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青水増事業報告
第1
6
号 (
1
9
87
)
キタムラサキウニ給餌飼育試験
植村
康
昭和59年度 は、乾燥昆布を餌料 と して飼育を行 なったが、生殖巣肥大の所期の目的を達せ られな
かった。そのなかで、試験途中から魚肉を添加 した群では生殖巣の肥大がその後著 しかった。本年
度は飼育初期から魚肉を給餌する試験区を設けた。また試験 に使用 したキタムラサキウニ (
以降 ウ
ニとする)は、昭和59年度は、ウニ桁網の曳網 によ って採取 したが、その後、飼育 ウニの- い宛が
多 く、生き残 ったもの も棟の脱落が著 しかったので、その後の生殖巣肥大 に悪影響があったと考え
られた。本年度はウニ桁網採取の今別町浜名沖のウニと、クモ網及びウニ篭漁業採取の平舘村弥蔵
釜沖のウニの 2種類の採取方法によって比較を行 なった。報告 に先立ち、本試験 に協力 いただいた
今別町西部漁業協同組合及び平舘村漁業協同組合 に謝意を表する。またウニの採取に協力 いただい
た新山秀夫氏及び小鹿繁信氏に感謝する。また、乾燥昆布+魚肉給餌の一部で生 じた苦味成分の分析
を担当された青森県水産加工物研究所の山 日遠道技師に謝意を表する0
材 料 と方 法
試験に用いたウニは、①今別町浜名沖水深1
0
-1
5
nの海域でウニ桁網の曳網 による採取 と㊥平舘
0
nでクモ網及びウニ篭漁業による採取の 2種の殻径5
0
n以上のものを使用 した。
村弥蔵釜沖水深 5-2
採取 したものは陸上水槽及び海中垂下篭 に仮収容後、昭和60
年11
月 6日及び1
2月19日に、陸路車 に
よって当水産増殖セ ンターへ運んだ。所要時間は約 3時間であった。採取年月 日は、今別が昭和6
0
年1
1
月 5日、平舘が昭和60
年 11
月 2日及び1
2月1
9日である0
飼育方法は、当水産増殖センターの水槽 にプラスチ ック製網 目篭 を設置 して収容 し、浸過海水か
け流 し飼育の陸上水槽飼育と、地先海面に設置 してある養殖用筏 に、プラスチ ック製あわび蓄養篭
0×6
0×32m ) を垂下 して収容 、飼育の垂下篭飼育の 2種を試験 した。
(
内径6
5ケ月は乾燥昆布 と魚肉を充分に給餌 し、それ以降は㊤乾燥
陸上水槽飼育では飼育開始後 1-1.
昆布給餌 と㊥乾燥昆布+魚肉給餌 (
以降魚肉給餌 とする)の 2種 と した。給餌量は 3- 5日で食べ
きる量を与えた。垂下篭飼育では、乾燥昆布と魚肉を 1週間に 1度充分に給餌 した。魚肉給餌では、
昭和6
0
年11
月から昭和61
年 2月 まではウマゾラハ ギを、 3月はホ ッケを、 4月以降はマイワシを与
℃ で冷凍保存 したも
えた。いずれ も頭、内臓、尾を取 り去 り、ウマゾラハ ギは更に皮をむき、-25
0
のを、解凍後、厚さ3相前後 にぶつぎりにしたものを使用 した. 飼育ウニの生殖巣指数は 1ケ月毎に1
個体測定すると共 に、比較のため今別及び平舘の天然生息 ウニを採取 し、測定 に供 した。生殖巣指
数は (
生殖巣重量/体重) ×1
00で求めた。
0
0で求めた。乾燥昆布は、重量の 6倍量を生重量 と
摂餌率は (
一 日当 り摂餌量/平均体重) ×1
みな して、生昆布換算摂餌率と した。
餌料の転換効率は、飼育期間中体重の増加 がみ られなか ったので、 (
生殖巣増重量/摂餌量) ×
-256
-
1
00で求 め た。
痛過海水温 が 5℃ 以下 に低下 した昭和61
年 2月中旬 から 3月中旬 までは温水 ヒーターで飼育水 を
5.
5℃ 前後 に加温 した。
結
1 水
果
温
水温は図 1に示 した。何れの地先 も午前 9時測定である。茂浦表面水温 は昭和61
年 1月中旬 か
ら 3月下旬 までは 5℃ 以下 に低下 し、 1月下旬 か ら 3月中旬 までは 3℃ 前後 で推移 した。陸上水
年 2月上旬 までは 自然海水温 と した。飼育 ウニは水温 5℃ 前後で は摂餌活
槽 の飼育水温は昭和61
動、付着力 に大 きな変化 は見 られなかったが、それ以下 の水温の 3℃ 前後では共 に急激 に弱まる
のが観察 され た。飼育 ウニを採取 した今別地先 に近 い三厩地先表面の最低水温 は 6℃ 前後、平舘
地先 に近 いブイロボ ッ トの水深 1m では 7℃ 前後 であ り、何 れ も飼育水槽水温 よ り高 い。
水
温
(午 前 9 時 )
11月
1
2
昭和 6
0年
●----一
1
2
3
4
5
6
7
昭和
図6
1
1年
旬平均水温の変化
- 1n (
〇・
・
・
・
・
青森県水産増殖 セ ンター海況 自動観測資料)
・平舘
三厩村上宇鉄
2(
1)
摂 摂餌率を図
餌 率 2に示 し
た。単位は 1日当 り、
摂餌 率 (日'体 重当 たり)
体重当
〔1 りの%である。
1月平舘採取〕
乾燥昆
和60
布給餌では昭
和6年1
2月2
8日から昭
水温
1
年 5月 7日までの
4.
