オーナー社長の人生と社員の幸せ応援情報誌 ●特集企画 Interview −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 04 巻頭インタビュー/アスモグループ株式会社 CONTENTS 旧と新の攻防 5 May ●特集企画 Special Feature −−−−−−−−−−−−−−−−− 08 事業承継で伝えるべきもの、それは、決意と覚悟を培う「知的資産」 杉浦行政書士事務所/杉浦 達昌 2015 12 先代と後継者の共通点を「コア」と「DNA」で探り“共通言語”を開発する 株式会社アイデンティティブランディング/大江 祐介 16 後継社長に伝えるのは「長く続く本物の経営」 シバタ経営株式会社/柴田 肇 先代社長の歴史が帝王学になる!! 20 親子経営の繁栄と繁盛 父親・子供・親子で取り組む3×7つのポイント ビジネス・イノベーション・サービス株式会社/大石 吉成 表紙の人 24 活路は日本の老舗企業に!! 「職人道」と「商人道」を極めイノベーション経営に挑む 株式会社ウイズダムビジネス研究所/河野 賢一 ●連 載 Series Reports −−−−−−−−−−−−−−−−−− 28 第2回:M&Aアドバイザーが知る現場における「M&Aマナー」 株式会社中小企業M&Aサポート/奥寺 北斗 32 第3回:ウチの会社にもいる こんなヤツとのつき合い方 大咲経営コンサルティング/大咲 元延 36 第3回:産業財産権制度の知識と活用法 寺岡特許事務所/寺岡 秀幸 40 第3回:中小企業にもビッグデータ活用時代が来た! 有限会社緩急クリエイティブ/柿沼 朱里 44 第4回:社長の決断 その時、会社が動いた! MJコンサルティングオフィス/森 淳 48 第44回:財テクなんでもColumn T&Rコンサルティング/新美 昌也 アスモグループ株式会社 代表取締役 今 孝志 50 Information 月間ビジネス書ランキング ビジネス図書館「BizRepo」今後の追加予定 編集部便り 「北陸新幹線」が、3月14日に長野駅∼上越妙高駅∼金沢駅間で延伸開業。 それにまつわる小ネタ情報を紹介。>NHK朝の連ドラ「まれ」も石川県能 登地方が舞台。>北陸新幹線の開業で「長野新幹線」の名称が消えた。 「北陸長野新幹線」という名称案も却下で長野県民が落胆。>東京∼金沢 間、新幹線と飛行機お得なのはどちら (単品価格) …?。格安チケット利用 なら飛行機が安いが、トータルの移動時間の速さでは新幹線に軍配が上が る。>編集部スタッフ (康) おすすめの観光スポットが「千里浜なぎさドラ イブウェイ」 。日本で唯一、車やバイク、自転車で、砂浜の海岸をドライ ブできる。レンタカーも充実。今年のGWや夏休みはぜひ北陸へ。 3 2015.5 の 共 存 共 生 を 求 め た リ ゾ ー ト 論 が あ る 。 核 心 部 分 に は 、 確 固 た る 決 断 力 と 自 然 と 機 管 理 や 中 ・ 長 期 的 な プ ラ ン な ど 、 そ の リ ア に 裏 打 ち さ れ た も の だ 。 噴 火 当 時 の 危 し て ス キ ー 場 の 設 計 ・ 開 発 に 携 わ っ た キ ャ ト を 取 材 ・ 視 察 し 、 ま た プ ロ ス キ ー ヤ ー と 視 点 や ス キ ル は 、 自 ら 欧 米 の ス キ ー リ ゾ ー 長 の 日 本 に 留 ま ら な い 世 界 基 準 の ビ ジ ネ ス 場 ︵ 同 社 本 社 ︶ に て お 話 し を 伺 っ た 。 今 社 締 役 ・ 今 孝 志 氏 に 、 開 田 高 原 マ イ ア ス キ ー て い る ﹁ ア ス モ グ ル ー プ 株 式 会 社 ﹂ 代 表 取 経 営 と ロ ー プ ウ ェ イ の 運 行 管 理 を 実 施 し 山 の 懐 、 長 野 県 木 曽 郡 木 曽 町 で ス キ ー 場 今 号 の 巻 頭 イ ン タ ビ ュ ー は 、 そ の 御 嶽 心 よ り お 見 舞 い 申 し 上 げ ま す 。 で 哀 悼 の 意 を 表 す と 共 に 被 災 さ れ た 方 に 新 し く 、 失 わ れ た 尊 い 人 命 に 対 し て 謹 ん 4 年 9 月 27 日 11 時 52 分 ︶ は 、 未 だ 記 憶 に 嶽 山 ︵ 標 高 3 0 6 7 m ︶ ﹂ の 噴 火 ︵ 2 0 1 長 野 県 と 岐 阜 県 の 県 境 に 位 置 す る ﹁ 御 I nterviewee Ta k a s h i“ Te e ”Ko n 1953年12月5日、山形県出身。アスモグループ株式会社・代表取締役。ア メリカ・コロラドマウンテンカレッジでリゾート開発のノウハウを学びなが ら、ヴェイルスキースクールの客員教師を勤め、米国職業スキー教師連盟 (PSIA)のレベルIIIの資格を取得。世界100カ所以上のスキーリゾートを歴 訪、さらにスキー場の設計・開発、スキー雑誌の編集などを手掛けて培った 豊富な知識と経験で、日本のスキー業界をあらゆるシーンからリードする。 アスモグループ株式会社 代表取締役 今孝志 木御 曽嶽 町山 のの 未自 来然 にと 夢共 を存 託共 す生 [ ス キ ー 場 経 営 ・ ロ ー プ ウ ェ イ 運 行 管 理 ] 4 The first page interview ●Interviewer&Photo/大崎 哲也 こ と に な っ た の で す 。 御岳ロープウェイ(噴火以前の写真) 5 光 ・ 登 山 用 、 冬 期 は ス キ ー 場 と し て 営 業 を 当 時 、 御 岳 ロ ー プ ウ ェ イ は 、 夏 期 は 観 ま せ ん で し た 。 数 分 後 、 ス タ ッ フ が ﹁ 御 嶽 い ま し た が 、 爆 発 の 瞬 間 は 音 も な く 気 づ き 地 域 の 働 き 口 に な り ま す 。 当 日 、 私 は 御 岳 ロ ー プ ウ ェ イ の 事 務 所 に ラ ン 業 務 な ど は 、 冬 の 農 閑 期 に お け る こ の 接 な 関 係 に あ り ま す 。 