Market Report 2016 年 3 ⽉ 17 ⽇ Shinko Asset Management Co., Ltd. 全⼈代閉幕、中国政府は供給⾯の改⾰に本腰 ◆2016 年の成⻑率⽬標は 6.5〜7%に引き下げ 3 ⽉ 5 ⽇から 16 ⽇にかけて⽇本の国会にあたる全⼈代(全国⼈⺠代表⼤会)が北京で開催されました。全⼈代で は、今年の重点政策や第 13 次五ヵ年計画などが議論され、市場の注⽬度が⾼い 2016 年の実質 GDP 成⻑率⽬標に ついては、2015 年の 7%程度から6.5〜7%に引き下げられました。政府は同時に、世界貿易の低迷や中国の成 ⻑戦略転換に伴う下押し圧⼒への警戒感を⽰しており、国内外の不確実性が例年と異なり幅のある⽬標設定につな がったとみられます。 こうした背景について政府は、⼩康社会(ややゆとりのある社会)の完成と、構造改⾰推進の必要性を考慮したた めであり、これにより、雇⽤拡⼤や⽣活⽔準の改善が可能になると説明しています。 (前年比、%) 10.5 実質GDP成長率と同通年目標の推移 10.0 通年目標 9.5 実績 9.0 8.5 8.0 7.5 7.0 6.5 6.0 11 12 13 期間:2011年~2016年(年次、実績は2015年まで) 出所:中国政府、ブルームバーグのデータを基に新光投信作成 (注)2016年の通年目標は6.5~7%のレンジ 14 15 16 (年) 上記グラフは過去の実績、過去の時点における予測値を⽰したものであり、将来の経済、市況、その他の投資環境にかかる動向などを⽰唆あるいは保証する ものではありません。 ◆今年の政策の⽬⽟は供給⾯の改⾰ 中国政府は、経済の安定化と充実化をはじめとする 2016 年の 8 ⼤重点課題を提⽰しました。そのなかで、供給 ⾯の改⾰が今年の政策の⽬⽟といえます。 中国経済は⾜もとで投資・鉱⼯業主導から、消費・サービス業主導の成⻑モデルへの移⾏が進みつつあります。そ の過程で、製造業部⾨の稼働率低下や⽣産者物価の低迷などにみられるように、特定の産業が構造不況に陥ってい ます。こうした産業に属する問題企業は本来ならば市場から退出すべきですが、銀⾏融資などで存続するゾンビ企 業となることで過剰⽣産能⼒と過剰債務を抱え、⽣産性向上への障害や潜在的な不良債権リスクとなっています。 そのため、供給⾯の改⾰については規制緩和や新産業育成、イノベーションの促進などともに、破たん処理や合併・ 統合を通じた産業構造の調整を進めることが不可⽋といえます。 当資料は新光投信が作成したものであり、⾦融商品取引法に基づく開⽰書類あるいは販売⽤資料のいずれでもありません。当資料は証券投資の参考と なる情報の提供を⽬的とし、投資の勧誘を⽬的としたものではありません。当資料は信頼できると考えられるデータなどに基づき作成していますが、 その内容の正確性・完全性を保証するものではありません。当資料は事前の通知なしに内容を変更することがあります。特定ファンドの購⼊のお申し 込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付⽬論⾒書)および契約締結前交付書⾯など(⽬論⾒書補完書⾯を含む)をあらかじめお受け取りのう え、詳細をよくお読みいただき、投資に関する最終決定は、ご⾃⾝の判断でなさるようお願いします。 irr10131 ( 1 / 4) Market Report 2016 年 3 ⽉ 17 ⽇ Shinko Asset Management Co., Ltd. 中国政府の2 01 6年の重点課題 課題 具体的な政策 ①経済の安定化と充実化 : ②供給⾯の改⾰ : 財政⾚字対GDP⽐を3%に拡⼤、税制改⾰を通じた5,000億元規模の実質的減税、 柔軟性のある緩和的な⾦融政策の実施、深セン・⾹港両取引所の株式相互取引開始 ⾏政審査・認可事項の削減、イノベーション特区の整備、過剰⽣産能⼒削減の推進に 1,000億元の特別資⾦を拠出、製造業の⾼度化促進、国有企業の再編・統合・整理 ヘルスケアをはじめとするサービス消費を奨励、鉄道(8,000億元)・⾃動⾞道路 ③潜在需要の掘り起こし : (1兆6,500億元)・20の新規重要⽔利プロジェクトなどインフラ投資を実施、都市化の ために⼾籍制度改⾰やバラック地区の改築を実施 ④農業・農村改⾰ : 農村の⾃動⾞道路を20万km敷設または改修、1,000万⼈規模の貧困脱却 ⑤対外開放 : ⾃由貿易試験区の拡⼤、⾃由貿易協定の締結推進 ⑥環境保護 : 窒素酸化物排出量やPM2.5の濃度削減、基準不適合の⽯炭ボイラーや旧型⾞の廃棄 ⑦⽣活保障 : ⼤学新卒者の就業・起業⽀援、就学⽀援、社会保障制度への財政⽀援強化 ⑧政府機能の向上 : 法に基づく職務履⾏、各種メディアを通じた情報公開、汚職撲滅 出所:中国政府、各種報道資料を基に新光投信作成 上記表は過去の報道などに基づき作成したものであり、将来の経済、市況、その他の投資環境にかかる動向などを⽰唆あるいは保証するものではありません。 