な神経全般の基礎知識を脳の構造及び
(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科・形態制
現在に至る
その名称だけでなく生体内機能について教える講義で
あり、なかでも「脳神経」について講義を担当。脳神
御解析学(解剖学第一)・助教)
経は計 12 対あり、
基本的には頭部と頸部までの運動と
感覚を支配する神経系であり、その神経支配部位や神
経系ネットワークの繋がりを理解させる。基本紙面で
の講義内容になるが、独自に作成したスライドを用い
て、図や実際の解剖写真を見せながら理解させるため
の補助とした。
○ 神経・感覚器系実習
2010 年 10 月〜
神経・感覚器系として行う実習であるが、基本的には
(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科・形態制
現在に至る
医学部における脳解剖学実習。御献体のうち大脳から
脳幹の部分までを用いて計 4 回の実習を行った。まず
御解析学(解剖学第一)・助教)
は外観から観察を始め、大脳、小脳、脳幹、大脳基底
核といった流れで、回を進める毎に大脳の中心部の構
造について各部分の名称と照らし合わせながら実際の
脳を見ながら確認させる。学生は自分でスケッチする
ことにより理解をより深めさせた。実習中に各グルー
プを巡回しつつ、口頭試問で学生の理解度を確認した。
○ 教養ゼミナール講義
2012 年 4 月〜
大学に入学したての医学部生を 10 人程度にグループ
(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科・形態制
2012 年 9 月
分けを行い、スライドを用いたプレゼンテーションの
方法と実技を習得させることを目的としている。その
御解析学(解剖学第一)・助教)
うちの一つのグループを担当し、学生各自に発表する
テーマを自分で決めさせ、最終的に自分が主張したい
ことを論理的に構築させたスライドを用いて一人ずつ
全員の前で発表させた。聴衆役の学生にも質問を促し、
質問の仕方や着眼点についても説明を行い活発な討論
ができるような練習も行った。
【作成した教科書,教材】
○ 生理学講義用プリント
(京都保険衛生専門学校・非常勤講師)
1999 年 4 月〜
専門学校で既に生理学の教材が準備されていたが、初
2001 年 3 月
心者用であったため講義で使用するには内容や掲載さ
れている図表だけでは不十分であった。そのため薬学
在学時に使用していた生理学・薬理学・生化学・病態
生化学等の教科書を利用し、毎回プリントを自作した。
言葉や文字だけでは理解しにくく、時間が経てば内容
が薄れていくことを避けるために、できるだけ多くの
図表を用いることで学生に内容をイメージしながら理
解できるよう心がけた。
○ 遺伝子検査学講義用プリント
(京都保険衛生専門学校・非常勤講師)
1999 年 4 月〜
当時は専門学校でも遺伝子検査学を教えるための適し
2001 年 3 月
た教材が準備できていなかったこともあり、講義の内
容は全て自身で組み立て、プリントを準備した。生化
学の教科書をベースに遺伝子の構造、特性、生体内で
の役割について可能な限り図表を用いて作成した。遺
伝子検査法は原理や方法だけでなく自分が研究で用い
ていたこともあり実際の実験器具を持参することでよ
り理解しやすいように努めた。
○ 遺伝子検査学実習書
2000 年 12 月
遺伝子検査学実習は専門学校からの要望で初めて立ち
上げた実習で、実習書の作成を自ら行った。既に自分
(京都保険衛生専門学校・非常勤講師)
の研究で PCR 法を用いていたことを利用し、基本原理
の再確認のためのページや実際の実験方法を記載し、
随所に実験器具や操作方法の図表も掲載した。操作手
順を間違えないように、反応に用いる試薬や機器設定
の欄にはチェック項目を盛り込むなどの工夫も行っ
た。
○ 神経・感覚器系講義用プリント
2010 年 10 月
これまである程度の脳の構造や主要な神経系について
(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科・形態制
の知識では医学部での講義としては不十分と考え、脳
御解析学(解剖学第一)・助教)
外科のドクターから情報収集を行った。指定された教
科書だけでなく、専門のドクターが使用するいくつか
の専門書からの図表を抜粋し、学生も理解しやすいよ
うに講義内容を組み立てた。基本的にスライドでの講
義を行い、学生にはプリントを配布した。
○ 神経・感覚器系実習書
2010 年 12 月
これまで使用していた実習書を再発行するにあたり、
(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科・形態制
