政務活動費の返還

堺市報道提供資料
平成 28 年 3 月 17 日提供
問い合わせ先
担当課
監査委員事務局
直 通
072-228-7899
内 線
6705、6706
FAX
072-222-0333
住民監査請求の概要について
(政務活動費の返還請求について)
住民監査請求について、請求を受理しましたので、概要をお知らせします。
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請求人………………… 1 名
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請求の提出年月日……平成 28 年 3 月 8 日
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請求の受理年月日……平成 28 年 3 月 17 日
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法定監査期限…………平成 28 年 5 月 7 日
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請求の要旨
第1 監査請求の趣旨
山口典子堺市議会議員に対して支出した政務活動費のうち、下記の部分については違法かつ
不当であるため、監査委員より下記金額の返還をするように市長への勧告を求めます。
第2 監査請求の理由
広報・広聴費
活動報告チラシについて(印刷はすべて有限会社ミナカタ印刷)
平成 26 年度チラシ印刷代
領収書 日付
印刷代
按分率
備考
平成 26 年 7 月 10 日
①
745,200 円
100%
現物添付
10 月 10 日
平成 27 年 1 月 10 日
② 745,200 円
③ 745,200 円
100%
100%
現物添付 甲 2 号証-1、2
現物添付 甲 3 号証-1、2
3 月 21 日
合計
④ 351,000 円
2,586,600 円
100%
現物添付 甲 4 号証-1、2
印刷代
按分率
平成 25 年度チラシ印刷代
領収書 日付
甲 1 号証-1、2
備考
平成 25 年 7 月 10 日
10 月 10 日
⑤ 724,500 円
⑥ 724,500 円
100%
100%
現物なし 甲 5 号証
現物なし 甲 6 号証
平成 26 年 1 月 10 日
3 月 28 日
⑦ 724,500 円
⑧ 378,000 円
100%
100%
現物なし 甲 7 号証
現物なし 甲 8 号証
2,551,500 円
・ 山口市議は平成 25 年度、26 年度ともに政務活動費は広報・広聴費、事務・事務所費の
みの支出であり、そのうち広報・広聴費が政務活動費の 80%近くを占める。
1
両年とも活動報告チラシを 4 回発行しており、領収書の日付は両年とも 7 月 10 日、10
月 10 日、1 月 10 日、3 月末近くである。現金支払いか銀行振り込みかは不明だが、70 万
円を超える高額の場合は通常振込支払であると思われる。
全ての印刷を有限会社ミナカタ印刷(堺市堺区中之町西 2 丁 2 番 3 号 電話 072-223-6886)
に発注している。
・ まず平成 27 年 3 月 21 日支出の活動報告チラシ④について
平成 27 年 3 月 21 日領収書日付のチラシ 351,000 円④は 2014 年度活動報告特別号となっ
ているが、平成 27 年 4 月に行われた堺市議会議員選挙直前の選挙用チラシであることは明
らかである。政務活動費として支出は当然認められない。なお、このチラシについては山口
市議本人が選挙前の 3 月 16 日のウェブサイトで政策ビラとして配布していることを明らか
にしており(甲 13 号証)
、請求人も選挙前にこのチラシは目にしている。
政務活動用のチラシではなく選挙用チラシであることが明らかな理由
・
表面全面を使用し、大きく自分の名前と顔を掲載している。
・
表面の自分の写真の下に「5 期目の挑戦」と記載している。4 月の選挙に 5 期目の挑
戦(立候補)することを有権者に周知するための記載である。
・
表面右肩のポスターは堺女性政治連盟の演説会のポスター(山口典子ウェブサイト。
のりこの活動日記
・
2 月 22 日より
表面上段の「いいね!堺
