蜂蜜 1.1 ミツバチによる花の蜜の採集 花の蜜を採集するセイヨウミツバチ 蜂蜜の基となる花の蜜は、メスのミツバチによっ て採集される。採集された花の蜜はショ糖液、つ まり⽔分を含んだスクロース(ショ糖)の状態で 胃の前部にある蜜嚢(蜜胃* [10])と呼ばれる器官 に貯えられる。蜜嚢が蜂蜜で満たされるとミツバ チは巣へ戻る* [11]。 ⼀般にミツバチが採集した花の蜜が蜂蜜であると 考えられがちである* [12] が、花の蜜が巣の中で加 ⼯、貯蔵されたものが蜂蜜であり* [2]、両者の性質 には物理的、化学的な違いがある* [13]。まず、花の 蜂蜜 蜜は蜂蜜よりも糖濃度が低い。⼀般に花の蜜の糖 度は蜜蜂が採集した段階で 40% 未満であるが、巣 蜂蜜(はちみつ)とはミツバチ が花の蜜* [† 1] を に持ち帰られた後で⽔分の発散が⾏われる結果、 * 採集し、巣の中で加⼯、貯蔵したものをいい* [2]、 蜂蜜の糖度は 80% 前後に上昇する [14]。また、⽔ * ⾃然界で最も⽢い蜜といわれる [3]。約 8 割の糖分 分発散のための作業の⼀つとして、蜜蜂は巣の中 と約 2 割の⽔ 分によって構成され、ビタミン とミ で⼝器を使って蜜を膜状に引き延ばすが、この時 ネラル 類などの栄養素 をわずかに含む* [4]。味や 蜜蜂の唾液に含まれる酵素(インベルターゼ、転 化酵素)が蜜に混⼊し、その作⽤によって蜜の中 ⾊は蜜源植物によって様々である* [5]。 のスクロースがグルコース(ブドウ糖)とフルク 本来はミツバチの⾷料 であるが、しばしば他の⽣ トース(果糖)に分解される* [13]。 物が採集して⾷料としている* [6]。⼈類も「蜂蜜 の歴史は⼈類の歴史」ということわざがある* [7] ミツバチの⼝器を通してはこの他に、本来花の蜜 ように、古来、⾷⽤、薬⽤など様々な⽤途に⽤い には含まれない物質が混⼊する。⼀例としてコリ ている。⼈類は初め、野⽣のミツバチの巣から蜂 ン が挙げられる。コリンはミツバチの咽頭腺から 蜜を採集していたが、やがてミツバチを飼育して 分泌されるローヤルゼリー に含まれる物質であ 採集すること(養蜂)を⾝に付けた。⼈類による り、ミツバチが花の蜜の⽔分の発散と並⾏して同 蜂蜜の⽣産量は、世界全体で推定約 120 万 t であ じく⼝器を⽤いて咽頭腺から分泌されたローヤル ゼリーを⼥王蜂 の幼⾍に与える作業を⾏うため、 る* [8]* [9]。 ローヤルゼリー中のコリンが蜂蜜に混⼊すると考 えられる* [15]。 1 ちなみに、中国の明代の薬学書『本草綱⽬』は臭 腐神奇という霊的な作⽤によって⼤便から蜂蜜が ⽣成されると説いており、この説は同じく明代の 採集 1 2 成分と性質 2 産業技術書『天⼯開物』や⽇本の江⼾時代 の類書 『和漢三才図会』に受け継がれた。⽇本ではこの 説に対し、江⼾時代の本草学者⾙原益軒 が蜂蜜は 花の蜜から作られると反論した。⽇本初の養蜂書 『家蜂畜養記』の著者久世敦⾏も同様に反論を⾏っ た* [16]。 1.2 人による蜂蜜の採集 た* [23]。現代的な養蜂では⽊製の枠の中に巣を作 らせ、蜜が貯まると遠⼼分離器 にかける⽅法が 採⽤されている* [24]。遠⼼分離器による採蜜法は 1865 年に、オーストリアのフルシュカによって考 案された* [25]。遠⼼分離機の活⽤によってミツバ チ⼀群あたりの蜂蜜の採集量はおよそ 5 倍ないし 10 倍に増加した* [24]。 採集した蜂蜜には微量の花粉* [† 2] や巣の破⽚が 含まれている。市場に流通している蜂蜜の多くは、 それらをろ過した後で容器に詰められている* [26] が、ろ過には限界があり、若⼲の不純物が残留す る* [27]。 2 2.1 蜂蜜採集の様⼦を描いたアラニア洞窟 の岩壁彫 刻の模写 成分と性質 成分 蜂蜜は約 8 割の糖分と約 2 割の⽔分によって構成 され、微量の栄養素など(ビタミン* [† 3]、ミネラ ル* [† 4]、アミノ酸* [† 5]* [† 6]、有機酸* [† 7]、酵素* [† 8]、⾊素* [† 9]、⾹気物質* [† 10])も含まれる* [4]。 有効成分が蜂蜜の中で果たす働きについては未解 明な点も多い* [39]。ビタミン、ミネラル、アミノ 酸の多くは花粉に由来する* [29]。 糖分のほとんどはグルコース(ブドウ糖)とフルク トース(果糖)* [40] で、少量のオリゴ糖* [40] とス クロース(ショ糖)* [40]* [41]、さらにデキストリ ン も含まれる* [42]。 ミツバチを捕獲する養蜂家 グルコースとフルクトースが主成分であることか ら、蜂蜜は消化の必要なしに、⼿早くエネルギー エバ・クレーン の研究によれば、1 万年前にはす を得ることができる* [44]。グルコースとフルク でに⼈類による採蜜が始まっていた* [17]。⼈類は トースの⽐率を⽐較すると、フルクトースの⽅が 当初、野⽣のミツバチの巣から蜂蜜を採集してい 若⼲多い傾向にある* [45]* [46]。グルコースとフル た* [18]。1919 年 にスペインのアラニア洞窟 で発 クトースはともに単糖 であり、摂取後体内でそ ⾒された新⽯器時代 の岩壁彫刻は⼈類とハチミ れ以上消化・分解する必要がなく、短時間で体内 ツの関係を⽰す最古の資料とされ、⽚⼿に籠状の に吸収される* [47]。さらにフルクトースの吸収速 容器を持って縄梯⼦ を登って天然の洞⽳に近づ 度がグルコースのおよそ半分であることから、吸 き、蜂蜜の採集を試みる⼈物が描かれている* [19]。 収によって⾎糖濃度が急激に変動することはな この壁画では洞⽳とミツバチが⾮常に⼤きく描か い* [48]。 れており、古代⼈の蜂蜜への関⼼の⾼さとミツバ スクロースは蜜蜂に採集される花の蜜の主成分 チに対する恐怖の⼤きさを表していると解釈する であり、巣の中で蜂蜜に転化しなかったものであ ことができる* [20]。 る* [41]。標準的な蜂蜜に占めるスクロースやデキ やがて⼈類は養蜂、すなわちミツバチを飼育して 蜂蜜を得る⽅法を⾝に付けた。エジプトではおよ そ 5000 年前に粘⼟製の管状の巣箱を⽤いた養蜂 が始められ、巣箱を移動させながら蜜を採集させ ること(転地養蜂)も⾏われた* [18]。ギリシア神 話 には養蜂の神アリスタイオス が登場する* [21]。 ストリンの割合はせいぜい 1 ないし 3% まで、5% を超える蜂蜜については分解が⼗分に進んでいな いか、純粋ではない、つまり蜂蜜以外のものが混 ⼊していることを疑う必要がある* [42]。デキスト リンは、⼈⼯的に作られたグルコースや⽔飴に⼤ 量に含まれる* [49]。ただし⽢露蜜は⼀般にデキス * 養蜂は、閉鎖空間の中に巣を作るというミツバ トリンが 10% 前後含まれる [50]。 チの習性を利⽤し、内側をくり抜いた丸太や⼟ ミネラルの⼀つである鉄 にはタンニン と化学反 管、わら縄製のスケップ、⽊製の桶などを⽤いて 応を起こして⿊くなるという性質がある。そのた ⾏われる* [22]。