個性のある浜づくりを⽬指して ⻑崎県南島原市 深江ブループロジェクト代表 吉⽥ 幸⼀郎 はじめに 1. 南島原市について 2. 深江の漁業について 3. 浜の現状について 4. 深江ブループロジェクトについて 5. 活動項⽬と年間スケジュール 6. 海難救助訓練 7. ⼲潟再⽣の取り組み 8. アオサの有効利⽤ 9. 今年度を振り返って 1.南島原市について • ⻑崎県の南部、島原半島の南東部 • 世界ジオパーク ⽇本第1号(雲仙⼭麓・豊かな地下⽔) • ⿂介類豊富な有明海と橘湾 • ⾵光明媚な海岸線 市章 ⻘い海、美しい⼭々 • 南蛮貿易の拠点(ヨーロッパとつながっていたまち) • 3万7千⼈の悲劇「島原の乱」の地 • 全国2位のそうめんの産地 歴史と⽂化 2.深江の漁業について ⿂種の豊富な有明海 主な漁業は、刺網やはえ縄式イカカゴ、 タコツボ漁、ワカメ養殖など 平成元年より⾞えびの養殖 漁業者の⾼齢化、就業者の減少 アマモ場の減少 アオサの堆積 藻場の減少 ⼲潟機能の低下 雲仙普賢岳 ⻑崎の教会群と キリスト教関連遺産 3.浜の現状について ⽔質浄化機能の低下 腐敗による悪臭の発⽣ 硫化⽔素・貧酸素による⼩⿂等の死滅 アサリの死滅や成⻑阻害 海⿃の餌(ゴカイ類)の減少 潮⼲狩り客の減少 etc. 近寄り難い浜 4.深江ブループロジェクト について 1. 発⾜年⽉⽇:平成21年8⽉1⽇ 2. 構成員 94⼈ 漁業者58⼈、漁業関係者他36⼈ 深江の浜の昔を知る漁業者と若い漁業 者が中⼼となり、未来の深江の浜につ いて議論を重ねながら、環境保全に取 り組んでいます! 浮遊堆積物除去 ※ピンクの範囲 (170ha) 海藻の 種苗投⼊ アマモ移植等 アサリ種苗放流 耕うん アマモ移植 アサリ種苗放流 耕うん 5.活動項⽬と年間スケジュール ⽬標 深江の浜を甦らせよう! 活動項⽬ ①国⺠の⽣命・財産の保全 ②地球環境の保全 ③漁村⽂化の継承 ④アオサの利活⽤ 4⽉ 5⽉ 6⽉ 海難訓練 藻場の保全 7⽉ 8⽉ 9⽉ 10⽉ 11⽉ 12⽉ 1⽉ 2⽉ 3⽉ ○ ○ ⼲潟等の保全 ○ ○ ○ ○ ○ 種苗放流(アサリ) 浮遊堆積物の除去 ○ ○ ○ 漁村⽂化の継承 アオサの利活⽤ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 6.海難救助訓練 昨年の報告会で発表があった⻘ 森県新深浦の活動組織の取組み を参考に、⼦供たちの夏休み前に、 海難訓練を実施した。 海難救助プログラム 1.救急指導 2.漁船の衝突事故訓練 3.転落者の救助訓練 4.ライフジャケット装着訓練 訓練の理解度 100% 80% 60% 40% 20% 0% AED指導 漁船の衝突事故訓練 転落者の救助訓練 ライフジャケット 装着訓練 6.⼲潟再⽣の取り組み ① 耕うん ② ツメタガイの除去 ③ アマモの移植等 ④ アサリの種苗放流 ⑤ 浮遊堆積物やアオサの除去 6.1.アマモ場再⽣の取り組み ① アマモ移植場所の設定 ② アマモの種取り ③ 地元⼩学校でアマモの訪問授業 ④ アマモマットの製作・設置 ⑤ アマモのモニタリング コアマモの保全 6.2.アサリ放流の取り組み 無計画な放流への反省 地盤⾼の測深 区域別放流試験 ⾷害防⽌対策 ⾷害防⽌対策 ケアシェルの設置 ケアシェルの設置 地盤⾼の測量 底質分析(夏期) モニタリング 活動内における アサリ放流適地の絞込み 底質分析 地盤が低い アサリが多い 地盤が⾼い ※⼲出時間が⻑い 008(9) St.1 007(118)30.0℃ 27.5℃ 009(0) 006(0) 29.5℃ 005(7) 011(9) St.2 010(27) 27.0℃ 26.5℃ 012(6) 27.0℃ St.3 013(39) 25.5℃ ()書きはアサリの個体数 160 140 120 アサリの重量(湿)の基礎統計量 地点別アサリ個体数 個体/0.25m2 140 深 江 118 St.1 平均 2.7 標準誤差 0.1 中央値 (メジアン) 3.0 最頻値 (モード) 3.0 標準偏差 1.21 最⼩ 0.3 最⼤ 5.9 標本数 116 有 家 ※個体数の多い場所に バラツキがある 100 80 60 43 39 27 40 20 1 0 St.1 St.2 殻⾼(cm) 20.0 St.3 St.4 St.5 有 家 深 江 St.2 1.4 0.2 1.0 2.0 1.10 0.2 4.0 27 St.3 2.0 0.1 2.0 2.0 0.54 1.0 3.0 39 St.4 2.5 0.1 1.5 1.1 1.76 0.6 6.5 140 構成⽐率(%) St.6 有家 ※有家のアサリは平べったい St.5 2.0 0.0 2.0 - - 2.0 2.0 1 St.6 7.1 0.5 10.0 10.0 3.52 0.6 10.0 43 8ヶ⽉〜1年⾙ 100.0% 80.0% 18.0 60.0% 16.0 40.0% 14.0 20.0% 12.0 深江 10.0 0.0% 8.0 〜5 〜10 〜15 〜25 殻⻑(cm) 〜30 〜20 次の級 6.0 St.1 4.0 2.0 St.2 St.3 St.4 ※深江は⼩粒が多い 0.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 殻⻑(cm) St.1 St.2 St.3 St.4 St.5 St.6 @栄養が豊富な海では成⻑が早く、⾙殻が平べったくなる。 St.5 St.6 ◎ アサリの⼤きさ 1mm :1〜1.5ヶ⽉稚⾙ 10〜20mm :4〜6ヶ⽉稚⾙ 25〜30mm :8ヶ⽉〜1年⾙ 35〜40mm以上:成⾙1〜2年以上 7.アオサの有効利⽤ 春から夏は⼤型のアナアオサ • 専⾨家による アオサ利⽤の勉強会 • ⼩規模実験(H25) • 実⽤化試験(H26) 秋か冬はミナミアオサ アオサ利⽤の勉強会 • 成分分析 • 作物の栽培 • 肥料別の試⾷官能評価 最近は⼀年中アオサが繁茂する。 分 類 ⾷ 品 ⼯業原料 概 要 ⽣⾷・粉末・健康⾷品 紙・園芸資材・医薬品 餌 料 肥 料 堆肥・その他 燃 料 ゴミ燃料・⽵炭・固形燃料 エネルギー ⿂・混養・⽔質維持・鶏 メタンガス・エタノール アオサ堆肥の実⽤化試験フロー ⼩規模な堆肥化実験(H25) • 悪臭発⽣の確認 OK • 害⾍発⽣の確認 OK Start 堆肥器 約4ヶ⽉間 放置 アオサ堆肥の温度経時変化グラフ 塩あり 45.0 塩抜き 40.0 35.0 取り出し 温度℃ 30.0 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 深江中学校でサニーレタスとカブの 栽培試験 0.0 6⽉13⽇ 7⽉13⽇ 8⽉13⽇ 9⽉13⽇ 10⽉13⽇ 実験の結果(H26.12) アオサ塩分なし アオサ塩分あり 化成肥料 腐葉⼟ 肥料なし ⽜ふん F サニーレタスの官能評価 E D C B A 0% 20% 40% 60% 80% 100% F カブの官能評価 E D C ⼤変おいしい おいしい B ふつう A あまりおいしくない 0% 20% 40% 60% 80% 100% おいしくない 8.今年度を振り返って 今年度も様々な取り組みを実施しました。 うまくいったのもあれば、思ったようにいかないものもありました。 それでも、多くの⽀援・アドバイスがあったおかげで、浜をまもり育 てて⾏くには、我々がもっと頑張らないといけないこと、やってみれ ば何かが⾒えてくることがわかりました。 また、地元の⽅々と取り組むことの素晴らしさを実感しました。 今後も、深江らしい浜づくりに頑張りたい! ご清聴ありがとうございました 活動組織 深江ブループロジェクト(深江町漁業協同組合内) 連絡先:〒859-1503 ⻑崎県南島原市深江丙131 TEL0957-72-2005 担当 吉⽥、⼩波
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