実習で出てくる専門用語集を付加することになり、実
御解析学(解剖学第一)・助教)
習書の最後に解剖学用語を日本語、英語、ラテン語で
対応できるよう記載・修正した。
○ 神経・感覚器系実習用ワークブック
2013 年 10 月
カリキュラムの再編成に伴い医学部 2 年生後期に行っ
(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科・形態制
ていた講義と実習を講義は 1 年生後期、実習は 2 年生
御解析学(解剖学第一)・助教)
後期に変更された。そのため講義終了後、実習まで 1
年のブランクが生じるため、実習開始前に復習の意味
も踏まえて使用できるワークブックを作成した。内容
は実習に沿う形で作成し、各部の名称や神経回路網を
学生が書き込んで仕上げる形にした。
○ 教養ゼミナール講義用プリント
2012 年 4 月
講義はスライドを用いたプレゼンテーションの方法を
(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科・形態制
習得することであり、基本的な発表の仕方やスライド
御解析学(解剖学第一)・助教)
の作成方法について自作し、実際にスライドを使って
実践しながら説明した。学生が作成したスライドは学
内 LAN を利用し、適宜修正ポイントを指摘できるよう
に工夫した。
【教育上の能力に関する大学等の評価】
○
京都保健衛生専門学校における「遺伝子検
査実習」の確立
2000 年 12 月
着任当初は「遺伝子検査」は講義のみの授業であった
が、実際に「遺伝子検査実習」を新規に立ち上げるこ
ととなった。その際、これまでの同専門学校における
授業への取り組みや内容、さらに私のこれまでの大学
及び大学院での経験と実績を評価していただいたこと
から立ち上げの当初から中心的な立場で参画した。そ
の後実習内容については高評価を得た。
○
長崎大学高度化研究推進経費の給付
長崎大学が優秀で独創的な研究を行っている教員に対
2013 年 4 月
して給付する研究費であり、脱アセチル化酵素 HDAC6
が mTOR シグナルを制御することにより神経老化に対
する効果が期待できるものとして採用された。この研
究費をもとに医学部3回生の学生を研究指導するため
に使用した。
○
CBT 作問委員への選抜
全国の医学部では 2005 年より臨床実習前の 4 回生時に
2014 年 4 月
CBT 共用試験を受験することになっており、その作問
は各大学で選抜された教員により作成される。これま
での教育の能力評価を受け、2014 年度より長崎大学医
学部 CBT 作問委員として参画している。
【その他】
○ 「魅力ある大学院教育イニシアティブ」事
2006 年 10 月
文部科学省が支援する「魅力ある大学院教育イニシア
業
ティブ」事業での「生命科学キャリアディベロップメ
(京都大学大学院生命科学研究科・特任助教)
ント」として採択され、大学院教育の改革に参画した。
主な活動としては、学生企画による研究討論会を立ち
上げ、同じあるいは異なる分野の学内外の学生間の交
流をもつこと、さらに学生自ら企画し、実際の開催も
学生主体ですすめることで自主性とコミュニケーショ
ン力を養うための指導を行った。最終的に学生達にテ
ーマを募らせ、他大学や研究機関の研究室など学外か
ら学生を招致し、学生同士で発表討論会を催すという
形式を取った。
研
分
演目などの名称
論
文
1
・
区
単 共
著書・論文・発表テーマ・作品・
究
業
発行
・
発表
年月
(日)
績
発行所/誌名・巻号/学
会・展覧会・演奏会の
備考
名称(会場名)
1994
Biochem. Biophys.
作成した抗 HSP105 抗体を用い
年3月
Res. Commun
て、高分子量ストレスタンパ
Kunihiko Yasuda.
200 巻 3 号
ク質 HSP105 の分子状態と細胞
Cellular localization
p1367-p1373
内局在をについて調べた学術
Takumi Hatayama, Eiji
Nishiyama, and
共著
of high-molecular-mass
論文。HSP105 は通常状態の細
heat shock proteins in
胞においても若干分子量の異
murine cells.
なる2種の分子種の状態で発
現しており、熱ショックに曝
すと顕著に発現が増加した。
さらに 42℃の熱ショック時の
み若干分子量の小さいタンパ
ク質とも交差反応した。細胞
内局在については通常状態及
び熱ショック時においても主
に細胞質に存在していた。
担当部分は論文中の HSP105 の
細胞内局在による実験を担当
した。(査読付)
2
1994
Biochem. Biophys.
