モバイルサービスTFの検討状況

資料 サWG2-3
モバイルサービスTFの検討状況
平成28年3月15日
モバイルサービスTF 開催状況
第1回(平成28年2月1日)
○ モバイルサービスTF運営方針、今後の進め方の確認等
○ 第5世代移動通信システム(5G)と高度道路交通システム(ITS)の現状と国際動向の共有
○ 5G・ITSのサービスイメージや推進にあたっての課題・実施方策等について議論
第2回(平成28年2月22日)
○ 構成員等からの発表
・世界一のIoT社会へ向けての5G/ITSの取組(藤原構成員)
・5Gの用途想定の課題と用途創出に向けた提案(島田構成員)
・5G及びITSに期待する社会変革と必要な施策(行武構成員)
・5Gに関するエリクソンの取組と課題(エリクソン・ジャパン株式会社 CTO 藤岡 雅宣)
第3回(平成28年3月1日) ※非公開
○ 構成員からの発表
・5Gにより実現される新たな情報社会像(木谷構成員)
・5Gの実現に向けて(宇佐見構成員)
・5G早期実現に向けて(栄藤構成員)
・本格的なIoT時代における5Gネットワーク(丹波構成員)
・自動運転社会における通信の活用と課題(谷口構成員)
○ モバイルサービスTF論点整理(素案)について
1
電波政策2020懇談会
サービスワーキンググループ
モバイルサービスタスクフォースの開催
サービスワーキンググループ
第1回会合(1/27) 配布資料
2
役割
将来的に大きな市場の成長・発展が期待される第5世代移動通信システム(5G)及び自動走行システム
をはじめとする高度道路交通システム(ITS)の実現に向けて解決すべき課題や解決方法、また、国際競争
力のある有望ビジネスに育てるための方策等について検討を行い、サービスワーキンググループに報告する。
検討課題
(1) 5G・ ITSにより創出されるサービスやビジネス、新たな社会のイメージ
(2) 超高速、低遅延、多数接続といった特徴を有する5Gの実現に向けて解決すべき課題や解決方法
(3) 安全で快適な自動運転を支援する電波利用システムの在り方
(4)
その他
想定スケジュール
平成28年2月1日に第1回会合を開催し、本年5月頃までに取りまとめ
構成員
主査
森川 博之
岩浪 剛太
宇佐見 正士
栄藤 稔
河合 俊明
木谷 強
黒田 徹
眞田 幸俊
東京大学先端科学技術研究センター教授
株式会社インフォシティ代表取締役
KDDI株式会社技術開発本部長
株式会社NTTドコモイノベーション総括部長
株式会社TBSテレビ常務取締役(民放)
株式会社NTTデータ技術革新統括本部長
日本放送協会放送技術研究所長
慶應義塾大学理工学部電子工学科教授
三瓶 政一
大阪大学大学院工学研究科
電気電子情報工学専攻教授
島田 啓一郎
関根 久幸
谷口 覚
丹波 廣寅
橋本 和弥
林 俊樹
藤原 洋
行武 剛
ソニー株式会社業務執行役員SVP
富士通株式会社ネットワークソリューション事業本部長
株式会社トヨタIT開発センター代表取締役社長
ソフトバンク株式会社サービスプラットフォーム戦略・開発本部長
日本電気株式会社テレコムキャリアビジネスユニット理事
株式会社ゲオネットワークス代表取締役
株式会社ブロードバンドタワー代表取締役
パナソニック株式会社AVCネットワークス社
イノベーションセンター技術総括
(敬称略 主査を除き50音順)
3
【5G、ITSに関する現状認識、取組状況等】
第5世代移動通信システム(5G)について
4
● 第5世代移動通信システム(5G)は、増加し続ける移動通信トラヒックの増加等に対応するため、
世界各国で研究開発等が行われている次世代の移動通信システム
● 5Gの主な機能
「超高速」
最高伝送速度 10Gbps (現行LTEの100倍)
「超低遅延」
1ミリ秒程度の遅延 (現行LTEの1/10)
「多数同時接続」 100万台/km²の接続機器数 (現行LTEの100倍)
● 5Gは、「超高速+IoTの基盤技術」として大きな市場を創出することが期待
超高速
⇒最大10Gbps
自動運転
5Gの
例:4K/8Kなど高精細映
像も超高速に伝送
主な要求条件
例:狭いエリアでの同時多数接
多数同時接続
続、スマートメーター、インフラ
⇒100万台/km²接続数
維持管理(多数接続、低消費
電力なIoT)
膨大な数の
センサー・端末
超低遅延
5Gの特徴
⇒1ミリ秒程度
例:自動運転、遠隔ロボット操作
(リアルタイム操作、ミッションクリ
ティカルなIoT)
出展:日経コミュニケーションズ 2015/4月号
第5世代移動通信システム(5G)の現状と動向
現状認識
<国内>
●産学官で連携して5Gに取り組むため「第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)」を設立(H26年9月)
●2015年度より、産学官連携による「第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発」を実施
●2017年より、産学官連携による「5Gシステム総合実証試験」を予定
<海外等>
●欧州ではHorizon2020を通じ、5G関連研究開発プロジェクトに約7億ユーロを投資するとともに、利活用
5分野(①自動車、②工場・製造、③エネルギー、④医療・健康、⑤メディア・エンターテイメント)との連携を強化