リ フ ト 運 行 や レ ス ト 今 / ス キ ー 場 運 営 は 、 地 域 の 季 節 雇 用 と 密 ︱ ︱ ま ず 始 め に 着 手 し た 経 営 改 革 は ? 楽 シ ー ズ ン 真 っ 盛 り で の 御 嶽 山 噴 火 で す 。 天 候 不 順 に 追 い 打 ち を か け る よ う な 秋 の 行 の 列 車 の 運 行 に も 支 障 が 出 て 、 夏 の 災 害 と の 尊 い 命 が 奪 わ れ ま し た 。 名 古 屋 方 面 か ら 2014.5 南 木 曽 地 域 で 土 石 流 が 発 生 し て 、 少 年 1 名 を 決 め て 商 号 を 変 更 し ま し た 。 働 く と い う 初 志 を 貫 い て い か ね ば と 、 覚 悟 今 / そ の 前 に 、 昨 年 7 月 9 日 の 大 雨 に よ り ︱ ︱ そ の 矢 先 の 9 月 27 日 の 噴 火 で し た 。 で あ る 地 域 活 性 化 の た め に ﹁ 黒 子 ﹂ と し て 光 産 業 の 中 核 も 合 併 し て 再 ス タ ー ト を 切 る な り 、 遅 れ は し ま し た が 、 町 村 に 続 い て 観 に よ り 、 3 施 設 が 木 曽 町 に 存 在 す る こ と に ﹁ 木 曽 町 ﹂ が 発 足 し た の が 始 ま り で 、 こ れ 日 義 村 、 開 田 村 、 三 岳 村 が 町 村 合 併 し て も そ も 2 0 0 5 年 11 月 1 日 に 、 木 曽 福 島 町 、 プ 株 式 会 社 ﹂ と し て ス タ ー ト し ま し た 。 そ 運 営 会 社 が 合 併 し 、 新 た に ﹁ ア ス モ グ ル ー 御 岳 ロ ー プ ウ ェ イ の 3 つ の リ ゾ ー ト 施 設 の 原 マ イ ア ス キ ー 場 、 き そ ふ く し ま ス キ ー 場 、 今 / 弊 社 は 2 0 1 2 年 5 月 25 日 に 、 開 田 高 い て お 聞 か せ く だ さ い 。 ︱ ︱ ア ス モ グ ル ー プ 株 式 会 社 の 概 略 に つ 降 、 近 隣 の 2 つ の リ ゾ ー ト 施 設 の 経 営 が 厳 頭 指 揮 を 執 っ て い た の で す が 、 町 村 合 併 以 ∼ 株 式 会 社 マ イ ア ︶ の 社 長 と し て 経 営 の 陣 原 マ イ ア ス キ ー 場 ︵ 開 田 高 原 開 発 株 式 会 社 今 / 私 は 1 9 9 6 年 に オ ー プ ン し た 開 田 高 ︱ ︱ 初 代 社 長 に 就 任 し た 経 緯 は ? し ま い ま す 。 し か し 、 そ れ で は 地 域 雇 用 の 妨 げ に な っ て キ ー 場 営 業 を 中 止 す る の が ベ ス ト な 選 択 。 ス ト パ フ ォ ー マ ン ス を 考 慮 す る と 冬 期 の ス の ロ ー プ ウ ェ イ の 稼 働 率 が 非 常 に 悪 い 。 コ し て い た の で す が 、 風 の 強 い 御 嶽 山 で は 冬 も ち ろ ん 迷 い は あ り ま し た が 、 元 来 の 目 的 受 け る こ と は 容 易 な こ と で は あ り ま せ ん 。 小 企 業 が 新 た に 2 つ の リ ゾ ー ト 施 設 を 引 き か 経 営 の や り く り が つ い て い ま し た が 、 弱 経 営 す る 開 田 高 原 マ イ ア ス キ ー 場 は 何 と て い る 木 曽 町 も 、 そ の 例 外 で は あ り ま せ ん 。 が 次 々 と 吹 き 荒 れ 、 観 光 が 基 幹 産 業 と な っ に リ ー マ ン シ ョ ッ ク 、 東 日 本 大 震 災 と 逆 風 ル 経 済 崩 壊 後 、 衰 退 の 一 途 を た ど り 、 さ ら る こ と に し た わ け で す 。 ス キ ー 産 業 は バ ブ や 雇 用 を 考 え て 、 両 施 設 の 運 営 も 引 き 受 け し く な り ま し た 。 そ こ で 地 元 経 済 へ の 影 響 い た の で す 。 の 御 岳 ロ ー プ ウ ェ イ と い う 経 営 の 道 筋 が つ き そ ふ く し ま ス キ ー 場 、 夏 期 営 業 の 観 光 用 た 、 冬 期 営 業 の 開 田 高 原 マ イ ア ス キ ー 場 ・ 御 嶽 山 の ロ ケ ー シ ョ ン を 最 大 の ウ リ に し 再 編 が 最 初 の 経 営 改 革 で し た 。 こ れ に よ り 、 す が 、 人 員 の 手 配 や 配 置 な ど の 組 織 構 成 の 正 規 雇 用 の ス タ ッ フ に 働 い て も ら っ て い ま し て も ら い ま し た 。 現 在 、 約 1 5 0 名 の 非 繁 忙 期 に よ っ て 仕 事 を 分 け 合 う こ と に 協 力 方 を 町 の 人 た ち に 理 解 し て も ら い 、 季 節 や そ こ で 、 ワ ー ク シ ェ ア リ ン グ と い う 考 え May 2015 特集企画 大阪府行政書士会知的財産部会 座長 杉浦行政書士事務所 代表 る書籍や雑誌を手にすると、ことごとく会社の株や不 1級知的財産管理技能士(特許)/ 行政書士 動産、機械設備などの有形資産を中心に語られていま 杉浦 達昌 す。確かに事業承継の大切な要素ですが、それだけで は事業は成り立ちません。それらは、すべて手段であ URL り、ある時期の結果に過ぎないからです。本稿で事業 http://www.trsk.net/ip/index.html E-mail 承継の本質を探ってみましょう。 2015 事業承継で伝えるべきもの、 それは、決意と覚悟を培う 「知的資産」 5 May 用 し 、 収 益 を 上 げ る 部 分 、 財 産 を 戦 略 的 に 取 得 し 、 活 器 と な る 知 的 財 産 権 や 知 的 ま せ ん 。 