山ノ内町立小学校適正配置について

資料 3
山ノ内町第1回総合教育会議資料
山ノ内町立小学校適正配置について
_
平成27年8月3日
一
山ノ内小学校の適正配置の背景
1
児童数の変化
少子化の波が山ノ内町の学校にも影響を与えています。昭和55年度には4小学校
の児童数は1818人を数えていました。しかし、その後減少が始まり平成27年度
は4小学校合計542人と昭和55年の約30%になりました。今後の児童数を推計
すると、28年度以降も減少は続き30年度には468人(昭和55年度比約26%)
となり、さらに33年度には414人(昭和55年度比約23%)となる見込みです。
児童数の変化
※別資料あり
450
400
350
300
東小
250
南小
200
西小
150
北小
100
50
0
H18
H21
H24
H27
H30
H33
入学児童数の変化
50
45
40
35
30
東小
25
南小
20
西小
15
北小
10
5
0
H18
2
H21
H24
H27
H30
H33
児童数の減少の影響
児童数の減少に伴って様々な面に影響が出てきています。適正規模適正配置等審議
会でも、影響について論議されました。小規模学校、少人数学級にはメリットもある
がデメリットも大きく、その解決のため適正配置が必要だという意見が出されました。
1
(1)学級の人数が減ると学習活動に支障が出る。特に話し合い活動や体育などでの団体
種目では影響が大きくなる。
(2)男女のバランスが悪くなる。
(3)学年複数学級ないとクラス替えができない。
(4)学年単級だと担任間の協力連携ができない。
(5)複式学級を編制しなければならない状況は近々でてくる。それに伴い専科教員の配
置ができなくなる。
(6)運動会や音楽会などの行事に影響が出てくる。
(7)清掃分担が広くなり児童への負担が大きくなる。
(8)PTA 活動で役員が毎年回ってくるので負担増になる。
(9)住所を移して通学区域外の学校に転校させる家庭が出てくる。
3
生きる力を身に付ける
現代社会は日々様々なことが変化する社会です。特に国際化、通信技術の進歩など
は日進月歩で進化発展しています。このような変化の激しい世の中に生きる力を身に
付けさせることが今求められています。
・自ら考え判断し行動する力
・コミュニケーション能力
・地域と連携し地域を育てる力
・グローバル社会に生きる力
山ノ内町では生きる力を身に付ける環境の整備充実に取り組んできましたが、さら
に教育環境の整備に取り組むことが求められています。
・教員の加配事業(専科教員、心の相談員、特別支援教育支援員)
・ICT の活用
・小学校へ ALT(外国語指導助手)を導入
・ユネスコスクール加盟と ESD の取り組み
・地域と連携した学校教育(信州型コミュニティスクール)
二
適正規模・適正配置論議の経過
児童数の減少が著しい北小学校区では統合論議が平成17年度以前からなされてい
ました。北小学校のみならず児童数の減少が著しいこともあり教育委員会では平成1
7年度に小学校保護者を対象に「学校に関するアンケート」を実施しました。その結
果「統廃合は必要ない」が全町で55%(東小56%、南小54%、西小49%、北
小55%)となりました。
平成22年度の教育懇談会で教育委員会の考えとして「将来一校がよいと考えてい
る。小学校あり方検討委員会を立ちあげて対応を検討していただく」と発表しました。
22年11月から24年3月までのあり方検討委員会では「できるだけ早期に一校に
したほうがよい」しかし「現状のままでよい、少人数のメリットを生かすべきだ」と
の少数意見もある。「教育委員会で方向付けをしてほしい」とのまとめでした。
2
4年10月から12月にかけて各地区で開催された教育懇談会で「児童の減少の激し
2
い今日、山ノ内町では平成27年度末をもって4小学校を閉校とし、28年度4月か
ら新たな統合小学校としてスタートしたい」との教育委員会の考えを発表してご意見
をいただきました。各地区で充実した議論がなされましたが、教育委員会の考え方は
時期尚早ではないかという意見もあり、また保護者や町民の意見をもっと聞くべきだ
とのご意見をいただきました。
これを受けて25年3月議会に「山ノ内町立小学校統合問題審議会条例」を提案し
審議会の中で議論をしていただきたいと考えましたが否決されました。
25年度6月には保育園、小学校の保護者を対象に「小学校の教育に関するアンケ
ート」を実施し、11月には住民アンケート(500人抽出)を行いました。このア