●外国の通信機器メーカやチップベンダは、各国の携帯事業者等と連携しながら研究開発、実証等を
戦略的に実施
・【米】2016年にベライゾンがパートナー企業と連携し、5G実証を予定
・【韓】2018年の平昌オリンピック(韓国)において、KT、SKテレコム、サムスン等を中心に5G実証を予定
<国際機関等>
●ITUでは、無線インタフェースの公募等を経て、2020年までに5Gに関する勧告を策定予定
●3GPPでは、フェーズ1(2018年)、フェーズ2(2019年)の2段階で5Gを標準化予定
主な課題
●どの利活用分野に重点化していくか。具体的なプロジェクト(推進モデル)が必要ではないか。
●利活用業界(バーティカル)を巻き込む仕掛けをどのようにつくっていくか。
●早期実現に向けた総合実証試験をどのように進めていくべきか
●5Gの電波利用ニーズにどのように対応するか
●我が国の企業等の国際競争力をどのように向上させていくか
5
ITS(高度道路交通システム)の高度化に向けた取組及び課題
光ビーコン
電波ビーコン
6
■光ビーコン、電波ビーコン、FM
多重放送により渋滞情報等を配
信するVICSは平成8年からサー
ビス開始し、平成27年12月末
時点で累計約4900万台普及。
FM多重
VICS(道路交通情報通信システム)
ETC(電子料金収受システム)
■5.8GHz帯DSRCにより有料道路
の料金決済を自動で行うETCは
平成13年からサービスを開始し、
平成28年2月末時点で累計約
7200万台普及。
高度化
ピピピッ
動的情報
紐付け
電波レーダー
衝突被害軽減ブレーキ
静的情報
基盤
ダイナミックマップ
車車間・路車間通信
自動走行システム
■センサー類を用いた自動ブレー
キシステムやレーダークルーズコ
ントロール、また、車車間・路車
間通信を用いた安全運転支援シ
ステムが既に実用化。
■センサー類による周囲の状況検
知や、車車間・路車間通信による
見通し外の周辺状況検知と協調
型の運転支援、また、ダイナミッ
クマップによる正確な自車位置の
認知などを組み合わせ、自動走
行の早期実現を促進。
ITS(高度道路交通システム)の現状と動向
7
現状認識
<国内>
●産学官で連携して自動走行の実現に取り組むため、2014年度、内閣府に創設された「戦略的イノベー
ション創造プログラム」(SIP)の課題の一つに「自動走行システム」が選定
●2015年度にIT戦略本部により決定された「官民ITS構想・ロードマップ2015」に基づき、産学官で連携
して施策・開発等を推進
<海外等>
●世界の先進各国が、イノベーションの源泉として、自動走行の実現に積極的に取り組んでいるところ。
●欧州委員会はHorizon2020を通じて2016-2017年度には自動走行関連プロジェクトに約1億ユーロを投資
し、インフラの整備、公道での実証実験、受容性の評価などの実用化を想定したプロジェクトを実施。
●米国連邦運輸省は2015-2019 ITS Strategic Planに基づき、安全性やモビリティシステムの効率化といっ
た戦略テーマと実行プログラムを実施。また、同プランのもと、ミシガン州にて交通管制システム、高精度
デジタル地図などのITS研究基盤(M-City)を整備し、産学官で連携して実証実験を実施。
●他方で、自動走行社会における電波利用面からの検討は、必ずしも十分とは言えない状況。
<国際機関等>
●ITUや国連等の場において、自動走行に関する技術面、制度面からの検討が進んでいるところ。
主な課題
●自動走行に向けた電波ニーズにどのように応えていくか
●安心安全な自動走行社会をどのように実現していくか
●協調領域における関係者との連携をどのように強化していくか
●自動走行社会における情報通信ビジネスをどのように盛り上げていくか
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参考1
全てが繋がる未来社会
Security & Surveillance
Energy Consumption
Smart Phone Tablet & PC
第1回モバイルサービスT F 資料
株式会社インフォシティ 岩浪剛太
Fashion &
Wearable Device
Telemedicine & Healthcare
Agriculture Fishery & Forestry
Autonomous Car & Smart Highway
5G Mobile
Communication
Education & Culture
Smart Homes & Everyday Things
Sports &
Leisure
Logistics & Supply Chain
Person & Pet Monitoring
Smart City & Building
Management
M2M & Sensor
Network
Smart Factory & Office
Robot & Drone
Game & Entertainment
Smart Shopping & Digital Money
Copyright (C) 2016 INFOCITY, Inc. All Rights Reserved.