こうした取り組みは、短期的には景気減速圧⼒として働く恐れがありますが、政府は過剰⽣産能⼒の削減の過程で ⽣じる⼈員の再雇⽤などに 1,000 億元の特別資⾦を拠出する⽅針を⽰しており、悪影響の軽減と政策の実効性の確 保を図ろうとしています。また、財政⾚字対 GDP ⽐の 3%への拡⼤や税制改⾰を通じた 5,000 億元の実質的減税と いった積極的な財政政策も成⻑の下⽀えに貢献すると考えられます。 ◆第 13 次五ヵ年計画が本格始動、多⽅⾯の改⾰進展に注⽬ 今回の全⼈代では第 13 次五ヵ年計画(2016〜2020 年)が正式に採択され、同計画期間中の実質 GDP 成⻑率⽬ 標については年平均 6.5%以上に設定されました。同計画の終了する 2020 年に中国共産党は結党 100 周年を迎え、 それに合わせた⼩康社会の完成が最重要課題となっています。それには 2010 年からの所得倍増が必要であり、6.5% の⽬標はそこから逆算した数値となっています。 中国は依然として⾦融財政政策の活⽤の余地が⼤きいことから、向こう 5 年間の成⻑率を保つことは可能とみられ ます。しかし、リーマンショック後の 4 兆元の景気対策が、むしろ経済構造の調整を遅延させたとの批判も少なく なくないことから、経済構造の調整を通じたいわば基礎体⼒の向上が求められていると思われます。 そのため、第 13 次五ヵ年計画の主要⽬標でもある格差縮⼩を通じた中間層の拡⼤などが、中⻑期的な安定成⻑を 達成するうえでますます重要となると考えられます。今回の全⼈代で供給⾯の改⾰という点では⼀定の進展が認め られたことから、今後はそれが多⽅⾯で実現されるかが注⽬されます。 当資料は新光投信が作成したものであり、⾦融商品取引法に基づく開⽰書類あるいは販売⽤資料のいずれでもありません。当資料は証券投資の参考と なる情報の提供を⽬的とし、投資の勧誘を⽬的としたものではありません。当資料は信頼できると考えられるデータなどに基づき作成していますが、 その内容の正確性・完全性を保証するものではありません。当資料は事前の通知なしに内容を変更することがあります。特定ファンドの購⼊のお申し 込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付⽬論⾒書)および契約締結前交付書⾯など(⽬論⾒書補完書⾯を含む)をあらかじめお受け取りのう え、詳細をよくお読みいただき、投資に関する最終決定は、ご⾃⾝の判断でなさるようお願いします。 irr10131 ( 2 / 4) Market Report 2016 年 3 ⽉ 17 ⽇ Shinko Asset Management Co., Ltd. 第1 3次五ヵ年計画の主要目標 ⽬標 具体的な内容 ①⼩康社会の実現 : ②イノベーション : ③都市と農村・地域間の 格差縮⼩ : ④環境改善 : ⑤改⾰開放の深化 : ⑥福祉向上 : 2020年までにGDPと1⼈当たり所得を2010年から倍増、今後5年間の経済成⻑率は年平 均6.5%以上を維持 国際競争⼒のあるリーディングカンパニーを育成、ビッグデータ・IoT(モノのインター ネット化)などの応⽤を重視、社会全体の研究開発費対GDP⽐を2.5%に引き上げ 約1億⼈の農⺠の都市⼾籍への転籍などにより都市化を推進、経済ベルト地帯を創設、⾼ 速鉄道・⾼速道路など重要インフラの整備を強化 ⼤気・⽔質・⼟壌汚染対策⾏動計画による⽣態系の保護・復元などを推進、GDP1単位当 たりの⽔・エネルギー・⼆酸化炭素の⽤量を削減 現代的な財産権制度の確⽴、シルクロード経済圏構想の進展、品質・効率を重視した貿 易構造への転換 農村部の貧困撲滅、義務教育の標準化、世界上位レベルの⼤学づくり、⽣産年齢⼈⼝の 平均就学年数⻑期化、所得格差の縮⼩ 出所:中国政府、各種報道資料を基に新光投信作成 上記表は過去の報道などに基づき作成したものであり、将来の経済、市況、その他の投資環境にかかる動向などを⽰唆あるいは保証するものではありません。 当資料は新光投信が作成したものであり、⾦融商品取引法に基づく開⽰書類あるいは販売⽤資料のいずれでもありません。当資料は証券投資の参考と なる情報の提供を⽬的とし、投資の勧誘を⽬的としたものではありません。