1 Cefic / VCI の混合物の安全使用情報に関する REACH 実務ガイド

Cefic / VCI の混合物の安全使用情報に関する REACH 実務ガイド－LCID 手法の公表
2016 年 3 月 18 日
2016 年 3 月 15 日に Cefic (欧州化学工業連盟) / VCI (ドイツ化学工業会)の混合物タスクフォー
スは REACH の下における混合物のための安全使用情報に関する REACH 実務ガイダンス－
LCID 手法(Lead Component Identification Methodology)の概説を Cefic website から公表した。1)
LCID 手法は所管当局と産業界の共同 CSR/ES ロードマップ(混合物に関するロードマップアク
ション 4.4A) 2) の下に、Cefic と VCI の代表から構成されるタスクフォースによって開発された
ものである。分野別産業界によって開発された SUMI(Safe Use of Mixture Information)がボトムア
ップ(bottom-up)アプローチ」と呼ばれるのに対して、本法は「トップダウン(top-down)アプロー
チ」とも呼ばれる。「ボトムアップ」は出発点として混合物の使用に関する情報に基づく一方、
「トップダウンアプローチ」の出発点は、ばく露により寄与するように思える混合物を構成する
物質に関する情報に基づく手法である。これまでの ENES(ばく露シナリオに関する交換ネットワ
ーク)の会議の場でこれらの手法の考え方や ENES 参加者に配布されたその試作版の評価結果等
が報告されてきた。3)
LCID 手法の原理は「混合物中の大部分の有害性物質に対してリスクが管理されれば、その結
果、その混合物中のその他の物質に起因するリスクも管理される可能性が高い。」との考えに基
づくものであり、上記の SUMI が適用できないケースに適用されるものと位置づけられている。
そのステップは以下のような流になる：
混合物の構成成分のばく露シナリオの編纂 → 混合物の CLP ハザード分類を操作する成分の
特定 → 優先物質及び先導成分、ばく露経路毎の局所効果の特定 → 同定化に基づく OC 及
び RMM の統合化 → SDS への添付又は SDS への埋め込み
過去に Cefic は混合物のばく露シナリオを作成するための手法として、やはり先導物質を特定す
る DPD+ methodology を検討したことがある。これは DPD(危険調剤指令 1999/45/EC)に基づくも
のであったが、LCID は CLP 規則の有害性分類に基づくものである。
この実務ガイドにおいて、第 1～6 章は調剤者が自分の混合物のための安全使用情報を導きだ
すために必要とする REACH の下での義務やタスク、SDS に安全使用情報を含める選択種等が
解説されており、第 7 章には先導物質の特定のし方及びすべてのステップの詳細なフロー図及び
説明、なされるべき配慮と計算が含まれている。本法が実際に適用できる仕方を説明するための
実例が附属書Ⅲに記載されており、附属書Ⅳはこのアプローチで取られた決定に対する技術的根
拠が記載されている。
参考文献
1) REACH Practical Guide on Safe Use Information for Mixtures under REACH
The Lead Component Identification (LCID) Methodology Final version 6.1 – 25 February 2016
<http://www.cefic.org/Industry-support/Implementing-reach/Guidances-and-Tools1/>
1
2) Chemical safety report/Exposure scenario roadmap
Action area 4: Support to formulators
<http://echa.europa.eu/web/guest/csr-es-roadmap/action-area-4>
3) 過去の ENES 会議における Cefic/VCI LCId methodology のプレゼン資料
Presentation at ENES 9
<http://echa.europa.eu/documents/10162/21978227/enes9_d_1_cefic_vci_lcid_preliminary_results_en.p
df>
Presentation at ENES 8
<http://echa.europa.eu/documents/10162/21878363/enes_8_cefic_lcid_methodology_en.pdf>
Presentation at ENES 7
<http://echa.europa.eu/documents/10162/21771098/3_1_cefic_en.pdf>
以上
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