第1回モバイルサービスTF岩浪構成員資料
参考2
5Gの利活用分野(欧州での検討)
例えば欧州において、①自動車、②工場・製造、③エネルギー、④医療・健康、⑤メディア・
エンターテイメント を重点的な利活用分野として想定。
EU-Japan Symposium on 5G (2016年2月8日~10日) 5GPPP(欧州の団体)プレゼン資料より
9
10
【今後の検討の方向性等】
モバイルサービスTFにおける今後の検討の方向性
11
1. 5G、ITS/自動走行に関する取組の現状と動向
・各サービスの現状と動向
・国内外における取組の状況
・標準化機関等における取組の状況 等
2. 5G、ITS/自動走行で実現する社会像、サービスイメージ
・目指すべき社会像
・期待される経済効果、 新たなサービス・利活用イメージ 等
3. 解決すべき課題
・産業構造の変化への対応
・我が国の国際競争力の強化
等
4. モバイルサービスの成長を実現するための具体的方策
・推進モデル(プロジェクト)の明確化
・研究開発、標準化、総合的な技術実証実験等の推進方策
・社会実装に向けた環境整備
・ロードマップの策定 等
5. 5G、ITS/自動走行のための周波数確保の方策
今後のTFでは、
特に、「2」や「4」について、
具体論を深掘り予定
【参考資料】
13
第1回モバイルサービスTF関根構成員資料
14
事前想定用途と普及後の用途のギャップ
1980
1990
2000
2010
2020
5G
事前想定
IoT・M2M・ITS・4K/8K
普及後
ここが課題
4G
事前想定(3.9G-4G)
ビデオ鑑賞・CGM・VoLTE
3G
3.5G
普及後(3.9G-4G)
LINE・各種SNS・YouTube
・ニコ動・ソーシャルゲーム
3.9G
事前想定
テレビ電話・モバイルサービス
・ビデオ鑑賞・ゲーム・音楽配信
普及後
写メ・ブログ
・後半はゲーム・ツイッター
・Facebook・YouTube・Web
2G
事前想定
業務通話・生活通話
1G
事前想定
業務通話
第2回モバイルサービスTF島田構成員資料
普及後
普及後
業務通話・生活通話
・テキストメール
業務通話
Keiichiro Shimada, Sony Corporation, 19 Feb. 2016
13
15
5Gの用途提案・確認はユーザーとコ・クリエーションで!
第2回モバイルサービスTF島田構成員資料
Keiichiro Shimada, Sony Corporation, 19 Feb. 2016
16
16
5G時代における産業構造の変化への対応
✓ 5Gの時代には、スマートフォンといった従来型の端末をベースとしたビジネスだけでなく、
IoTや自動車、産業機器、スマートメータといった新しい分野の市場創出が期待。
✓ 幅広い産業界とのパートナーシップを検討し、5Gによる収益構造の変化への対応が必要。
収益性高
これまでは、
この領域で
ビジネス展開
今後はこの領域でビジネス
パートナー作りを含めて
「5Gビジネス戦略」を
たてることが必要
スマート
フォン/
タブレット
端末
自動車
分野
収益性低
産業機器 ホーム
分野
セキュリティ
分野
接続数小
スマート
その他、
メータ分野 IoT分野
接続数大
4Gの主な
対象領域
5Gで新たに加わる対象領域
出展:日経コミュニケーションズ 2015/4月号
17
5Gシステム総合実証試験
✓ 産学官の連携により、ワイヤレス、ネットワーク、アプリを連携させた総合的な実証試験を2017年度より
東京(東京オリンピック・パラリンピック競技大会を意識)及び地方都市で実施
✓ 5G研究開発プロジェクトの成果を適用させるとともに、世界中の企業や大学など関係者が参加できる
オープンな環境を構築し、 5Gの研究開発や標準化活動を推進
5G商用サービス開始
ユーザニーズの調査、
アプリケーション・サービスの検討
総合実証試験
サービス・機能検証
~無線+ネット+アプリ~
新規分野での様々な5Gアプリケーション
総合実証試験
実証イメージ
詳細検討
(場所、周波数、
予算、参加団体・
企業募集、etc.)
FY2015
2016
無線+ネットワーク連携
試験
環境
○ ITS、医療・健康・美容・高齢者支援、
セキュリティ・レジリエンス、サイネージ、
エネルギー、農業、教育関係など
○ 東京オリンピック・パラリンピック競技大会
を想定したアプリケーション
総合実証試験
構築
基本技術
2017
2018
東京オリンピック・
パラリンピック競技大会
ラグビー
ワールドカップ
2019
2020
2021
2022
提言1
(5G) 高速・大容量通信実現に向けて
2 /10
サービス
想定
教育現場
大型会議場
公共エリアのみならず、プライベート空間での
早期利用拡大のために、ソリューション展開
しやすい事業環境整備が必要
主要
課題
必要
施策
高速・大容量
通信の実現
・高速スモールセルを活用した多様なサービス形態の収容
・会議場・オフィス・工場等のプライベート空間での活用拡大
利用可能周波数
の割当拡大
① 経済活性化に繋がる社会政策としての電波利用拡大
② 国際協調のもとでのグローバル周波数割当て調整
周波数利用率拡大
周波数利活用の
活性化・多様化
第2回モバイルサービスTF行武構成員資料
③ 新規割当て周波数帯における共用周波数の確保
④ 様々な事業者の周波数利用拡大に繋がる許認可制整備
18
提言2
(5G) 映像サービス利用拡大に向けて
サービス
想定
5G網
ローカル
クラウド
映像系サービスの
高度化
トラフィック増大
3 /10
遠隔医療
遠隔監視
動画視聴
ドローン 360°全周映像
監視カメラ映像確認
主要
課題