HSP105 の分子構造について調
Kunihiko Yasuda, and
年 10
Res. Commun
べるために、培養細胞から
Eiji Nishiyama
月
204 巻 1 号
HSP105 の 精 製 を 試 み た 。
p357-p365
HSP105 は2種の分子種とさら
Takumi Hatayama,
共著
Characterizaton of
high-molecular-mass
には 42℃特異的 HSP と多くの
heat shock proteins and
分子種が存在するが、生化学
42℃-specific heat
的に精製した各分子のペプチ
shock proteins of
ドマップ及び部分アミノ酸配
murine cells.
列から非常によく似た分子で
あり、さらに代表的なストレ
スタンパク質である HSP70 と
相同性のある分子であること
が明らかとなった。
担当部分は論文中の結果全て
ではあるが、筆頭著者は申請
者ではなく当時の教授(査読
付)
3
1995
J. Biol. Chem
マウス高分子量ストレスタン
Nakai, Takumi Hatayama,
年 12
270 巻 50 号
パク質 HSP105 の全一次構造を
and Kazuhiro Nagata
月
p29718-p29723
報告した学術論文。42℃特異
Kunihiko Yasuda, Akira
共著
Cloning and expresson
的 HSP についても cDNA クロー
of murine high
ニングする目的で、42℃で熱
molecular mass heat
処理した細胞から cDNA ライブ
shock protein, HSP105.
ラリーを自作し、抗 HSP105 抗
体を用いてスクリーニングを
行い、HSP105 及び 42℃特異的
HSP の cDNA クローンを得た。
その結果、42℃特異的 HSP は
HSP105 の選択的スプライシン
グ産物であることが示唆され
た。また HSP105 は HSP70 ファ
ミリーのタンパク質であるこ
とも明らかにした。
筆頭著であり、全て自分で担
当した。(査読付)
4
Takumi Hatayama, Kiyoko
共著
1998
Biochem. Biophys.
HSP105 は HSP70 ファミリータ
年7月
Res. Commun
ンパク質の一つであることが
Yasuda
248 巻 2 号
明らかとなったが、その生体
Association of HSP105
p395-p401
内機能については不明であっ
Yasuda, and Kunihiko
with HSC70 in high
た。HSP105 の細胞内存在状態
molecular mass
についてゲルろ過クロマトグ
complexes in mouse FM3A
ラフィーにて調べたところ、
cells.
約 40 万の分子集合体であるこ
とが明らかとなった。その分
子集合体中には HSP70 が含ま
れており、HSP105 は HSP70 と
結合し、HSP70 の機能に関与す
ことが示唆された。
指導学生が実験を担当してお
り、全体的にサポートしたた
め、担当部分を抽出すること
は不可能。(査読付)
5
1999
Biochim. Biophys.
マウス高分子量ストレスタン
年1月
Acta
パク質 HSP105 の全一次構造を
Takumi Hatayama
1444 巻 1 号
明らかにしたが、将来的には
Molecular cloning,
p138-p142
ヒトにおいて考える上で、こ
Ishihara Keiichi,
共著
Kunihiko Yasuda, and
expression and
の学術論文でヒト HSP105 の
localization of human
cDNA クローニングを行った。
105 kDa heat shock
ヒトにおいてもマウスと全く
protein, hsp105.
同じアミノ酸配列を有してお
り、高度に保存されているこ
とが明らかとなった。
指導学生が実験を担当してお
り、全体的にサポートしたた
め、担当部分を抽出すること
は不可能。(査読付)
6
Kunihiko Yasuda,
共著
1999
Biochem. Biophys.
HSP105 のゲノムクローニング
年3月
Res. Commun
を行い、HSP105 の全遺伝子構
Nakashima, and Takumi
256 巻 1 号
造を明らかにした。HSP105 遺
Hatayama
p75-p80
伝子は全 18 エクソンからな
Keiichi Ishihara, Kazuo
Genomic cloning and
り、42℃特異的 HSP は第 12 エ
promoter analysis of
クソンが欠落した選択的スプ
the mouse 105-kDa heat
ライシング産物であることを
shock protein (HSP105)
確認し、転写開始点も同定し
gene.
