講演タイトル:抗マラリア活性物質 borrelidin の全合成 国際的な緊急課題:薬剤耐性マラリア原虫に有効な新しい抗マラリ ア剤の開発 北里大薬 長光 亨、○丸本かおり、高野大介、福田岳夫、針谷義弘 北里研北里大生命研 桑嶋 功、大村 智 マラリアは世界保健機構の熱帯病特別訓練計画の中で人類が制圧しなければならない 8大熱帯病の一つに挙げられ、世界全体で推定感染者は年間5億人以上、死亡者は年間 110万人に及ぶと推定されています。そして薬剤耐性マラリア原虫や薬剤抵抗性ハマダ ラカの出現により、マラリア流行は改善どころか悪化しています。このように国際的な 緊急課題として薬剤耐性マラリア原虫に有効な新しい抗マラリア剤が強く求められて いる中、北里研究所において薬剤耐性マラリア原虫にも優れた殺活性を示し、かつ毒性 が低いボレリジンが発見されました。 ボレリジンを基本化合物とした新規抗マラリア剤 の開発は、今日問題となっているマラリア流行を打開する大きな切り札となる可能性が 高いと言えます。そこで我々の研究室ではボレリジンの全合成に着手し、達成すること ができました。現在はより効率性を高めるため改良を進めています。この研究が進むと ボレリジンの大量取得や多種多様なボレリジン誘導体の合成が可能となり、 より優れた 抗マラリア剤の開発が期待されます。
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