必要
施策
8K映像ワイヤレス伝送
5Gの性能向上を
活かすサービス拡大
デジタルデータ量予想(平成26年度版情報通信白書)
・映像系サービスの高度化・多様化、通信トラフィック増大
(監視カメラや遠隔医療利用 → 映像サービスの長時間化・信頼性向上)
・課金設定にも関わるデータ量制限によるサービス普及制約
サービス拡大を促す
仕組みづくり
① サービス・アプリケーションに応じたデータ量制限拡大議論
② 多様なサービス事業者が参入し易い事業環境整備
映像サービス進化
を支える技術開発
③ 具体的アプリケーションを伴う実証実験推進(2017年度計画)
④ 通信路の最適選択などQoE向上技術の国際競争力確保
第2回モバイルサービスTF行武構成員資料
19
提言3
(5G) 都市インフラ基盤としての活用に向けて
4 /10
サービス
想定
Massive
Connection
Network
主要
課題
必要
施策
広域エリアでの
多数ノード収容
・インフラ監視やエネルギー監視など広域センシング網の実現
・センサーノード等の接続機器数(IoT機器)急増への対応
広域通信網と
事業モデルの整備
① 広域通信に有利な公共ブロードバンド帯の5G有効活用
② 官主導での広域通信整備→民主導でのサービス展開
多数ノード収容
のための技術開発
③ M2M機器制御技術・省電力技術等の技術開発強化
④ モデル都市(スマートシティ構想連動)での実証実験推進
第2回モバイルサービスTF行武構成員資料
(基地局当たり接続機器数100倍の収容実現)
20
21
5Gに関する各国の活動状況
●
●
●
●
2020年頃の5G実現に向けて、主要国において産学官の連携による5G推進団体が設立。
5Gの要素技術、要求条件等をとりまとめるとともに、研究開発を推進。
ワークショップ開催や、MoU締結等により、国際連携も強化。
各国において、5G実証実験の具体化に向けた取組を本格化。
世界各地の5G推進団体
EU
5G PPP (Public-Private
Partnership)
中国
FuTURE FORUM 、
IMT-2020 PG
米国
4G Americas
マレーシア
MTSFB
(Malaysian
Technical Standard
Forum Berhad) IMT
Working Group
インドネシア
I5GF(Indonesia 5G
Forum)
韓国
5Gフォーラム
欧米の動向
22
【米国】 ○ 周波数に応じて技術を特定しない技術中立性や、フレキシブルな規制(flexible rules)を重視。
SharedやUnlicensedといった免許モデルも検討。
○ 必要周波数帯域幅は500MHz~2GHz。特に有力と考える周波数帯は、27.5-28.35 GHz, 37-40 GHz。
○ 5Gの商用サービス開始は2020年以降。2018年以降にフィールドトライアルを計画。
【欧州】 ○ 5G-PPPの研究開発等の取組に対して、Horizon2020を通じて、2020年までに7億ユーロを投資予定。
民間からは30億ユーロ以上を投資予定。日、韓ともそれぞれ共同研究を実施。
○ 2020年以降、5G商用インフラを整備。2018年から実証実験を予定。
○ 「Vertical」をキーワードとして、自動車をはじめICT以外の分野との連携を重視。
通信事業者、ベンダー等の主な取組
【4G Americas(業界団体)】
・米国の通信事業者、ベンダー等からなる4G
Americaにおいて、5Gの要求条件、候補周波数、
5Gの主要技術等を検討し、ワークプログラムや白書
をとりまとめ。
【ベライゾン (通信事業者) 】
・アルカテル・ルーセント、エリクソン、ノキア、クアルコ
ム、インテル及びサムスンは、5G実現に向けたチー
ムを2015年9月に設置。
・ベライゾンの施設2箇所に5Gテストベッドを構築。
パートナー企業ととのに、2016年から5Gの実証試
験を開始予定。
【英国サリー大学 】
・英国サリー大学は、産業界と連携し、50百万ポンド
以上を投資し、無線アクセス技術や5Gネットワーク
アーキテクチャ等の研究を行う5Gイノベーションセン
ター(5GIC)を推進。
・ボーダフォン、BT、テレフォニカ、ファーウェイ、富士
通、サムスン等が参加。2015年から本格的に実証等
を開始。
【エリクソン (ベンダー) 】
・各国の通信事業者と連携し、超高速通信を実現す
る5Gテストベッドを開発し、実証を推進し、3GPP等
の議論を主導。
・5G PoCネットワークを構築し、産業界、事業者、研
究機関等と共同で新たなユースケース、アプリケー
ション、ビジネスモデル等を研究、検討。
23
韓国の動向
○ 5G研究開発プロジェクト(Core Technology Project, Giga Korea Project)を通じて、2020年までに
4.9億ドルを投資。 5Gの新たな市場を創出するため、中小企業の参加を促進し、技術移転を支援。
○ 5Gシステムについて、2018年の平昌オリンピックで実証を行い、2020年の商用サービス開始が目
標。平昌オリンピックでは、28GHz帯で5Gネットワークを構築し、20Gbpsを目指す。
○ 産学官の連携団体である5Gフォーラム等を通じ、米国、EU、中国との国際連携を推進。
通信事業者、ベンダー等の主な取組
【KT (通信事業者) 】
・ 2015年7月、5G テストベッドを開設。サムスン、
エリクソン、ノキアと連携。
・ 2016年テストイベント、2017年2回目のテストイベ
ント、2018年に5G実証本番、2020年に商用化。
・ オリンピックの5G実証は、3GPP Rel.14ベース。