た。さらにプロモーター解析
から熱ショックタンパク質特
有の転写因子により発現が制
御されていることについても
明らかにした。
筆頭著者であり、全て担当し
た。(査読付)
7
1999
J. Biol. Chem
コラーゲン特異的な分子シャ
Yamamura, Kunihiko
年 12
274 巻 50 号
ペロン HSP47 の組織特異的な
Yasuda, Norihiro Tada,
月
p35703-p35710
発現は全てのコラーゲンに相
Hiromi Hirata, Isamu
共著
8
Misao Suzuki, Kazunori
関しており、HSP47 の組織特異
Hirayoshi, Nobuko
的な発現調節機構について調
Hosokawa, and Kazuhiro
べた学術論文。HSP47 の転写開
Nagata
始点上流は HSP47 の基本的な
Separate Cis-acting DNA
転写を調節し、組織特異的な
Elements Control Cell
発現調節には転写開始点上流
Type and
のプロモーター領域ではな
Tissue-specific
く、むしろ下流のイントロン
Expression of Collagen
領域に存在していることを示
Binding Molecular
唆した学術論文である。
(査読
Chaperone HSP47.
付)
Keiichi Ishihara,
共著
2000
Biochem. Biophys.
HSP105 は若干分子量の違う分
年4月
Res. Commun
子種が存在することを前述の
Takumi Hatayama
270 巻 3 号
学術論文で明らかにしたが、
Phosphorylation of the
p927-p931
それは翻訳後修飾によりセリ
Kunihiko Yasuda, and
105-kDa heat shock
ン残基がカゼインキナーゼに
proteins, HSP105alpha
よってリン酸化されることを
and HSP105beta, by
明らかにした。
casein kinase II.
担当部分は HSP105 が翻訳後修
飾されること、その修飾がリ
ン酸化であり、標的がセリン
残基であることを明らかに
し、共著者が最後のリン酸化
酵素を明らかにした。(査読
付)
9
2002
J. Biol. Chem
コラーゲン特異的分子シャペ
Kazunori Hirayoshi,
年 11
277 巻 47 号
ロン HSP47 の組織特異的な発
hiromi Hirata, Hiroshi
月
p44613-p44622
現調節機構をさらに詳細に明
Kunihiko Yasuda,
共著
Kubota, Nobuko
らかにした学術論文。組織特
Hosokawa, and Kazuhiro
異的な発現調節にはゲルシフ
Nagata
トアッセイやプロモーター解
The Kruppel-like factor
析を駆使した結果、第1及び
Zf9 and proteins in the
第2イントロンが必要で、そ
Sp1 family regulate the
の調節因子は酵母を用いたワ
expression of HSP47, a
ンハイブリッド法にてクルッ
collagen-specific
ペルファミリーのタンパク質
molecular chaperone.
Zf9 であることを突き止めた、
第2イントロンには Sp1 ファ
ミリーのタンパク質が結合
し、転写に関与することも明
らかにしている。
筆頭著者であり、全てにおい
て担当した。(査読付)
10 Hiroshi Oshima,
共著
2004
Journal of
しばしば歯科材料として金属
Materials Science
アマルガムが使用されるが、
Nobuyuki Yamagishi
15 巻 1 号
その人体に対する影響につい
Masaaki Nakamura, and
p1-p5
てストレスタンパク質を指標
年1月
Kunihiko Yasuda,
Takumi Hatayama
に評価した学術論文。歯科材
Stress protein assay
料からの抽出物と塩化水銀を
for the evaluation of
比較対照に毒性を調べるアッ
cytotoxicity of dental
セイとして HSP70 の発現をウ
amalgam.
ェスタンブロット及びノーザ
ンロット法で確認し、簡便で
有効なアッセイ方法を確立し
た。
共同研究者が実験を担当して
おり、全体的にサポートした
ため、担当部分を抽出するこ
とは不可能。(査読付)
11 Junji Nakamura, Motoaki
2008
Stroke
HSP105 の生体内機能について
Fujimoto, Kunihiko
年 10
39 巻 10 号
調べるために HSP105 遺伝子破
Yasuda, Kiyoshi
月
p2853-p2859
壊マウスを作成した。発生・
共著
Takeda, Shizuo Akira,
発育・繁殖などにおいては顕
Takumi Hatayama,
著な表現系は確認できなかっ
Yasushi Takagi,
た。脳に高発現していること
Kazuhiko Nozaki, Nobuko
から脳虚血に対する効果を検
Hosokawa, and Kazuhiro
討した結果、HSP105 遺伝子破
Nagata
壊マウスでは組織障害性が低
Targeted Hsp110/105
下していた。HSP105 は HSP70
Gene Knockout Decreases
の機能を阻害することも確認
Infarct Volume After
し、そのためだと考えられる。
Focal cerebral Ischemia
担当部分は HSP105 遺伝子破壊
in Mice.