5 5℃ 前後 で は約
1
昭和60年昭和61年
1
2月
が3
%で あるが、水温
2
月上℃前後 となった 2
●--・
昆布換算摂餌率 (
陸上水槽飼育、乾
〃
燥昆布給餌)
昆布 +魚肉給餌)
▲
一
一
一
一
一魚 肉 摂 餌 率 (
〟
ク
乾燥
〟
2 旬を含む昭和61
年
で月 4日から 3月 5日
摂餌 率 (日'体重 当 たり)
ている
は 3%前後 に低下 し
平舘採取
11
月
% 0-
3
生
5
4
上昇 と共
。その後水温の
昇 し、 水に摂餌率
温10 も上
(5月 7日から.
6 3℃
-1
日) では7。
6% 、 月1
3
1
8℃ (6月
月1
4
131
3日から 7
2% と
なっ 日) では9.
昭 2月
1
1
2
での生昆
ている。魚肉給餌
魚一
D
生見布換算摂餌 率 (陸上水槽飼育、乾煉昆布給餌
4
5
t●
・
・
・
・
・
)
▼一
一
一
一
摂餌率 (日'体重当 たり)
%
11
別採取
月
和 60年
今
ク餌 率 n
肉 摂
r
t
昭和 61年
は水温 5布換算摂餌率
℃
%前後、水温
前後 で1.
5
3
で4.
2
1
0
-1
3
℃
肉摂餌率は水温
% であ った。
5℃前
魚
後で0.
5%前後、水
10.
-13℃ で 1.
o
・
U
L
n
一
一
一
一
←-
〔あった。
.
●
・
一・
.
.
・
・
●
●
J・
.
.
.
.
・
・
.
.
▲
・
.
.
.
.
.
.
.
●
O
▲
.
■
I
.
.
.
・
・
.
一
・
一
・
一
一
一、
†
.
^
一
一
一
.
J
・
○●
.
ク
ケ
.
0
乾燥昆布 〟
+魚肉給餌)
温
0% で
111
月今別採取〕
1
な傾月平舘採取 と同様
昭和
1
26
月
0年 昭和
1 61年
2
3
4 ▲ 5
〇・
-・
・
・ 生昆布換井摂餌率 (
陸上水槽飼 育、
一
一
一
一
〃
(
ク
乾燥昆布
乾燥昆布給餌 )
平
1
2
舘採取
月
●一
▲
・
・
・
・
・
・
・魚 肉 摂 餌 率 (
図2 摂
〟
餌率の変化
-258-
+魚肉給餌)
〟
燥昆布
向を示 したが、乾
4 での昭和61
年 2月給餌
採取よ り更 に低下 している。魚肉給餌 での生昆布換算摂餌率は、水温 5℃前後では 2%前後、
0
-1
3
℃では5.
7
%であ り、魚 肉摂餌率 は水温 5℃前後 で0.
6%前後 、水温 1
0
-1
3
℃では
水温 1
1.
0%で あ った。
〔
1
2
月平舘採取〕
乾燥昆布給餌では、水温 5℃前後の 4月中旬までは 3%前後と低かったが、その後は上昇 し、
水温 1
0
-1
3
℃ (5月中旬から 6月中旬)では8.
1
%、1
3
-1
8
℃ (6月中旬 か ら 7月中旬) では
9.
8
%となった。魚肉給餌 の生昆布換算摂餌 率 は水温 5℃ 前後 では1.
8%前後、水温 1
0
-1
3
℃
では3
.
1
%とな った。魚肉摂餌率は、水温 5℃前後で は0.
5%前後 、水温 1
0
-1
3
℃ で は0.
8%
となった。
(
2) 図 3に昭和6
1
年 4月中旬以降、生の雑海藻 (ウ ミトラノオが主体で1
0
%以下のアオ ノ リ類 を
含む) を乾燥昆布 に換えて給餌 したときの摂餌率を示 した。
〔
1
2
月平舘採取〕
乾燥昆布給餌 から生雑海藻給餌へ、魚肉給餌 から生雑海藻 +魚肉給餌- 4月中旬 に換えた。
生雑海藻給餌 では水温 1
3
-1
6
℃ (6月 6日から 7月1
5日)では8.
9%と乾燥昆布給餌 と摂餌率
に大きな変化はなかった。
〔
1
1
月平舘採取〕
魚肉給餌 から 4月中旬 に生雑海藻+魚肉給餌 を、 5月中旬 に生雑海藻給餌 を設けた。切 り換
え初期の 4月中旬から 5月中旬 に生雑海藻摂餌率は3
.
2
%と、魚 肉給餌 の生昆布換算摂餌 率よ
り高い値を示 したがその後 はほぼ同程度 となった。
日 '体重 当 たり
摂餌率 (
摂餌 率 (日'体重 当 た り)
4月
61
年
和
4月
昭
5
5
7
6
I
2月平舘採取
)
.
日
'
。
.
ロ
・
・
●
=●
0
11月平舘採 取
ウミトラノオ、アオノリ類摂餌率 (
陸上水槽飼 育、 ウ ミトラノ オ、 アオノ リ類給餌 )
ウ ミトラノオ、アオノ ・
)類師 事 (
陸上水槽 飼育、 ウ ミトラノオ、アオノ リ類
≡一
6
7
給餌)
〃
(
▲一
魚
昭和 6
1年
〝
ウミトラノ九 アオ
ノリ類 +魚肉給餌 )
肉
摂
餌
率 (
3 生殖巣指数
(
1)
図 4- 6に生殖巣指数の変化を示 した。魚肉給餌飼育では、何れ も順調 に生殖巣指数が上昇
している。一方、飼育開始1.