当資料は信頼できると考えられるデータなどに基づき作成していますが、 その内容の正確性・完全性を保証するものではありません。当資料は事前の通知なしに内容を変更することがあります。特定ファンドの購⼊のお申し 込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付⽬論⾒書)および契約締結前交付書⾯など(⽬論⾒書補完書⾯を含む)をあらかじめお受け取りのう え、詳細をよくお読みいただき、投資に関する最終決定は、ご⾃⾝の判断でなさるようお願いします。 irr10131 ( 3 / 4) Market Report 2016 年 3 ⽉ 17 ⽇ Shinko Asset Management Co., Ltd. 投資信託へのご投資に際しての留意事項 【投資信託にかかるリスクについて】 投資信託は、主に国内外の株式や公社債などの値動きのある証券を投資対象としています。投資した当該資 産の市場における取引価格の変動や為替相場の変動などの影響により基準価額が変動します。これらの運⽤に よる損益は、すべて投資者のみなさまに帰属します。したがって、投資者のみなさまの投資元本は保証されて いるものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。なお、投資信 託は預貯⾦とは異なります。 【投資信託にかかる費⽤について】 新光投信が運⽤する投資信託については、ご投資いただくお客さまに以下の費⽤をご負担いただきます。 ■購⼊時に直接ご負担いただく費⽤ ・購⼊時⼿数料:上限 4.104%(税抜 3.8%) ■換⾦時に直接ご負担いただく費⽤ ・信託財産留保額:上限 0.5% ・公社債投信およびグリーン公社債投信の換⾦時⼿数料 :取得年⽉⽇により、1 万⼝につき上限 108 円(税抜 100 円) ・その他の投資信託の換⾦時⼿数料:ありません。 ■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費⽤ ・運⽤管理費⽤(信託報酬):年率で上限 2.484%(税抜 2.4%) ■その他の費⽤・⼿数料 ・監査法⼈に⽀払うファンドの監査報酬、有価証券売買時の売買委託⼿数料、資産を外国で保管する場合の費⽤な どを、その都度(監査報酬は⽇々)、投資信託財産が負担します。 ※「その他の費⽤・⼿数料」については、定率でないもの、定時に⾒直されるもの、売買条件などに応じて異なる ものなどがあるため、当該費⽤および合計額などを表⽰することができません。 ◎⼿数料などの合計額については、購⼊⾦額や保有期間などに応じて異なりますので、表⽰することができません。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費⽤項⽬につきましては、⼀般的な投資信託を想定しております。費⽤の料率につき ましては、新光投信が運⽤するすべての投資信託(設定前のものを含みます。)のうち、お客さまにご負担いただく、 それぞれの費⽤における最⾼の料率を記載しております。 投資信託は、それぞれの投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国などが異なること から、リスクの内容や性質が異なり、費⽤もそれぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、 事前によく投資信託説明書(交付⽬論⾒書)や契約締結前交付書⾯など(⽬論⾒書補完書⾯を含む)をご覧くださ い。 商 号 等: 新光投信株式会社 ⾦融商品取引業者 関東財務局⻑(⾦商)第339号 加⼊協会: ⼀般社団法⼈投資信託協会 ⼀般社団法⼈⽇本投資顧問業協会 当資料は新光投信が作成したものであり、⾦融商品取引法に基づく開⽰書類あるいは販売⽤資料のいずれでもありません。当資料は証券投資の参考と なる情報の提供を⽬的とし、投資の勧誘を⽬的としたものではありません。当資料は信頼できると考えられるデータなどに基づき作成していますが、 その内容の正確性・完全性を保証するものではありません。当資料は事前の通知なしに内容を変更することがあります。特定ファンドの購⼊のお申し 込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付⽬論⾒書)および契約締結前交付書⾯など(⽬論⾒書補完書⾯を含む)をあらかじめお受け取りのう え、詳細をよくお読みいただき、投資に関する最終決定は、ご⾃⾝の判断でなさるようお願いします。 irr10131 ( 4 / 4)
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