甲 11 号証)であり、明らかに政治活動である。
一緒に生きる。つながる。この町で。」は山口市議の選挙
のスローガンであり選挙事務所の上段に掲げられていた(山口典子ウェブサイト。のり
この活動日記
・
2 月 21 日より 甲 12 号証)。そのままチラシに記載している。
裏面、赤松良子氏の「応援しています!」などの応援メッセージが記載されている。
赤松良子氏は山口市議とポスターに載っている人物である(山口典子ウェブサイト。の
りこの活動日記 3 月 16 日より 甲 13 号証)。
・ 裏面、
「山口典子は地域密着派、そして国際派議員です」と自分をアピールしている。
・
裏面の紙面 3 分の 2 を使って自分のプロフィールを記載。
・
中の紙面では大きな見出しで「山口典子はやります」と明らかに有権者向けのメッセ
ージが記載されている。
・
中面では「亡き母 山口彩子(堺初、女性副議長)から引き継いだ政策を実現しまし
た」と山口彩子氏の写真を入れ、自分が実現した政策、要望した政策などをびっしりと
記載し、有権者に対し自分の実績を宣伝している。
上記の記載は政務活動用チラシとしてはどれも不要な記事ばかりであり、平成 26 年度他
の 3 回のチラシとは内容が大きく異なっており、明らかに選挙を意識した紙面構成である。
以上の理由により、選挙直前に選挙を目的として作成したチラシであることが明らかであ
り、政務活動費として支出したことは違法かつ不当なため、当該チラシの印刷費用 351,000
円を返還請求するように市長への勧告を求めます。
なお、この選挙用チラシについては印刷代の返還をすれば済むという問題ではない。この
選挙用チラシには「5 期目の挑戦」と明確に記載されており、公職選挙法違反の文書である。
この違法な文書を平成 27 年 3 月の選挙前月に選挙区において配布していたという事は、明
らかに公職選挙法違反である。その印刷物は政務活動費の公文書で公開し、配布は自らのウ
ェブサイトで公開しており明白である。
山口市議は政務活動費を使って印刷した違法なチラシの印刷費を市に返還することは当
然であるが、選挙直前に違法なチラシを印刷し配布したことは明らかに公職選挙法違反にあ
たるため、その責任は議員辞職に値することを申し上げておく。
2
・ 次に平成 26 年度の活動報告チラシ、平成 26 年 7 月 10 日 745,200 円①、10 月 10 日 745,200
円②、27 年 1 月 10 日 745,200 円③について
この活動報告チラシについては①②③とも現物が添付されている。この活動報告チラシを
見ると、いずれも文章と表、グラフ、イラストで構成されており、先に上げた④2014 年度活
動報告特別号が写真を多数使用し構成にも十分配慮されているものと比較して簡易な構成
の活動報告チラシである。
それにもかかわらず①②③のチラシは 745,200 円と④のチラシ 351,000 円に比べて倍以上
の支出である。領収書の但し書き欄は空白の為詳細は分からないが、明らかに不合理である。
また、領収書の曜日であるが、平成 27 年 1 月 10 日③は土曜日であり、前述の平成 27 年 3
月 21 日④は土曜日であり春分の日の祝日でもある。平日ではなく土曜日や祝日に印刷代金
を支払い印刷会社が領収書を発行するのか疑問である。
(有)ミナカタ印刷に印刷を発注しているのは山口市議以外に、請求人が調査したところソ
レイユ堺の木畑匡市議、及び大阪維新の会の池田克史市議が見受けられた。
木畑市議は平成 27 年 2 月 20 日に 345,600 円(税抜 320,000 円)の市政報告作成費を支出
している。但し書き欄が空欄の為詳細は不明である。甲 9 号証
また池田市議は平成 26 年 10 月 31 日に 340,956 円(税抜 315,700 円)を支出している。
甲 10 号証
池田市議は領収書等貼付用紙に請求書も添付しており、その内容は市政印刷代 50,000 部
で 170,000 円(税抜)
。折込料が 145,700 円(税抜)であり、それに消費税が加算されて合
計 340,956 円となっている。
以上から①②③の活動報告チラシは明らかに不当に高額である。
・ 平成 25 年度の活動報告チラシについて
山口市議は平成 25 年度にも 4 回、平成 25 年 7 月 10 日 724,500 円⑤、10 月 10 日 724,500