マウスを作成し、発生・発育・
繁殖の表現系の確認、細胞株
の樹立などを担当した。
(査読
付)
12 Chiho Mori-Konya,
Naruyoshi Kato, Ryota
Maeda, Kunihiko
共著
2009
Genes to Cells
AAA ファミリータンパク質で
年4月
14 巻 4 号
ある VCP/p97 は ATPase 活性を
p483-p497
有しているが、その活性制御
Yasuda, Naoki
機構についてはよくわかって
Higashimae, Masakatsu
いなかった。そこでこの学術
Noguchi, Masaaki Koike,
論文ではこの活性を制御には
Yoko Kimura, Hiroshi
VCP/p97 のリン酸化及びアセ
Ohizumi, Seiji Hori,
チル化修飾が大きく関与して
and Akira Kakizuka
おり、特に重要な領域を VAR
p97/valosin-containing
ドメインとして同定したこと
protein (VCP) is highly
を報告したものである。
modulated by
担当部分は VCP/p97 のアセチ
phosphorylation and
ル化修飾について修飾部位の
同定から修飾の確認などの実
acetylation.
験系を担当した。(査読付)
13 Akihiko Okamoto,
2010
Biochem. Biophys.
糖尿病や神経変性疾患、心臓
年2月
Res. Commun.
病などで小胞体(ER)ストレ
Kunihiko Yasuda and
394 巻 1 号
スが誘導されることが報告さ
Akira Kakizuka
p42-p47
れていたが、本論文では ER ス
共著
Masaaki Koike,
Maintaining ATP levels
トレス応答において PERK と呼
via the suppression of
ばれる小胞体膜状に存在する
PERK-mediated rRNA
転写因子がリボソーム RNA の
synthesis at ER stress.
合成量が低下させることで、
細胞内の ATP 量を維持させる
ことを報告した。
指導学生が実験を担当してお
り、実験の組み立てから手技
に至るまで全体的にサポート
したため、担当部分を抽出す
ることは不可能。(査読付)
14 Nobuyuki Yamagishi,
2011
Biochem. Biophys.
HSP105 の分子シャペロンに対
年5月
Res. Commun.
する機能について培養細胞系
Kunihiko Yasuda,
409 巻 1 号
を用いて調べた論文。HSP105
Youhei Saito, Kazuhiro
p90-p95
の発現量が低下した細胞(ノ
共著
Masayasu Yokota,
Nagata and Takumi
ックアウトマウス由来の MEF
Hatayama
細胞及び HSP105 の siRNA 発現
Characterization of
細胞)ではストレス感受性が
stress sensitivity and
増加し、アポトーシスが誘導
chaperone activity of
された。さらにルシフェラー
Hsp105 in mammalian
ゼを基質として分子シャペロ
cells.
ン活性を調べた結果、HSP105
の発現量依存的に活性が回復
した。
本論文では HSP105 ノックアウ
トマウス由来の MEF 細胞を提
供し、最終的な結果について
討論し論文作成に貢献した。
(査読付)
15 Kyoji Ohyama, Kunihiko
Yasuda, Kazuko Onga,
Akira Kakizuka and
共著
2012
Gene Expr Patterns.
N-アセチル化転移酵素は触媒
年1月
12 巻 1-2 号
サブユニットの Nat5 と補助サ
p36-p45
ブユニットの Mdm20 から構成
Nozomu Mori
される。本論文では本来2つ
Spatio-temporal
の因子は共局在すると予想さ
expression pattern of
れたが、少なくとも脳におけ
the NatB complex,
る局在は一部重なる領域があ
Nat5/Mdm20 in the
るものの発現パターンが一致
developing mouse brain
しない領域が多く観察され
た。
Mdm20 が神経変性疾患の凝集
形成を促進することを自らみ
つけており、本論文での担当
部分は NatB の組織分布を調べ
る必要性の提案及び主張、実
験として Mdm20 の抗体作製及
び組織別発現で脳に顕著に発
現することを明らかにした。
(査読付)
16 Kunihiko Yasuda, Kyoji
2013
PLoS One
本論文は NatB の補助サブユニ
Ohyama, Kazuko Onga,
年 12
8 巻 12 号
ット Mdm20 が触媒サブユニッ
Akira Kakizuka and
月
e82523
ト Nat5 非依存的にポリグルタ
共著
Nozomu Mori
ミン病で形成される polyQ の
Mdm20 Stimulates PolyQ
凝集体形成を増加させるが、
Aggregation via
その分子機構はオートファジ
Inhibiting Autophagy
ー誘導シグナルにおける Akt
Through Akt-Ser473
のリン酸化レベルの増加に起
Phosphorylation.