し か し 、 強 力 な 武 [email protected] っ て 守 ら れ る も の で も あ り 的 財 産 の よ う に 抑 止 力 に よ 3 つ の 資 産 ● 会 社 が 保 有 す る 占 的 な 権 利 で は な い し 、 知 は 、 知 的 財 産 権 の よ う に 独 的 資 産 ﹂ 。 付 加 さ れ た 部 分 以 上 を 内 包 す る 枠 が ﹁ 知 の 部 分 と な り ま す 。 所 の 経 営 を 担 う 部 分 は 、 こ つ ま り 、 実 際 の 会 社 や 事 業 の が 含 ま れ ま す 。 罰 則 ︶ に よ っ て 守 ら れ る も ︵ 法 に 反 す る 行 為 に 対 す る け れ ど も 刑 罰 と い う 抑 止 力 業 秘 密 な ど 、 権 利 で は な い 次 の 枠 は ﹁ 知 的 財 産 ﹂ 。 営 と な り ま す 。 け ら れ 、 市 場 独 占 の ツ ー ル 止 法 の 特 別 法 と し て 位 置 づ の ﹁ 知 的 財 産 権 ﹂ 。 独 占 禁 最 も 小 さ な 枠 が 商 標 権 等 の 概 念 図 を ご 覧 く だ さ い 。 ま ず は 、 図 1 の 無 形 資 産 ● 無 形 資 産 の 中 の 知 的 資 産 ﹁ 知 的 資 産 ﹂ 図1 無形資産の概念図 ま に 的 す 、 資 会 。 大 産 社 き は の く 、 保 3 図 有 つ 2 す に に る 分 示 3 け す つ ら よ の れ う 知 残 る 資 産 の こ と で す 。 退 社 な ど が あ っ て も 会 社 に 有 能 な 営 業 マ ン や 技 術 者 の に 言 え ば 、 社 長 の 交 代 や 、 徴 が あ り ま す 。 よ り 具 体 的 素 に 左 右 さ れ な い と い う 特 ス テ ム な ど で す 。 人 的 な 要 や マ ニ ュ ア ル 、 社 内 教 育 シ 会 社 の 保 有 す る 各 種 規 程 ・ ﹁ 構 造 資 産 ﹂ 無形資産 目に見えない資産の総称 知的資産 営業力・技能・組織力・ネットワークなど 知的財産 営業秘密・ノウハウ・ブランド力など 知的財産権 商標権・著作権・特許権など 図2 会社の資産 構造資産 関係資産 人的資産 人の移動・流出があっても社内に残る資産 構築された仕組や社内規程 対外的関係における資産 会社、企業としての信用 人の移動・流出により失われる資産 社主の信用・営業力・技能 事 業 の 核 と な る Special Feature 事業承継において承継されるべきものは何でしょう か。それは「事業」です。ところが、事業承継に関す 8 特集企画 旧と新の攻防 後継者(事業承継)の 見通しが立たない 4.2% Special Feature 9 す か ら 、 信 用 と 言 い 変 え て 係 に お い て 培 わ れ た 資 産 で 言 い ま す 。 継 続 的 な 取 引 関 に お い て 形 成 さ れ た 資 産 を や 取 引 先 と の 継 続 的 な 関 係 家 な ど の ス テ ー ク ホ ル ダ ー め ら れ る 資 産 。 銀 行 や 投 資 社 外 と の 関 係 に お い て 認 少 な く あ り ま せ ん 。 し て く れ て い る と い う 例 は 顧 客 、 取 引 先 が ビ ジ ネ ス を ま す 。 こ の 社 長 だ か ら こ そ 、 っ て い る ケ ー ス が 多 く あ り 卓 越 し た 経 営 手 腕 で 成 り 立 業 は 、 社 長 の カ リ ス マ 性 や 資 産 を 意 味 し ま す 。 中 小 企 ら こ そ 会 社 に 役 立 っ て い る 文 字 通 り 、 そ の ﹁ 人 ﹂ だ か 廃 業 を 決 断 し た 理 由 ︵ 図 3 ︶ こ の こ と は 、 中 小 企 業 が 資 産 で あ る と 考 え ら れ ま す 。 く 見 積 も っ て も 7 割 が 人 的 る 割 合 は 平 均 で も 8 割 、 低 営 に お け る 人 的 資 産 の 占 め き ま せ ん が 、 小 規 模 事 業 経 経 験 値 で し か 語 る こ と が で ど な い か ら で す 。 こ の た め 、 反 映 す る 調 査 資 料 が ほ と ん 技 術 の 伝 承 が で き て い な い 経 営 者 が 高 齢 で あ る と か 、 そ れ ゆ え 、 人 的 資 産 で あ る て も 、 状 況 は 変 わ り ま せ ん 。 で き る 利 益 を 得 て い た と し 現 状 に お い て 充 分 に 満 足 と い う こ と で す 。 流 出 す る か 消 滅 し て し ま う の ま ま で あ れ ば 、 い ず れ は 産 経 営 で す 。 な げ て い く 、 こ れ が 知 的 資 造 化 し 、 活 用 し て 収 益 に つ 経営者の 高齢化、健康 (体力・気力) の問題 48.3% 経営者の家族の問題 (介護、高齢化、教育等)4.9% 主要な販売先との取引終了 (相手方の倒産、移転の ケース含む)7.8% ・ ﹁ 関 係 資 産 ﹂ も い い も の で す 。 その他 18.0% 事業経営の更なる 悪化の回避 4.4% 事業の先行きに対する不安 12.5% 図3 中小企業が廃業を決断した理由 小 規 模 経 営 の 事 業 所 の 声 を 事 業 所 の ほ と ん ど を 占 め る あ っ て も 、 そ れ が 人 的 資 産 ど れ だ け 優 れ た 人 的 資 産 が 識 し 、 見 え る よ う に し 、 構 こ れ ら の 資 産 を ま ず は 認 を 行 う こ と が で き た の か 、 ま り 、 な ぜ そ の よ う な 事 業 な る 傾 向 が あ り ま す 。 ﹁ 人 的 資 産 ﹂ の 割 合 が 高 く 会 社 の 規 模 が 小 さ い ほ ど の 割 合 が 高 く な り 、 逆 に 、 な れ ば な る ほ ど ﹁ 構 造 資 産 ﹂ 成 比 は 、 一 般 的 に 大 企 業 に 関 係 資 産 、 人 的 資 産 ︶ の 構 業 者 の 経 営 は 人 的 資 産 に 強 て 高 い 数 字 で す 。 