実証結果は、Rel.15へフィードバック。
・ 2015年9月、オリンピック会場で5G実証を実施。
【サムスン(ベンダー)】
・ 5G用周波数として、28GHz帯を米国等と連携し
て推進。同時に28GHz帯前後の帯域や6GHz以
下の利用も想定。当面は、5Gの高速化に注力。
・ 3基地局でのハンドオーバー実証等、様々な5G
実証実験を実施。
・ KT、SKテレコムの他、ベライゾン、ドコモ、
Tモバイル、KDDI等のキャリアと連携。
【SKテレコム(通信事業者)】
・ 5Gテストベッドを構築し、サムスン、エリクソン、
ノキア、インテル、ローデ・シュワルツと連携。
・ 6GHz以下はLTE-A。6GHz以上はNew RAT。
・ コアネットワークを仮想化し、サービスに応じた
QoEを提供。IoTにも対応。
・サービスはVR、4K、ホログラム、遠隔制御、IoT。
【平昌オリンピック組織委員会】
・ 平昌オリンピックでは、プレスセンター、空港等で
5Gの実証を計画。
・ ホログラム、スーパーマルチビュー、VR等のサー
ビスを想定。
・ 来場者に5Gを利用したGiga WIFIを提供。
※5G Global Summit 2015プレゼン資料より、総務省作成
24
国際標準化動向

ITU(国際電気通信連合)や3GPP※等において、2020年までの5G実現に向けて標準化作業が本格化
・ITU: 2017~2019年に5G(IMT-2020)に関する提案受付を行い、2020年までに勧告化
・3GPP: 5Gに関する調査検討を経て、フェーズ1(2018年)、フェーズ2(2019年)の2段階で標準化
2015年
2016年
IMT将来
ビジョン勧告
2018年
5Gワークショップ
世界無線通信会議
(WRC-15)
ITU
2017年
2019年
世界無線通信会議
(WRC-19)
5Gに関する提案受付
技術性能要件
2020年
5G勧告
5Gワークショップ
Rel 13
Rel 14
Rel 15
Rel 16
3GPP
・LTE-Aの高度化、
機能拡張
・調査検討
(~2017年3月)
・フェーズ1
(~2018年6月)
5Gサブセット仕様化
・フェーズ2
(~2019年12月)
全要求条件への対応
※3GPP(3rd Generation Partnership Project)とは、3G、4G等の仕様を検討・開発し、標準化することを目的とした標準化団体。日本、米国、欧州、
中国、韓国の標準化団体によるパートナーシッププロジェクトであり、1998年設立。
ITSにおいて利用している周波数
ETC
(自動料金収受システム)
700MHz帯安全運転支援システム
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車載レーダーシステム
24/26GHz帯UWBレーダー,
79GHz帯高分解能レーダー
60/76GHz帯長距離レーダー
車車間通信等により衝突を回避
1620
76~90
755.5~764.5
kHz
MHz
MHz
2.5GHz
5770~5850
22~29
60~61
76~77
78~81
MHz
GHz
GHz
GHz
GHz
(2) Simplified Graphic display type
kHz
GHz
VICS
(道路交通情報通信システム)
路側放送
(Highway radio)
(1) Text display type
(2) Simplified Graphic display type
(3) Map display type
狭域通信システム (DSRC・ITSスポット)
電波の自動走行における活用例(イメージ)
26
走行速度や交通環境等に応じ、さまざまな自動走行が想定される。
さまざまな走行状態
高速走行
【さまざまな“自動走行”(例)】
■高速道路において
・高速走行状態での自動走行
・低速走行状態での自動走行
・渋滞状況下での自動走行
・隊列走行
■一般道(混合交通)において
・市街地での自動走行(歩行者、自転車
低速走行、渋滞
駐車
と共存)
車車間通信等による情報入手(イメージ)
■駐車場において
・自動駐車
■あらゆる状況下で
・さまざまな走行状態に柔軟に対応す
る汎用的な自動走行
27
安全運転支援から自動走行への発展
「自動走行システム」等の自動化レベル (2015年6月 IT総合戦略本部「官民ITS構想・ロードマップ2015」より)
自動化
レベル
難度
市場化
期待時期
加速・操舵・制動を全てドライバー以外が行
い、ドライバーが全く関与しない状態
2020年代
後半以降※1
加速・操舵・制動を全てシステムが行い、
システムが要請したときのみドライバーが対
応する状態
2020年代
前半※2
レベル2
加速・操舵・制動のうち複数の操作を一度に
システムが行う状態
2010年代半ば~
2017年まで
レベル1
加速・操舵・制動のいずれかの操作を
システムが行う状態
レベル4
完全自動走行
システム
概要
レベル3
準自動走行
システム
-
(情報
提供等)
自動走行システム
技術的
システム
の区分
安全運転支援システム
既に実用化(一部)
運転者への注意喚起等
※1 完全自動走行システム(レベル4)の市場化については、試用時期を想定。今後、必要に応じて見直し。
※2 2020年の東京オリンピック・パラリンピックで、東京において準自動走行システム(レベル3)を先駆けて実用化する。
28
【モバイルサービスTF論点整理(素案)】
(1)5G/ITSによる新たな社会・ビジネスの創出
29
①我が国の課題解決に5G/ITSがどのように貢献できるか
• IoTで少子高齢化等の社会問題の解決にどう貢献していくか
-AIやロボット技術と連携して不足する労働力を補填