ンケート結果を受けて教育委員会として「段階的に統合し、いずれは一校統合の方向
で進めていきたい」とし、再度「山ノ内町立小学校適正規模適正配置等審議会条例」
を提案し承認されました。
条例承認を受けて平成26年5月30日に第一回審議会を開催し27年3月6日ま
で計12回審議され答申をいただきました。
三
審議会答申
答申の概要は以下のとおりです。
***************************************
《平成27年3月答申より抜粋》
3
山ノ内町の小学校における望ましい教育環境の整備に向けて審議会では、山ノ内町
が目指す小学校における教育環境の整備に向けた総合的論議と意見集約を行った
結果、小学校の適正規模と適正配置及び学校教育について次のとおりまとめた。
(1)適正規模について
多くの友との出会いの中で豊かに学びあう環境をつくるため、1学級当たりの
児童数は、20 人~30 人位が望ましい。
編成替えにより友人関係を広げ、互いに高め合う学習集団を育てるため、1学
年当たりの学級数は、2学級以上が望ましい。
(2)適正配置について
上記の適正規模を実現するため、4小学校をできるだけ早く1校にすることが
望ましい
。
特に、1学級当たりの児童数が適正規模を大きく下回る学校については、早急
に多人数の中で学習できる環境整備を図ることが必要である。
(3)学校教育について
山ノ内町の教育ビジョン、小学校と中学校の連携のあり方、学校・地域・家庭
の連携のあり方については、今後の検討課題とする。
(4)今後の教育環境整備における留意点
ア
適正規模・適正配置の具体的検討については、児童の教育環境の改善を中心
に、学校が持つ多様な機能にも留意し、保護者の願い、地域の願い、心情、地
域と学校、伝統と歴史を十分に考慮し、保護者や地域住民の十分な理解と協力
3
を得ることが必要である。
イ
適正規模・適正配置を考えるうえで選択肢となる、小中一貫教育については、
今後そのメリット・デメリットを十分検討し研究を深めていくことが重要であ
る。
***************************************
四
教育委員会の方針
教育委員会は審議会答申を尊重し次のように方針を策定しました。
○将来的には4小学校を統合し小中一貫教育校を視野に入れて検討する。
○適正規模を大きく下回る北小学校については、多人数の中で学習できるよう
西小学校と統合する方向で保護者・地域関係団体等に説明し理解を得る。
五
北小学校の現状
北小学校の児童数減少に伴って、教職員の配置にも影響が出てきています。平成27
年度の児童数に対して、国の基準では複式学級2学級となります。(2-3年
4-5年)
が、県では基準を引き下げて3年、5年の学級に複式学級解消加配2名を配置していま
す。(連学年9人以上)しかし、専科教員は国基準6学級から配置されることから、現
在の北小学校では配置されません。専門的な音楽専科は児童の教育に大きな役割を果た
すことより、町費として専科教員を配置しています。
しかし、本年5月1日の統計によると、平成28年度新入学児童は4人、翌年29年
度の新入学児童は2人(女子2人)となっており、29年度には1-2年生は複式学級を
編制せざるを得なくなります。町費で複式学級を対応しても1年生は2人となります。
児童数の減少によって教員数への影響だけでなく様々な面で影響が出てきています。
保護者の皆さんの声では、あまりに少人数になると、学力面や社会性、コミュニケーシ
ョン能力などが育たないのではないか。運動会や音楽会など学校行事で物足りなさを感
じる。清掃など当番活動で児童の負担が大きくなる。PTA 役員が頻繁に回ってくるなど
の問題も出されています。学校でもこれらのことを課題として教育活動をしています。
また小規模のメリットを生かそうと、基礎基本の学力向上のため授業を工夫したり、特
色ある学校運営として地域の教育力を積極的に取り入れています。
六
当面の方針
教育委員会ではできるだけ早く北小学校と西小学校を統合して適正規模学級編制をし
たいと考えています。
1
統合の形について
(1)校舎は西小学校校舎を使用する。
(2)北小学校を閉校する。
(3)北部地区の小学校通学区を西小学校とする。
4
2
課題
(1) 北小学校だけの問題ではなく山ノ内町の小学校の問題であることの啓発
(2) 北小学校が西小学校へ吸収統合されるという意識の解消
(3) 統合する時期の目途
(4) 統合小学校の場所
(5) 「小中一貫校を視野に入れて」の論議
3
課題解決の方法