小 規 模 事 慮 す る と 、 こ の 数 字 は 極 め ケ ー ト に 応 じ な い こ と を 考 業 し た 小 規 模 事 業 所 が ア ン に 達 し て い ま す 。 多 く の 廃 い う 理 由 を 含 め て 、 継 者 の 見 通 し が 立 た な い と 資 産 に こ そ 経 営 の 源 泉 が あ ラ ン ド な ど の 目 に 見 え な い 組 織 力 、 ネ ッ ト ワ ー ク 、 ブ が あ り ま す 。 人 材 や 技 術 、 た 資 産 、 知 恵 と 工 夫 と 経 験 に は 、 そ れ ぞ れ に 蓄 積 さ れ そ れ ぞ れ の 会 社 や 事 業 所 の 商 品 ・ サ ー ビ ス が ﹁ な ぜ 前 提 と し て 、 現 在 の 売 れ 筋 知 的 資 産 経 営 で は 、 そ の そ れ が ﹁ 知 的 資 産 ﹂ 伝 え る べ き も の ど あ り ま せ ん 。 日 本 の 企 業 ・ ー タ は 、 残 念 な が ら ほ と ん こ れ を 裏 付 け る 適 当 な デ こ こ で 、 問 題 と な る の は 、 く 依 存 し て い る と 言 え ま す 。 る の で す 。 売 れ て い る の か ? ﹂ か ら 始 2015.5 57 ・ 4 % ● 知 的 資 産 経 営 ● 人 的 資 産 に 依 存 す る 前 述 の 3 資 産 ︵ 構 造 資 産 、 中 小 企 業 経 営 者 の 家 族 の 問 題 等 、 後 営 者 の 高 齢 化 、 健 康 者 問 題 、 景 に あ る 廃 業 の 理 由 は 、 経 人 的 資 産 に 頼 る 経 営 が 背 に お い て も 表 れ て い ま す 。 ン ト と な り ま す 。 て も 、 重 大 な マ イ ナ ス ポ イ や 大 き な 継 続 的 取 引 に お い 非 常 に 脆 弱 で す か ら 、 融 資 人 的 資 産 に 頼 っ た 経 営 は で 念 知 経 的 す で 的 営 に 。 あ 資 ﹂ 活 る 産 と 用 こ 経 言 す と 営 わ る に と れ 経 注 は る 営 意 異 も は が な の ﹁ 必 る で 知 要 概 財 、 会 社 は 信 頼 さ れ ま せ ん 。 り に 使 ま え 社 失 な ま 、 用 た て に す 放 お す 戦 権 、 い 残 る 置 、 。 略 の 営 く る ﹁ す 知 的 取 業 必 ﹁ 人 れ 的 に 得 秘 要 構 的 ば 財 行 な 密 が 造 資 流 産 う ど の あ 資 産 出 権 必 も 保 り 産 ﹂ す を 要 、 護 ま ﹂ を る 戦 が 緻 や す に 、 か 略 あ 密 先 変 会 消 。 ・ ﹁ 人 的 資 産 ﹂ May 2015 特集企画 株式会社アイデンティティブランディング 「コア(根源的価値観) 」と「DNA(自社にでき CIコンサルタント ることの本質) 」の2つです。これらの共通言語 大江 祐介 を開発し、先代と後継者の間で共有することで スムーズな事業承継が可能になります。なぜ、 URL コアとDNAの共有が必要なのか、また、どのよ http://uvd.jp/ E-mail [email protected] うに共通言語を開発するかを伝授します。 2015 先代と後継者の共通点を 「コア」と「DNA」で探り “ 共通言語 ”を開発する 5 May す れ ば 、 従 業 員 は 的 確 な 指 イ ン ド が 食 い 違 っ て い る と そ の 際 、 先 代 と 後 継 者 の マ 向 性 を 大 き く 左 右 し ま す 。 行 動 エ ネ ル ギ ー が 経 営 の 方 ド か ら 生 み 出 さ れ る 思 考 と 業 は 、 特 に 経 営 者 の マ イ ン 経 営 資 源 が 少 な い 中 小 企 ー ワ ー ド を 定 義 し ま す 。 ず は 、 導 入 と し て 2 つ の キ 法 を 以 下 に 紹 介 し ま す 。 ま ぐ べ き も の を 明 確 に す る 方 か ら 後 継 者 が 本 当 に 受 け 継 か ら 開 発 す る こ と で 、 先 代 と ﹁ D N A ﹂ の 2 つ の 視 点 ま す が 、 共 通 言 語 を ﹁ コ ア ﹂ 営 に お い て も 同 様 で 、 コ ア る 源 泉 な の で す 。 仕 事 や 経 高 い モ チ ベ ー シ ョ ン を 与 え つ ま り コ ア と は 、 人 間 に は そ の た め で す 。 援 業 務 を 使 命 と し て い る の 業 承 継 な ど の 人 に 関 わ る 支 り 湧 き 上 が っ て き ま す 。 事 要 な の で し ょ う か ? 開 発 ﹂ で す 。 の 整 理 に よ る ﹁ 共 通 言 語 の 継 者 の マ イ ン ド ︵ 脳 と 心 ︶ 効 な の が 、 先 代 経 営 者 と 後 す 。 そ の 判 断 基 準 と し て 有 を 引 き 起 こ す こ と に な り ま 承 継 を 行 う と 、 経 営 の 迷 走 明 確 な 判 断 基 準 を 持 た ず に り 本 ま 稿 す の 。 タ イ ト ル に も あ り の 方 が 重 要 な ポ イ ン ト に な 開 発 す る ﹁ 視 点 ﹂ と ﹁ 順 序 ﹂ ﹁ 量 ﹂ よ り も 、 共 通 言 語 を 者 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の す 。 こ の と き 、 先 代 と 後 継 必 要 で あ る こ と が 分 か り ま サ シ と し て の 共 通 言 語 ﹂ が 後 継 者 が 共 有 で き る ﹁ モ ノ い ら れ な い エ ネ ル ギ ー と な ら し さ ﹂ に 触 れ る 事 柄 に 出 イ ン ト で あ り 、 人 の ﹁ 自 分 上 も 変 わ っ て い な い 重 要 ポ で 、 中 学 生 の 頃 か ら 20 年 以 あ り ま す 。 