-人間の能力を超えるセンサー、処理能力を活用して生産性向上
-AIやフィンテックとも連携したシニア層の生活・移動サポート、見守り 等
②活力ある未来を5GとITSでどう切り拓いていくか
• IoTを活用して、どのような新たな生活/ビジネスシーンが実現できるか。どのような経済効果が期待できるか。
-モバイルの進化による自由な働き方(どこにいても、どんな端末でも仕事ができる環境の実現等)の実現
-楽しくなるサービス(AIの活用による新サービス、自動走行車中のエンターテイメントサービス等)の実現 等
③我が国の国際競争力をIoTでどのように向上させていくか
• どのような研究開発戦略、標準化戦略をたてるか
• 世の中のニーズを素早くキャッチアップしたものづくり、サービス提供を実現するためにはどうしたらよいか
• どの分野でどういった相手と協力関係を構築していくか
• 我が国発の課題解決モデル等の国際展開をどのように進めて行くか
④技術・システムを社会に実装するためにどのような取組が必要か
• IoTによりネットワーク化されたものだらけになることへの社会受容性をどのように高めていくか
• 5G/ITSのメリットをどのように世の中に伝えていくか
• ICT分野以外の理解の向上・制度の見直し等をどのように進めて行くか
⑤具体的にどのようなスケジュールで何に取り組むか(詳細ロードマップをどうするか)
• 2020年頃の5Gの実現、2020年代の自動走行の実現・高度化に向けて、どういったロードマップを描くか
(2)5Gによる活力ある社会の実現
30
①どの利活用分野に重点化していくか
• 5Gと親和性の高そうなものとしてどのような分野が有望か(機器制御、センシング、動画サービス、番組素材
伝送; 交通(自動走行)、VR/AR、製造、医療・健康、農林水産業、物流、資源管理等)
②利活用業界(バーティカル)を巻き込む仕掛けをどのようにつくっていくか
• まずは4Gでも実現できるサービスやアプリケーションを対象としても良いのではないか
• 5Gの特色をどのように出していくか
• 連携促進のためのイベント、仕組み(夏フェス、投資促進策等)をどのように作って行くか
• 新しいデジタルインフラとして、実証環境等のプラットフォーム/テストベッドをどのように構築して行くか
③総合実証試験をどのようにすすめていくべきか
• 総合実証試験を、いつ、どこで、どのように行うか
• ユーザーのニーズやアイデアを反映させる工夫が必要ではないか
④5Gの電波利用ニーズにどのように対応するか
• どのように国際的に連携しながら利用周波数帯の決定、周波数幅の確保、弾力的運営の実現等を進めるか
⑤5Gネットワークをどのように形作っていくか
• ネットワーク全体の品質をどのように捉えていくか(QoE,SLA(帯域保証含む)等)
• 上りと下りのバランスをどのようにとっていくか
• 多様なニーズにどのように対応していくか(高速大容量通信から低消費電力小容量通信まで)
• IoTのブロードバンド化に対応できるフレキシビリティをどのように確保していくか
• 安心して利用できるようセキュリティをどのように確保していくか
(3)ITS2020の実現に向けて
①自動走行に向けた電波ニーズにどのように応えていくか
• 大容量データの伝送等が必要となるダイナミックマップシステム(更新・配信)をどう実現していくか
• 自動走行に必要な車車間通信、路車間通信をどのように実現していくか
-ITS Connect(760MHz安全運転支援システム)の一層の普及・高度化
-DSRC(ETC2.0等)の一層の普及・高度化
-5Gとの連携 等
②安全安心な自動走行社会をどのように実現していくか
• どのように自動走行のセキュリティを確保していくか
-人命に直結するインシデントも想定
-シビアな要求条件(リアルタイム性、品質保証等) 等
③協調領域における関係者との連携をどのように強化していくか
• 標準化の推進など、国際的な連携にどのように取り組んでいくか
• 国内の関係者の連携(メーカー、関係団体、各省庁等)をどのように強化していくか
④自動走行社会における情報通信ビジネスをどのように盛り上げていくか
• 爆発的な普及を目指してどのようなビジネスモデルを構築するか
-普及によるネットワーク効用の増大、低コスト化 等
•
横展開にどのように取り組んでいくべきか
-ダイナミックマップシステムの他サービス(防災分野等)への転用 等
31
32
【参考】
第1回モバイルサービスTF(2/1開催)での主なご意見
(1)5G/ITSによる新たな社会・ビジネスのイメージ
33
•
5Gは世の中の色々な技術を組み合わせたものとなるだろう。特にITSは全体の「系」として捉えて行く必要が
ある。都会と地方で車の密度が異なるなど、ネットワークへの要求条件も異なるであろう。
•
日本の強みを活かして機械工学と情報工学を融合させていき、Aiの活用にもっと踏み込んでいくべき。そして
新たなビジネスモデルを確立することが重要。
•
5Gでは、端末が表示機能に絞られる一方で、ネットワーク側のシステムが高機能化していくであろう。この世
界では、セキュリティの部分をどうするかが課題。リアルタイムな対応も安全に行われるようにすべく、適切に
ユーザーの意志発現を受けて対応していくべき。
•
モバイルの進化と業務システムが組み合わさって、どこでも仕事が出来るなど時間を効率よく使えるようにな
るだろう。
(2)5Gや自動走行の実現に向けた課題・要求条件
34
•
4Gまでの進化はワイヤレスであることが通信速度のボトルネックであったこととの戦いであった。5Gはその
制限を超え、ネットワーク全体の品質をどう捉えるかが課題となる。
