資料3 山形市子ども・子育て支援事業計画 平成27年3月 (平成 28年3月一部見直し) 山 形 市 第1章 計画の策定にあたって 1 計画策定の背景と趣旨 急速な少子化・高齢化の進行は人口構造にアンバランスを生じさせ、さらに、 労働力人口の減少や社会保障負担の増加など、地域社会の活力を低下させる大き な要因となり、地域社会の将来に深刻な影響を及ぼすことが危惧されます。 また、子ども並びに子育て世帯を取り巻く環境も核家族化の進行、就労形態・ 構造の変化、地域の連帯感の希薄化など、より厳しい方向への変化が指摘されて います。 国においては「エンゼルプラン」 (平成 6 年)、 「少子化対策推進基本方針」及び 「新エンゼルプラン」(平成 11 年)などにより、少子化対策を進めてきました。 しかし、出生率の低下には歯止めがかからず、全国の合計特殊出生率1は平成 17 年に 1.26 と過去最低を更新しました。以後、微増傾向にはあるものの平成 24 年 時点では 1.41 と依然として低い状態です。 こうした少子化の流れに対して、平成 15 年には子育てに対する社会的支援を 総合的かつ計画的に推進するものとして「少子化社会対策基本法」 「次世代育成支 援対策推進法」が制定され、平成 20 年には「次世代育成支援対策推進法」の一部 が改正されました。山形市においては、同法に基づき「山形市次世代育成支援対 策行動計画(前期計画)」 「山形市次世代育成支援地域行動計画(後期計画)」を策 定し、地域における子育て支援や子どもの心身の健やかな成長に資する環境整備 などに努めてきました。 こうした中、平成 24 年 8 月、子ども・子育て関連3法2が成立し、公布されま した。同法では、質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提供、保育の量的 拡充、地域における子育て支援の充実に向けた取組を総合的に推進することを目 的としています。 このような全国的な動向、子ども・子育て家庭及び地域を取り巻く環境の変化、 これまでの次世代育成支援対策の進捗状況、課題を整理し、子ども一人ひとりが 健やかに成長することができる社会の実現、 「子どもの最善の利益」が実現される 社会を目指して、平成 27 年 4 月から始まる予定の子ども・子育て支援新制度を 推進するための事業計画として本計画を策定しますした。 しかし、今般、計画策定から1年が経過し、計画期間における教育・保育の量 の見込みに対する確保方策の内容について、整備時期の前倒し等、施設及び事業 者の事情により、計画策定時と比較し、大きな変更が生じています。 さらに、山形市においては、 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定と併せ、 1合計特殊出生率:15~49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1 人の女性が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間 に生むとしたときの子どもの数に相当します。 2子ども・子育て関連3法:「子ども・子育て支援法」 「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律 の一部を改正する法律」「子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律 の一部を改正する法律の施行に伴う関連法律の整備等に関する法律」 1 現在実行中の「第2期経営計画(平成 24~28 年)」が見直され、新たに「山形市 発展計画」を策定(平成 28 年3月)いたしました。 このことから、量の見込みに対する確保方策の変更内容を踏まえつつ、 「山形市 発展計画」に追加された各施策や成果指標等との整合性を図るため、計画を一部 見直すことといたしました。 図表 1-1 国の次世代育成・少子化対策の主な流れ 少子化の進行 平成2年 1.57ショック 合計特殊出生率がひのえうまの年である昭和 41 年の 1.58 を下回った。 平成6年 エンゼルプラン 子育てを夫婦や家庭だけの問題ととらえるのではなく、 社会全体で子育てを支援していくことをねらいとし、10 年間に取り組むべき子育て支援の基本的方向と重点 施策を定めた計画。 平成 11 年 平成 14 年 従来の「エンゼルプラン」を見直し、重点的に推進すべ き少子化対策の具体的実現を目指したもので、これま での保育サービス関係のみの取組ではなく、保健、医 療、教育、雇用等の事業も加えた幅広い内容の計画。 新エンゼルプラン 「新エンゼルプラン」の「仕事と子育ての両立支援」に加 え、「男性を含めた働き方の見直し」、「地域における子 育て支援」など4つの柱に沿った取組を推進。 少子化対策プラスワン 平成 15 年 ・次世代育成支援対策推進法 ・少子化対策基本法 ・児童福祉法の一部改正 平成 17 年 少子化社会対策大綱 平成 18 年 新しい少子化対策について ・次世代育成支援対策推進法 急速な少子高齢化の進行を踏まえ、国・地方公共団 体・企業について、その責務を明らかにし、行動計画な どを策定することを義務づけた計画。 ・少子化対策基本法 少子化に的確に対処するための施策を総合的に推進 するための法律。 ・児童福祉法の一部改正 児童虐待防止対策等の充実など、全ての子育て家庭 の支援を市町村の責務として明確に位置づけた。 少子化対策基本法に基づいて決定された少子化に対 処するために政府が講じるべき施策の指針。 平成 17 年の出生数が 106 万人、合計特殊出生率 1.25 と、いずれも過去最低を記録したことを受け、子育て支 援策等 40 項目の具体的施策を位置づけた。 平成 19 年 ・「子どもと家族を応援する日本」重点戦略 ・仕事と生活の調和(ライフ・ワーク・バランス)憲章 ・仕事と生活の調和のための行動指針 平成 20 年 ・新待機児童ゼロ作戦 ・次世代育成支援対策推進法の一部改正 平成 24 年 子ども・子育て支援3法の制定、公布 平成 26 年 次世代育成支援対策推進法の期間延長 ・「子どもと家族を応援する日本」重点戦略 「仕事と生活の調和の実現」と「包括的な次世代育成支 援の枠組みの構築」を車の両輪として対策を推進。 ・仕事と生活の調和(ライフ・ワーク・バランス)憲章 「仕事と生活の調和」について国民的な取組の大きな 方向性を示すもので、あるべき姿を提案。 ・仕事と生活の調和のための行動指針 企業や働く者の効果的な取組、国や地方公共団体の 施策の方向性を示すもので、14 の数値目標を設定。 ・新待機児童ゼロ作戦 希望するすべての人が安心して子どもを預けることが できるよう、保育サービスの量の確保に加え、質の向上 も目指し数値目標を設定。 ・次世代育成支援対策推進法の一部改正 地域や職場における、総合的な次世代育成支援対策 を推進するため、行動計画の作成の対象企業が、従業 員 301 人以上から 101 人以上に変更されるなどの改正 を行った。 質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提供、保 育の量的拡充、地域における子育て支援の充実に向 けた取組を総合的に推進することを目的に制定。 法律の有効期限が平成 37 年 3 月 31 日まで 10 年間延 長。法に基づく市町村の行動計画策定が任意化された 反面、一定規模の事業所における一般事業主行動計 画の策定は引き続き義務化されるとともに更なる雇用 環境の整備のため、事業所の認定制度が新たに創設。 2
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