(1)適正規模を大きく下回る北小学校については早急に対応しなければならない
ので、まず北小学校と西小学校を統合するが、少子化は進んでいくことから全
小学校の課題であることを教育懇談会などで説明し理解を得る。
(2)北小学校を閉校し通学区を西小学校の通学区に加えるが、変えられるものにつ
いては西小学校、北小学校の保護者・地域の理解を得て変える。たとえば、校
歌・校章についても課題となる。
(3)最短、北小学校は平成28年度をもって閉校して、29年度から北小児童は西
小学校へ通学する。一校統合は場所、校舎建築予算など多方面から考えなくて
はならないが、北小学校児童が小学校在学中に2回統合することがないように
する。具体的には平成28年度1年生が中学校に入学する平成34年が考えら
れる。また、34年度には学年学級数が全学年2学級となる。
(4)統合小学校については、小中連携教育が実施しやすいように現中学校を活用し
敷地内に小学校校舎を増築する。
(5)小中一貫教育について様々な課題もあるため今後研究を進めていく。必ずしも
小中一貫教育が最終の姿ではない。
七
統合への課題
1児童の不安の解消
(1)心神的不安の解消
・西小学校と北小学校の交流活動を充実させ統合前から関係作りをする。
合同学習
社会見学
高原学習
修学旅行
・県教委から統合前年から統合コーディネーター加配を配置してもらい統合後
も含めた相談体制を充実させる。
・スクールカウンセラーを町費で配置し児童や保護者の心のケアに当たる。
・校歌、校章について
(2)身体的負担の解消
・通学にはスクールバスを導入する。
・
2組織面の課題
・教職員の配置
・PTA 組織の再編
規約
役員選出
・合同職員会議
5
3閉校行事
・閉校関係行事(閉校運動会
閉校音楽会
閉校記念式典
4備品等の処理の課題
・物品の整理(移動する物品
残す物品
5跡地・空き校舎活用の課題
・地域の要望をできるだけ取り入れる。
6放課後児童クラブ
・場所
・移動手段
6
廃棄する物品)
航空写真)
山ノ内町児童生徒数の変化
更新日
2015年6月8日
H27年度 中3
東 小
南 小
西 小
北 小
合 計
出生年度
統合学級数
中2
中1
平
成
2
7
年
度
6年 5年 4年 3年 2年 1年
47
43
44
42
49
40
25
18
25
14
21
12
21
27
13
17
17
28
11
4
7
6
4
5
104
92
89
79
91
85
15
16
17
18
19
20
3
3
3
3
3
3
生徒数 児童数
0
265
0
115
0
123
0
37
0
540
H28年度 中3
東 小
南 小
西 小
北 小
合 計
出生年度
統合学級数
中2
平
成
2
8
年
度
中1 6年 5年 4年 3年 2年 1年
47
43
44
42
49
40
34
25
18
25
14
21
12
19
21
27
13
17
17
28
18
11
4
7
6
4
5
4
104
92
89
79
91
85
75
15
16
17
18
19
20
21
3
3
3
3
3
3
3
生徒数 児童数
252
109
120
30
104
511
平
成
2
9
年
度
H29年度 中3
東 小
南 小
西 小
北 小
合 計
出生年度
統合学級数
中2 中1 6年 5年 4年 3年 2年 1年
47
43
44
42
49
40
34
35
25
18
25
14
21
12
19
13
21
27
13
17
17
28
18
20
11
4
7
6
4
5
4
3
104
92
89
79
91
85
75
71
15
16
17
18
19
20
21
22
3
3
3
3
3
3
3
2
生徒数 児童数
244
104
113
29
196
490
平
成
3
0
年
度
H30年度 中3 中2 中1 6年 5年 4年 3年 2年 1年
東 小
47
43
44
42
49
40
34
35
31
南 小
25
18
25
14
21
12
19
13
14
西 小
21
27
13
17
17
28
18
20
13
北 小
11
4
7
6
4
5
4
3
6
合 計
104
92
89
79
91
85
75
71
64
出生年度
15
16
17
18
19
20
21
22
23
統合学級数
3
3
3
3
3
3
3
2
2
生徒数 児童数
134
231
68
93
61
113
22
28
285
465
平
成
3
1
年
度
H31年度 中3 中2 中1 6年 5年 4年 3年 2年 1年
東 小