•
これから5Gを議論していく上で、QoEやSLAといった視点から、必要なネットワークを考えて行くことが必要。
•
これまでは、キャパシティを追い求めてきたが、これからは、つながり方は様々であり、高速大容量通信が必
要なものもあれば、低消費電力通信が必要なものもある。こういったものをうまく組み合わせていくことが必要。
•
従来のネットワークにおいて、事前のユースケースの想定と普及した後のユースケースのギャップはあったも
ののそれほど大きいものではなかった。しかし、5Gでは、要求条件のダイナミックレンジが5桁も6桁も異なる
アプリケーションが同居することとなるだろう。こういったものにどう対応していくかは課題。
•
ITSは地域的な分散処理の集大成というような側面もある。ダイナミックマップ等、要求条件がこれまでのネッ
トワークとは大きく異なる。レイテンシの問題を5Gの議論に反映し、融合していくことが必要。
•
ポータルサイトからSNS、IoTと、情報の発信源が個人からモノへと多様化している中で、Webをどう作って運
用していくかがこれからの重要なキーポイントとなる。
•
5Gにより、これまでにない大きなデータ伝送ができるので、新たな動画サービスの出現が考えられる。配信
はもちろんのこと、エンドユーザーからの動画伝送も可能になるが、帯域保証等の要求条件も出てくるかもし
れない。
•
海外での話を聞くと、個人相手の収入の伸びが期待出来ない新たなネットワークでは、導入するための投資
は進まないと言われている。どう投資を促進していくかが課題。
(3)課題解決等のためのアプローチ・方策
35
•
ユーザーニーズや新サービスを十分に意識しながら検討すべき。
•
今後は無線とアプリケーションの関係が密になることを意識すべき。
•
全てがつながる社会は、デジタルアーキテクチャが隅々まで拡がるということであり、社会のルールもそれに
合わせて進化していく必要がある。
•
新しいネットワークの普及戦略を考えるべき。そのためにも、ユーザーがプラットフォームとなり、社会で共有
すべきデータのインフラを整備していく等、新しいデジタルインフラ整備の在り方を考えるべき。
•
あまりサービスを決め打ちするのではなく、システムを大きめに作って、キラーアプリを待つというのもの一つ
のアプローチ。
•
通信だけですべてを解決するというアプローチではなく、予測エンジンなどのソフトウエアとともに新しい環境
を構築していくということも大切。
•
いかにユーザーを捕まえるかが重要である。そのためには、多数のアプリケーション開発者からの支持を得
ることが大切である。開発環境を整備し、作ってみることができるということが必要である。その上で、ユー
ザーを巻き込んで、他分野も交えた実証を行えるようにすることが必要。
•
通信業界に閉じずに、他の業界や様々な会社と連携して課題解決を図ることが必要。
•
オープンなPFの上でやるエンドtoエンドサービスの実証フィールド、学生含めたあらゆる人がアプリを作れる
フィールドが必要。
•
モバイルでの分散処理をアプリケーションのレイヤーでしっかりやれる実証環境が必要。
•
ハッカソンなど、未来を考えて行く上で、若い人の発想を活用することが重要。
•
ユーザーをウォッチすることも必要。今ユーザーが何をしているのかを観察することで、答えが見えてくるかも
しれない。
•
頭を使う場、頭脳を頂く場など、考える場を作っていくことが重要。
(4)国に対する期待
36
•
電波は有限な資源であるので、都会のビルのように、時間や周波数、場所といった観点から有効活用のため
に「融通」しながら使うという発想も必要になるのではないか。
•
unlicensedバンドの活用が重要である。モバイルアプリの可能性が広がる。
•
具体的なアプリケーションを想定しながら、技術開発と制度整備を両輪で進めていくべき。
•
課題解決に向けて、(通信業界にとどまらない)様々な業界や様々な会社との連携に向けた旗振り役を果た
すべき。
•
新サービスを開拓していく上で、通信以外の分野の規制への対応も必要なことがあるので、他省庁ともよく連
携して、新ビジネスを応援して欲しい。
•
5Gの検討対象周波数は広い。国際連携において、全体を俯瞰した仲間作りを進めて行くことが必要。
37
【参考】
第2回モバイルサービスTF(2/19開催)での主なご意見
(1)5G/ITSによる新たな社会・ビジネスのイメージ
38
•
目指すべきゴールは世界一のIoT社会の実現である。IoT時代には生産性向上のために“モノ”に働かせると
いう発想が必要。
•
5Gで新しいライフスタイルを創り出すことが必要。自動運転が実現すれば、車内でのエンターテインメントなど
の通信需要が拡大する。
•
4Gまではまず高速化を進めることが先にあったが、5Gでは逆に(IoTというサービスの)全体像が見えており、
あとはどのようにコネクションを作って行くかという進め方となるところに違いがある。
•
5Gはその外側に社会的な枠組みがあるということを意識するように考え方を変えていく必要がある。
•
ITSや5Gについて、2020年以降のマーケット構造というものも考えながら取り組んで行くべきである。
•
4Gのものづくりにおいても、現状一社では取り組むことが難しい部分が多いと感じているが、5Gではさらにそ
の傾向が明確になる。5Gのものづくりにおいて、各社が協力しながらも、自社の独自性を発揮していくことに
ついて、十分に意識しながら取り組んで行くべき。
(2)5Gや自動走行の実現に向けた課題・要求条件(①,②)
39
①ネットワーク関連
•
欧州では、他車がセンサーで取得した情報を通信で共有して周辺情報を取得する際に、自車のセンサーで得
