15.3.6 関節リウマチに合併するシェーグレン症候群.pptx

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シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は,自己免疫疾患(膠原病)の一つで,主に唾液腺や涙腺など
の外分泌腺が慢性炎症をおこす病気です. その結果,主として外分泌腺の機能が
低下し,目が乾く,疲れやすい,口渇,つばが出ない,虫歯が多いなどの症状が生
じます.稀に,内臓病変や悪性リンパ腫が発生することがあります.膠原病に高率
(約20%)に合併します.女性に圧倒的に多くて潜在的な患者さんを含めると,約10
~30万人の患者さんがいると推定されています.治療は,乾燥症状に対する対症
療法(人工涙液,人工唾液,涙管プラーグ,内服薬など)が主です.
2 ウイルスや細菌など“抗原”といわれる異物が体外から侵入してくるときに、体内で
“抗体”という武器をつくり、異物を攻撃し排除するしくみを免疫といいます。なんらか
の原因で免疫の機能に異常が起こると、からだのなかの大切な成分を異物とみなし
て抗体をつくってしまい、自分自身を攻撃することがあります。これを「自己免疫疾
患」といいます。慢性甲状腺炎は甲状腺組織に対する抗体を産生し、甲状腺を傷害
します。関節リウマチは免疫抗体であるIgGに対する抗体(リウマトイド因子)を産生し関
節炎をおこします。シェーグレン症候群も唾液腺は涙腺などの外分泌線を傷害しま
す。 3 シェーグレン症候群に罹患した患者さんの唇にある小唾液腺組織です。浸潤してき
た多数のリンパ球(多数の黒い点)により唾液腺が壊されています。
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関節リウマチ患者さんには様々な疾患が合併しますが、シェーグレン症候群もその
ひとつです。
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シェーグレン症候群の病変は、外分泌線の症状と外分泌線以外の症状に分けられ
ます。外分泌線に出現する症状と頻度はスライドに示す通りです。 その他、汗がかきにくいや鼻の粘膜が乾燥するなどの症状も見られます。
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シェーグレン症候群は外分泌腺の病変以外にも、全身の臓器に病変が及ぶ場合が
あります。
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シェーグレン症候群の患者さんは、唾液分泌低下のため、口腔内の衛生状態が悪く
なり、舌の萎縮や虫歯ができやすくなります。また、耳下腺や顎下腺の炎症のため
小児の流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)のように耳下腺や顎下腺などの唾液腺が腫
脹します。
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シェーグレン症候群の診断には世界各国、様々な診断基準が作成されていますが、
今回は1999年に厚生省研究班が発表した診断基準の概要をお示しします。
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シェーグレン症候群は自己免疫疾患ですので、様々な自己抗体が出現します。関
節リウマチに高頻度に出現するリウマトイド因子も69%のシェーグレン症候群の患者さ
んに出現します。
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シェーグレン症候群の治療には目や口内の乾燥症状を改善させる対症療法と外分
泌線以外の臓器障害に対する治療法が行われます。 シェーグレン症候群の原因治療(外分泌炎を治療する)については、各種免疫抑制
剤などが試されていますが、確実な治療法は見つかっていません。
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シェーグレン症候群患者さんに使用される薬剤を示しています。
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これまでシェーグレン症候群は難病指定されていませんでしたが、2015年1月1日よ
り、新たに指定されました。
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但し、厚生労働省の診断基準に合致し、重症と分類された患者さんに限定されます。
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指定難病患者さんに自己負担額は原則医療費の1割負担となります。 ただし、月額負担の上限額が世帯収入により設定されています。
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