3年4組国語科学習指導案 平成27年7月9日(木)第5校時 第 3 学 年 4 組 教 室( 在 籍 生 徒 数 3 8 名 ) 指導者 1 単元名 豊かな言葉 2 生徒の実態と本単元の意図 教諭 ○○ ○○ 「俳句の可能性」「俳句十六句」 (1)生徒について 本学年の生徒は、1、2年生の時に短歌や俳句の鑑賞、詩の創作を行ってきた。 その中で生徒達の取り組みを見てみると、創作等に意欲的に取り組んでいる生徒が いる一方で、苦手だと言い、積極的に取り組むことができない生徒もいた。授業後 の自己評価カード等で確認したところ、苦手であることを口にしていた生徒の多く は、「何をしてよいかが分からない。」「心情や情景を読み取れない」と書いてい ることが分かった。特に詩の創作に対しては苦手意識をもつ生徒が多かった。 本単 元の学習にあたり、生徒に、今回の目標が「俳句の創作」と「鑑賞文の制作」であ ることを伝えたところ、「できない」と言う生徒が多くいた。 そこで、本単元では、詳細な解釈にこだわらず、俳句の楽しみを実感させること に重点を置いた学習指導を展開し、俳句の創作に意欲的に取り組ませたい。また、 鑑賞文の制作については、観点ごとに具体的な書き方を確認させる とともに、数人 の班編制による「相互学習」を取り入れ、生徒の学習意欲を高めたい。 (2)単元について 本単元は、俳人宇多喜代子による解説文「俳句の可能性」と、「俳句十六句」に よって構成されている。 「俳句の可能性」では、優れた俳句作品5句を例に挙げながら、俳句の形式や約 束事についてわかりやすく解説した文章が掲載されている。また、「俳句十六句」 には16人の俳人の作品が紹介されている。それぞれ個性豊かであり、俳句のさま ざまな魅力を示している。また、その中の「近世の俳句」から「夏草-『おくのほ そ道』から」の学習にもつなげることができる。選ばれた作品は、いずれも中学生 に理解しやすい言葉で表現された作品である。有季定型の俳句以外に 無季俳句や、 自由律俳句にも言及しており、俳句を幅広く紹介している。個々の作品について、 詳 細 な 解 説 文 を 掲 載 し て は い な い た め 、読 み 手 が 自 分 で 読 み 深 め て い く 事 も で き る 。 筆者のものの見方や感じ方、表現の仕方を味わうことで、俳句本来の楽しさに気 づき、本単元の目標である「俳句の創作、鑑賞文の制作」に対する生徒の興味関心 を高めることができる単元であると思われる。 (3)指導について 本単元において、俳句の楽しさに気づき、俳句に親しみをもって味わわせ、鑑賞 ・創作に取り組ませたい。 そのために、以下の点に留意したい。 -1- ・言葉を大切にし、豊かな表現を味わわせる。 ・単なる知識の伝達にならないようにする。 ・詳細な解釈・語釈に重きを置かない。 ○既習内容を活かし、俳句に対する興味を高めさせる。 ○単元を貫く言語活動として、俳句の創作に取り組ませるとともに、友人の俳句 に対し鑑賞文を書かせる。 具体的には導入の段階で俳句の創作、そして最終目標である俳句の鑑賞会を行う ことを伝え、「俳句の創作や鑑賞文を制作するためには、どのようなことを授業の 中で学ばなければならないか」を意識させながら授業に取り組ませる。 俳句については、自らのものの見方や感じ方を大切にし、豊かな表現を使って思 いを伝えることができる作品を創作するように指導する。 また鑑賞文については、生徒が創作した俳句について、「全体的な印象」「心に 残った言葉」「工夫しているところ(表現技法)」の3つの部分に分けて、少人数 の班編制で考えさせる。その後、それぞれの担当者が新たに別な班に分かれ、お互 いが確認した内容を相互学習する。その内容を受け、自分の受けた印象を鑑賞文と してまとめることができるよう指導していく。 3 研究仮説に対する具体的な指導と手立て 本年度の研究課題「主体的な学びを促し、思考力・判断力・表現力等を育む授業の 在り方」を研究するにあたり、以下のような仮説と手立てを設定し取り組む。 【仮説1】単元の目標を明確にすれば、学習の見通しを持つことができ、学習に対す る意欲が高まるであろう。 【 仮 説 2 】「 互 い に 教 え 合 う 」と い う 学 習 活 動 を 取 り 入 れ る こ と で 、「 誰 か に 教 え る 」 という気持ちが学習者の意欲を高め、主体的な学びに結びつ くであろう。 【手立て】 ・授業の最初に単元の流れを確認し、最終的な目標を意識させる。 ・そのために授業の中で具体的にどんなことに取り組んでいけばよいかを考えさせ る。 ・「相互学習」を取り入れる。班のメンバーで「教え合う」学習活動を行うことで 主体的に学べるようにしていく。 4 単元の目標 (1)俳句について興味を持ち、学習の見通しをもって学び、鑑賞・創作しようとし て い る 。 (関 心 ・ 意 欲 ・ 態 度 ) ( 2 )表 現 を 工 夫 し て 俳 句 の 創 作 を し 、友 人 の 俳 句 に 対 し 鑑 賞 文 を 書 く こ と が で き る 。 (書くこと) (3)俳句の豊かな表現力に気づき、表現に込められた情景・心情・見方を味わうこ とができる。(読むこと) (4)定型や季語などの俳句の約束事や表現技法などを理解することができる。