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13.研究成果概要図 (別添2 )
(ID09-21)「ダンベル型RNAを用いる新規RNA医薬品化技術の開発」
【研究期間】H23年4月1日~H24年3月31日
【研究目的】医薬品化可能な生体内安定性が高いダン
ベル型RNAを用いる新規RNA干渉技術を確立すること
を目標とする。ダンベル型RNAの細胞内での機能発現
メカニズムを解析し、構造設計の指針を得る。ダンベル
型RNAの構造最適化を検討し、膜透過性、生体内安定
性かつ持続性を示すダンベルRNA構造を確立する。
【実施体制】
独立行政法人 理化学研究所(総括)
阿部 洋
【研究成果】天然RNA鎖のみからなるダンベル型RNAが細胞内でループ部が切除され、2本鎖RNA
に変換されRNA干渉効果を引き起こすことを確認している。ここでループ部位はRNAの安定性を高め
るのに寄与するが、RNA干渉効果には寄与しないことがメカニズムから理解できる。そこで、より生体
内安定性を高めるために、ループ部にDNAを導入したダンベル型RNAを設計した。天然型RNAから
なるダンベルRNAは、ループ部に切れ目がある2本鎖RNAを出発原料として用いていたが、今回の基
質では適用できない。そこで、ステム部に切れ目がある2本鎖RNAを出発原料として閉環反応を検討
した結果、高効率で反応が進行することを見出した。本手法により3、5、7塩基とループ部にDNAを導
入したダンベルRNAを調整し、その生体内安定性及びRNA干渉効果を測定したところ、5塩基を導入
したダンベルRNAが最適な構造であることが明らかとなった。また、蛍光標識したダンベルRNAの細
胞内での分布を解析したところ、主に細胞質内に分布していることが明らかとなった。さらに、膜透過
性ペプチドを結合させたダンベルRNAを作成した。膜透過性ダンベルRNAは、細胞内にトランスフェク
ション試薬なしで取り込まれ、RNA干渉効果を示した。
【今後の計画】疾病関連遺伝子を標的とする膜透過性ダンベルRNAの生物評価を検討する。
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(ID09-21)「ダンベル型RNAを用いる新規RNA医薬品化技術の開発」
【研究概要】 ループ部分にDNAを有するダンベル型RNA
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保健医療分野における基礎研究推進事業