かつては巣を切り取り、押しつぶ め、紅茶の中に蜂蜜を⼊れて⿊く変⾊するかどう して蜜を搾り取る⽅法が採⽤されていたが、これ かで蜂蜜が純粋かどうかを判別することができる はミツバチに⼤きなダメージを与えるものであっ といわれることがある。しかし蜂蜜には⾦属を溶 2.2 性質 3 解させる性質があり、鉄を含む⾦属製の容器に貯 蔵された場合、蜂蜜に溶け込んだ容器の鉄分がタ ンニンと反応を起こすため、確実な⽅法とはいえ ない* [51]。 ビタミンのうち約 9 割は活性型で少量の摂取で効 果が⾒込める上、きわめて安定しており、果物と ⽐べ貯蔵中の減少率が⾮常に少ない* [52]。ビタミ ンの含有量は蜜源植物 によって⼤きく異なり、ま た脱臭脱⾊をすると⼤幅に、場合によってはほと んど全て失われてしまう* [53]。 酵素のうちインベルターゼ(転化酵素)は、前述 のようにスクロースをグルコースとフルクトース に分解する働きを持ち、ミツバチが採集した花の 蜜を蜂蜜に変化させる役割を担う* [54]。スクロー スの分解が⼗分に進んでいない蜂蜜を採集した場 合、インベルターゼの働きによって貯蔵中に分解 が進む* [55]。インベルターゼは熱によって機能を 失う。そのため、分解が⼗分に進んでいない蜂蜜 を加熱して⽔分を除去した場合、濃度を⾒ると標 準的な蜂蜜だがショ糖の含有量が不⾃然に多い製 品が出来上がってしまう* [56]。グルコースオキシ ターゼ は、グルコースから有機酸(グルコン酸) を作り出す* [33]。ジアスターゼ はデンプン をデ キストリンやマルトース(⻨芽糖)に分解する働 きをもつ。ドイツやオランダ、スイスの⼀部では ジアスターゼの含有量が少ない蜂蜜を、⼈為的な 加⼯がされている可能性があるとして低く評価す 結晶が沈殿した蜂蜜 る傾向がある。しかしジアスターゼの含有量は蜜 源植物の種類によって異なる⾯もあり、さらに⻑ 期間貯蔵中すると減少する* [57]。アメリカの専⾨ 家の多くはジアスターゼの含有量に基づく品質の いが溶け残った結晶がある場合、しばらくすると 評価に否定的である* [57]。 そこを核として再び結晶化が進⾏する* [65]。結晶 ができない蜂蜜は純粋ではないといわれることが ある。これは多くの蜂蜜について妥当な判別法で 2.2 性質 あるが、アカシアを蜜源とするものなど⼀部には 純粋であってもなかなか結晶ができない蜂蜜もあ 2.2.1 結晶化 る* [66]。結晶を⾒て蜂蜜に砂糖が混⼊していると * 蜂蜜には低温中で粒状の結晶ができ⽩く固まる性 勘違いされることがある [67]。 質があるが、これはグルコースの性質によるもの である* [58]* [59]。ただし低温であればあるほど結 晶化しやすいというわけではなく、結晶化しやす いのは摂⽒5 度ないし 14 度弱であり、摂⽒マイナ ス 18 度弱以下になるとほとんど結晶化しなくな 2.2.2 水素イオン指数 るといわれている* [60]。グルコースを多く含む蜂 蜜ほど早く結晶化し* [29]、グルコースの含有量が 少なくフルクトースを多く含む蜂蜜は結晶化しに 蜂蜜の⽔素イオン指数 は 3.2 ないし 4.9 と弱酸性 くい* [59]。また、結晶化が早いと結晶のきめが細 であるが、これは有機酸を含むためである* [32]。 かくなる傾向がある* [61]* [62]。どのように結晶化 しかしながら、⾷品が⾝体に与える影響の観点か していくかは、蜂蜜の⽐重によって異なる。⽐重 らは、蜂蜜はアルカリ性⾷品 である。これは蜂蜜 の軽い蜂蜜の場合、液体状の蜂蜜より⽐重の⼤き に含まれるカルシウム、マグネシウム、カリウム、 い結晶が底に沈殿するため、底の⽅から結晶化す ナトリウムがアルカリ性を⽰すミネラルであり、 るかのような印象を与える。⽐重の重い蜂蜜の場 さらに有機酸が体液をアルカリ性に変える働き 合、液体状の蜂蜜と結晶の⽐重の差がほとんど同 をもつからである* [68]。⽔素イオン指数は弱酸性 じであるため、蜂蜜全体が結晶化していく* [63]。 であるが、蜂蜜を摂取する際には酸味が感じられ 加熱することで結晶は溶けるが、加熱し過ぎると ない傾向にある。これはグルコースおよびフルク ⾊が濃くなったり⾵味が若⼲変化するなどの影響 トースの⽢みが強く、かつ有機酸の 7 割を占める が⽣じる* [64]。結晶を経た蜂蜜は再び結晶しにく グルコン酸の酸味がまろやかなためである* [32]。 4 2.2.3 3 利⽤法 カロリー 蜂蜜の標準カロリーは、 100g あたり約 294kcal* [69]、 * または 356kcal [70] で、鶏卵 の約 2.5 倍、⽜乳 の 約 6 倍に相当する* [71]。 2.2.4 甘味度 蜂蜜の⽢味度は、採集された花の種類によって若 ⼲差があるものの、同重量のスクロースとほぼ同 じとされる* [72]。蜂蜜はフルクトースを多く含む が、フルクトースには⽢味度が低温で⾼く、⾼温 で低くなるという特徴がある* [72]。 ソブラサーダ と蜂蜜を せたパン料理 2.2.5 風味 り* [74]、イングランド 南部では紀元前 2500 年頃 蜂蜜は⽢さとともに、独特の⾵味を持つ。これは に壺型の⼟器に蜂蜜が⼊れられていた痕跡が発⾒ 蜂蜜に含まれるビタミン、ミネラル、アミノ酸、有 されている* [75]。 機酸、酵素などの微量成分に由来する。⾵味は蜜 ⼈類は当初、巣房(ミツバチの巣を構成する六⾓ 源植物の種類によっても異なる* [73]。 形の⼩部屋)ごと⾷べる形* [† 11] で蜂蜜を摂取し た* [77]。古代エジプトで蜂蜜は、イナゴマメ(キャ ロブ)と並び主要な⽢味料であった* [78]。蜂蜜が 2.2.6 浸透圧 ⼈々の⾷⽣活に広く浸透し始めたのは古代ギリ 蜂蜜は浸透性が⾼いことで知られるが、これはグ シャ時代のこと* [79] で、ギリシア神話には巣に ルコースとフルクトースの浸透性がともに⾼いか ⼊った蜂蜜が供される場⾯が登場する* [80]。古代 ギリシャでは多くの⽂芸作品、さらにはプラトン、 らである* [73]。 アリストテレス といった哲学者の著作にも蜂蜜 が登場する。アリストテレスの記述をもとにした 試算では、当時のアッティカ の⾃由市⺠ 1 ⼈あた 3 利用法 りの消費量は 20 世紀後半の⽇本の国⺠ 1 ⼈あた りの消費量をはるかに上回っている* [79]。それに 3.1 食用 応じて養蜂も盛んに⾏われ、プルタルコス の『対 ⽐列伝』には、政治家ソロン が活躍した時代に養 蜂場間の距離規制(300 プース以上離さなくては ならない)に関する法律が制定されたという話題 が登場する* [81]。 3.1.1 調味料 紀元前 15 世紀、トトメス 3 世 時代のエジプトの 遺跡の壁画には、養蜂とともに蜂蜜⼊りのパン 菓⼦を作る様⼦が描かれている* [82]。約 300 年後 のラムセス 3 世 の墓の壁画にも同様の絵が描かれ ており、菓⼦の種類が増えていることが読み取れ る* [83]。 エジプトのパン菓⼦はギリシャに伝わった* [84]。 古代アテナイ の喜劇作家アリストパネス の作品 『アカルナイの⼈々』(紀元前 425 年 発表)の中に は蜂蜜⼊りのパンが登場する* [85]。