1 苫小牧市に幼稚園を創業して以来、24年間にわたり幼児教育や保育等

正社員登用 正
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用 処 遇 改 善 人 材 育 成 キャリアア
様 な 正 社 員 )
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学校法人沼ノ端学園
事例 22
非正社員の人材を育成して正社員転換するほか、短時間正社員制度を
導入して多様な働き方を実現。
業種
本社所在地
正社員数
(平成 27 年 11 月 1 日現
在)
非正規雇用労働者数
(平成 27 年 11 月 1 日現
在)
非正規雇用労働者の主
な仕事内容
取組のポイント
教育、学習支援業
北海道
フルタイム正職員: 3
1名(男性 1名、女性 3
0名)
短時間正職員: 3名(女性 3名)
契約職員1: 6名(男性 5名、女性 1名)
パート職員2: 3
5名(男性 2名、女性 3
3名)
保育士、幼稚園教諭(学年補助)、養護教諭、ドライバー、用務、
清掃
▪非正規職員に現場経験を積ませて正職員に転換
⇒実践を通して育成し、優秀な人材を確保
▪短時間正職員制度を導入
⇒多様な働き方が可能に
苫小牧市に幼稚園を創業して以来、24年間にわたり幼児教育や保育等教育分野
で、地域とともに発展してきた。地域経済の発展とともに事業を拡大し、現在は
2つの幼稚園と預かり保育、未就園児の保育施設を運営しており、両園合わせて
500名以上の園児を預かっている。
平成 29年には幼保連携型認定こども園を開設予定である。
正職員と契約職員・パート職員を合わせて、新卒を年間 3名程度、経験者を年
間5
~6名程度中途採用しているが、
その多くは育児が一段落した有資格の経験者
で、契約職員・パート職員として採用しており、また、障害児の受け入れも行っ
1
契約期間 1年間。7
:4
5
~15
:4
5のフルタイム勤務。時給制。賞与なし。
契約期間 1年間。短時間勤務で、幼稚園における学年補助は 8:
30
~1
4:
00
、預かり保育は幼稚園
で過ごす前後 7
:0
0
~1
7
:3
0
。時給制。賞与なし。
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ているため、養護教諭や看護師の有資格者についても採用を行っている。
これまでのところ、必要な人員は確保できているが、新卒については優秀な人
材の確保が難しくなってきていることや、幼稚園教諭については、採用後に即戦
力として活躍できる者ばかりではないことからも、正職員の内部登用の必要性を
感じているところ。
1.取組の内容
◆現場で経験を積んだ非正規職員の正職員転換を進め、責任範囲を拡大
【優秀な人材確保のために、正職員転換を制度化】
従来から、職務に関わらず契約職員・パート職員を正職員に転換してきたが、
優秀な職員が長く働きやすい環境を整え、離職防止と人材定着を企図し、平成 2
7
年度に正職員転換制度を導入した。
正職員転換制度については、年 2回の面接を通じて説明するほか、採用時にも
説明することとしており、優秀な職員に対しては、早めに正職員転換について打
診することも心がけている。
【1年以上の勤務経験と複数の要件を満たせば、正職員転換が可能】
正職員への転換試験を年 1回実施している。
応募要件は、①同法人での勤務経験 1年以上、②上長(施設長等)推薦、③フ
ルタイム正職員又は短時間正職員としての勤務が可能、④同法人が運営する施設
へ異動可能、の 4つである。
毎年 11月に本人が上長経由で申請し、12月に園長及び事務長との面接を行い、
合否を決める。応募に当たって現場の実績に応じた上長の推薦を要件としている
ため、これまでのところ不合格者はいない。
2015年 4月付けでは、事務職員、未就園児保育の責任者、預かり保育・学年補
助担当者 3名が正職員に転換し、未就園児保育の責任者については、業務上の責
任が大きい役職であるため、パート職員のまま継続勤務させることは適切ではな
いと判断し、
正職員に転換させることにより業務上の責任とのバランスを取った。
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また、転換した幼稚園教諭は、補助的な役割からクラス担任となり、新年度から
は、より責任の大きい業務に就いている。
なお、正職員に転換すると、賃金が時給制から月給制になり、賞与も月給の 4.