た情報と同じくらいの信頼度で扱える品質をスコープに入れて取り組んでいる。
•
人の限界は10ミリ秒程度と考えれば4Gで既に限界を超えていると言える。これからモノが人の代わりになっ
ていった場合には、1ミリ秒でも十分とは言えない。どんどん低遅延化を進める必要がある。特にITSなどでは
クリティカルとなる。
•
自動運転が普及すれば、ダイナミックマップの配信やプローブ情報のアップロードなど通信量が多くなるであ
ろう。5Gがこういったところで利用されるであろうが、一方で、車車間通信など専用周波数も必要なケースも
あるであろう。
•
AIなどのユースケースを考えると、上りの高速化が必要となる。
②映像、VR/AR関連
•
画像センサーの性能は既に人間の目を超える性能を有している。IoTで発生する通信はナローバンドと思わ
れがちだが、こういった画像センサー情報を送る需要が生まれ、5Gがその需要を満たし、IoT通信もブロード
バンド化していく可能性がある。
•
AIが判断するにも「目」が必要であり、今後映像が大事になる。固定回線では設置場所に制限があるので、上
りが太い5Gが必要である。また、何かあったときにプレイバック出来るようにする必要がある。
•
VR/ARは大容量を必要とする。頭を回しても視聴に耐えられるコンテンツとしては、8k程度の解像度が必
要。没入感が高く体験を伝送できると言うことで価値観を高められるのでは無いか。
•
容量が増えると4k、8kという話になるが、人間の感覚をセンシングして、他のところで再現するという使われ
方もあるだろう。
(2)5Gや自動走行の実現に向けた課題・要求条件(③,④)
40
③放送関連
•
放送は広いエリアに均一に情報を送るが、5Gは小さいセルに情報を送るので、エリアに合わせた情報提供
が可能になる。これは放送の在り方を変える可能性がある。AIをバックボーンとしてコンテンツを作ることも考
えられる。
•
番組素材伝送など、帯域保証が重要なアプリケーションもある。
④セキュリティ関連
•
つながるものの増加に合わせて、どのようにセキュリティを担保していくかが課題となる。
•
セキュリティについては、予め対応したサービスとして組み込んでいくべき。
(3)課題解決等のためのアプローチ・方策(①)
41
①他分野との連携(バーティカル)
• 具体的なアプリケーションを伴って、5Gの実証実験を進めていくべきである。
• 欧州におけるバーティカルとの連携の概念は重要である。幅広いサービスの実現が期待されており、それぞ
れをどのように位置づけていくかが課題である。
• 日本はインターネットを活用した事業が未成熟。デジタル分野の規制緩和は進んでいるので、他業界と連携し
たイノベーションが必要。
• 欧州は、幅広く話を聞いているように感じる。広い分野も巻き込んでいくことで、想定していなかったものにもフ
レキシブルに対応出来るようにしていくべき。
• 欧州はバーティカルとの連携に力を入れている。日本もどのように利活用業界を巻き込むかが課題である。
我々ICT業界から他業界に乗り込んでいくくらいの対応が必要ではないか。
• 社内でもネットワーク部門とIT部門で考えが合わない部分がある。でも、他産業との連携を進めないとこれか
ら国際的に勝つことができなくなる。
• 無線業界とバーティカルとは文化や技術が異なる。ある程度、ICT業界の人がバーティカルに入って開拓して
いくことが必要である。
• アプリケーションサイドはある意味わがままな部分がある。こういうものが欲しいという一方で、これだったらい
らないと言われる。そういう人たちと融合していくためには、フレキシビリティを高めることが重要。イノベーショ
ンに向けてとりあえずやってみて、駄目だったら方法を変えてみるというのも必要。
• バーティカルな人たちは、(通信の有用性を)見たことが無く、関心が無いのが課題。テストベッドを構築して見
せることで、バーティカルな人たちの関心を高めることが出来るのではないか。
• 実証を通じて「5Gで何が出来るのか?」という疑問に対して答えられるようにしつつ、バーティカルな人たちに
突っ込んでいく必要があるだろう。
• 解決策のヒントは、ユーザー・異業種・学生・ベンチャーにある。ICT業界と他業界の連携を進めるためにも、5
G夏フェスをやったら良いのではないか。
(3)課題解決等のためのアプローチ・方策(②,③)
42
②5Gへの発展シナリオ
•
IoTがブロードバンド化していくというのは、いつか必ず起きる話である。それにも対応できるように、5Gの機
能を徐々に向上していける仕組みが必要。
•
5G for Swedenでは、LTEを活用してヘリコプターの遠隔操作等を行っている。LTEも発展しており、遅延や消
費電力の面でも性能は向上している。5Gでしかできないことに囚われずに、LTEで出来ることを発展させるア
プローチで取り組んでいる。
•
5Gならではの実証を進めることも大事である。しかし、LTEでも出来ることであるが活用していない人たちも
いる。こういったところをうまく巻き込んで行くよう、IoT時代には、ICTが他の業界に出て行く必要がある。
③環境整備
•
これからのITSは、課題解決のための社会基盤としての役割が大きくなってくる。官民連携して技術開発と都
市インフラ整備・社会実証を進めるとともに、必要な周波数を確保すべき。
•
UnlicensedバンドやWiFi、Zigbeeをうまく組み合わせて使っていくことが必要。5Gが当初の想定と違う使われ
方をした時でも対応できるハイアラーキーを考えて行くことが必要。ビジネスが成り立つネットワーク作りに向
けて分散やLAA等の技術をどう組み合わせていくかが重要。