紀元前 200 年 頃にはギリシャ産の蜂蜜を使って 72 種類のパン 巣ごと容器に⼊れられた蜂蜜(巣蜜) 菓⼦が作られていたといわれる* [86]。パンと菓⼦ の分化も進んでいった* [86]。当時蜂蜜は⼤変⾼価 蜂蜜と⼈類 の関わりは古く、英語には「蜂蜜の歴 で、キュレネ の遺跡からは⼟地の権利と引き換 史は⼈類の歴史」ということわざがある* [7]。蜂 えに蜂蜜を⼿に⼊れた⼊植者について記述された 蜜は⼈類が初めて使⽤した⽢味料といわれてお 碑⽂が出⼟している* [84]。製菓、製パンにおいて 3.1 ⾷⽤ 5 蜂蜜は、⽢みを加えるだけでなく天然酵⺟の発酵 を促進する機能も有している* [86]。その後、蜂蜜 を使ったパンや菓⼦はローマ、さらにヨーロッパ 全⼟へと広まった* [84]。古代ローマにおいて蜂蜜 はパン以外の料理にも⽤いられた。ローマの美⾷ 家マルクス・ガウィウス・アピキウス の著書『ア ピキウスの料理書』に収録されているレシピは⻄ 洋料理 の起源とされるが、500 点中 170 点ほどが 蜂蜜を使⽤した料理に関するものである* [87]。 東洋においては中国の戦国時代、楚辞『招魂』の 中に「粔籹蜜餌」という名の蜂蜜を⽤いた菓⼦が 登場する* [88]。「粔籹」は餅⽶粉と⼩⻨粉、蜂蜜を 混ぜて揚げた菓⼦を指し、「餌」はキビ を⾅でつ いて作った餅を指すことから、これはきび団⼦⾵ の餅に蜂蜜をかけたもの、または餅に蜂蜜を混ぜ て作ったものと推測される* [89]。 「粔籹」という 語は紀元前 2 世紀の墳墓、⾺王堆漢墓 の副葬品の ⽵簡にも登場する* [89]。「粔籹」の語は⽇本にも 伝わり、平安時代中期発⾏の『和名類聚抄』に登 場する。ただしここでは製法について「蜜と⽶を 和し煮詰めて作る」と紹介されており、内容が変 化している。ちなみに『和名類聚抄』において本 来の「粔籹」は、「環餅」(まがり)として紹介さ れている* [89]。 ⿂料理に⽤いると、⿂の臭みを減らす働きをする。 蜂蜜酒 これは蜂蜜に含まれる酸が⿂の臭みの原因であ * るアミン の揮発性をなくすためである [90]。煮⿂ や照り焼きを作る際に味噌や醤油に蜂蜜を混ぜる 3.1.2 蜂蜜酒 と、⾹りの良さが向上する。これは蜂蜜の⾹り⾃ 体が⿂の臭いを覆うだけでなく、蜂蜜に含まれる 蜂蜜と⽔が混ざった液体(蜂蜜⽔)の糖分が発酵 グルコースとフルクトースが⿂のタンパク質や味 すると、アルコールへと変化する。その結果出来 噌・醤油のアミノ酸とアミノカルボニル反応と呼 上がるのが蜂蜜酒 で、⼈類最古の酒とされる* [94]。 ばれる反応を起こし、それによって⽣じた⾹り成 蜂蜜には耐糖性の酵⺟が含まれており* [38]、発酵 分がアミンと結合し、⿂臭さを打ち消すことによ しやすく、⽔で割って温かいところに置くだけ る* [90]。 で蜂蜜酒を作ることができる* [95]。蜂蜜酒は古代 ⾁料理に⽤いると、浸透性の⾼さによって⾁の組 のヨーロッパ、とりわけ北欧で愛飲され、⼈々の * [96]。北欧神話には蜂 織に浸透し、過熱による⾁の収縮・硬化を防ぐ。 暮しと密接に関わっていた * 蜜酒が度々登場する [97]。古代ギリシャ⼈はワイ また、蜂蜜に含まれる有機酸は⾁の保⽔性を⾼め、 ⾁を軟化させる。さらにグルコースとフルクトー ン を飲むようになる前は蜂蜜酒を愛飲しており、 スが熱によって短時間でカラメル化するため、⾁ ギリシア神話に登場する豊穣とブドウ酒と酩酊 はもとは蜂蜜酒の神であっ の表⾯が固められ、内部に⽔分やうまみを閉じ込 の神ディオニューソス * たといわれている [98]。ローマ時代には各家庭が * めることができる [91]。 常備薬として蜂蜜酒を置いた* [99]。「ハネムーン」 炊飯の際に蜂蜜を加えると、グルコースとフルク という⾔葉は、夫婦が新婚の 1 か⽉間を蜂蜜酒を トースが⽶の内部に浸透し保⽔性を⾼め、さらに 飲みながら過ごすという古代ゲルマン⺠族の⾵習 加熱されたアミラーゼが⽶に含まれるデンプンを が起源であるともいわれている* [96]* [98]* [100]* [† ブドウ糖に転化することで味を⾼める効果をもた 12]。ビールやワインの登場後も蜂蜜酒はヨーロッ らす* [92]。 パにおいて地酒 として愛飲された* [101]。 その他、調味料としての蜂蜜はリンゴ、レンコン、 古代ローマの⽂献には次のような蜂蜜酒の製造法 ゴボウなどの褐⾊変化を防ぐ、イースト菌の発酵 が記録されている。 を促進するといった効果をもたらす* [93]。 果実酒 で使⽤したり、砂糖の代⽤としても利⽤さ れる。 酒は⽔とハチ蜜だけでもつくれる。そ のためには天⽔ を 5 年間貯えておくのが よいとされている。もっと練達の⼈々は、 降って間もない⾬⽔を⽤いる。すなわち、 それを 3 分の 1 量に煮詰め、古いハチ蜜 1 に⽔ 3 の割合で加え、その混合物をシ 6 3 リウス星 が昇った後、40 ⽇間天⽇ に曝 しておく。 ̶清⽔ 2003、9-10 ⾴。 蜂蜜酒の発酵について⼈類は当初、蜂蜜に含まれ る野⽣酵⺟に頼っていたが、発酵の早さや発酵の 結果得られる⾵味を調整する技法を⾝に付けて いった* [96]。 オラウス・マグヌス の著書『北⽅⺠族⽂化誌』に は、中世の北欧における、 「⽣ビール⾵蜂蜜酒」と いうべき蜂蜜酒の製法として次のようなものが記 されている。 上等のハチミツ 1 に対し⽔ 4 を⽤意 する。鍋に半量の⽔を取ってハチミツを 混ぜ⼊れ、リンネル をかぶせた杓⼦で泡 を少しずつ除きながら煮⽴てる。次に別 の鍋に残りの⽔を⼊れ、リンネル袋に⼊ れたホップ の花を煮⽴て、半分量まで煮 詰めて、苦みを出す。⽊製の容器に両⽅ を移して混合して厚い布で覆いをし、ぬ るくなってからビールの沈殿物あるいは パン種を加える。翌⽇この混合液をリン ネルの布で漉して別の容器に移し、蓋を して保存する。8 ⽇⽬、あるいは緊急の 場合にはそれよりも以前に飲んでも⼤丈 夫である。しかしその飲み物は古くなれ ばなるほど純粋でうまく体にも良いもの になる。 ̶清⽔ 2003、9-10 ⾴。 3.2 薬用 蜂蜜については⼈類の⻑年にわたる経験をもと に、古来様々な薬効が謳われてきた* [102]。旧約聖 書 には、「⼼地良い⾔葉は、蜂蜜のように魂に⽢ く、⾝体を健やかにする」ということわざが登場 する。この⾔葉から、⼈類が早くから蜂蜜の健康 上の効能について認識していたことが窺える* [3]。 古代エジプトの医学書エーベルス・パピルス およ びエドウィン・スミス・パピルス には内⽤薬* [† 13] および外⽤薬(軟膏剤、湿布薬* [104]、坐薬* [105]) 『旧約聖 への蜂蜜の活⽤が描かれている* [106]。 書』の「サムエル記・上」には疲労と空腹により ⽬のかすみを覚えたヨナタン が蜂蜜を⾷べて回 復する逸話が登場する* [107]。 古代ギリシャでは医学者のヒポクラテス が炎症 や潰瘍、吹き出物 などに対する蜂蜜の治癒効果を 称賛している* [108]。古代ローマの皇帝ネロ の侍 医アンドロマコス は、蜂蜜を使った膏薬テリアカ を考案した。テリアカは狂⽝病 に罹った⽝や毒蛇 に噛まれた際の、さらにはペスト の治療薬として ⽤いられた* [109]。