農協改革の骨格が固まりました 平成27年3月1日号 JAグループ愛知 経 過 u 26年5月に、規制改革会議が、「JA潰し」につながるような急進 的な意見を発表しました。 <規制改革会議の意見> n 中央会制度の廃止 n 全農の株式会社化 n 准組合員の事業利用を正組合員の2分の1に規制する n 理事の過半は認定農業者、民間経営経験がある者にする u これに対し、自民党農林議員らは、官邸、規制改革会議、農水 省と調整を行い、26年6月に「与党とりまとめ」を策定しました。 u 同とりまとめでは、急進的な内容は若干修正されたものの、抜 本見直しを迫る内容は残り、平成27年の通常国会に農協法の 見直しを行う旨が明記されました。 u JAグループでは、11月に自己改革プランを策定し、政府・与 党に対し、自己改革の尊重を求めて、折衝を重ねてきました。 u 2月9日、政府・与党から示された「骨格案」に一定の歩み寄り があったことから、JAグループとして、骨格案を受け入れること となりました。 骨格の概要 これまで これから 准組合員の利用制限 なし 単 位 農 協 准組合員の利用制限は 見送り(5年後に決 定) 准組合員利用制限は、信用共済事業の 分離・総合JAの利便性の低下につなが るおそれ 理事の過半は、原則と して認定農業者、農産 物販売・経営のプロ 理事の3分の2は、 正組合員 組合員の選択の自由度を狭める、該当 者がいない場合もあり、弾力化が必要 中央会監査を義務付 け 県 中 央 会 公認会計士監査を義務 付け(監査先は選択) ・農協法上の連合会 ・農協法に基づく特別 認可法人 ・代表、総合調整、指 導、監査等 ・代表、総合調整、会員の 要請を踏まえた経営相 談・監査 全国農協中央会 全 国 中 央 会 ・農協法上に基づく特 別認可法人 ・代表、総合調整、監 査、経営指導等 代表、総合調整など 監査法人 外だし 会計監査、業務監査 中央会やJAバンクとの連携が保てなくな るおそれ(破たん未然防止機能の弱体 化)、JAの監査コストも増大 骨格の影響 u 最大の懸案事項であった「准組合員の利用規制」は、導入を見 送ることができました。よって、組合員の皆様のご利用には影響 はありません。 u ただし、准組合員の利用規制については、5年間、実態調査を 行い決定することになっており、あらためて5年後にこの議論が 再燃します。 u また、今回の骨格受入れで、JA全中が組織分割されます。今 後、JAグループの発言力が弱体化するおそれがあります。 今後の予定 u 3月下旬に法律案が提出され、この通常国会で審議、決定が 行われる予定です。 今後の見通し u 今回の農協改革の狙いは、過去の規制改革会議と同様、JA の信用・共済事業です。今回はその目的のために、公認会計 士監査の導入(中央会監査の廃止)とJA全中の解体、准組合 員の利用制限を要求してきました。今後は、規制改革会議によ る総合JAへの攻撃が、さらに強まるおそれがあります。 u 地域農業振興や「地方創生」に果たす、総合JAの役割を広く、 丁寧に発信していくことが求められます。 JAグループの対応 u 政府が進める農協改革については、昨年夏以来、組合員の皆 様から様々な懸念の声を頂きました。 <組合員の皆様の声> l JAは民間組織なので、自らが将来方向を決定すべき l 国民の食の確保、食の安全を守ることが大切 l 中小農家が切り捨てられないか心配 l これまで通り身近な金融機関として存在してほしい u 今回の農協改革をめぐっては、誰のための改革なのか、改めて 疑問の声が出ています。 l 本当に農家のためになる改革なのか。…弱者切捨てなら農業 全体が衰えかねない。(2.11 中日新聞「社説」) l 監査の仕方を変えれば、農業が活性化するのか。そんな単純 な話ではなかろう。(2.6 北海道新聞「社説」) l TPP反対の急先鋒であるJA全中の影響力をそぐ。そんな衣の 下の鎧がのぞいている。(2.11 琉球新報「社説」) l そもそも今回の改革は、組合員である農家の声をきちんとくみ 上げた結果とは言い難い。(2.11 秋田魁新報「社説」) l そもそも、農家の経営が厳しいのはJA全中や農協のせいでは ない。(2.19 毎日新聞「特集ワイド」農家の声) u JAは組合員のものです。JAは、組合員の声を踏まえ、組合員 のための自己改革を進めてまいります。 u JAグループでは、農業者の所得向上と地域の活性化に向けて、 組織の総力を挙げてまいりますので、ご理解・ご協力をお願い致 します。 ――― JAグループ愛知 ―――
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