5ケ月後から乾燥昆布給餌 に切 り換えた ものは水温 5℃ 前後 で・
生殖巣指数の上昇が停滞 し、飼育水温が1
0
℃前後 となる 5月以降から再 び上昇 しているo
〔1
1
月平舘採取〕
採取時の生殖巣指数は5.
1
7士2.
00(
2.
1
3
-1
0.
3
4)‥平均値 ±標準偏差 (
範囲) ‥以下同 じ、
から 5ケ月後の 4月 1日には20.
9
2±2.
9
8(1
5.
41
-25.
83)とな り、 6月1
6日には27・
52士2・
31
(
2
3.
71±30.
4
8)と、最大の身入 りとなった。 こ れに対 し1
2月下旬以降 、乾燥昆布 に切 り換え
41士1・
08
た ものは、その後 1
0%前後 に停滞 し5月中旬以降上昇 した ものの、 6月中旬で15.
(1
4.
29
-1
7.
4
4)にとどまっている。増殖セ ンター前の筏での垂下篭飼 育では、 2月か ら 3月
にかけて停滞 したほかは順調に上昇 している。一方、平舘天然生息 ウニは 1月から 3月までは
1
1前後 に停滞 していたが、その後上昇 して 6月上旬 には1
8.
06±3.
01(1
2.
5
0-24・
47
)とな っ
た。
生 殖 巣 指 数 {(
生殖巣重 量 /体 重 ) ×100 }
1
1月 1
2
1
2
3
4
5
6
7
昭和
図4
60年
生殖巣指数の変化
昭和 61年
(
1
・
-・
・ 陸上水槽
・
一一
・
ク
1
月平舘採取)
飼育 (
乾燥昆布+魚肉給餌)
垂下 篭 飼 育 (
乾燥昆布+魚肉給
乾燥昆布給餌)
■
〔1
1
月今別採取〕
1
1月平舘採取 と同様 に、魚
肉給餌では生殖巣指数の順調
な上昇がみられたが、乾燥昆
まで停滞 した。垂下篭飼育で
は 1、2月に特に停滞すること
なく上昇を続けた。今別の天
然生息 ウニは11月上旬の2.
03
±0.
97 (
0.
08.
-3.
45
) から 2
月下旬 には0.
32±0.
08 (
0.
1
8
- 0.
05) と極 めて低 い値 と
なった。その後 は上昇 し、 6
殖
巣
指
数((
生殖巣 重 量/体重 ) ×00
‖リ
布給餌に切 り換えたものは 4月
坐
十
二
√
一
一
月上旬 には7.
53±2.
ll(
2.
27
11月
昭和 60年
ノ
ー1
0.
42)となった。
〔1
2月平舘採取〕
1 2 3
昭和 61年
4
5
6
11
月今別採取)
図 5 生殖巣指数の変化 (
飼育開始後 1.
5ケ月は生殖
巣指数はあま り上昇 しなかっ
・
--・ 陸上水槽飼育 (
乾燥昆布+魚肉給餌)
たが、魚 肉給餌 で はそ の後
D
〃
(乾燥昆布給餌)
一一
一 垂 下 篭 飼 育 (乾燥昆布+魚肉給餌)
0天然生息 キタムラサキウニ (
今別地先)
順調 に上 昇 し 6月 中旬 には
27.
53±1.
98(
24.
42.
-31.
07)
となった。一方、乾燥昆布給
た ものの、 6月中旬 で 1
8.
15
±3.
1
3(1
3.
64.
-22.
89)にとど
まった。
中旬以降給餌 したものについ
て示 した。
〔1
2月平舘採取〕
乾晩昆布給餌から生雑海藻給
20
(
2) 図 7- 8に生雑海藻を 4月
へ(
生殖 巣 重 量/ 体重 ) × 100 )
生・
殖 巣 指 数
餌では 5月以降上昇がみ られ
餌に切 り換えたものはその後の
1
0
1
2月
生殖巣指数の上昇が顕著で 5
昭
月上旬 に18.
73±2.
25(1
4.
85
- 22.
45)とな った がそ の後
28±
は停滞 し 7月中旬で 19.
2.
98 (1
4.
13.
-23.
81
)とな っ
た。生雑海藻+魚肉給餌 では
2
1
和6
0年
3
昭和 61年
4
5
6
7
図 6 生殖巣指数の変化 (12月平舘採取)
・
・
--
陸上水槽飼育 (
乾燥昆布+魚肉給
。
.
-
垂 下 篭 飼 育 (乾燥昆布+魚肉給餌)
)
D
-
天然生息
ク
(
乾燥昆布給餌
餌)
2
7.
4
5±1.
4
2(
2
5.
8
4
ノ
ー3
0.
1
0
)とな っ
た。
〔
1
1
月平舘採取 〕
魚肉給餌 か ら 4月中旬 に生雑海藻
+魚肉給餌 に切 り換えた ものは魚 肉
給餌 に比べ多 少下 回るがその後 も順
8.
0
3±
調 に上 昇 し、 7月 中旬 には2
3.
0
8(
2
5.
4
3
-.
3
4.
43
)の最 高値 とな っ
生殖巣指数 へ
(
生 殖巣 重 量/体 重 )
×100 }
6月中旬 に魚 肉給餌 とほぼ同 じ値 の
20
た。また、 5月 中旬 に魚 肉給餌 か ら
生雑海藻給餌 に切 り換 えた ものは 6
図
昭和
4月
6
0年
月 中 旬 に2
8.
1
0±2.
06 (
24.11-
5
6
3
1.
3
3
)の最 高値 とな ったあ と 7月中
o・
・
・
・
・
・
陸上水
11
月平舘採取)
7 生殖巣指数の変化 (
4.