テリアカの存在は奈良時代 に ⽇本へ伝えられ、江⼾時代になってオランダ⼈に よって現物が持ち込まれた* [110]。 利⽤法 中国の本草書『神農本草経』(成⽴は後漢 から三 国時代 の頃)には「⽯蜜」と呼ばれる野⽣の蜂蜜 の効⽤について、「⼼腹の邪気による病を治し、驚 きやすい神経不安の病やてんかんの発作をしずめ る。五臓の⼼臓・肝臓・肺臓・腎臓・脾臓を安らか にし、諸不⾜に気を益し、中を補い、痛みを⽌め、 解毒し多くの病を除き、あらゆる薬とよく調和す る。これを⻑く服⽤すれば、志を強くし、⾝体の動 きが軽くなり、飢えることもなく、⽼いることも ない」と記されており* [111]、中国最古の処⽅集で ある『五⼗⼆病⽅』(戦国時代)には蜂蜜を⽤いた 利尿剤の処⽅が記されている* [112]。明代の薬学 書『本草綱⽬』には「⼗⼆臓腑ノ病ニ宜シカラズ トイフモノナシ」と、あらゆる疾病に対し有効な 万能薬と記述されている* [113]。同書には張仲景 による医学書『傷寒論』を引⽤する形で、蜂蜜を 使った外⽤薬(坐薬)の作り⽅も登場する* [114]。 ⽇本の医学書『⼤同類聚⽅』には「須波知乃阿 免」 (すばちのあめ)が⾒え* [115]、巣蜂とはハチ の巣のことである* [116]。ただし旧暦 8 ⽉に⼟の 中から掘り出して採るとしており* [† 14]、ハナバ チ の仲間ではマルハナバチ が巣を⼟の中に作る。 漢⽅薬 では⽣薬 の粉末を蜂蜜で練って丸剤 (丸薬) をつくる。例として⼋味地⻩丸 がある* [117]* [118]。 江⼾時代の医師栗本昌蔵 は、著書の中で丸薬を作 る際の蜂蜜の使い⽅について解説している* [119]。 3.2.1 薬効とその科学的根拠 古来謳われてきた薬効について科学的な検証を ⾏ったところ、ある程度の信憑性が確認されてい る* [120]。 蜂 蜜 は 古 来、 外 科 的 な 治 療 に ⽤ い ら れ て き た* [121]。古代ローマの軍隊では蜂蜜に浸した包帯 を使って傷の治療を⾏っていた* [122]。蜂蜜には強 い殺菌⼒のあることが確認されており、チフス菌 は 48 時間以内に、パラチフス菌 は 24 時間、⾚痢 菌 は 10 時間で死滅する* [123]。また、⽪膚の移植 ⽚を清浄で希釈や加⼯のされていない蜂蜜の中に ⼊れたところ、12 週間保存することに成功したと いう報告がある* [124]。蜂蜜の殺菌⼒の根拠につ いてカナダのロックヘッドは、浸透圧が⾼いこと と、⽔素イオン指数が 3.2 ないし 4.9 で弱酸性であ ることを挙げている* [125]。蜂蜜の持つ⾼い糖分 は細菌から⽔分を奪って増殖を抑える効果をもた らし* [† 15]* [127]、3.2 ないし 4.9 という⽔素イオン 指数は細菌の繁殖に向いていない* [128]。しかし ながらポーランドのイズデブスカによって、蜂蜜 に⽔を混ぜて濃度を 10 分の 1 に薄めても殺菌⼒ を発揮することが確認され、ロックヘッドの主張 と両⽴しないことが明らかとなった* [125]。アメリ カのベックは、⽪膚のただれた箇所に蜂蜜を塗っ て包帯を巻くとリンパ が分泌され、それにより 殺菌消毒の効果が得られると主張している* [129]。 前述のように蜂蜜に含まれる酵素グルコースオキ シターゼは、グルコースから有機酸(グルコン酸) 3.3 芳⾹剤 7 を作り出す* [33] が、その過程で⽣じる過酸化⽔素 には殺菌作⽤がある* [130]。⼈類は古くから蜂蜜 がもつ殺菌⼒に気付いていたと考えられ* [90]、防 腐剤として活⽤した* [† 16]* [† 17]。 ⼊りイタリアのセロナは 0.9g の蜂蜜中に 20 国際 単位の発情物質が含まれると発表した* [148]。 古代エジプトの医学書中には盲⽬の⾺の⽬を塩を 混ぜた蜂蜜で 3 ⽇間洗ったところ⽬が⾒えるよう になったという記述が登場する* [137]。また、マ ヤ⽂明 ではハリナシバチ が作った蜂蜜を眼病の 治療に⽤いていた* [138]。その後、蜂蜜が⽩内障 の治療に有効であることが科学的に明らかとなっ た* [139]。インドでは 20 世紀半ばにおいて、蜂蜜 が眼病の特効薬といわれていた* [140]。 いない* [151]。 蜂蜜には⾎圧 を下げる効能があるといわれてき た* [146]。蜂蜜にはカリウムが多く含まれるが、⾷ * * 蜂蜜は古来瀉下薬 として⽤いられ [133] [134]、同 塩を過剰に摂取した際にカリウムを摂取すると⾎ 時に下痢 にも効くとされてきた* [135]。蜂蜜に含 圧を下げることができる* [149]。また、蜂蜜に含ま まれるグルコン酸には腸内のビフィズス菌 を増 れるコリンには⾼⾎圧の原因となるコレステロー やす効能があり、これが便秘に効く理由と考えら ル を除去する効果がある* [146]。 れる* [133]。フランスの医学者ドマードは、悪性 古代エジプトや中国の⽂献には、蜂蜜の駆⾍作⽤ の下痢を発症し極度の栄養失調 状態にある⽣後 8 に関する記述がみられ、⽢草 と⼩⻨粉、蜂蜜から か⽉の乳児に⽔と蜂蜜だけを 8 ⽇間、続けてヤギ 作った漢⽅薬「⽢草粉蜜糖」は駆⾍薬として知ら の乳と⽔を 1:2 の割合で混ぜたものを与えたとこ れる* [150]。1952 年(昭和 27 年)に⽇本の岐⾩県岐 ろ、健康状態を完全に回復させることに成功した ⾩市 にある⼩学校で実験が⾏われ、蜂蜜を飲んだ と報告している。これは、蜂蜜のもつ殺菌作⽤に ⼩学⽣の便からは回⾍ の卵がなくなるという結 よって腸内環境が改善されたためと考えられてい 果が得られた* [151]。蜂蜜に含まれるどの成分が る* [136]。 駆⾍作⽤をもたらすかについては明らかになって そ の 他 に、 鎮 静 作 ⽤* [152] が 認 め ら れ、 咳 ⽌ め* [153]、鎮 痛 剤* [154]、神 経 痛 お よ びリ ウ マ チ* [155]、消化性潰瘍* [156]、糖尿病* [157] に対す る効能が謳われている。 欧⽶には「ハチミツがガン に効くという漠然と した" 信仰" に近いもの」が根強く存在する* [141]。 3.3 芳香剤 1952 年 に⻄ドイツのアントンらが 19000 ⼈あま りを対象に職業別の悪性腫瘍発症率を調べたと 蜂蜜は古来、芳⾹剤として利⽤されてきた* [158]。 ころ、ほとんどの職業において 1000 ⼈中 2 ⼈の 古代エジプトには蜂蜜と没薬、松脂、ワイン に 割合であったところ、養蜂業の従事者については 浸した菖蒲 やシナモン を混ぜて作られたキフィー 1000 ⼈中 0.36 ⼈の割合であった。この結果から と呼ばれる煉⾹ があった* [158]。古代の中国に は養蜂業従事者の⽣活習慣の中に悪性腫瘍を抑 も蜂蜜を⽤いた煉⾹があった* [158]。平安時代 の 制する要因があることが読み取れるが、それを蜂 ⽇本にも蜂蜜を使った⾹があり、『源⽒物語』「鈴 蜜の摂取に求める⾒解がある* [142]* [† 18]。