43
44
42
49
40
34
35
31
28
南 小
18
25
14
21
12
19
13
14
11
西 小
27
13
17
17
28
18
20
13
13
北 小
4
7
6
4
5
4
3
6
2
合 計
92
89
79
91
85
75
71
64
54
出生年度
16
17
18
19
20
21
22
23
24
統合学級数
3
3
3
3
3
3
2
2
2
生徒数 児童数
129
217
57
90
57
109
17
24
260
440
平
成
3
2
年
度
H32年度 中3 中2 中1 6年 5年 4年 3年 2年 1年
東 小
44
42
49
40
34
35
31
28
35
南 小
25
14
21
12
19
13
14
11
18
西 小
13
17
17
28
18
20
13
13
16
北 小
7
6
4
5
4
3
6
2
4
合 計
89
79
91
85
75
71
64
54
73
出生年度
17
18
19
20
21
22
23
24
25
統合学級数
3
3
3
3
3
2
2
2
2
生徒数 児童数
135
203
60
87
47
108
17
24
259
422
平
成
3
3
年
度
H33年度 中3 中2 中1 6年 5年 4年 3年 2年 1年
東 小
42
49
40
34
35
31
28
35
31
南 小
14
21
12
19
13
14
11
18
9
西 小
17
17
28
18
20
13
13
16
19
北 小
6
4
5
4
3
6
2
4
2
合 計
79
91
85
75
71
64
54
73
61
出生年度
18
19
20
21
22
23
24
25
26
統合学級数
3
3
3
3
2
2
2
2
2
生徒数 児童数
131
194
47
84
62
99
15
21
255
398
平
成
3
4
年
度
H34年度 中3 中2 中1 6年 5年 4年 3年 2年 1年
東 小
49
40
34
35
31
28
35
31
南 小
21
12
19
13
14
11
18
9
西 小
17
28
18
20
13
13
16
19
北 小
4
5
4
3
6
2
4
2
合 計
91
85
75
71
64
54
73
61
0
出生年度
19
20
21
22
23
24
25
26
27
統合学級数
3
3
3
2
2
2
2
2
生徒数 児童数
123
52
63
13
251
平
成
3
5
年
度
H35年度 中3 中2 中1 6年 5年 4年 3年 2年 1年
東 小
40
34
35
31
28
35
31
南 小
12
19
13
14
11
18
9
西 小
28
18
20
13
13
16
19
北 小
5
4
3
6
2
4
2
合 計
85
75
71
64
54
73
61
0
0
出生年度
20
21
22
23
24
25
26
27
28
統合学級数
3
3
2
2
2
2
2
生徒数 児童数
109
44
66
12
231
平
成
3
6
年
度
H36年度 中3 中2 中1 6年 5年 4年 3年 2年 1年
東 小
34
35
31
28
35
31
南 小
19
13
14
11
18
9
西 小
18
20
13
13
16
19
北 小
4
3
6
2
4
2
合 計
75
71
64
54
73
61
0
0
0
出生年度
21
22
23
24
25
26
27
28
29
統合学級数
3
2
2
2
2
2
生徒数 児童数
100
46
51
13
210
平
成
3
7
年
度
H37年度 中3 中2 中1 6年 5年 4年 3年 2年 1年
東 小
35
31
28
35
31
南 小
13
14
11
18
9
西 小
20
13
13
16
19
北 小
3
6
2
4
2
合 計
71
64
54
73
61
0
0
0
0
出生年度
22
23
24
25
26
27
28
29
30
統合学級数
2
2
2
2
2
生徒数 児童数
94
38
46
11
189
平
成
3
8
年
度
H38年度 中3 中2 中1 6年 5年 4年 3年 2年 1年
東 小
31
28
35
31
南 小
14
11
18
9
西 小
13
13
16
19
北 小
6
2
4
2
合 計
64
54
73
61
0
0
0
0
0
出生年度
23
24
25
26
27
28
29
30
31
統合学級数
2
2
2
2
生徒数 児童数
94
43
42
12
191