2
か月分+62,
000円を 3回に分けて支給する。
◆短時間勤務正職員制度や子どもの預かり制度により、働き続けやすい職場をつ
くる
【短時間勤務正職員制度を導入することで、離職者低減を目指す】
正職員・非正規職員問わず、結婚に伴う転居や介護等を理由に、毎年 10名程度
が離職している。そこで、柔軟な勤務体系を用意することにより、ライフステー
ジの変化に伴う職員の離職を低減させることを企図して、
平成 27年 4月に短時間
勤務正職員制度を導入した。
フルタイムの正職員は 1日 8時間勤務であるのに対し、短時間勤務正職員は、
始まりと終わりの 3
0分ずつを短縮し(朝又は夕方 1時間の短縮も可能)
、7時間勤
務とした。月給額は、フルタイム勤務の給与額に 7/8を掛けて算出している。
【雇用形態を問わず、職員の子どもを預かる制度】
正職員が育児休業から復職する際や、正職員が退職後に契約職員又はパート職
員として復帰する場合、同法人の施設に子どもを預けることができる。これは、
職場復帰に子どもの預け先の確保は大きな問題であるため、職員からは自身の勤
めている施設に預けることができるので、安心して仕事に取り組むことができる
魅力のある制度だと受け入れられており、今後も雇用形態に関わらず多くの職員
が活用すると予想している。
◆面接やキャリアプランの提示により業務への意欲を喚起
【年 2回の面接を実施して、日頃の働きを振り返る】
雇用形態に関わらず、年 2回園長と副園長とが面接を実施している。評価表は
用いず、面接で日頃の働きを振り返り、良い点と改善点を伝えている。
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幼稚園教諭や保育士の業務範囲は多岐にわたり、成果を数値化することが難し
いため評価表は設けていないが、日頃の働きと面接の結果から適切な部署に配置
している。
【キャリアプランの提示で職員の積極的な業務姿勢を喚起】
評価表等は設けていないものの、キャリアプランを示して職員に将来的な働き
方を提示して、
業務に対する積極性を喚起するための仕組みとしている。
例えば、
能力を身につけて正職員転換して責任範囲を広げていく中で、どのような役職や
役割を担ってもらいたいかを示している。
キャリアプランの提示(例)
学年
補助
クラス
担任
学年チ
ーフ
主任
非正規雇用
副園長
園長
保育施設の役職
統括
(名称
未定)
新設予定
◆全体の研修で認識の共有を図るとともに、個別の資格取得も積極的に支援
【毎週水曜日は研修時間として、各種研修を実施】
幼稚園が半日保育となる水曜日の午後を研修時間と設定し、契約職員・パート
職員にも、業務扱いで私立幼稚園協会等、内外の研修に参加させている。このほ
かにも年 2回、園長がテーマを決めて園内研修を実施しており、雇用形態に関わ
らず全職員が参加しているが、最近の実績としては、外部講師を招き、危機管理
の勉強会を実施した。
また新卒採用者と正職員転換者は、夏休み中の 3
~5日を利用して、私立幼稚園
協会主催の初任者研修に参加させている。
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【子どもたちの安全のための研修に全職員が参加】
子どもたちの安全を守るため、救命研修に力を入れている。年 1回、消防署や
警備会社から講師を招き、心臓マッサージや A
EDの使い方等に関する救急救命の
講義を実施している。このほか、
雷や自然災害に関する理解を深める機会も設け、
送迎ドライバーを含めた全職員を参加させている。
またドライバーには、園周辺の除雪を行えるように自動車学校主催の外部研修
を受講させ、作業免許を取得させた。
【業務範囲拡大、キャリアアップのため資格取得をサポート】
近年は幼稚園教諭と保育士の両方の免許を取得して入職する者が多いが、ベテ
ランの契約職員・パート職員は両方の資格を有する者は多くない。そこで、幼稚
園教諭の有資格者が保育士の免許を取った際は、法人が資格取得を助成した。今
後は人材の育成に関わる公的な補助金の活用等により、職員の更なるキャリアア
ップにつなげていきたいと考えている。
◆賃金水準の引き上げへの取組
業界として幼児期の教育・保育を担う人材の賃金水準が低いという長年の課題