フラ ⾍」の冒頭には「荷葉の⽅をあはせたる名⾹、蜜 ンスのアヴァスらは、動物実験によってハチミツ をかくしほろろげて、たき匂はしたる」* [† 19] と に悪性腫瘍を抑制する作⽤があることを確認し いう記述が登場する* [159]。⼩⼀条院 皇后の⼥房 ている* [143]。また、前述のように蜂蜜には⽣成 であった⼈物は、蜂蜜を⽤いた⾹には⾍が湧くと の過程でローヤルゼリーに含まれる物質が混⼊す いう記録を残している* [160]。⾹の中には飴のよ ると考えられている* [15] が、カナダのタウンゼ うになめて使うものもあり、服⽤を続けると顔を ンドらはローヤルゼリーの中に悪性腫瘍を抑制す 洗った⽔や抱いた⼦供にまで匂いが移ったとされ る物質(10-ヒドロキシデセン酸)を発⾒してい る* [160]。タバコの中には⾹りの調整に蜂蜜を使 る* [144]* [145]。 ⽤しているものもある* [161]。 ⼆⽇酔いには蜂蜜⼊りの冷たい⽔が有効であると される* [133]。蜂蜜に含まれるフルクトースは肝 臓がもつアルコール分解機能を強化する効果をも ち* [133]、さらにコリンやパントテン酸にも肝臓 3.4 化粧品 の機能を⾼める作⽤がある* [146]。デンマークの 医師ラーセンは、泥酔者に蜂蜜を飲ませたところ、 短時間で酔いから覚めたと報告している。また、 蜂蜜は、古代エジプト・ギリシャの時代から化粧 ルーマニアのスタンボリューは 124 ⼈の肝臓病患 品に⽤いられ、クレオパトラ 7 世 は蜂蜜を⽤い * 者が蜂蜜を摂取することにより全快したと報告し て化粧をし [162]、古代ローマの皇帝ネロの妻は * * 蜂蜜とロバの乳を混ぜたローション を使ってい ている [146] [147]。 たと伝えられている* [163]。蜂蜜を⽤いたもっと 古代ローマの詩⼈オウィディウス は『恋愛術(恋 も有名な化粧品の⼀つとして、パックが挙げら の技法)』の中で、精⼒剤 としてヒュメトス産の れる* [162]。蜂蜜の糖分には肌を整える働きがあ 蜂蜜を挙げている。蜂蜜の精⼒増強作⽤について、 * り [162]、ビタミン B1 には⽪膚の⾎⾏をよくし、 19 世紀の科学者は懐疑的であったが、20 世紀に 新陳代謝を⾼める作⽤がある* [164]。 8 4 4.1 5 蜂蜜の種類 蜜源植物による分類 安全性 る* [178]。 なお、⼀部ではミツバチが採蜜のために訪れると は考えにくい花(スズラン など)や、開花時期の 関係から採蜜が不可能な花(ウメ など)の名前を 冠する蜂蜜が販売されていることもあり、注意を 要する* [179]。 4.2 蜂蜜の色による分類 ⽇ 本 に お け る 代 表 的 な 蜜 源 植 物 で あ る* [165]* [166]* [167] レンゲ 蜜源となりうる花が複数ある場合、複数の花の蜜 が混じった蜂蜜ができるのではないかと考えられ がちである。しかしミツバチには⼀つの花から蜜 を採集すると、可能な限り他の花の蜜を採集しな さまざまな⾊の蜂蜜 いという性質がある(訪花の⼀定性)* [168]。さら に蜜蜂にはミツバチのダンス と呼ばれる 8 の字に アメリカ合衆国では、蜂蜜の⾊を基準にした分類 ⾶び回る⾏動によって仲間に蜜源を知らせる習性 法も存在する。ただし⾊が同じ蜂蜜の味が同じと があるが、豊富な蜜源については激しく⾶び回っ は限らず、蜜源植物が同じであっても貯蔵される て知らせる⼀⽅、貧弱な蜜源についてはほとんど、 巣の状態によって⾊が異なる* [180]。 時にはまったく教えようとしない* [169]。このよ うな理由から、現実には(厳密にはわずかな混⼊ は避けられないが)ほぼ純粋に⼀つの花から蜜を 4.3 物質の状態による分類 採集して作られた蜂蜜を採集することが可能であ る* [170]。蜂蜜は主要な蜜源植物によってレンゲ 採集された蜂蜜は液体であるが、これを固体の状 蜜、アカシア蜜などと分類され* [171]、蜜源植物 態にした蜂蜜も存在する。具体的には粉末にした * * が複数ある場合には「百花蜜」と呼ばれる* [172]。 もの [181]、飴⽟状のものがある [182]。 ⼈間の⼿で蜜がブレンドされた場合も百花蜜とい う* [173]。 蜂蜜の⾵味や⾊は、蜜源となった花の種類によっ て異なる。同じ種類の花から作られた蜂蜜でも地 域によって(主に採蜜法の違いから* [† 20])品質 が異なる* [5]。国や地域によって好みが分かれる 蜂蜜もあり、たとえばソバ蜜は⽇本で敬遠される ⼀⽅、フランスではジンジャーブレッド の原料と して重宝されている* [175]。同様にセイヨウボダ イジュ(シナノキ科)の蜂蜜はドイツやロシアで は最⾼級品とされるが、⽇本ではレンゲ やアカシ ア、トチノキ、さらにはドイツではあまりに評価 が低くミツバチの餌にされているナタネ の蜂蜜 よりも格が落ちる* [176]。養蜂家の渡辺孝は、⾹ りの強い蜂蜜が⽇本では敬遠され、ヨーロッパで は好まれる傾向があると指摘する* [177]。中国 で は荊条(ニンジンボク、華北 産が有名)、棗(ナ ツメ、華北) 、槐樹(エンジュ、東北) 、椴樹(ダン ジュ、⻑⽩⼭)、荔枝(レイシ、華南)の花から採 れた蜂蜜を「五⼤名蜜」と呼び、広く⾷されてい 4.4 甘露蜜 アブラムシ が分泌する⽢い体液をミツバチが採 集したものを⽢露蜜という。これは厳密には蜂蜜 の定義に当てはまらないものであるが、ドイツで モミなどの針葉樹に寄⽣するアブラムシに由来す る⽢露蜜がモミのハチミツ(Tannenhonig)として 最⾼級品の扱いを受けるなど、ゲルマン諸国で⼈ 気が⾼い* [183]。 5 安全性 ⼩児科学者の詫摩武⼈ は、臨床実験の結果、蜂 蜜を与えられた乳幼児には砂糖を与えられた乳幼 児と⽐べて発育がよく、下痢などの疾病の発症率 が低下する、⾚⾎球数および⾎⾊素量が増加する など複数の好ましい現象が確認されたと報告して 9 6 生産量 世界全体での蜂蜜の⽣産量は推定約 120 万 t であ る* [8]* [9]。1990 年代 の主要な国および地域別の ⽣産量は中国が 20 万 t 強、旧ソ連地域が 20 万 t 弱、 アメリカが 10 万 t 前後で* [8]* [9]* [199]、これら 3 地域の⽣産量が全体の半分近くを占めていた* [9]。 しかしながら、ソ連崩壊後の内戦などの影響に よってタジキスタン では蜂蜜⽣産量が 1/12 にま で激減するなど* [200]、旧ソ連地域での蜂蜜⽣産 量は減少している* [199]。2009 年 には蜂蜜⽣産量 上位 20 か国に⾒られる旧ソ連地域の国はウクラ イナとロシアのみであり、その⽣産量は合わせて 13 万 t ほどである* [199]。また、アメリカでは2006 年 以降起こっている蜂群崩壊症候群 によってミ ツバチが⼤量に死滅して養蜂業が多⼤な影響を受 けており* [201]、2009 年の⽣産量は世界 5 位の 6 万 ボツリヌス菌。乳児が蜂蜜を摂取すると、乳児ボツリヌ 5000t にまで落ち込んでいる* [199]。⼀⽅で中国は ス症を発症することがある ソ連崩壊以降⽣産量世界 1 位でありつづけ、2009 年には 1990 年のおよそ 2 倍となる 40 万 7000t を ⽣産している* [199]。