大阪医科大学三島南病院(旧:新生病院)内科卒後臨床研修プログラム

大阪医科大学三島南病院(旧:新生病院)内科卒後臨床研修プログラム
Ⅰ.当院の立地と特徴、そして研修目標
当院は高槻の南西端に位置する地域完結型の中規模病院です。高槻市は急性期病床が充実して
いる反面、慢性期病床が不足しています。当院は、医療と療養の 2 種類の病棟を有するケアミッ
クス型病院です。2025 年(平成 37 年)には団魂の世代が全員後期高齢者となり高齢者を抜きに
医療は考えられなくなります。当院ではこの特徴に基づき、研修目標と計画を策定する考えです。
また医師の役割として、医療を行うことによって人の健康を維持、疾病からの回復を目指すこと
は皆承知していますが、もう一つの役割として患者を看取るということも重要な仕事です(医師
以外死亡診断書・検案書を書けない)
。この点もよく理解した医師として育っていただきたいと念
じております。
Ⅱ.プログラム指導責任者
白木
正裕
(副院長兼内科部長)
Ⅲ.研修期間
2年目選択期間の2ヶ月間
Ⅳ.定員
1名
Ⅴ.研修内容概要
定員が一名であることから、臨床研修を 1 年間行ってきたことを踏まえて、研修プログラム
をオーダーメイドすることも考えています。そのため事前に面談する必要が出てくることも考
られます。基本としては(Ⅰ)で述べたように急性期医療と慢性期医療を経験、実践します。
急性期医療では、今まで習得した知識、手技、及び、医療面談での経験などを身体が忘れない
よう復習、実践します。また今まで経験していない初期医療があれば、可能な限り指導下に実践
します。その他にも、本人や家族との意志疎通、病状説明や治療方針の決定など、習得、昇華し
なければならない課題についても経験し、後で指導医とディスカッションを行います。
慢性期医療は全身管理とリハビリテーションと云えます。
Ⅵ.研修の実際
1)急性期初診患者の医療は、医療面接による病状の把握→身体所見把握→検査選択→
結果の解読・診断→病態理解→患者・家族への説明→治療の選択の流れとなります。
当院ではスペースの関係で、救急患者と時間外患者に対応してもらい、上記の過程を実践しま
す。この過程で医療手技が必要となる場合も多く、必要に応じて実施してもらいます。初期研修
として修得すべき手技として以下のものを考えています。手指衛生、個人防護策、動静脈穿刺、
末梢血管確保、中心静脈ルート確保、胸・腹水試験穿刺(腹水の場合はドレナージまで)、気管内
挿管、人工呼吸器管理などです。
一般外来研修は、他患者への影響を考え見学とします。
内科治療は、薬物治療が重きをなしており、初診患者の診断と初期治療方針を提言していただ
き、指導医とともに決定します。入院治療となった場合は、その担当医となり、指導医とともに
今後の治療に関与していただきます。この間に薬物療法の実際について習得して下さい。患者、
家族への説明も重要な研修課題ですが、各人のレベルが均一とは思えず、又、微妙な問題もあり
個々に合わせて、能力向上を図っていきます。
2)慢性期
全身管理の実際は、慢性疾患のコントロールと感染症管理が主となります。
リハビリテーションでは、セラピスト(療法士)と共に患者に接し、その内容を知り医師として
手助けになることはないかと考えて下さい。セラピストとの議論も可能です。
慢性期治療を行い、症状がほぼ固定化し退院を考える時期になると、今後の方向性を患者、家
族と相談し決定、更にその手続きを進めてゆきます。在宅の可能な人や施設入所、あるいは医療
施設への転院など各人により異なります。その時は、医療ソーシャルワーカーが動いてくれるので、
その実際を体験し、手順、問題点、困難な点などを学習してもらいます。
3)共通
急性期 2~3 名、慢性期 2 名程度の患者の受持ち(研修開始後変更あり)
ICT (Infection Control Team)ラウンド参加
NST(Nutrition Support Team)ラウンド参加
Ⅶ.評価
適宜評価と総括性評価を考えています。