こ れ は 筆 者 の 中 テ ィ ︶ ﹂ と い う 共 通 言 語 が ﹁ 自 分 ら し さ ︵ ア イ デ ン テ ィ 例 え ば 、 弊 社 の コ ア に は で は 、 な ぜ 共 通 言 語 が 必 会 っ た と き 、 行 動 せ ず に は き な の か 継 を 行 う た め に は 、 先 代 と イ ン ト の こ と で す 。 ・ 本 人 の 自 由 に や ら せ る べ つ ま り 、 成 功 す る 事 業 承 エ ネ ル ギ ー が 湧 き 上 が る ポ 承 継 す べ き な の か ・ 自 分 ︵ 先 代 ︶ の や り 方 を ● 2 つ の 視 点 に お い て 変 わ る こ と な く 、 価 値 観 で 、 過 去 ・ 現 在 ・ 未 来 後 継 者 に 、 ● ど ち ら に す る べ き か く 必 要 が あ り ま す 。 に よ っ て 適 切 に 定 義 し て お イ ン ド 中 に 定 着 す る 根 源 的 ﹁ コ ア ﹂ と は 、 個 々 人 の マ 昧 な 捉 え 方 で は な く 、 言 語 共 有 で き る 共 通 言 語 先 代 と 後 継 者 が 白 で す 。 そ の マ イ ン ド は 曖 示 を 仰 げ な く な る こ と は 明 根 源 的 価 値 観 ﹁ コ ア ﹂ Special Feature 先代から後継者に本当に受け継ぐべきものは 12 特集企画 Special Feature 13 本 人 の や り た い こ と を 優 先 人 間 の 脳 は 、 情 報 を 取 捨 に 進 む こ と に な り ま す 。 旧と新の攻防 る の で す 。 に 細 分 化 し て 具 現 化 し て い の 本 質 を 自 社 に で き る こ と し て い ま す が 、 同 社 は 、 そ 理 由 が あ り ま す 。 人 間 の 脳 に 関 す る 科 学 的 な な の で し ょ う か ? そ れ に は D N A の 共 通 言 語 化 が 必 要 な ぜ 事 業 承 継 に は コ ア と 思 い の 摺 り 合 わ せ が 加 速 的 め 、 先 代 の 思 い と 後 継 者 の が い ち 早 く キ ャ ッ チ す る た 重 要 性 を 感 じ る 情 報 は 脳 事 業 承 継 の 際 、 後 継 者 が い だ す こ と に な り ま す 。 寒 天 の 本 質 は す べ て に 共 通 の 視 点 に 対 し て 重 要 性 を 見 開 を 進 め て い ま す 。 つ ま り 、 な 商 品 や サ ー ビ ス で 事 業 展 共 通 言 語 化 で 成 功 へ コ ア と D N A の と が で き れ ば 、 後 継 者 は そ 化 し て 後 継 者 が 受 け 継 ぐ こ 剤 を 開 発 し て い る 他 、 様 々 の コ ア と D N A を 共 通 言 語 る 性 質 ﹂ を 活 か し て ゲ ル 化 で あ る ﹁ 液 状 を 固 体 状 に す だ け で は な く 、 寒 天 の 本 質 社 ﹂ 。 同 社 は 、 食 品 と し て カ ー ﹁ 伊 那 食 品 工 業 株 式 会 長 野 県 伊 那 市 の 寒 天 メ ー A な の で す 。 分 化 し た 結 果 が 企 業 の D N こ と が 大 切 で あ り 、 そ の 細 て 本 質 に ま で 分 解 し て み る に 捉 え ず 、 細 か に 細 分 化 し 自 社 に で き る こ と を 曖 昧 れ る の で す 。 ン ド の 状 態 に よ っ て 左 右 さ づ か な い か は 、 個 人 の マ イ し て も 、 ゴ ミ に 気 づ く か 気 せ ん 。 視 界 に 入 っ て い た と こ の 性 質 を 応 用 し 、 企 業 例 で 解 説 し て み ま し ょ う 。 本 質 に な り ま す 。 で は 、 事 と は 、 自 社 に で き る こ と の せ る こ と は 困 難 で す 。 本 質 を 外 し て 事 業 を 成 功 さ て 来 た 自 社 に で き る こ と の す ケ ー ス で も 、 受 け 継 が れ 後 継 者 な り の や り 方 を 通 ミ に 気 づ く こ と さ え あ り ま 気 づ き 、 そ う で な い 人 は ゴ 性 を 感 じ て い る 人 は ゴ ミ に を 清 潔 に 保 つ こ と ﹂ に 重 要 が 落 ち て い た 場 合 ﹁ 会 社 内 例 え ば 、 会 社 の 中 に ゴ ミ 近 道 で す ︵ 図 1 ︶ 。 域 ﹂ を 探 る こ と が 成 功 へ の 識 の う ち に 共 通 し て い る 領 が 持 つ コ ア の 中 で 、 ﹁ 無 意 の た め に は 、 先 代 と 後 継 者 密 接 に 関 連 し て き ま す 。 そ 自 社 に で き る こ と の 本 質 企 業 に お け る ﹁ D N A ﹂ 限 ら れ て い ま す 。 ﹁ D N A ﹂ こ と は 困 難 で す 。 け で 人 間 の 行 動 を 規 定 す る を 見 ず に 細 か な 作 業 内 容 だ が あ る 以 上 、 で き る こ と は 脈 々 と 受 け 継 が れ た D N A こ と が あ り ま す 。 し か し 、 外 し た 事 業 計 画 に 乗 り 出 す す る あ ま り 、 自 社 の 本 質 を に で き て い ま す 。 る 情 報 し か 知 覚 し な い よ う 自 身 が 重 要 性 を 見 出 し て い 活 系 ︶ ﹂ の 働 き に よ り 、 自 分 選 択 す る ﹁ R A S ︵ 網 様 体 賦 と な る コ ン セ プ ト と し て 、 る D N A は 事 業 内 容 の 根 幹 分 に 、 そ の 基 礎 か ら 生 ま れ 指 針 に 関 わ る 経 営 の 基 礎 部 コ ア は 会 社 の 理 念 や 行 動 図1 無意識で共有しているコアとDNA 事業内容 先代のコア と 考 え て い ま し た 。 