アルゼンチン は 1990 年頃ま では 4 万 t 程度の⽣産量であったが、パンパ 周辺 地域などへ養蜂地域が拡⼤されたことなどにより ⽣産量が増加し* [202]、2005 年 以降は世界 2 位の いる* [184]。その他にも蜂蜜が乳幼児の発育の好 ⽣産量となっている* [199]。 ましい結果をもたらすという報告が多くされてい る* [185]。ギリシア神話には、ゼウス* [186]* [187] やその⼦ディオニューソス* [188] が蜂蜜と⽺の乳 を与えられて育つ逸話が登場する。 7 参考文献 しかしながら蜂蜜の中には芽胞 を形成し活動を 休⽌したボツリヌス菌 が含まれている場合があ る。通常は摂取してもそのまま体外に排出される が、乳児が摂取すると(芽胞の発芽を妨げる腸内 細菌叢 が備わっていないため)体内で発芽して毒 素を出し、中毒症状(乳児ボツリヌス症)を引き 起こし、場合により死亡することがあるため、注 意を要する* [189]。芽胞は⾼温⾼圧による滅菌 処 理(120℃ で 4 分以上)の加熱で不活性化される が、蜂蜜においては酵素が変質するのでこの処理 は不向きである* [190]。⽇本では1987 年(昭和 62 年)に厚⽣省 が「1 歳未満の乳児には与えてはな らない」旨の通達を出している* [191]* [192]。同省 の調査によると、およそ 5% の蜂蜜からボツリヌ ス菌の芽胞が発⾒された* [193]。 トリカブト、レンゲツツジ の花粉 や蜜は有毒であ る* [194]* [195]。ツツジ科植物の有毒性は古くから 知られ、紀元前 4 世紀のギリシャの軍⼈・著述家 のクセノフォン は兵⼠たちがツツジ属植物やハ ナヒリノキ の蜜に由来する蜂蜜を⾷べ中毒症状 を起こした様⼦を記録している* [196]。古代ロー マ時代にもグナエウス・ポンペイウス 率いる軍勢 が敵の策略にはまり、ツツジに由来する蜂蜜を⾷ べて中毒症状を起こしたところを襲われ兵⼠が殺 害されたという話がある* [197]。 なお、上記による健康被害への理由で、商品には 「1 歳未満の乳児には与えないようにしてくださ い」との注意書きがラベリングされている* [198]。 • ⼤塚敬節 『漢⽅医学』創元社〈創元医学新書 A10〉、1956 年。ISBN 4-422-41110-1。 • 佐々⽊正⼰『養蜂の科学』サイエンスハウ〈昆 ⾍利⽤科学シリーズ 5〉、1994 年 3 ⽉。ISBN 4-915572-66-8。 • 清⽔美智⼦『はちみつ物語⾷⽂化と料理法』 真珠書院、2003 年 6 ⽉。ISBN 4-88009-216-9。 • ⾓⽥公次 『ミツバチ飼育・⽣産の実際と蜜源 植物』農⼭漁村⽂化協会〈新特産シリーズ〉、 1997 年 3 ⽉。ISBN 4-540-96116-0。 • 原淳『ハチミツの話』六興出版、1988 年 9 ⽉。 ISBN 4-8453-6038-1。 • 渡辺孝 『ハチミツの百科』真珠書院、2003 年 1 ⽉、新装版。ISBN 4-88009-215-0。 •『ハチミツと代替医療医療現場での可能性を 探る』パメラ・マン、リチャード・ジョーンズ (編)、松⾹光夫(監訳)、榎本ひとみ・中村桂 ⼦・渡辺京⼦(訳)、フレグランスジャーナル 社、2002 年 10 ⽉。ISBN 4-89479-059-9。 10 8 8.1 8 脚注 注 [14] ⽂政 11 年刊本の巻之⼗⼀(⽤薬類⾍類部)に「須 波知乃阿免味多尓⽢久⾹之 ⼟中乃者⼋⽉堀 [掘カ] 出⽽採之無毒」とある。 注釈 [1] 花以外の器官から分泌される蜜(花外蜜腺蜜)や ⾍が分泌する⽢い体液(⽢露)が含まれる場合も ある* [1]。 [2] 花粉を分析することで蜜源植物 や産地を推定する ことが可能である* [1]。 [3] ビタミン B1、ビタミン B2、ビタミン B6、ビタミ ン C、ビタミン K、ニコチン酸、パントテン酸、葉 酸、ピオチン、コリン* [28]。 [15] 蜂蜜の吸⽔性は膿を吸い出す効果や、⽕傷が⽔ぶ くれになるのを防ぐ効果ももたらす* [126]。 [16] ローマの美⾷家マルクス・ガウィウス・アピキウ ス の著書『アピキウスの料理書』には⾁や野菜 を蜂蜜に浸けて保存する⽅法について記されてい る* [90]。 [17] 古代エジプトではミイラ を作る際の材料の⼀つと して⽤いられたとされる* [131]。アレクサンドロス 3 世 がバビロン で死亡すると、死体を蜂蜜に漬け てアレクサンドリアまで運ばれたと伝えられてい る* [132]。 [4] カルシウム* [29]* [30]、マグネシウム* [29]* [30]、カリ ウム* [29]* [30]、ナトリウム* [29]* [30]、鉄* [29]* [30]、 [18] ミ ツ バ チ に さ さ れ る こ と に 求 め る ⾒ 解 も あ マンガン* [30]、銅* [30]、硫⻩* [30]、塩素* [30]、リ る* [143]。 * * * ン [30]、ケイ素 [30]、ケイ酸 [30]。 [19] 国⽂学者の⼭岸徳平 はこれを、「荷葉の⾹の仕⽅ [5] プ ロ リ ン(ア ミ ノ 酸 の 7 割 以 上 を 占 め る* [31]) (⽅法)を、調合に⽤いた名⾹は、蜂蜜を⽬⽴たぬ * * * * * [29]、グルタミン酸 [29] [31]、アラニン [29] [31]、 ように少し加えて、ぼろぼろと脆くして焚いた匂 ロイシン* [29]* [31]、イソロイシン* [29]* [31]、リジ いが」と訳している* [159]。 ン* [31]、アルパラギン酸* [31]、ヒスタジン* [31]、ア ルギニン* [31]、スレオニン* [31]、セリン* [31]、グ [20] 採蜜をこまめに⾏う地域では蜜源植物が⼀つであ リシン* [31]、バリン* [31]、メチオニン* [31]、チロ るといって差し⽀えない蜂蜜がとれるが、1 年に シン* [31]、フェニルアラニン* [31]。アミノ酸の組 1、2 回しか採蜜しない地域では様々な蜜源の蜂蜜 成は蜂蜜の味に影響を及ぼす* [31]。 が混合し純粋性が損なわれる* [174]。 [6] 蜂蜜を⻑期間保存すると、アミノ酸がグルコース (ブドウ糖)やフルクトース(果糖)と反応してメ ラノイジン を⽣成し、蜂蜜の⾊が褐⾊に変化す る* [31]。 * * [7] 7 割 以 上 [31] はグ ル コ ン 酸 [32] で、 他 にコ ハク酸* [31]* [32]、酒⽯酸* [32]、酢酸* [31]* [32]、酪 酸* [31]* [32]、シュウ酸* [31]* [32]、乳酸* [32]、クエン 酸* [31]、リンゴ酸* [31]、乳酸* [31]、ピルビン酸* [31]、 ギ酸* [31]、マロン酸* [31]、フマール酸* [31]、α-ケト グルタル酸* [31]、シスアコニット酸* [31]。 * * [8] グ ル コー ス オ キ シ ター ゼ [33] [34]、ア ミ ラー ゼ* [33]* [34]、カタラーゼ* [33]* [34]、インベルター ゼ* [33]* [35]、ジアスターゼ* [36]、α-グルコシダー ゼ* [31]、β-フルクトフラノシダーゼ* [37]、フォス ファターゼ* [34]。 