5
2±2.
5
7(
1
9.
7
5
-2
6.
87
)
旬 には2
●-
・
槽飼育 (ウミトラノオ、アオ
ウ ミ トラ ノオ、ア ノ リ類給餌)
〃
と低下 した。
4 餌料転換効率
仙
乾燥昆布及 び魚肉給餌 の餌料転換
効率を図 9に示 した。
〔
1
1
月平舘採取 〕
昭和 6
1
年 2月 4日か ら 3月 5日
く、魚 肉給餌 が9.
0
7
%、乾燥昆 布給
餌 が3.
5
6
%で あ った。魚 肉給餌 では
指
巣
殖
生
数へ(
(水 温 3.
2
-5.
5
℃) まで が特 に高
3月 5日か ら 5月 1
2日 (
5.
5
-1
0二
0
℃)が 5%前後 で次 に高 く、飼 育初
2月2
8日か ら 2月 4日 (
6.
5
期 の1
84%、 5月 1
2日か ら
3.
2
℃)で は2.
6月1
6日 (
1
0
-1
3
℃)は0.
8
8%と低
2
月
下 して いる。乾燥昆布給餌 では1
2
8日か ら 2月 4日は -0.
5
8%、 3
月 5日か ら 4月 4日 (
5.
5℃) は
-1.
4
3% と特 に低 く、 そ の後上 昇
し、 5月 7日か ら 6月 1
3日 (
1
0
-1
3
℃)で 1.
61
% とな った。
〔
1
1
月 今別採取〕
2
魚肉給餌 は、 2月 4日か ら 5月 1
日は 5%前後 、 1
2
月2
8日か ら 2月 4
)
体
生
量
巣
殖
重
/
1
×
00
}
肉給餌)
オ ノ リ類 +負
′
%前後 で
日から 6月 1
7日は2.
5
餌 料 転 換 効 率
では、 2月
あ った。乾燥昆
布 給餌
4
-1.
2
8%と特 に低
日かく、
ら3
月
5
1
2
月2
8日は
ら 2月 4日、 3月 5日から 4日か
日は0.
5%前後 、 4月 2日か 月
ら2
月1
2日は1.
6
3%となった。
5
〔
魚肉給餌
1
2月平舘採取〕
は、
4
5
3
2
1月
昭和 6
0年
1
2日の6.
1
3
4月 1日から 5月
日から 3月%
3が特
日 に高 く、 2月 4
陸上水槽飼育(乾燥昆布
+魚
・-・・
・
。
肉給餌)
(乾燥昆布給餌)
ク
% 5
日か ら 4
11
月平舘採取
7
4
%、 3月 3
の4.
6月 1 月 1日及び 5日1
2日から
あった。
日から 2月 4日は1
.
5
5%で
2月 4
え初期の乾燥昆布給餌では、切換
0
●ヽ
1
.
3
5%、 3月 3日から 3月 3日が
0.
1
3%と低下
日から 4月 1日が
6月
し、
月1
6日は 1%。
4月 1日から 6
3
4
2
1
4日
(
2
育
飼
月今別採取
11
5 61
年
昭和 (乾燥昆布
陸上水槽
・--- a
-ク
+魚肉給餌)
2
飼 料 転 換 効 率
6日の 3%前後、飼育初期の
1
2
月2
5
1
6日から 7月
.
3
6%と再び低下 した。
は-0
)
飼育
乾燥昆布か ら生雑海藻 に換えて
(
乾燥昆
した。
0に示
したものについて、図1
餌 料 転 換
〔生雑海藻+魚肉給
11月平舘採取〕
餌では、
5月
7日から 7月1
4日は 1
%
′
■、
了
/
く
1,
効
率
5 1月
1月
た。生雑
、、
、
・
、
、一
′
.
.
ノ
、
から 6 海藻給餌では、 5月1
2日
′
′
′
_
ノ
●
、
ヽ
、・
〇一一
2
3
から 月1
0日は1.
3
6
%、 6月1
0日
ヽ
ヽ
1
〔
7月1
5日は-1.
3
5
%であった。
2月平舘
4_0・- 一一- -5
一・・・
〇・ 6
r
昭和
・
・
・陸上水槽飼育
61年
(
乾燥
布給餌)
1
2月平舘採取%
。
昆布 +魚 肉給餌)
図 9 餌料
ク
前後であっ
生雑海藻採取〕
+魚肉給餌では、
1
3日から 6月1
6日は2.
71
%、 5月
1
6日から 7月1
4日は0.
5
1
%であ
6月
(
乾燥昆布給餌)
転換効率の変化
-263
-
目
、 5月 1
2
\
●
●
●
●
●
U
0H
- .
●
●
●
●
●
●
●
●
[
1
●
o
3
%
T
餌料転換効率
餌料転 換効率
q
。
.
\●
●
●
.
●
●
←
●
●
・
●
一
旬
5月
5月
昭 和 61年
芸芸 採取
=
.陸誓
飼育 :
妄至皇
軍
,
'
i2
㌫
取=
.
陸上誓 飼育 (
'妄!
