ゴマメ通信 - ウィナーズ・アンド・カンパニー株式会社

H24.9.10
ゴマメ通信
荒木特許事務所
(201205号)
きもいりやく
発行人:発明を育てる会(千葉発明研究会)肝入役
荒木特許事務所
住
弁理士
荒
木
昭
生
所:
(千葉本室)
〒 261-0004
千葉市美浜区高洲2-7-5-103
℡/fax043-245-8721
Email:[email protected]
(東京分室)
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-15-4
Maison 115-3F ウィナーズ&カンパニー内
℡/fax03-5475-6568
Email:[email protected]
(コスモス畑)
この通信は、知的財産関連情報や時に感じる話題に関して、筆者のゴマメが自己の知人や友人に気の向くままに発信する一種のエッ
セーである。ゴマメの生存の証に「ゴマメの戯言」としてご笑覧くだされば幸甚です
「暑さ寒さも彼岸まで」と言うが 、今年の暑さは尋常ではない。暑さに強いと自負していたゴマメも、さすがにこの暑さ
には耐えかねて夜もエアコンの連続使用で生活している状況である。
更に、今年の夏はロンドンオリンピックに高校野球、パラリンピックとスポーツの祭典で大賑わいだった。
パラリンピック競技で使用する義足は、 J 字型の「ブレードランナー」と呼ばれるもので、これは J 字型をした薄い
板状の義足であるが、オリンピックの競技規定には、義足の形状と長さについては制約があるが、その他の材料や
弾性係数等の特性については何の規定もないそうだ。したがって、競技の記録は人間の本来の体力以上に競技に
使用する器具の優劣に左右されることになる。
これは、パラリンピックの義肢だけではなく、スキー競技やスケート競技、棒高跳び等にも共通する問題である。
ロンドンオリンピックのハンマー投げで銅メダリストの室伏選手の使用したハンマーも重心位置を少しずらしてあると
いう。
今や、スポーツ競技は人間の体力の限界を競うのではなく使用する器具の優劣を競うようになってきた。競
技に使用する器具についてはどの選手も全く同じ形状・材質・特性を有する器具を使用させるような規定を設けるべ
きであろう。さもなければ20メートルを一跳びに出来る義足や10メートルのハードルを軽々と越える棒高跳びの選手
も現れないとは限らない。こうなれば、最早スポーツ競技は体力ではなくテクノロジ
ーの競技である。
例として、図示した競技用の義肢は、義肢のブレード部分に空気抵抗抑制部材
4a、4bを設けて空気抵抗や渦抵抗をを軽減させて早く疾走できるように工夫が施
されている。
同じ人間が、空気抵抗抑制部材4a、4bのあるものとないものを同じ条件で使用す
れば空気抵抗抑制部材のある方に好記録が生まれることは間違いないだろう。
今後は、このテクノロジーを如何に生身の人間が使い熟すかという記録争いになる
のは必定で有り、スポーツ競技がスポーツ器具製造会社の腕比べ大会にならない
ことを願うものである。
(特開2011-182881号)