8.2 出典 [1] 佐々⽊ 1994、108 ⾴。 [2] ⾓⽥ 1997、154 ⾴。 [3] 清⽔ 2003、2 ⾴。 [4] 清⽔ 2003、28-31 ⾴。 [5] 渡辺 2003、53-54 ⾴。 [6] 清⽔ 2003、4 ⾴。 [7] 渡辺 2003、20 ⾴。 [8]“世界のはちみつ⽣産量”(⽇本語). はちみつの話 ⽣産量と市場. ⽇本蜂蜜株式会社. 2011 年 9 ⽉ 28 ⽇閲覧。 [9] クロロフィル、カロテノイド、メラノイジン* [33]。 [9]“世界の養蜂状況”(⽇本語). 社団法⼈⽇本養蜂は [10] 蜜源植物によって異なる部分が⼤きい。蜜源植物 ちみつ協会. 2011 年 9 ⽉ 28 ⽇閲覧。 を問わず共通するものに酢酸エチル、ベンジルア ルコール、安息⾹酸、2-フェニルアルコール類な [10] 原 1988、39 ⾴。 ど* [38]。 ⼀般に、 ⾊が濃いものほど⾹気が強い* [33]。 [11] 清⽔ 2003、19 ⾴。 [11] 巣ごと⾷べる蜂蜜を巣蜜という* [76]。 [12] 渡辺 2003、32 ⾴。 [12] これとは別に、ムーンは⽉を指し、 「蜂蜜のように ⽢い夫婦の愛情も⽉のように⽋けていく」という [13] 渡辺 2003、34-35 ⾴。 意味だとする説もある* [100]。 [14] 清⽔ 2003、19-20 ⾴。 [13] エーベルス・パピルスからは、蜂蜜が瀉下薬、駆 [15] 渡辺 2003、35-37 ⾴。 ⾍薬 として活⽤されていたことが読み取れる。渡 辺孝は、現代においてもあまり知られていない蜂 [16] 原 1988、116-118 ⾴。 蜜の駆⾍作⽤が紀元前 1600 年代に知られていた [17]“The Archaeology of Beekeeping”, Eva Crane(1983) ことは注⽬も値すると述べている* [103]。 8.2 出典 11 [18] 清⽔ 2003、12 ⾴。 [55] 渡辺 2003、93 ⾴。 [19] 渡辺 2003、20-21 ⾴。 [56] 渡辺 2003、93-94 ⾴。 [20] 渡辺 2003、21 ⾴。 [57] 渡辺 2003、94-95 ⾴。 [21] 原 1988、84-85 ⾴。 [58] 清⽔ 2003、28-29・58-59 ⾴。 [22] 清⽔ 2003、16 ⾴。 [59] 渡辺 2003、78 ⾴。 [23] 渡辺 2003、38 ⾴。 [60] 渡辺 2003、80 ⾴。 [24] 渡辺 2003、39 ⾴。 [61] 清⽔ 2003、59 ⾴。 [25] 佐々⽊ 1994、21 ⾴。 [62] 渡辺 2003、81 ⾴。 [26] 渡辺 2003、41-42 ⾴。 [63] 渡辺 2003、80-81 ⾴。 [27] 原 1988、167-168 ⾴。 [64] 清⽔ 2003、59-60 ⾴。 [28] 渡辺 2003、102-107 ⾴。 [65] 渡辺 2003、82 ⾴。 [29] 清⽔ 2003、29 ⾴。 [66] 渡辺 2003、154 ⾴。 [30] 渡辺 2003、108 ⾴。 [67] 渡辺 2003、78 ⾴。 [31] 佐々⽊ 1994、109 ⾴。 [68] 渡辺 2003、16-17 ⾴。 [32] 清⽔ 2003、29-30 ⾴。 [69] 清⽔ 2003、31 ⾴(『四訂⽇本⾷品成分表』を根拠 として挙げている)。 [33] 清⽔ 2003、30 ⾴。 [34] 佐々⽊ 1994、112 ⾴。 [35] 渡辺 2003、93 ⾴。 [36] 渡辺 2003、94 ⾴。 [37] 佐々⽊ 1994、109-112 ⾴。 [38] 佐々⽊ 1994、113 ⾴。 [39] 渡辺 2003、84 ⾴。 [40] 清⽔ 2003、28 ⾴。 [41] 渡辺 2003、90-91 ⾴。 [42] 渡辺 2003、91-92 ⾴。 [43] http://www.nal.usda.gov/fnic/foodcomp/cgi-bin/list_ nut_edit.pl [70] 渡辺 2003、98 ⾴。Huber Mackey による調査結果。 [71] 渡辺 2003、98 ⾴。 [72] 清⽔ 2003、54 ⾴。 [73] 清⽔ 2003、55 ⾴。 [74] 清⽔ 2003、53 ⾴。 [75] マン・ジョーンズ(編)2002、1 ⾴。 [76] 原 1988、165 ⾴。 [77] 清⽔ 2003、7-8 ⾴。 [78] 原 1988、97 ⾴。 [79] 渡辺 2003、24 ⾴。 [80] 清⽔ 2003、8 ⾴。 [44] 清⽔ 2003、31 ⾴。 [81] 渡辺 2003、24-25 ⾴。 [45] 清⽔ 2003、54 ⾴。 [82] 清⽔ 2003、45-46 ⾴。 [46] 渡辺 2003、89 ⾴。 [83] 清⽔ 2003、46 ⾴。 [47] 渡辺 2003、6-7 ⾴。 [84] 清⽔ 2003、48 ⾴。 [48] 原 1988、23 ⾴。 [85] 清⽔ 2003、46-47 ⾴。 [49] 渡辺 2003、157 ⾴。 [86] 清⽔ 2003、47 ⾴。 [50] 渡辺 2003、92 ⾴。 [87] 清⽔ 2003、50-52 ⾴。 [51] 渡辺 2003、153 ⾴。 [88] 清⽔ 2003、48-49 ⾴。 [52] 渡辺 2003、101 ⾴。 [89] 清⽔ 2003、49 ⾴。 [53] 渡辺 2003、99-100 ⾴。 [90] 清⽔ 2003、56 ⾴。 [54] 渡辺 2003、34-35・93 ⾴。 [91] 清⽔ 2003、57 ⾴。 12 8 [92] 清⽔ 2003、57-58 ⾴。 [129] 渡辺 2003、132-133 ⾴。 [93] 清⽔ 2003、58 ⾴。 [130] 清⽔ 2003、31-32・55-56 ⾴。 [94] 清⽔ 2003、9 ⾴。 [131] 原 1988、124-125 ⾴。 [95] 原 1988、91 ⾴。 [132] 原 1988、126-127 ⾴。 [96] 清⽔ 2003、10 ⾴。 [133] 清⽔ 2003、32 ⾴。 [97] 原 1988、92 ⾴。 [134] 渡辺 2003、22・116 ⾴。 [98] 渡辺 2003、2 ⾴。 [135] 渡辺 2003、116 ⾴。 [99] 渡辺 2003、25 ⾴。 [136] 渡辺 2003、117 ⾴。 [100] 原 1988、93 ⾴。 [137] 渡辺 2003、23 ⾴。 [101] 渡辺 2003、3 ⾴。 [138] マン・ジョーンズ(編)2002、10-11 ⾴。 [102] 渡辺 2003、114 ⾴。 [139] マン・ジョーンズ(編)2002、11 ⾴。 [103] 渡辺 2003、22 ⾴。 [140] マン・ジョーンズ(編)2002、29 ⾴。 [104] 清⽔ 2003、24 ⾴。 [141] 渡辺 2003、128 ⾴。 [105] 原 1988、114 ⾴。 [142] 渡辺 2003、128-129 ⾴。 [106] 清⽔ 2003、24-25 ⾴。 [143] 渡辺 2003、129 ⾴。 [107] 清⽔ 2003、25 ⾴。 [144] 渡辺 2003、129-130 ⾴。 [108] マン・ジョーンズ(編)2002、4 ⾴。 [109] 原 1988、122-123 ⾴。 [110] 原 1988、123-124 ⾴。 [111] 清⽔ 2003、25-26 ⾴。 [112] 清⽔ 2003、26 ⾴。 [113] 渡辺 2003、30 ⾴。 [114] 原 1988、113-114 ⾴。 注 [145] Townsend, Gordon F.; Morgan, Joseph F.; Hazlett, Barbara (1959). “Activity of 10-Hydroxydecenoic Acid from Royal Jelly against Experimental Leukæmia and Ascitic Tumours”. Nature 183: 1270–1271. doi:10.1038/1831270a0. [146] 渡辺 2003、121 ⾴。 [147] Stamboliu, Dan Walter (1965), “Preliminary researches regarding the utilisation of some melliferous products in the auxiliary therapeutics of hepatic pathology”, XXth Apimondia Congress, Bucharest, Romania, pp. 555–557. [115] 清⽔ 2003、27 ⾴。 [148] 渡辺 2003、118-119 ⾴。 [116]“季語・季題辞典”. ⽇外アソシエーツ. 2013 年 9 ⽉ [149] 渡辺 2003、122 ⾴。 23 ⽇閲覧。 [117] 原 1988、118-120 ⾴。 [150] 渡辺 2003、122 ⾴。 [118] ⼤塚 1956 [151] 渡辺 2003、123 ⾴。 [119] 原 1988、120 ⾴。 [152] 渡辺 2003、119-120 ⾴。 [120] 渡辺 2003、114 ⾴。 [153] 渡辺 2003、125-127 ⾴。 [121] 清⽔ 2003、31 ⾴。 [154] マン・ジョーンズ(編)2002、13 ⾴。 [122] 渡辺 2003、132 ⾴。 [155] 渡辺 2003、127-128 ⾴。 [123] 渡辺 2003、135 ⾴。 [156] 渡辺 2003、114-116 ⾴。 [124] マン・ジョーンズ(編)2002、10 ⾴。 [157] 渡辺 2003、130-132 ⾴。 [125] 渡辺 2003、135-136 ⾴。 [158] 原 1988、171 ⾴。 [126] 渡辺 2003、133 ⾴。 [159] 渡辺 2003、28 ⾴。 [127] 清⽔ 2003、31・55 ⾴。 [160] 原 1988、172 ⾴。 [128] 渡辺 2003、136 ⾴。 [161] 原 1988、172-173 ⾴。 13 [162] 渡辺 2003、134 ⾴。 [163] 原 1988、169 ⾴。 [164] 原 1988、170-171 ⾴。 [195]“アセビ”(⽇本語). 写真で⾒る家畜の有毒植物と 中毒. 独⽴⾏政法⼈農業・⾷品産業技術総合研究 機構動物衛⽣研究所. 2011 年 9 ⽉ 28 ⽇閲覧。 [165] 渡辺 2003、55 ⾴。 [196]“蓮華躑躅(レンゲツツジ)の毒性”(⽇本語). 医薬 品情報 21. 2011 年 9 ⽉ 29 ⽇閲覧。 [166] 清⽔ 2003、36-37 ⾴。 [197] 原 1988、128 ⾴。 [167] ⾓⽥ 1997、127 ⾴。 [198] こどもちゃれんじ「⼦供の病気とトラブル」 [168] 渡辺 2003、43 ⾴。 [199]“Food and Agricultural commodities production”. FAO STAT. 2011 年 10 ⽉ 22 ⽇閲覧。 [169] 渡辺 2003、43-46 ⾴。 [170] 渡辺 2003、43・46 ⾴。 [171] 清⽔ 2003、35 ⾴。 [172] 清⽔ 2003、42-43 ⾴。 [173] 清⽔ 2003、43 ⾴。 [174] 渡辺 2003、54 ⾴。 [175] 清⽔ 2003、41-42 ⾴。 [200]“はちみつがタジキスタンを変える? 障害者⾃⽴⽀ 援の新事業スタート”. NPO 法⼈難⺠を助ける会. 2011 年 10 ⽉ 22 ⽇閲覧。 [201]“農家が悲鳴を上げる消えたミツバチの謎”. ⽇経 BP (2009 年 6 ⽉ 15 ⽇). 2011 年 10 ⽉ 22 ⽇閲覧。 [202] 柚洞⼀央 (7 2007). "「花蜜資源」を求めて―アル ゼンチンにおける⽇系⼈養蜂業者の移動と経営 戦略―". 地理学論集 (北海道地理学会). No.82: 55. Retrieved 2011-10-22. [176] 渡辺 2003、50-51 ⾴。 [177] 渡辺 2003、51 ⾴。 [178] 荊条蜜(百度百科、中国語) [179] 渡辺 2003、74-75 ⾴。 [180] 渡辺 2003、54-55 ⾴。 [181] 原 1988、149 ⾴。 [182] 原 1988、167 ⾴。 [183] 渡辺 2003、75 ⾴。 [184] 渡辺 2003、137-138 ⾴。 [185] 渡辺 2003、137 ⾴。 [186] 渡辺 2003、116-117 ⾴。 [187] 原 1988、84 ⾴。 [188] 清⽔ 2003、33 ⾴。 [189] 清⽔ 2003、33-34 ⾴。 [190]“蜂蜜の知識”(⽇本語). 有限会社福島商事. 2011 年 9 ⽉ 28 ⽇閲覧。 [191]“「授乳・離乳の⽀援ガイド」の策定について平成 19 年 3 ⽉ 14 ⽇雇児⺟発第 0314002 号厚⽣労働省 雇⽤均等・児童家庭局⺟⼦保健課⻑通知、8 ⾴”(⽇ 本語). 厚⽣労働省法 等データベースサービス. 2014 年 2 ⽉ 7 ⽇閲覧。 [192]“離乳⾷などにハチミツを⽤いない⽅が良いのは なぜ?”(⽇本語). 広島 ⼊こども相 室. 2011 年 9 ⽉ 28 ⽇閲覧。 [193] 原 1988、141 ⾴。 [194] Sutlupinar, N. et al. 1993. Poisoning by toxic honey in Turkey. Arch. Toxicol . 67:148-50. 9 外部リンク • ⽇本養蜂はちみつ協会 • ⽶国蜂蜜協会 • 農林⽔産省「消費者の部屋」 - はちみつの成 分や保存⽅法、また⽩く固まったときの対処 ⽅法 • 天然はちみつの輸⼊⼿続について JETRO ⽇ 本貿易振興機構(ジェトロ) • ネパールの蜂蜜採集 - BBC
© Copyright 2024 ExpyDoc