クラシックギターの種類 ●クラシックギター(ガットギター、ナイロン弦ギター) 表⾯板にはスプルース(松)、またはセダー(杉)を使います。⽢く豊かな⾳ 量が特徴で、演奏曲も⾮常に多くあります。ボサ・ノヴァ⾳楽などでも使⽤さ れます。 ★調弦:1E, 2B, 3G, 4D, 5A, 6E ●エレクトリック・ナイロン(ガット)ギター 弦振動を拾うピックアップと、⾳⾊を調整するイコライザーが付いています。 PA 機器に接続し、増幅することができます。また、レコーディングなどにも便利です。 ハイポジションでの演奏性を⾼める「カッタウェイ・モデル」もあり、近年⼈気が⾼まっています。 ●フラメンコギター 表⾯板に透明のゴルペ板が貼ってあります。側板・裏板にはシープレス、シカ モアなどの軽い材料を使っています。 ⼀般に板が薄く、鋭く早い⾳の⽴ちあがりが特徴です。また、⻑時間の舞踏の 伴奏に適するよう、弦⾼もやや低めに調整されています。 専⽤弦もありますが、通常のクラシックギター⽤の弦を使⽤しても問題ありません。 ●アルトギター(レキントギター) 弦⻑は 530mm。ギターアンサンブルだけでなく、ポピュラー⾳楽や中南⽶の ⺠族⾳楽でも使われます。 アルトギターとレキントギターはともに⾼⾳ギターですが、チューニングが異なります。 ★調弦:アルト :7 フレットにカポタストをつけた場合の同様の⾳程になります(5度⾼く調弦)。 6弦から「B,E,A,D,F#,B」シ,ミ,ラ,レ,ファ#,シとなります。 クラシックギターのハイテンション弦を使⽤して、ノーマル調弦でも楽しめます。 合奏⽤に使⽤されるのが多いですが、⾼⾳の綺麗な⾳がするので、個⼈で楽しむこ とも出来ます レキント:5 フレットにカポタストをつけた場合と同じ⾳になります(4度⾼く調弦)。 6弦から「A,D,G,C,E,A」ラ,レ,ソ,ド,ミ,ラとなります。 アルトギターより少し低く調弦するので、弦⻑も少し⻑く540㎜になっています。 レキントギター専⽤弦を使って、本来の調弦をして⼀般の楽譜を演奏しても、全体 的に⾳が⾼くなるだけで、なんら演奏法に変わることはありません。 ●バスギター 弦⻑ 700mm。主にギターアンサンブルで使⽤します。 ★調弦:1B, 2F#, 3D, 4A, 5E, 6B。専⽤弦を使⽤。 ●コントラバスギター 弦⻑ 750mm。主にギターアンサンブルで使⽤します。 ★調弦:1E, 2B, 3G, 4D, 5A, 6E(1オクターブ下)。専⽤弦を使⽤。 2015.11.12 KENZOU ■クラシックギターの構造と⾳⾊についての⼀⼝メモ (Yamaha 楽器解体全書 http://www.yamaha.co.jp/plus/classical_guitar/?ln=ja&cn=10801 より) ●実験1:ボディの板の厚さを⽐べて変えると⾳⾊は? ・クラシックギターの⾳⾊づくりには、ボディがとても重要といわれています。そこでボディに使う板厚を (A)5 ミリ厚と(B)15 ミリ厚に変えて、どんなふうに⾳にちがいが現れるかを試してみると。。。 (A)板厚 5mm (B)板厚 15mm E線 E線 こもったような 明瞭な⾳がでる な⾳がでる ・結果:弦を弾くと 5 ミリ厚のギター(A)はかなりはっきりとした⾳が出たのに対して、15 ミリ厚のギ ターB)では少しこもったような⼩さな⾳に。板が厚過ぎると⾳にはよくないようです。 ・考察:⾳の出⽅には⼤きく 2 種類あって、 ①弦をはじくと弦の振動がブリッジに直接伝わり、表板から⾳が広がります。この⾳は⾼⾳が主です。 ②弦をはじくと弦の振動が表板を振動させてボディの中の空気に反響し、その⾳がサウンドホールか ら外に聞こえます。この⾳は中・低⾳が主となります。 15 ミリ厚の⽅は表板が厚すぎて振動しにくいため表板から⾳が広がらず、ボディの中にも響いてい かないので⾳が⼩さくなったと考えられます。(注:実際の CG の板厚は 2 ミリ前後) ●実験2:響棒(⼒⽊)がある場合とない場合の⾳のちがいは? ・クラシックギターの⾳⾊づくりで響棒は重要な役割を果たします。響棒がないとどうなるか。また、他の 素材を使うとどうなるか、⾳のちがいを確かめてみると。。。 