ン ド 戦 略 を 取 り 入 れ た い ﹂ ﹁ 得 意 分 野 に 特 化 し た ブ ラ と の 考 え に 対 し 、 後 継 者 は 幅 広 く 展 開 し て 行 く べ き ﹂ 2015.5 DNA 着 し 自 動 車 関 連 サ ー ビ ス を 後継者のコア ま 備 メ し ま 形 し 可 観 べ ま ス る を と 先 す 業 リ て 親 す で て 能 が き す テ た 行 後 以 代 。 を カ 、 子 。 進 も で 入 点 が ッ め い 継 下 の 行 に 京 間 め ら あ る は 、 プ の 、 者 の ﹁ う て 都 事 る い れ こ 、 実 ① セ 共 の 取 地 K 自 府 業 こ 、 ば と 自 施 ∼ ル 通 マ り 域 社 動 北 承 と 質 第 が 問 あ ⑤ フ 言 イ 組 の を 車 部 継 を 問 三 多 自 た ﹂ 質 語 ン み 方 取 販 お の お を 者 い 答 り を 問 を ド で 々 り 売 よ 実 薦 受 に た は 留 紹 法 見 の 、 に 上 ・ び 例 め け 協 め 先 意 介 ﹁ つ 整 先 密 げ 整 ア と し る 力 入 す し 5 け 理 代 、 質 問 法 ﹁ 5 ス テ ッ プ ﹂ 承 継 の た め の セ ル フ May 2015 特集企画 シバタ経営株式会社 います。しかし創業社長からすれば、後継社長に対する 代表取締役 不満も大きく断絶している状況も珍しくありません。性 柴田 肇 格も価値観も違う二人が互いの経営方針を理解できない 理由は、「変えてはならないもの」と「変えるべきもの」 が見えていないからです。何を承継するのか、その突破 URL http://www.tekisho-tekizai.com/ E-mail [email protected] 口を本稿で紹介します。 2015 先代社長の歴史が帝王学になる !! 5 後継社長に伝えるのは 「長く続く本物の経営」 May 事 件 は 日 常 茶 飯 事 で す 。 幹 ぶ か も し れ な い ト ラ ブ ル や る と 、 会 社 の 財 産 が 吹 き 飛 に 危 機 の 連 続 で す 。 と も す い な に 経 ろ っ に 者 究 し し に し ま い は 営 う て 会 の 当 し な 、 こ か す と 、 の と き 社 多 然 、 け そ そ し 。 相 自 ト 、 ま を く の 実 れ の 価 な 当 分 ッ 二 し 潰 が こ 践 ば た 値 が な の プ 代 た さ 創 と を な め ら 覚 代 に 目 。 な 業 で し ら に が 、 悟 で 立 で 創 い 以 す て な ﹁ あ 経 で 潰 っ あ 業 ﹂ 来 が き い 今 る 営 臨 し た ろ 者 と ﹁ 、 ま か ﹂ と は ん た か う で 頑 絶 経 し を 何 提 常 で く ら と あ 張 対 営 た 研 を 唱 、 。 を 乗 り 越 え る ﹂ ﹁ チ ャ ン ス に な り ま す 。 つ ま り 、 ﹁ 危 機 経 営 の 決 断 が な さ れ る こ と り 、 新 し い 経 営 者 に よ っ て 権 者 が 交 代 す る こ と で あ チ ャ レ ン ジ し 続 け る こ と な つ か っ て も あ き ら め な い で で あ り 、 想 定 外 の 事 態 に ぶ れ は 危 機 を 乗 り 越 え る こ と で は 、 変 革 と は 何 か ? そ い う こ と は 、 最 終 意 思 決 定 知 っ て い る か ら で す 。 経 営 ト ッ プ が 交 代 す る と 重 で あ る こ と を 、 経 営 者 は と ﹁ 社 長 交 代 ﹂ で す 。 も 大 き な 問 題 は ﹁ 世 代 交 代 ﹂ そ の 長 く 続 く 経 営 の 、 最 で あ り 、 成 功 と 失 敗 は 紙 一 が 起 こ る か わ か ら な い か ら す 。 な ぜ な ら 、 一 寸 先 は 何 何 を 伝 え る の か そ の 瞬 間 の 決 断 は 恐 怖 で 後 継 者 に 経 営 の で り の 経 す 越 こ 営 。 え と ﹂ る で と 経 あ は 営 り ﹁ ﹂ 、 潰 の ﹁ さ こ 危 な と 機 い な を 経 の 乗 営 ﹂ す 。 経 営 は 長 く 続 け る こ と 上 を 迎 え る 企 業 も あ り ま 創 業 60 年 、 創 業 1 0 0 年 以 ぎ ま し た 。 顧 問 先 の 中 に は 、 ン ト 業 に 従 事 し て 30 年 が 過 潰 さ な い 経 営 の こ と 筆 者 は 、 経 営 コ ン サ ル タ 長 く 続 く 経 営 と は し い 平 れ る な 問 部 結 ま 、 穏 ば で っ 題 社 局 す 大 無 す し た に 員 の 。 小 事 る ょ 経 背 や と 様 な ほ う 験 筋 従 こ 々 と ど 。 を が 業 ろ な き 、 組 す ゾ 員 、 問 が 1 織 る ク の ﹁ 題 な カ が こ ッ 起 長 が い 月 拡 と と こ く 発 く で 大 も 寒 し 続 く 生 ら も す あ く た い な に ト も 証 常 で 新 員 つ ど ま い 変 ッ 不 な に 迫 た の き 経 ん す と わ プ 可 の 変 ら な 採 ま 営 な 。 い り は 能 で 革 れ 事 用 と の う 続 、 な す を る 業 、 い 決 些 宿 け 長 こ 。 求 決 展 新 ま 断 細 命 な く の 現 め 断 開 た す は な を け 続 時 状 ら は ⋮ な 。 常 こ 背 れ け 代 維 れ 、 、 研 新 に と 負 ば る 。 持 て 組 そ 究 し 恐 で っ な た 経 さ い 織 れ 開 い 怖 も て ら め 営 え る が ら 発 社 が 、 、 い の で す 。 