農協改革の法制度の骨格について ―組合員・利用者のみなさんへ― これまでの経過 ◆ 平成26年5月に、政府の規制改革会議が、「JA潰し」に どのように 決まったの? つながるような急進的な意見を発表しました。 <規制改革会議の意見>※抜粋 ■中央会制度の廃止 ■全農の株式会社化 ■准組合員の事業利用を正組合員の2分の1に規制する ■理事の過半は認定農業者、民間経営経験がある者にする ■ これに対し、JAグループや地方自治体の首長・議会等から慎重な対応を要請。自民党農林議員ら は、官邸、規制改革会議、農水省と調整を行い、平成26年6月に「与党とりまとめ」を策定しました。 ■ 同とりまとめでは、急進的な内容は若干修正されたものの、抜本見直しを迫る内容は残り、平成2 7年の通常国会に農協法の見直しを行う旨が明記されました。 ■ JAグループでは、11月に自己改革プランを策定し、政府・与党に対し、自己改革の尊重を求め て、折衝を重ねてきました。 ■ 2月9日、政府・与党から示された「骨格案」に一定の歩み寄りがあったことから、JAグループ として、骨格案を受け入れることとなりました。 骨格の概要 「第14回農林水産業・地域の活力創造本部資料(平成27年2月13日)」より 農協=農業者が自主的に設立した協同組織(農業者が農協を利用することでメリットを受けるために設立) 農協組織における主役は、農業者。次いで地域農協。 ■地域農協 自由な経済活動を行うことにより、農業者の所得向 上に全力投球できるようにする【農業者と農協の役 職員の徹底した話合いが大切】 ■中央会・連合会 地域農協の自由な経済活動を制約せず、適切にサポ ートする 【地域農協】 ◎農産物販売等を積極的に行い、農業者にメリット を出せるようにするために ○理事の過半数を、原則として、認定農業者や農 産物販売等のプロとすることを求める規定を置 く【責任ある経営体制】 ○農協は、農業者の所得の増大を目的とし、的確 な事業活動で利益を上げて、農業者等への還元 に充てることを規定する【経営目的の明確化】 ○農協は、農業者に事業利用を強制してはならな いことを規定する【農業者に選ばれる農協】 ◎地域住民へのサービスを提供しやすくするために ○地域農協の選択により、組織の一部を株式会社 や生協等に組織変更できる規定を置く 【全国中央会】 ○現在の特別認可法人から、一般社団法人に移行す る ○農協に対する全中監査の義務付けを廃止し、公認 会計士監査を義務付ける 【都道府県中央会】 ○現在の特別認可法人から、農協連合会(自律的な 組織)に移行する 【全 農】 ○その選択により、株式会社に組織変更できる規定 を置く 【連合会】 ○会員農協に事業利用を強制してはならないことを 規定する 骨格の影響 ■ 最大の懸案事項であった「准組合員の利用規制」は、導入を見送ることができました。よって、 組合員の皆様のご利用には影響はありません。 ■ ただし、准組合員の利用規制については、5年間、実態調査を行い決定することになっており、 あらためて5年後にこの議論が再燃します。 ■ また、今回の骨格受入れで、JA全中が組織分割されます。今後、JAグループの発言力が弱体 化するおそれがあります。 ≪これから≫ ≪これまで≫ 准組合員の利用制限なし 単 位 農 協 准組合員の利用制限は見送り(5年後に検討) 准組合員利用制限は、信用共済事業の分離・総合 (5年後に決定) JAの利便性の低下につながるおそれ 理事の過半は、原則として認定農業者、 農産物販売・経営のプロ 理事の3分の2は、正組合員 組合員の選択の自由度を狭める、該当者がいない 場合もあり、弾力化が必要 中央会監査を義務付け 公認会計士監査を義務付け (監査先は選択可能) 県 中 ・農協法に基づく特別認可法人 央 ・代表、総合調整、指導、監査等 会 ・農協法上の連合会 ・代表、総合調整、会員の要請を踏まえた経 営相談・監査 <全国中央会> 全 国 ・農協法に基づく特別認可法人 中 ・代表、総合調整、指導、監査等 央 会 今後の見通し 代表、総合調整など <監査法人> 外だし 会計監査、業務監査 中央会やJAバンクとの連携が保てなくなり(破たん未然 防止機能の弱体化)、JAの監査コストも増大するおそれ ■ 3月下旬に法律案が提出され、この通常国会で審議、決定が行われる予定です。 ■ 今回の農協改革の狙いは、過去の規制改革会議と同様、JAの信用・共済事業です。今回はその目的の ために、公認会計士監査の導入(中央会監査の廃止)とJA全中の解体、准組合員の利用制限を要求して きました。今後は、規制改革会議による総合JAへの攻撃が、さらに強まるおそれがあります。 ■ 地域農業振興や「地方創生」に果たす総合JAの役割を広く、丁寧に発信していくことが求められます。 JAグループの対応 自分たちで改革 を進めるんだね! ■今回の農協改革をめぐっては、誰のための改革なのか、改めて疑問の声が出てい ます。JAは組合員のものです。JAは、組合員の声を踏まえ、組合員のための 自己改革を進めてまいります。 ■JAグループ福島は、平成28年3月の新生JAの実現(4JAへの合併)によ り、農業者の職能組合と地域組合の性格を併せもつ「食と農を基軸として地域に根 ざした協同組合」として、「持続可能な農業」と「豊かで暮らしやすい地域社会」 の実現を目指し、総合事業の展開により、農業者の所得増大、農業生産の拡大、地 域に活性化に取り組んでまいりますので、ご理解・ご協力をお願い致します。 JAグループ福島
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