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関わる事項) -2- 5 単元の評価規準と学習活動に即した評価規準 ア 国語への ウ 書く能力 エ 読む能力 オ 関心・意欲・態度 言語についての 知識・理解・技能 ・俳 句 に 興 味 を 持 ち 、俳 ・俳 句 の 創 作 に あ ・俳 句 の 豊 か な 表 ・俳 句 の 約 束 事 や 表 現 句 の 基 本 の 学 習・鑑 賞 た り 、表 現 を 工 現力に気づき、 技法について理解 ・創 作 に 取 り 組 も う と 夫している。 作品を鑑賞し している。 している。 ている。 ① 既 習 内 容 を 振 り 返 り 、① 俳 句 の 学 習 で ①表現に注意し ① 定 型・季 語・切 れ 字 学習の見通しを持と 学んだことを て 、描 か れ て い ( 句 切 れ )表 現 技 法 うとしている。 活かして創作 る 情 景・心 情 ・ 等を理解している。 に取り組んで 視点等を読み いる。 取っている。 ② 表 現 に 注 意 し て 、描 か れ て い る 情 景・心 情 等 を 理 解 し 、味 わ お う と ② 表 現 し よ う す している。 ③表現を工夫して創作 に取り組もうとして いる。 ②表現の工夫に る 情 景・心 情 ・ 気 づ き 、作 品 を 視点を明確に 味わっている。 している。 ③推敲を繰り返 し 、表 現 を 工 夫 している。 6 指導と評価の計画 主な学習活動 学習内容 評 価 規 準・評 価 方 法 ○学習の見通しをもつ。 ○学習の見通し アの① ・最終的に自分で俳句を作 ・最終目標の確認 1 ることを確認する。 ・俳句についての既習内容 机間指導による ・俳句について今まで学習した 確認 ことの確認 を確認する。 ・「俳句の可能性」を読 む。 ○俳句の基礎について学ぶ。 ○俳句の基礎 ・ワークシート等を使い、 2 整理する。 ・俳句十六句を読み、俳句 ・定型 オの① ・切れ字(句切れ) ワークシート ・季語(現代とのずれも含む) ・俳句の種類 ・表現技法 の基礎を学ぶ。 ○俳句十六句の俳句を鑑賞す ○俳句の鑑賞 3 ・ アの② る。 ・大意 エの①② ・プリントを活用し、通 ・情景、心情、視点 ワークシート ・表現の工夫、豊かな表現 机間指導による 釈を確認する。 -3- 4 ・描かれている情景、心 ・朗読 観察発表 情、視点等を捉える。 ・表現の工夫、豊かな表現 に着目し、作品を味わ う。 ・好きな俳句を朗読する。 ○俳句を創作する。 ・今まで学習してきたこと を確認する。 ・表現しようとする情景、 5 ○俳句の創作 アの③ ・既習事項の確認 ウの①②③ ・表現内容の明確化 ワークシート ・推敲 机間指導による 心情、視点を確認する。 観察 ・思いつく言葉を数多く挙 げる。 ・推敲を繰り返して言葉を 練り、表現を工夫して創 作する。 ○班を作り、鑑賞会を行う。 ○友達の作品を読み、自分の課題 アの② ・班のメンバーを3つに分 に対する意見を書く。 6 け、それぞれの課題に対 ・表現されている情景。 本 し、話し合いを行う。 ・俳句の特徴。 時 ・班に戻り、班の中で相互 7 エの② ・俳句に対するまとめ。 学習を行い、班の意見を の3つを班のメンバーで分担す 発表する。 る。 本時の学習指導 (1)本時の目標 ・表現のしかたを工夫した俳句を読み、友達と感想を交流する。(読む能力) ・友達の作品の表現に気づき、作品を味わい、鑑賞文を書く。(書く能力) (2)評価規準 ・表現に注意して、描かれている情景・心情等を理解し、味わおうとしている。 (アの②) (3)本時の展開(6/6) 学習活動 学習内容 指導と評価の創 時間 意工夫 1・本 時 の 目 標 を確認 2分 ・友達の作品を読み、表現の工夫や、 心情を読み取り、鑑賞文を書こう。 -4- 2・前 時 に 作 っ た ・ 俳 句 の 基 礎 に つ い て 復 習 し て お く 。 俳句について 3分 定型・季語など 改めて確認を する。 3・班 を 3 つ に 分 ・ 1 、 全 体 的 な 印 象 ・3人の班を作 20 け 、分 担 ご と の 2、心に残った言葉 り、分担して 分 グループに別 3、工夫しているところ(表現技法) それぞれのグ れて話し合い の3つの課題に取り組む。 ループで話し を行う。 合う。 4・元 の 班 に 戻 り ・ 「 全 体 的 な 印 象 」 ・まとめた内容 15 、お 互 い の 課 題 「心に残った言葉」 を相手に伝え 分 について教え 「工夫しているところ(表現技法)」 る。 合 い 、鑑 賞 文 に の3つをひとつにまとめ鑑賞文にする。 ・ワークシート する。 を使い、まと めさせる。 5・全体発表 ・いくつかの班の代表者にまとまった意見を 7分 発表してもらう。 6・自己評価 ・自己評価カードに本時の評価を書く。 3分 評価場面 〈学習活動に即した評価規準〉 アの②、エの② 〈 評 価 方 法 〉机 間 指 導 に よ る 観 察 、ワ ークシートの内容 〈手立て〉 ・あらかじめ教科書の俳句を読んだ 際に注意すべき点を助言しておく。 まとめ ・目標を達成できたか。 -5- ・友達の作品の良い表現を見られたか。 ・俳句について関心を深められたか ・友人の俳句に対し、鑑賞文を書けたか。 -6-
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