響棒なし 響棒:⽊材 ⾳は⼤きいが 単純 響棒:ウレタン 明るく深みの ある⾳ ⾳に伸びがな い ・結果:何も貼らない場合、⼀番⼤きな⾳がでたが、⾳は単純です。板を貼った場合は明るい⾳で、⾳に深 みがでたようです。ポリウレタンを貼った場合は、⾳に延びがなく、余韻が短くなりました。 ・考察: 何も貼らない場合と板を貼った場合を聞き⽐べると、板を貼った場合の⽅が、⾳が⾼くなってい ます。これは板で区切られたエリアごとに振動の波が分割されて、振動が速くなり、⾼い⾳が出やすく なるためです。振動しているエリアを⽬で⾒られるとしたら、左図のようなイメージです。 響棒なし 響棒あり ★実際の響棒の⼀例 響棒のサイズ、形、配 置によって、ギターの ⾳⾊は⼤きく変わると いわれています。 単純な⾳ 深みのある⾳ 2015.08 by KENZOU ■クラシックギターに使われる⽊材の種類と特徴の⼀⼝メモ ギターの表⾯板(響版)が創り出す⾳はボディ全体で増幅されます。横、裏板は⾳を吸収してしまうのではなく、 ⾳を反発するような質量が⼤きい素材が求められ、横、裏板にはローズウッドやハカランダのような⿊味がか った重い材料が使⽤されます。横、裏板の材質は⾳量、⾳の重厚感に表れます。 ●トップ板 ・クラシックギターのトップ板には、主にスプルース材とシダー材が使⽤されます。 ・⽊材そのもののグレードが違うものでもない限り、スプルースやセダーでどちらの⽅が 格が上ということはありません。 <Spruce スプルースの特徴> ・スプルース(松)で、⽩っぽい⾒た⽬が特徴の⽊材です。 ・シダーに⽐べ硬めで、その分⾳も硬くハッキリとし、⽴ち上がりが早くアタック感のある⾳⾊が特徴です。 ・響振性にすぐれており明瞭な⾳です。遠達性も⾼く、⼤きなホールでの演奏に向いています。 <Cedar シダー(セダー)の特徴> ・シダー(⽶杉)の⽊材です。 ・セダーとも呼ばれ、⾊が濃く⾚みがかった暗い⾒た⽬が特徴的。ボディートップが⾚ っぽい濃い⾊であれば、ほぼシダーだと思って間違いないでしょう。 ・サウンドはスプルースに⽐べ柔らかく丸みのある、暖かみのある⾳⾊です。とりわけ 低⾳の⼒強さが魅⼒で、クラシックギターらしいサウンドを⽣み出す素材ともといえます。 ●サイド・バック材 ・⾳響的に⾔えばボディートップ材・バック材に⽐べれば⽐較的影響は少なく、 ボディーサイドにはボディーバックに使われた⽊材と同じ材が使⽤されるのが ⼀般的です。 ・クラシックギターのサイド・バックに使われる⽊材はローズウッドが最も⼀般的です。マホガニーなど の⽊材も使われますが、ローズウッド以外の⽊材はそれほど⼀般的ではありません。 ・ローズウッドは密度が⾼いために⾳の反射が良く側板・裏板⽤の材として⼈気があります。 ●ボディーバック材 ・トップに伝わった振動をボディー内で跳ね返し、反響させる重要な役割を持っています。 ・バック材には主にローズウッドが使⽤されてします。ボディーバックにはボディーサイド と同じ材を使⽤するのが通例です。 ・ローズウッドはマホガニーに⽐べ重さがあり、低⾳が出やすいのが特徴。 ・マホガニーは軽快で明るめのサウンドが特徴です。 ●ネック材(棹) ・マホガニー:濃い⾚褐⾊。ネック材としても標準的に使⽤されています。 ・ナトー:マホガニーと似た⾚褐⾊で性質も似ている。マホガニーよりやや硬い。 ●指板材 ・エボニー:別名を⿊檀(こくたん)ともいう。指板材の最⾼のものとされる。⿊⾊で⾮常に硬度が⾼いた めに⾳の⽴ちあがりが早く、メリハリや伸びの点で優れています。 ●ブリッジ:ハカランダ・ローズウッド 2015.08 by KENZOU ■クラシックギターの弦についての⼀⼝メモ 〜弦の種類に 3 種類あり〜 ★ライト・テンション(ロー・テンション) L 張り感が弱めの弦。押さえやすく右⼿の弾弦も軽く弾けます。⾳は柔らかめで落ち着いた響きになります。 逆に、弾き⽅が強すぎるとノイズが混じったり、押さえ⽅が雑だと⾳程が悪くなる場合があります。 ★ノーマル・テンション(ミディアム・テンション)N 迷ったらノーマル・テンションというセオリーは間違いありません。各メーカーもまずノーマルを使って から、他のテンションを試すのが良いでしょう。 ★ハード・テンション(ハイ・テンション) H 張り感が強めになると、⾳にも張りが出てきます。しっかりした芯のあるタッチ感で、輝きのある⾳⾊が 得られます。デメリットは「それなりに⼒が要る」ことです。 <主要メーカー> ■D'Adario(アメリカ) L M L M L M 世界的に有名な⽼舗弦メーカーのダダリオ。クラシックギター弦は「プロ H アルテ」のブランド名で親しまれている。種類が豊富で、精度の良さが特 徴。不良弦が少なく⾳程も⽐較的安定している。⾳⾊は柔らかめでウッデ ィなトーン。特別際⽴った⻑所はないものの、⾮常に使いやすい弦です。 ■AUGUSTINE(アメリカ) ナイロン弦の先駆者(アンドレス・セゴビアとの共同開発)。テンション H 別に⿊(ライト)、⾚(ノーマル)、紫、⻘(ハード)のパッケージに分か れている。ただし、若⼲不良弦がみられることがあります。 ■HANNABACH(ドイツ) 弦専⾨メーカーで全体的に安定感があり良く鳴る弦である。 「ハナバッハ」 は、テンションのバリエーションが⾮常に豊富で、素材や製法などにもこ H だわりぬいた弦を多く製作している。少し⾼価だが、バッハやバロックの 演奏に向いている。⾳⾊的には、ダダリオを少し明るくしたイメージ。 ■SAVAREZ(フランス) 斬新なアイディアから優れた弦を開発していて、「フロロカーボン」を使 ⽤した「アリアンス」という⾼⾳弦は⾮常に⻭切れが良く、安定したピッ チが特徴。固めの⾳質で、よく弦鳴りをしてくれるので元気な曲に向いて いる。 ★第4、5、6弦の構造 極細のナイロンフロスと⾔う繊維 (フィラメント) を撚って、その 上に、銀メッキした銅線を巻いた 構造をしている。 2015.08 ■クラッシックギターの弦⾼についての⼀⼝メモ ・ギターの演奏性に関わる問題で気になるのは弦⾼です(もっとも、 弦⾼のみで全てが決まってしまう訳ではなくあくまで⼀部なので すが) 。 ・通常弦⾼を計るときには 12 フレットの天頂から「弦の下⾯」までの 隙間の距離で、指板からではありません。 ・弦⾼を上げると弦のテンションが上がり⾳量は増⼤しますが、弾きにくくなります。逆に弦 ⾼を低くすれば弾き易くなり(特に左⼿の押弦)ますが、ビリツキやすくもなります。 弦 ・標準的な弦⾼は 1 弦 12 フレット上で 3 ミリ、6 弦 12 フレット 上は 4〜4.3 ミリ位です。6 弦側は 4mm 以下になるとビリツキ フレットの頂上 易くなりますので注意してください。 ★ということで、愛器の弦⾼を測ってみようと物差しをあてたものの、どうもうまくないとい うあなた! 実は⼿軽でうまい⽅法があるのです!! 1 円、5 円、10 円、50 円、100 円、500 円硬貨を⽤意してください。あとはこれらの硬貨 の組み合わせることで、かなりの精度で弦⾼を測ることができます。是⾮、試してみられて はいかがでしょうか。 硬貨とその組合わせ 1円 弦⾼ 1円 1.2 ㎜ 10 円 1.5 ㎜ 100 円 100 円 1.7 ㎜ 500 円 500 円 2.0 ㎜ 2円 2.4 ㎜ 11 円 2.7 ㎜ 1 円+100 円 101 円 2.9 ㎜ 10 円+10 円 20 円 3.0 ㎜ 1 円+500 円 501 円 3.2 ㎜ 100 円+100 円 200 円 3.4 ㎜ 10 円+500 円 510 円 3.5 ㎜ 1 円+1 円+1 円 3円 3.6 ㎜ 100 円+500 円 600 円 3.7 ㎜ 12 円 3.9 ㎜ 1000 円 4.0 ㎜ 1 円+1 円+100 円 102 円 4.1 ㎜ 1 円+1 円+500 円 502 円 4.4 ㎜ 1 円+10 円+500 円 511 円 4.7 ㎜ 硬貨 厚み 1 円硬貨 1.2mm 5 円硬貨 1.5mm 10 円硬貨 1.5mm 1 円+1 円 50 円硬貨 1.7mm 1 円+10 円 100 円硬貨 1.7mm 500 円硬貨 2.0mm 10 円 1 円+1 円+10 円 500 円+500 円 http://daion.client.jp/index.htm よりデータを借⽤しました。 合計 2015.08
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