2015 年 10 月 5 日 荒川区長 西川 太一郎 殿 東京保険医協会 荒川支部長 倉岡 幸令 2015 年度インフルエンザ HA ワクチン供給に係る対応に関する要望書 貴職におかれては、21 万区民の生活と健康を守るため、日夜尽力されておられることに敬意 を表します。 さて 2015 年度のインフルエンザ HA ワクチン製造株については、WHOの推奨もあり、厚 生労働省健康局長から本年 5 月 8 日付けで、従来の 3 価ワクチンに替えて 4 価ワクチンとし、 4 価ワクチンの安定供給について配慮するよう求める通知(健発 0508 第 1 号)を各都道府県 知事宛に発出し、周知されているところです。これに伴い、医薬品メーカー各社によると製造 に必要なコストがかさみ、10 月 1 日より開始されるインフルエンザ予防接種の 4 価ワクチン 卸値は大幅な値上げが実施されています。 とりわけ、2 回接種が必要な 13 歳未満の幼児および児童を持つ保護者からは費用負担が増 すことに懸念が広がっており、なかには万一インフルエンザウイルスに罹患し治療を受けたと しても、幼児および児童は医療費の自己負担が生じないとの保護者の声に押され、園内での予 防接種を取りやめる幼稚園すら出始めております。幼児および児童がインフルエンザウイルス に罹患した場合、診療所にて一般的な保険診療を実施すれば、約 1 万数千円程度の治療費が必 要となります。 厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部が発出した「学校・保育施設等の臨時休業の要 請等に関する基本的な考えについて」では、季節性インフルエンザまたは新型インフルエンザ であっても、学校が地域全体の感染拡大に重要な役割を果たしていると指摘されています。一 方で学級閉鎖等にともなう保護者の経済活動の停滞による損失も少なくありません。 隣接する北区では、例年区内在住の 75 歳以上の高齢者にインフルエンザ予防接種を無料で 実施できるよう公費助成を行っておりましたが、近年さらに 72 歳以上の方へ対象を拡大しま した。いま区民のいのちと健康を守るための積極的な自治体の姿勢が求められております。 例年、国内人口の 1 割が罹患している季節性インフルエンザのさらなる蔓延と、インフルエ ンザワクチンの予防接種率の低下を防ぐために、区内における特別の措置を早急に講じるよう 下記項目につき要望致します。 記 要望項目 1.2015 年度より導入を決定した 4 価のインフルエンザ HA ワクチンの価格については、昨年 度と同価格となるよう医療機関への補助を行うこと。 2.荒川区内在住の 2 万 1,234 人(2015 年 9 月 1 日現在)の 13 歳未満の幼児および児童を対 象にインフルエンザワクチン予防接種にかかる費用負担の増加を緩和するよう緊急に措置を 講じていただくこと。 以上
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