因していることを報告したも
のである。Mdm20 が NatB とし
ての機能だけでなく全く新規
の生体内機能をもつこと、さ
らにオートファジー誘導の新
たな制御機構の存在を明らか
にした。
筆頭著者であり、全てにおい
て担当した。(査読付)
17 Yohei Ohnuma, Takahiro
Takata, Junko Kawawaki,
Kunihiko Yasuda, Keiji
共著
2015
FEBS Lett.
小胞体タンパク質分解(ERAD)
年1月
589 巻 5 号
を担う AAA-ATPase ファミリー
p576-580
の VCP/p97 の新規機能を探索
Tanaka, Yoko Kimura and
する目的で酵母の温度感受性
Akira Kakizuka
変異株を用いてスクリーニン
VCP/Cdc48 rescues the
グを行い、小胞体内でマンノ
growth defect of a GPI10
ースの糖鎖付加を担う酵素の
mutant in yeast
一つである GPI10 を同定した。
GPI10 の変異は小胞体ストレ
ス応答を惹起し、VCP/p97 がそ
れを抑制することから糖鎖の
付加異常を起こした分泌タン
パク質の分解に関与する可能
性が示唆された。
本論
文では大学院生であった筆頭
著者の研究指導全般と論文に
対する討論に参画し、論文作
成に貢献した。(査読付)
そ
の
他
査読付き国際会議論文
1
2013
J Neutrition Health
神経変性疾患の一つであるポ
年6月
& Aging
リグルタミン(polyQ)病の基
Mori
17 巻
質である polyQ の凝集体形成
Mdm20, an auxiliary
S758
を NatB の補助サブユニット
Kunihiko Yasuda, Kyoji
Ohyama,
共著
and Nozomu
subunit of the
Mdm20 が発現量依存的に変化
N-terminal
させること、その効果が NatB
acetyltransferase
の触媒サブユニットである
complex NatB, involves
Nat5 には依存しないことを報
in polyQ aggregate
告したものである。その詳細
clearance.
な分子機構は Akt のリン酸化
レベルを介したオートファジ
ー誘導に起因していることを
明らかにしたので、2013 年に
韓国で開催された IAGG
(International Association
of Gerontology and
Geriatrics)学会にて発表。
2
2013
J Neutrition Health
老化により酸化ストレスが増
年6月
& Aging
加し、生体内で様々な障害を
Ageing-dependent TGF
17 巻
もたらす。神経細胞は酸化ス
beta1 signaling in the
S408
トレスに曝されることで樹状
Kyoji Ohyama, Kunihiko
Yasuda and Nozomu Mori
共著
neuroprotection
突起が変性するが、本論文で
against an oxidative
は TGFβ存在下では樹状突起
stress.