,
怒
声 萎'
,
図1
0 餌料転換効率の変化
考
1 水
温
水温は、ウニの生理活性 に影響を与えていると考えられ、 3℃ 前後の低水温では摂餌活動が弱
ま り、結果 と して生殖巣指数の上昇が鈍ると考えられる。魚肉給餌では 5℃ 前後でも順調 に生殖
巣指数が上昇 してお り、この程度の水温では、それほど大 きな影響を受けないと考え られる。 し
0
℃ 前後 となる 5月
か し、乾燥昆布給餌 では、水温 5℃ 前後で も生殖巣指数の上昇が見られず、1
以降から生殖巣指数の上昇がみ られている。一方、平舘の天然 ウニでは 4月以降生殖巣指数が上
昇 しているので、水温の差以外の餌料 と した乾燥昆布 に原因があった可能性 がある。 この点 につ
1
月から翌年 2月頃 までは コン
いては、今後の生海藻給餌による試験によ り明 らかに したい。尚、1
プ、ワカメ等の大型海藻が少ない時期なので、 この間は魚肉を主体 に給餌 し、生殖巣指数を上昇
させ、その後生海藻 を給餌 し、風味の向上 を図るのが妥当ではないかと考える。
2 摂
餌
率
水温 5℃前後では魚肉給餌は、乾燥昆布が1.
5%前後、魚肉が0.
5%前後の摂餌率であ り、乾燥昆
5%前後 よ り低 いにもかかわらず、魚肉給餌 の生殖巣指数 の上 昇 が著 しか った。 これ
布給餌 の4.
は高蛋白の魚肉の消化効率が良 いためではないかと考える。魚肉のみの給餌 で も身入 りは期待で
きると考えられるが、味、風味の点がどうなるかにつ いて、今後の試験で明 らかに したい。 4月
中旬以降の生雑海藻給餌での摂餌率は、同時期の乾燥昆布給餌での生昆布換算摂餌率 と差はなかっ
たので、乾燥昆布の 6倍量を生昆布量 と した換算 は妥 当と考える。
l
)
こ れまでの報告 によると、キタムラサキ ウニのアカハ ダ給餌 では 1- 3月 (5- 3℃) は 2
- 3%、 5月 (
1
0
℃) は3.
5%、マ コンブ給餌 で 6月 (
1
5
℃) 、 7月 (
20
℃) は 6% と している。
2)
又、エゾバ フンウニのホ ソメコンブ給餌では 1月 (7- 6℃) は2.
5% 、 2月 (6℃) は 5% 、
3月 (6- 7℃) 、 4月 (7-1
0
℃) は5.
5% 、 5月 (1
4
-1
5
℃) は 4% 、 6月 (1
6
-1
9
℃) は
1% 、 7月 (
21
.
-23
℃) は0.
5% と して いる。
-264
-
これらの報告 と本年度試験の摂餌率とを比較 してみると、乾燥昆布給餌の 1- 4月 (3- 5℃)
は 3- 5%であ り、キタムラサ キウニのアカハダ給餌 の 1- 3月、エゾバ フンウニのホ ソメコン
ブ碍餌 の 2- 3月 とほぼ同 じであるが、 5月以降の水温上昇期では、本試験の摂餌 率が高い値で
あった。
3
)
0
昨年度の試験 と比較すると、 1- 2月 はほぼ同 じで あるが、 3- 4月 は昨年度 が高 く、 1
1
5%であった。
2
)
川村他 (
1
965
) は、 5-20
℃ の範 囲では、摂餌量 の差 は殆 どな く、同一水温で も時期的 に変
4
)
化 していることから水温の影響は少ないと している。又、Fuj
i(
1
962
) は 3月 及び 9月 に、
℃ で摂餌量の変化を調べ、水温の影響 が殆 どないと している。(
以上 エゾバ
それぞれ水温 5-23
1
)
フンウニ) 本試験では、水温の上昇 と共 に摂餌 率 も上昇 して いる。沢 田他 (
1
97
8) で も同様 で
あ り、この差異がキタムラサキウニ とエ ゾバ フンウニの種の違 いによるものか、他の要因による
ものか不明である。
3 餌料転換効率
摂餌量と増重量の量的な関係 をあらわす餌料の転換効率は、個体の物質収支 につ いて正確な値
ではないが、実用の上で便利 な値である。転換効率は、同化量 と異化量の相対的な関係 に影響を
与える動物の大 きさ、水温、季節、餌料の種類 、組成 、摂餌量等 によ って変る値である.
?
)川村
1
9
6
5
)
2
)
は、 摂 餌 量 に対す る生殖巣の増重量の割合 は水温 に関係 な く、ほぼ一定であること
他 (
から、生殖巣の量的な発達は主 と して摂餌量 に関係 してお り水温の直接の影響は少ないと してい
0
℃ 前後では
る。t
本試験では、冬期、水温 5℃ 前後で魚肉給餌 の転換効率が高 く、その後の水温 1
低下 してお り、水温の影響が大 きいと考 えられるが、生殖巣の成熟状況、餌料条件等他 の要因 に
よる影響 も考えられ、今後の課題 と考え られる。
富士 (
1
9
7
3
)
6
)
のエ ゾバ フンウニの成長効率のデータ (
全て乾燥重量を使用) から転換効率を計
9% 、 ヨレモ ク給餌で 1
0.
2%で あ り、本試験 の結果よ りも高 い傾
算す ると、マ コンブ給餌で8.
9-32
" では30.
7%、5
5
-55
〝 では8.
7% と殻径 の小 さな ものの転
向 となっている.また、殻径 1
5%を占めているのに対 し、
換効率が高い。 しか し、殻径の小 さな ものでは、殻の成長が全体の6
殻径の大きなものでは、生殖巣の 成長が9
0%を占めているので、単純 に効率を比較できないと考
える。
5
)
3% 、 ワカメ6.
9
-1
2.
6% 、アカモ ク3.
7%等で、エ ゾバ フ
ァ ヮどの転換効率 は、マ コンブ5.