円⑥、26 年 1 月 10 日 724,500 円⑦、26 年 3 月 28 日 378,000 円⑧を活動報告の印刷代とし
て支出している(現物の添付はない)。その内、チラシ代⑤⑥⑦と前述の①②③を合わせて
の計 6 回はいずれも税抜き価格 690,000 円と同額の支出であり、領収書の但し書き欄が空白
の為詳細は把握できないが、⑤⑥⑦のチラシが①②③のチラシと同程度の内容のチラシであ
れば印刷代金として明らかに高額であり本当に印刷配布したのか疑問である。監査人は⑤⑥
⑦⑧の活動報告チラシの現物を提出させ内容の検討を行っていただきたい。
この 6 回の活動報告チラシの支出は(有)ミナカタ印刷の印刷費としては単純には比較でき
ないが木畑市議、池田市議の倍以上の金額である。同一の印刷会社を利用しているにも関わ
らず両市議の印刷代と比較して高額すぎる。他の印刷会社と見積もり合わせをしたとも思え
ない。なぜ山口市議だけこれほど高額な支払をしているのか。印刷会社の立場からすれば、
複数の市議の印刷を請け負っている場合、同程度の枚数の印刷であれば請求金額も大きく変
わることはないと思われる。印刷会社が山口市議に法外な金額を吹っかけたのか、それとも
印刷会社と共謀して印刷代金の水増しをしたのか疑問である。
また、平成 25 年度、26 年度ともになぜ支払日が 7 月 10 日、10 月 10 日、1 月 10 日と同一
日になっているのか、毎年 3 月分の支払いだけなぜ半額近くになっているのか、それをもっ
て直ちに不正とは言えないが疑問である。
先に述べたが、山口市議は政務活動費で選挙用のチラシを作製した市議である。このよう
な政務活動費の不正支出をする以上、一事が万事、他の支出についても相当の証拠がなけれ
ば適正な支出をしていたとは信じられない。
池田市議の領収書貼付用紙には請求書が添付されている。山口市議の印刷代発注①②③④
3
⑤⑥⑦⑧についても池田市議の場合と同じく請求書が発行されているはずなので請求書を提
出させて詳細を検討頂きたい。
・ 活動報告チラシの配布について
山口市議の活動報告チラシはどのように配布されたか。④の活動報告特別号は山口市議が
配布している旨をウェブサイトに明らかにし、また請求人も配布があったことを確認してい
るが、他の①②③⑤⑥⑦⑧の活動報告チラシについて配布実態は書類上把握できない。山口
議員のホームページも見たが④以外の活動報告チラシの記載は無かった。また、請求人は堺
区に住んでいるが今まで④以外の山口市議のチラシは見たことなく、①②③⑤⑥⑦⑧につい
ては配布実態が確認できないため違法かつ不当であるので返還請求するように市長への勧
告を求めます。
監査人は山口市議が活動報告チラシをどのように配布したのか、証拠書類を提出させて監
査頂きたい。
第3 結論
以上のことから、山口典子市議が政務活動費として支出したとされる上記金額はそれぞれ違
法かつ不当な支出であることが明らかなため、監査委員は下記金額を返還請求するように市長
への勧告を求めます。
1、平成 25 年度 広報・広聴費
2,551,500 円
2、平成 26 年度 広報・広聴費
2,586,600 円
合計
5,138,100 円
以上の通り、地方自治法 242 条 1 項に基づき、事実証明書を付して監査委員に対し、本請求
をする次第である。
第4 事実証明資料
甲 1 号証-1
①市政報告領収書
-2
①市政報告チラシ
甲 2 号証-1
②市政報告領収書
-2
②市政報告チラシ
甲 3 号証-1
③市政報告領収書
-2
甲 4 号証-1
③市政報告チラシ
④市政報告領収書
-2
甲 5 号証
④市政報告チラシ
⑤市政報告領収書
甲 6 号証
甲 7 号証
⑥市政報告領収書
⑦市政報告領収書
甲 8 号証
⑧市政報告領収書
甲 9 号証
木畑匡市議市政報告領収書
甲 10 号証
甲 11 号証
池田克史市議市政報告請求書、領収書
山口典子ウェブサイト。のりこの活動日記
2 月 22 日
甲 12 号証
甲 13 号証
山口典子ウェブサイト。のりこの活動日記
山口典子ウェブサイト。のりこの活動日記
2 月 21 日
3 月 16 日
以上
(原文のとおり。なお、資料は省略。)
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