の変性が抑制されることを発
見し、その分子メカニズムに
は JNK や p38 というストレス
依存性の MAPK が作用している
ことを明らかにしたものを、
2013 年に韓国で開催された
IAGG (International
Association of Gerontology
and Geriatrics)学会にて発表
された。
担当部分は神経細胞を酸化ス
トレスに曝した際の細胞内タ
ンパク質の挙動をウェスタン
ブロットで検出するなど、タ
ンパク質の解析を中心に担っ
た。
招待講演(学術講演)
1
安田邦彦
2008
神戸大学バイオシグ
神戸大学バイオシグナル研究
「神経ストレスとスト
年4月
ナル研究センター
センターで主催されるセミナ
レスタンパク質」
ーにおいて、神経変性疾患と
分子シャペロン及びタンパク
質分解の制御機構について自
らの研究結果(HSP105 及び
VCP/p97 による polyQ 凝集体
への効果など)を踏まえなが
ら講演を行った。
2
Kunihiko Yasuda
2010
Asian Aging Core for
日本と韓国の老化研究を行う
HDAC6 regulates the
年8月
Longevity Research
研究者グループによる国際ミ
formation of polyQ
and Education 2010
ーティングでの講演。脱アセ
aggregate by
(in Korea)
チル化酵素である HDAC6 はチ
independent of
ューブリンを脱アセチル化す
microtuble
ることで知られるが、神経細
deacetylation
胞ではチューブリンの脱アセ
activity in primary
チル化非依存的にタンパク質
cultured neurons
凝集体形成を抑制する新規の
分子機構について発表した。
3
Kunihiko Yasuda
2011
The 1st
長崎大学と学術提携している
Effect of
年2月
Nagasaki-Pusan
釜山大学とのジョイントセミ
acetyl-modification
Joint Seminar on
ナーでの講演。HDAC6 だけでな
enzymes on polyQ
Aging Research (in
く NatB の補助サブユニット
aggregates
Nagasaki)
Mdm20 がタンパク質凝集体形
formationin primary
成に効果を示すことから、ア
cultured neurons
セチル化が異常タンパク質の
蓄積を制御する可能性につい
て発表した。
4
5
Kunihiko Yasuda
2012
The 2nd
長崎大学と学術提携している
Mdm20, an Auxiliary
年2月
Pusan-Nagasaki
釜山大学とのジョイントセミ
Subunit of the
Joint Seminar on
ナーでの講演。Mdm20 による
N-terminal
Aging Research (in
polyQ 凝集体形成に分子機構
Acetyltransferase
Korea)
として触媒サブユニットの
Complex NatB,
Nat5 の活性は必要なく、全く
Involves in Protein
新しい制御機構を有すること
Aggregate Clearance
について発表した。
Kunihiko Yasuda,
2012
Asian Aging Core for
日本と韓国の老化研究を行う
Kyoji Ohyama and
年 11
Longevity Research
研究者グループによる国際ミ
Nozomu Mori
月
(AACL) 2012 Seoul
ーティングでの講演。HDAC6
Conference
によるタンパク質凝集タンパ
The effect of HDAC6 on
the polyQ aggregates
ク体形成抑制効果が Akt のリ
formation in primary
ン酸化レベルを変化させるこ
cultured neurons:
とでオートファジーを誘導す
HDAC6 is a key
る全く新しい制御機構を明ら
regulator of mTOR
かにし、その標的分子として
signaling
mTOR シグナルを介しているこ
とについて発表した。
6
Kunihiko Yasuda
2013
The 3rd
長崎大学と学術提携している
Mdm20, an auxiliary
年2月
Nagasaki-Pusan
釜山大学とのジョイントセミ
subunit of NatB,
Joint Seminar on
ナーでの講演。Mdm20 による
involves in protein
Aging Research (in
polyQ 凝集体形成に分子が Akt
aggregate clearance
Nagasaki)
であり、そのリン酸化レベル
and autophagy
を変化させることでオートフ
induction through the
ァジー誘導が起こることを発
regulation of
表した。
pAktS473
7
Kunihiko Yasuda
2014
The 4th
長崎大学と学術提携している
Mdm20, an auxiliary
年2月
Busan-Nagasaki
釜山大学とのジョイントセミ
subunit of NatB
Joint Symposium
ナーでの講演。Mdm20 が Akt
involves in spine
on Aging Research
のリン酸化レベルの変化は
formation of
mTORC2 の活性を制御している
hippocampal neurons
ことを明らかにしたことをを
through the
発表した。
regulation of mTORC2
activity
8
Kunihiko Yasuda
2015
The 5th
長崎大学と学術提携している
Mdm20, a potential
年2月
Busan-Nagasaki
釜山大学とのジョイントセミ
regulator for
Joint Symposium
ナーでの講演。Mdm20 が mTORC2
neuronal proteostasis
on Aging Research
の活性をを介して細胞骨格タ
controls mTORC2
ンパク質のアクチン重合を制
activity
御し、細胞運動に影響を及ぼ
すことを発表した。
9
Kunihiko Yasuda
2015
International
日本と韓国の老化研究を行う
The poly-glutamine
年3月
Symposium
研究者グループによる国際ミ
aggregates clearance
“Asian Aging Core
ーティングでの講演。アセチ
by
Longevity (AACL)
ル化修飾関連分子である
acetyl-modification
2006-2015, 10 years
HDAC6 と Mdm20 がインスリン
molecules through the
and beyond”
シグナルの下流の Akt のリン
pAkt signaling.
酸化レベルを変化させること
で糖や脂質、タンパク質の代
謝を制御することで老化に対
する効果について発表した。