6)
ンウニよ りも低 い。
4 へ い 死
9年度は、飼育 ウニの採取をウニ桁網の曳網 によ り行 なったが、その後- い宛する個体が
昭和5
多 く、また生き残 ったもの も棟 の脱落が生 じ、これ らの損傷 回復のため、その後の生殖巣指数の
上昇に悪影響を受けたと考えられた。本年度試験では、クモ網及びウニ篭漁業採取の平舘地先の
ものを加えたが、1
1
月採取の ものではへ い死、棟の脱落が起 こった。 この原因の一つと して、気
温1
0
℃前後での常温での トラ ックによる輸送が適切でなか ったと考えられる。一方、気温が 0℃
前後で トラック輸送 を行 なった1
2月平舘採取では- い死、棟の脱落が少なかったことか ら、低温
での輸送が必要 と考える。実際の養殖では、 ウニ採取後 ただちに生す等 に収容 し、干出を最小限
-265
-
に防げるので、このよ うな悪影響は少ないと考える。来年度の試験ではこのよ うな実態 にあった採
取、収容、飼育を行 うこ とによって、更に良 い結果が出るのではないかと考える。
尚、へ い宛 は飼育開始後 7日から2
0日の間に発生 し、3
0日以降へ い苑する個体は殆どなかった。
5 風
味
1
1
月採取の魚肉給餌 で、飼育開始約 1.
5ケ月後 の測定で生殖巣 に苦味が生 じた。その後乾燥昆
布給餌 に切 り換えた ものは、 1- 2ケ月後 には苦味は消失 した。一方 1
2月採取の ものには苦味が
生 じなかったことか ら、魚肉を給餌すれば、生殖巣 に苦味が必ず生 じる ものではないと考える。
月
尚、昨年度 から継続飼育 しているウニには、魚肉の給餌 によ っても苦味 は生 じなか った。 11
採取は飼育開始時、へ い死、疎の脱落がみ られ、採取時の ウニの損傷 が大 きかったと考えられ、
これによる生理異常によるものではないかと推測する。苦味の発生原因については今後の試験で明 ら
かに したい。昭和 6
1
年 4、 5月測定時 に苦味の有 ったもの及び無かったものにつ いてエキスア ミ
ノ酸の分析 を県水産物加工研究所 に依頼 したところ、生殖巣 に生 じた苦味が苦味呈味ア ミノ酸 に
ょるものではな く、別な成分、例 えばポ .
)ペ ブタイ ド等 による可能性が高 いと して いる.
T
)
次に、苦味が生 じなかった ものの風味の点で問題の有 るものがあった。魚肉給餌では、生殖巣
が魚肉の味 に変化するとい うこ とはなかったが、天然のウニが持つ独特の味、風味に欠けると感
じられた。乾燥昆布給餌で も多少その憤向が有 った。 4月中旬から生雑海藻を乾燥昆布に換 えて
給餌 した1
2月平舘採取の生雑海藻 +魚肉給餌 では切 り換え後 1ケ月で味、風味が相当に改善 され
た。1
2月平舘採取の生雑海藻給餌では切 り換え後2
0日で、天然のウニとかわらない味、風味 となっ
た。一方、生殖巣 に苦味が生 じた11
月平舘採取の魚肉給餌 から 4月中旬 に生雑海藻+魚肉給餌 に
切 り換えたものでは苦味は無 くなったものの、天然のウニの味、風味までには改善 されなか った。
5月中旬 に生雑海藻給餌 に切 り換えたもの も同様であった。 これ らから推測すると、飼育開始時
の損傷が少な く、生殖巣に苦味が生 じない ものでは約 1ケ月の生海藻の給餌 で天然のウニの味、
風味に改善 されると考える。来年度の試験では摂餌率の低 い水温 5℃ 前後 での風味改善 に要する
期間の確認が必要 と考える。
岩手水試の報蓑
はキタムラサ キウニ に白身の魚 (スケ ソウタ ラ) を給餌 する と生殖巣 に渋
味が生 じ、赤味の魚 (
サバ) の給餌では生 じなか ったと しているが、餌 の魚の種類 による渋味、
苦味の発生の有無 について今後の試験で明 らかに したい。
6 垂 ,
下
篭
垂下飼育篭 と して、市販の プラスチ ック製 あわび蓄養篭 を使用 したがウニ飼育上、以下 の問題
点が有 った。
①
プラスチ ック板 に穴をあげているが、その穴が小 さい為 に、糞が篭外 に流失せず、篭内の水
質の悪化を招 く。 この対策 と しては、陸上水槽飼育で用 いたプラスチ ック製網地で垂下篭 を作
成 し、補強 と して塩 ビ管の外枠 に固定すれば良 いのではないかと考える。
㊥
給餌 の度 に、垂下篭を船、筏上 に引揚げなければならず、垂下篭の上 、側面に付着 していた
ウニが落下 して損傷 を受ける可能性が有 ること。又、干出による乾燥、急激な温度変化の影響
を受けることは問題 と考えられる。篭 に収容後 は、垂下篭上面の簡単 に開閉できる部分から給
餌を行ない、垂下篭 を空中に引き揚げな くて も良 い構造 にすれば、労力 、 ウニの損傷 回避の両
面にプラスになる ものと考える。
-266
-
7 収
益
11
月平舘採取の魚肉給餌 を例 にと り、ウニ垂下篭養殖の収益 を試算 してみる。養殖施設は図11
の構造のホタテガイ養殖施設 と同様の延縄式 と し、幹綱200n に篭 を1
00個垂下する。 この施設
1ケ統の資材費は表 1に示 した。 1篭 当た りウニ1
0
0
個体 、1
0
吻収容 し、 1ケ続 で1
0,
000個体 、
1,
0
00
晦の養殖 とする。昭和60年 11
月 2日から昭和61
年 4月 1日まで 5カ月間の養殖で生殖巣措
数は20.
