教育研究所だより 受講者感想より ○自己開示している 子どもたちの具体的 な姿が分かった。こ こに行きつくまでの 菊 池 先 生 の“仕 掛 け”を 知 り た か っ た。 ○集団が変われば個 は変わる。印象的で し た。子 ど も が 変 わっていったことは 映像からわかりまし たが、もう少し具体 的な取組方法、苦労 された話を聞きた かったです。 ○動画で子どもたち のほめ言葉の“語彙 力”に驚きました。 活 動 の 啓 発 ニ ュ ー ス № 6 1 平成27年(2015年)10月26日 明 石 市 教 育 研 究 所 第2回教育課題特別講座 教育実践研究家 菊池省三先生を 講師に迎え、「ほめ言葉のシャワーが子どもを変える」と題してご講演い ただきました。「ほめることの大切さを改めて実感しました。」「担任が 環境をきちんと整えてやることで『子どもたちの大きな成長』を促すこと が分かった」等、菊池先生の実践に対するの感嘆の声の中に、「ここに行 きつくまでの“仕掛け”を知りたい」「具体的な取組方法は?」というも のがありました。菊池先生の著書「コミュニケーション力あふれる『菊池学級』のつくり方」 に、その答えがありました。その一部を紹介させていただきます。 平成24年度 4月に出会った子どもたちは、人間関係をうまく作れないでいました。素直に自分を表現することができ ず、そんな自分を守るために相手を攻撃して傷つけ合っていました。そこには、子どもらしい無邪気さはあり ませんでした。「学級崩壊」に近い形で始業式を迎え、6年1組がスタートしました。今までを「リセット」しよう と話しました。成長する「Aの道」を進もうと全員に約束させました。1日目に「成長ノート」を渡しました。(中 略)「正しい叱られ方」を教え、厳しく叱ることもありました。(後略) 「コミュニケーション力あふれる『菊池学級』のつくり方」菊池省三 中村堂 より (以下「本書」) 「ほめて育てる」は「叱らない」ということではない 「価値語」を教える 子どもたちの考え方や行為をプラスの方向に導く「価値語」を、朝の時間に指導することがあります。時に は、厳しい言葉で指導することもあります。ほめることが指導の中心ですが、子どもたちの間違いや過ちに対して、厳しく叱ることも あるということです。(後略) (本書P57より) 資料 教師の子どもへの言葉かけ(抜粋) ○当たり前のことを当たり前にするのです ○心の芯をビシッとしなさい ○その行為・言葉の周り への影響を考えなさい ○あいさつ・そうじもできないで他になにができるのですか ○ダメだから やり直しと言っているのです ○「今」するのです。「次」はありません ○やる気ある? 言葉を大切にする教師 “毎朝の短い時間ですが、教師が「言葉を大切にしている」ということを子どもたちに伝え続けることが 大切だと思います。その思いは必ず子どもたちに伝わると思います。もちろんすぐには変化は見られま せんが、豊かな言葉を身につけた子どもたちは、確実に成長します。それを信じて子どもたちの前に立 ちたいと思っています。” (本書P60より) 対話のあふれる授業でコミュニケーション能力を高める ペア学習 =よりよい話し方聞き方を教師が教え、実際にやらせる。繰り返すことで子どもたちの人間関係もよくなる。 グループ学習=協力することのよさを体験させる。それを実感した子どもたちは進んで自分の考えを表現しようとする。 ディベート学習=話し合いの技術が高まります。「自分の発言に責任を持つ」「相手の意見を尊重する」気 持ちが高まる。 自由対話 =考え続ける楽しさやすばらしさを実感できる。多様な考えにふれ、ものを考え続ける力がつき ます。 (本書「第3章」より) 「書き合う・読み合う」指導で価値ある言葉を増やす 「書く」という作業を通すことで自分が何を言いたいか内省することができるようになる。「書くことは自己を見つめること、そうすれ ば相手との関係も考えることが出来る」読書指導、辞書指導は「価値ある言葉を増やすこと」自分の心の内面を豊かに表現す ることにもつながる。 「成長ノート」で教師と一緒に確かな成長をする。「価値語」を記録し、自分の率直な考 えや気持ちを書く。授業の感想、一日の感想を書きとめておく。 「いつでも読書」いつでも本のある生活をさせる。年間100冊を目指す。 今回紹介した書籍以外に、 「いつでも辞書引き」価値語が行動とつながりながら増えていきます。 菊池先生の「ほめ言葉の ポイント1 辞書は手元に置いておき、制限時間以内に引かせる。 シャワーシリーズ1~3」も教 育研究所に置いています。 ポイント2 子どもの会話や、発表した言葉から引かせる。 ポイント3 四字熟語や慣用句を、生活と結びつけて引かせる。 ポイント4 ゲームを通して辞書に慣れさせる。 (本書「第4章」より)
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