後 継 者 は し な け れ ば な ら な を 掴 む ﹂ た め の 最 終 決 断 を 、 Special Feature 会社が長く続くことを社員の誰もが願っています。ま た、それは世代交代をしなければ続かないことも知って 16 特集企画 Special Feature 17 旧と新の攻防 あ る で し ょ う 。 閉 ま っ た 思 い や 誓 い も 必 ず の 心 情 、 誰 に も 言 わ ず 心 に 件 、 そ の と き の 苦 難 や 苦 境 っ か け と な っ た 出 来 事 や 事 あ っ た は ず で す 。 創 業 の き 業 当 時 に 、 大 き な ド ラ マ が 学 と な る の で す 。 継 経 営 者 に 承 継 さ れ る 帝 王 れ ら を ま と め る こ と で 、 後 断 し 実 行 し て き た の か 、 そ り 越 え て き た の か 、 何 を 決 そ し て 、 そ の 苦 難 を ど う 乗 を 悩 み 、 苦 し ん で き た の か 、 つ ま り 、 経 営 者 と し て 何 こ そ 学 び が あ り 、 学 び が あ ろ プ ラ ス で す 。 失 敗 の 中 に は 、 マ イ ナ ス で は な く む し の 恥 部 を さ ら け 出 す こ と か ね ま せ ん 。 経 営 者 と し て ま と め れ ば 、 自 慢 話 に な り す 。 成 功 し た こ と ば か り を 営 者 に 感 動 を 与 え る の で か し い 部 分 こ そ が 、 後 継 経 経 営 者 と し て 未 熟 で 恥 ず 大 敗 し 、 多 く の 武 将 を 死 な と 決 断 の 甘 さ か ら 武 田 軍 に 三 方 ヶ 原 の 戦 で 自 分 の 判 断 戦 国 時 代 、 徳 川 家 康 公 は 員 教 育 を し て い ま す 。 落 と し 込 ん で 、 徹 底 し て 社 つ を 経 営 理 念 や 基 本 方 針 に 受 け 継 い で 、 そ の 一 つ ひ と 先 代 社 長 の 反 省 と 苦 し み を す 。 現 在 は 、 後 継 経 営 者 が に す べ き こ と は 沢 山 あ り ま 不 渡 手 形 を 掴 ま な い た め 自 身 が 経 営 者 と し て 経 験 し 先 代 経 営 者 自 身 で す 。 自 分 え る 役 目 は 、 創 業 経 営 者 や 生 き た 経 営 者 の 歴 史 を 伝 力 の 伝 え 方 ③ 危 機 を 乗 り 越 え る き な い の で す 。 当 の 経 営 を 伝 え る こ と は で 史 を 表 に 出 さ な け れ ば 、 本 ま た 、 ひ と り の 力 で 創 業 伝 え る の は 先 代 経 営 者 2015.5 思 い 出 し て く だ さ い 。 創 り 財 産 で す 。 越 え 続 け て き た 歴 史 で す 。 40 年 間 、 様 々 な 危 機 を 乗 り 創 業 40 年 の 企 業 で あ れ ば 、 者 の 歴 史 こ そ が 、 文 化 で あ 成 長 期 、 発 展 期 と 続 く 経 営 な ど 、 創 業 当 時 か ら 始 ま り 、 き ま せ ん 。 越 え る 力 を 伝 え る こ と が で け れ ば な り ま せ ん 。 例 え ば 、 で の 会 社 の 歴 史 を 分 析 し な 動 は あ り ま し た か 経 営 者 の 歴 史 を 分 析 す る 仕 事 と し て 、 ま ず は こ れ ま 後 継 経 営 者 に 伝 え る 前 の ・ 初 め て の 仕 事 の 喜 び や 感 り 、 助 け ら れ ま し た か ・ ど の よ う な 方 に 世 話 に な 力 の 伝 え 方 ① と に 苦 労 し ま し た か で を に は す 伝 ﹁ 、 。 え 危 新 な 機 た け を な れ 乗 経 ば り 営 な 越 者 ら え ︵ な る 後 い 力 継 者 の ﹂ ︶ 危 機 を 乗 り 越 え る ・ そ の と き 、 ど の よ う な こ こ の 仕 事 を 始 め ま し た か ・ ど の よ う な き っ か け で 、 て い た の で は 、 危 機 を 乗 り 外 部 環 境 や 他 者 の せ い に し に 問 題 が あ っ た か ら で す 。 経 営 者 と し て の 判 断 と 決 断 る こ と で す 。 そ の 原 因 は 、 面 し た 詳 細 を 中 心 に ま と め 重 要 な こ と は 、 危 機 に 直 具 体 的 な 自 分 の 失 敗 に 絞 る 持 っ て い ま す 。 自 分 自 身 へ の 戒 め の た め に に 、 今 も 当 時 の 不 渡 手 形 を し さ と 苦 労 を 忘 れ な い た め た か ら で す 。 そ の と き の 悔 に よ っ て 会 社 が 窮 地 に 陥 っ ん だ 経 験 が あ り 、 そ の こ と 断 の 甘 さ か ら 不 渡 手 形 を 掴 そ れ は 、 過 去 に 自 分 の 判 な り ま す 。 し か し 、 そ の 歴 た び に 、 会 社 は 強 く 逞 し く 苦 境 や 苦 難 を 乗 り 越 え る し て い ま す 。 た め に ﹁ 自 ら の 証 拠 ﹂ を 残 な こ と を 起 こ さ な い と 誓 う 敗 を 晒 し 、 二 度 と こ の よ う 康 公 で さ え 、 自 分 自 身 の 失 時 代 の 基 礎 を 作 り 上 げ た 家 ・ ど こ で 創 業 し ま し た か で て 人 で す き の き 。 た 支 た こ え わ と に け に よ で も っ な 気 て く づ 成 、 く り 多 は 立 く ず っ の て い る の で す 。 力 の 伝 え 方 ② 危 機 を 乗 り 越 え る 営 を し て い ま す 。 こ と を 心 に 言 い 聞 か せ て 経 渡 手 形 を 絶 対 に 掴 ま な い ﹂ あ る 顧 問 先 の 社 長 は ﹁ 不 も 通 じ る も の が あ り ま す 。 