9
2とな りウニむき身重量 は209.
2た
汐となるので、 ウニむき身単価 を1
5,
000円/物 とする
と㊥販売金額は3,
1
3
8,
0
0
0円となる。表 1の資材費を 5年で償却すると、資材償却費は99,
1
66円、
摂餌 率か ら 5ケ月間 に要する乾燥昆布重量 は663k
g、魚 肉重 量 は911
k
gとな り乾燥昆布単価 を
1
00円/物、魚肉単価を60円/晦 とすると④餌料費は1
20,
960円となる。販売金額 から資材償却
費、餌料費を差 し引いた㊥粗収益は約292万円となる。この関係を表 2に示 した。
地先海面の空 ウニ漁場から養殖種苗を自分で採取 した場合 は、㊥粗収益がそのまま収益 となる
が、その他のケースを次に試算する。
ケース 1は空 ウニ種苗を他地先から購入 して養殖 した場合である。購入種苗を50円/個体 とす
ると 1ケ統の㊥種苗費は50万円、収益 は㊥ -㊥ で約 242万 円となる。
ケース 2は、漁獲可能な一般漁場のウニを使用 した場合 を想定 した0
〆2
6
0m
図1
1
1
00k
g
キタムラサキウニ垂下篭養殖施設図
錨
表 1 キタムラサ キウニ垂下篭養殖資材費
資 材 名
格
規
数 量
単
価
p
(16
J
r
J
l
、2
〆
8
粛
ガ
、 00m巻
〆6〃 、
ク
2
2巻
巻
20
,
0
7
円5
5,
1
7
5
ク
3巻
3,
003
片 下
爪 篭
錨
鉄製
垂
浮
玉 6
ハ
¢2
0イゼ
x6
60
0
m
m、
X4
ツクス
100c
k
7
m
夢気圧
、
2
4篭
個
丁
1
02
0
23
1,
06
00
4
5
ハ
ロイクレ
ー
〟 プ
〟
計
00
金
額
4
0,
円0 幹綱、錨綱
備
1
1
5
考
0,
3
59
0 篭
9
0
0
浮壬綱、篭垂下綱
4隅網 ック製網地、塩 ビ管等材料費
84,
000 プラスチ
34
1
2
0,
0
30
20
829
表 2 キタ ムラサ キウニ垂下篭養殖収益 につ い495,
①
㊥
4月 1日
販売想定時期
販 売 金
養殖 ウニ個数
1
0,
000個 '
×0.
1
・
晦/
④
資材償却費
@
種
て (
試算)苗
身入
3,
り
1
率
3
8,
00
ウニむ
0円 き
額
個
㊥
×0.
2
0
9
2
×1
5,
000円/k
g
9
9
,
1
66円
餌
乾燥昆布
料
費
663k
g×100円/kg
粗
@-@収-@ 益
ニ使用
500,
0
1
0,
000個 ×50円/個
00円
身単価
829
資材費 (
表 1) 495,
@
費
1
20円
,
96
÷
0円
5年
+9
1
魚
1kgx60円/k
g
2,
91
7,
874円
ケース収益
2 日地先
2,
417,
874円 (
㊨ -㊨)
1
) 4月 に身入 り1
の一般漁場 の ウニ使用
㊦ 推定漁獲金 3% で漁獲 が可能 となる ウニを
使用
額
10,
000個 ×0.
1
身入
1,
り
9
率
50,
000円
ウニむき身単価
967の空
ゆ/ウ
ケース収益
1 他地先
個 ×0.
1
3×15,
000円/吻
,
874円 (
2) 6月 に身入 り2
㊨ -㊨)
㊥
使用 推定漁獲金 0% で漁獲 が可能 となる ウニを
額
10,
000個 ×0.
1
ゆ
1
)では特 に
身入
1,
り
2
率
00,
000円
ウニむ き身 単価
収益 1,
717,
87/個
4円 (
㊨
×0
-㊨)
.
20×6,
000円/kg
くて身入
く 4、
むき身単価 が餌料海藻が多
15,
000円/k
y
で販売 でりが良
月初
1
3で漁獲 した場合 を示 した。
きた場合
10めに生殖巣指数が
,
000個体 、
な2
り
)収益
では は㊥
4月 -⑦ で約 97万 円となる。
1.
000k
gの漁獲金額 は㊥ 195万 円 と
初
めには販売で
きないが、
き身単価 が6,
00
0円/k
gで販 売で
きた場合
6月
、に生殖巣指数
10,
000個体 、が
12
,
00
で漁獲
0晦 の した場合 を示 した。 ウニむ
8 漁場管理
以上述べてきたよ うに、 ウニ垂下篭養殖は飼育期間が 5ケ月程度の短期間で販売でき、収益性
も高いので、今後地域を選定すれば有利 な養殖ではないかと考える。収益で論 じたよ うに、その
まま漁場に放置 して も身入 りが して漁獲可能 な一般漁場の ウニを使用するよ りも、身入 りせず漁
獲 されない、未利用の空ウニ漁場のウニを有効利用するのが最 も有利 と考える。 このことによ り、
空 ウニ漁場のウニの生息密度が低 くな り、 ウニの摂餌圧が弱 まれば、磯焼け状態の空 ウニ漁場 に
海藻の着生が可能 とな り、残 ったウニの身入、成長が期待 される。 この様 に、 ウニ漁場管理の一
環 と して、 ウニ垂下篭養殖 を組み込 むことが可能 と考える。
地域 によっては、身入 りが少ないウニを単価が安い時期 に販売 しているが、これを身入 りを良
くし、単価が高い時期 に販売すれば、同 じ漁獲量 (
殻付)で も、 2倍以上の漁獲金額を揚げるこ
とができる。餌料海藻が少な く、身入 り、成長が期待できない地先では、 ウニを種苗と して餌料
海藻の豊富な他地先 に提供 し、有限な資源は有効 に利用すべ きと考える。
結果にも記述 したが、今別町浜名沖の水深 1
0
n前後の海域 のウニの生殖巣指数が昭和60年 11
月
03から更 に下が り続け昭和61
年 2月 には0.