を抱えているが、現在は初任給の見直しを進めるとともに、徐々に賃金を引き上
げる待遇改善計画を検討しており、既に全パート職員について時給を 30
~1
00円
上げるなど処遇改善の取組を行っている。また、職員が病気等により長期休業を
余儀なくされた際に、クラス担任を代行した場合など、急な任命に快く応じた職
員には、雇用形態に関わらず「特別手当」を支給しており、優秀な職員の業務意
欲向上と人材確保のためにも、賞与とバランスをとりながら今後も処遇を改善し
ていきたい。
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2.効果と課題、今後の運用方針
◆優秀な人材を定着させ、経営幹部を目指せるような職場作りに尽力
幼稚園教諭や保育士は、
ライフステージの変化により離職するケースが多いが、
正職員転換制度や短時間勤務制度を導入することで、多様な働き方が可能な職場
環境を提供し、優秀な職員の定着につなげたいと考えている。
同時に、経営の視点を持つ職員を育てていくことも重要だと考えている。学年
チーフから園長までのキャリアは幼児教育の分野であるが、園長から先は経営的
視点が求められる。園の将来や地域の未来像を見据えて、事業としての幼児教育
施設運営を考える必要がある。
職員には、園長の立場で満足せず、経営者を目指して視野を広く持ち、意欲的
に勉強を続けてほしいと考えており、そのための職員教育にも力を入れていきた
い所存である。
3.活躍する従業員の声
年代
勤続年数
キャリアアップの
過程
20 代
性別
女性
2 年 8 か月
短大で保育を専攻し、契約職員として平成 25 年 4 月に
入職。学年補助や預かり保育で経験を積んだ上で、平
成 26 年 4 月付けで正職員に転換し、クラス担任として、
年少児約 20 名を担当。
海津未伎氏
◆学年補助や預かり保育の業務を通じて経験を積み、正職員に転換
短大で保育を専攻し、契約職員として平成 2
5年 4月に入職した。幼稚園にお
ける学年補助と登園前・降園後の預かり保育で経験を積み、平成 25年 10月に上
司から推薦を受けて 11月に正職員転換試験を受験、平成 26年 4月に正職員に転
換した。現在は幼稚園教諭として、年少クラスを担当している。
契約職員だった 1年間に、学年補助として幼稚園で担任教諭をサポートしなが
ら教諭の仕事を学び、預かり保育施設で登園前後の子どもの世話をしながら子ど
もや保護者についての理解を深めた。実践経験を積むうちに自信もつき、生涯の
仕事として頑張りたいと考えるようになったところに正職員への転換の機会を得
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務 勤 務 地 勤務時 間
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ることができ、嬉しさを感じた。
担任となった現在は、園児一人ひとりの成長や個性に応じて指導する必要があ
るため、困った時は先輩教諭やベテランの学年補助が指導や助言をしてくれる。
保護者とのコミュニケーションも重要で、幼稚園での様子を伝えたり、怪我につ
いて状況を説明したりと責任ある対応を求められている。クラスには障害を抱え
る園児もおり、看護師や養護教諭免許を持つ教諭の指導も受けながら、自身のス
キル向上も図っている。重責でプレッシャーもあるが、正職員に転換したことで
大きなやりがいを感じている。
◆雇用が安定したことで仕事に集中できる環境を得て、技能向上とキャリアアッ
プに邁進
正職員に転換したことで、雇用不安がなくなり、現在の業務に集中して取り組
めるようになった。今後については、ライフプランが具体的になっておらず、キ
ャリアプランまで考えが及ばないが、指導の難易度が高い年長児の担任となるこ
とを目指している。仕事へのやりがいを強く感じており、10年後も働き続けてい
たいと考えている。
後輩や若手の指導をする機会も出てくると思うが、自分が先輩等からもらった
アドバイスや助言を伝えていきたい。
契約職員・パート職員で入職する後輩にも、
自分の経験を踏まえてアドバイスしたいと考えている。
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