32と極端 に低下 した。空 ウニ漁場の ウニの生
上旬の2.
殖巣指数の最低値は通常 5前後であ り、出現期 も11
月前後 が普通である。 この海域 は通常 コンプ
漁場 とな ってお 。餌料環境 は良好 である。昭和 59年度 の献 品 も記述 して有 る通 り、昭和 59年
11月の9.
6を最低 と してその後上昇 している。昭和61
年 2月の調査ではこの海域 には コンプ等 の
餌料海藻はほとんど観察 されず、採取されたウニの消化管 にも餌料海藻はな く無節サンゴモ類 を
食 しているにすぎなかった。 ウニの生殖巣は生殖器官であると同時に栄養物質貯蔵器官で もあ り、
生殖巣の発達が悪 く、また餌 となる海藻が殆 ど無 い状態では今後、水温の上昇 とともにウニのへ
い宛が起 こる可能性 が高いと考 えられた。
1
年 2月下旬の調査で同時 に行なった結果 と して、水深2
0
n前後の通常 コンプ漁場 となっ
昭和6
0.
3
5であ り、水深 3
0n前後 ではガ ゴメが
ている海域では、海藻は殆 ど無 いものの生殖巣指数は1
3.
1
3と高か った。以上 の調査結
相 当ウニの食害を受けているもののまだ残存 し、生殖巣指数 も1
果からウニの生息密度が全体的 に高すぎ、ウニの摂餌圧が強 いので、このままでは漁場全体の磯
焼けが起 こる可能性 が高いと考 えられた.幸 い、水深2
0、3
0n前後の ウニは漁獲可能な身入 りで
あるので、 これ らは、早急 に漁獲販売 し、販売できない小型サイズの もの及び水深1
0m前後のウ
ニは水深30m前後 に移殖放流す る。 これ らの結果、水深 1
0、2
0
m前後の コンプ漁場のウニの生息
密度が下 が り、ウニの摂餌圧が弱まることによって、 コンプの生育が可能 になると考えられた。
年 3月上旬に指導 したとこ
以上の対策を早急 に行 な うよ う、今別町西部漁業協同組合 に昭和61
ろ、組合幹部の多大 な尽力 によ り、急き ょ 3月下旬 から漁獲販売されることにな り、 4月中旬ま殻付 き重量)、5,
000
万 円が水揚げされた。一方、昭和61
年 4月1
6日から1
7
での期間に約26トン (
日の 2日間 (1日 5時間) 5
9隻 の ウニ桁網 によ って、約 1
00トン、 1
00万個 が移殖放流 され た。
0
-2
0
nの海域 に 1年 コンプがその後生育 し、現在 2年 コンプと
これらの処置、対策 によ り水深 1
な ってお り、 コンプ漁場の磯焼 け化は防止 され た。 また ウニの成長、身入 りも良好 とな って い
る
.
9
)
ウニは本県沿岸では コンプと同 じ程度の漁獲金額のある重要な磯根資源であるが、また一方で
-269-
5
)
00はコンプの食害生物で もある。増殖場造成指針では、殻径 5- 6mのキタムラサ キウニが2
2
3
0
g/nt
以上漁場 に生息す ると海藻の着生 が妨げられると している。また本県の今別及び石持
1
0
)
果
が
00
g/加以上 の ウニが生息する場合 、海藻の着生が少ないという調査
コンプ大規模増殖場で も2
l
l
)
結
ある。 ウニはまたコンプ等の海藻が無 い磯焼け状態の海域では成長、身入 りは望めない。
この点からも各漁業協同組合 は地先海面のウニ資源、海藻の着生、生育状態 を常 に把握 して適切
な漁場管理を行 な っていく事が重要 と考える。
参 考 文 献
1)沢田満 ・他 (
1
9
7
8) :キタムラサキウニの生態に関する研究 (Ⅰ).移動 と食性 ,青水増資料 ,
S52-Fill, 1- 9.
2)川村-広 ・他 (
1
9
65) :エゾバ フンウニの摂餌 ,成長 ,成熟におよぼす水温の影響について.
北水試月報 ,22,22-39.
3)植村康 ・他 (
1
9
86) :キタムラサキウニ給餌飼育試験 .青水増事業報告 ,15,273-275.
2- 5,1
81-1
86.
4)Fuj
i(
1
9
6
2
) :日本生態学会誌,1
5)水産庁編 (
1
9
81
) :増殖場造成指針 (
莱),水産庁 , 1-2
21.
6)富士
昭 (
1
9
73
) :ウニ類の増殖に関する知見 ,青森県 , 1-84.
9
87
) :ウニの苦味とア ミノ酸の関係 について.未発表 .
7) 山日達道 (1
8)渋井正 ・他 (
1
9
71
) :ウニ蓄養試験 .岩手県水産試験場年報 ,11
4.
9)植村康 ・他 (
1
9
87
) :今別地先のキタムラサキウニについて,未発表 .
1
0
)足助光久 (
1
979) ‥増養殖場造成事業中間結果報告 .青森県今別地区 (コンプ),水産庁編 ,
1
69-217.
1
9
81
) :増養殖場造成事業中間結果報告 .青森県石持地区 (コンプ),水産庁編 ,
l
l
)横山勝幸 (
6
3-82.
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