せ 、 生 涯 戒 め と し た こ と に 惨 め な 負 け 姿 を 絵 師 に 描 か 徳 川 2 6 0 年 の 安 定 し た の 創 で 業 す 経 。 営 者 や 先 代 経 営 者 業 か ら の 歴 史 の 中 に 存 在 し ﹁ 我 が 社 の 帝 王 学 ﹂ は 、 創 と が で き る の で す 。 る か ら こ そ 成 功 に 近 づ く こ 分 自 身 の 甲 冑 を 剥 が さ れ た せ る こ と に な り ま し た 。 自 May 2015 特集企画 ビジネス・イノベーション・ サービス株式会社 す(母親の場合もあるが、本稿では便宜上「父親」と表記) 。 取締役社長 中には、親子間の不和が原因で信用不安を招き、ひどいケー 大石 吉成 スでは廃業、倒産まで引き起こしてしまいます。一方、親子 関係が上手くいっている企業は、強い絆と信頼に裏打ちされ、 URL 強固で堅実な歩みを残しています。本稿では、その親子経営 の強みを発揮する「3×7つのポイント」を紹介します。 2015 May 社 の お 家 騒 動 に つ い て 漏 れ 型 店 舗 で 高 級 家 具 を 会 員 制 と し た と 考 え ら れ ま す 。 大 値 観 を 長 女 に 押 し 付 け よ う ル 変 更 に 伴 い 店 舗 の 改 装 や 次 に 、 こ の ビ ジ ネ ス モ デ た ﹂ と 感 じ た は ず で す 。 主 題 に 入 る 前 に 、 こ の 2 次 に 、 父 親 の 経 験 値 と 価 値 観 を 真 っ 向 か ら 否 定 さ れ を 迎 え て い ま す 。 手 に し た こ と で 一 応 の 決 着 あ る 久 美 子 社 長 が 経 営 権 を 持 ち 越 さ れ 、 結 果 、 長 女 で 肉 の 争 い は 株 主 総 会 に ま で 長 女 ︵ 社 長 ︶ の 争 い で す 。 骨 ﹁ 大 塚 家 具 ﹂ の 父 ︵ 会 長 ︶ と 次 に 、 お 家 騒 動 に 揺 れ た た か も し れ ま せ ん 。 長 に 復 帰 す る ﹂ と 考 え て い は ﹁ い つ か 機 会 が あ れ ば 社 な い で し ょ う か 。 心 の 底 で 方 な く 長 女 に 譲 っ た の で は を 払 拭 す る 手 立 て と し て 仕 る ⋮ 。 し か し 、 企 業 不 祥 事 像 さ れ 、 ﹁ 自 分 の 経 験 と 価 父 親 の 憤 怒 の 顔 が 容 易 に 想 と 推 測 で き ま す 。 で あ れ ば も な い 人 事 の 刷 新 も 行 っ た し た の で し ょ う 。 こ れ に と モ デ ル を 大 き く 変 え よ う と こ と な く 、 既 存 の ビ ジ ネ ス こ と と 噂 さ れ て い ま す 。 あ る 父 親 の 逆 鱗 に 触 れ て の で 、 こ れ は グ ル ー プ 会 長 で 役 を 突 然 解 任 さ れ た こ と は じ め グ ル ー プ 3 社 の 取 締 の 長 男 が ロ ッ テ 商 事 社 長 を ま ず は 、 ﹁ ロ ッ テ グ ル ー プ ﹂ 心 は 経 営 者 と し て 未 練 が あ あ っ た か が 疑 わ れ ま す 。 本 し た が 、 そ の 覚 悟 が 本 物 で 長 女 へ と 社 長 の 座 を 譲 り ま 当 時 65 才 の 父 親 か ら 41 才 の 事 を 受 け て 、 2 0 0 9 年 に の イ ン サ イ ダ ー 取 引 の 不 祥 悟 の 欠 如 で す 。 2 0 0 7 年 に 相 談 あ る い は 理 解 を 得 る ま ず は 、 会 長 で あ る 父 親 た こ と で す 。 新 し い こ と を 始 め よ う と し あ り ま す 。 そ れ は 、 拙 速 に も 少 な か ら ず 騒 動 の 原 因 は 父 親 の 後 を 受 け た 長 女 に ・ 長 女 の 過 ち ー ス が 二 つ 続 き ま し た 。 ま ず は 、 継 が せ る 者 の 覚 親 子 の 関 係 性 今 年 に 入 り 気 に な る ニ ュ Prologue 伝 わ る 情 報 か ら 、 筆 者 な り [email protected] 親子経営の繁栄と繁盛 父親・子供・親子で取り組む 3×7つのポイント 5 の 感 想 と 意 見 を 述 べ ま す 。 http://www.innvate-s.com E-mail 親 子 の 不 和 の 本 質 は 親 に あ り ま す 。 い ま す と 、 多 く の 原 因 が 父 と 思 わ れ る の で 結 論 か ら 言 騒 動 の 経 緯 は 周 知 の こ と て い た と も 言 え ま す 。 創 業 者 に 対 す る 配 慮 が 欠 け 意 の 強 要 が 想 像 さ れ ま す 。 最 後 は 、 親 へ の 感 謝 と 敬 ﹁ 大 塚 家 具 ﹂ の ケ ー ス ・ 父 親 の 過 ち し た の で し ょ う 。 し た ビ ジ ネ ス モ デ ル に 固 執 で 売 る と い う 、 か つ て 成 功 Special Feature 経営規模の大小に関係なく、経営者である父親と子供の関 係が上手く行っていないと、業績に悪影響を与えてしまいま 20 特集企画 Special Feature 21 旧と新の攻防 で は な い で し ょ う か 。 の 本 質 は ﹁ 親 子 の 関 係 性 ﹂ 問 題 に な り ま す 。 共 に 問 題 親 と 長 男 と の 確 執 と 相 克 の す が 、 ロ ッ テ の ケ ー ス は 父 大 塚 家 具 は 父 親 と 長 女 で ・ 親 子 の 関 係 性 を 見 極 め る い こ と は あ り ま せ ん 。 関 係 で あ れ ば こ ん な に 心 強 ー 一 族 で 、 特 に 親 子 が 良 い し て は な り ま せ ん 。 オ ー ナ ス で あ り 、 決 し て リ ス ク に は 、 成 長 へ の 大 き な チ ャ ン か ら 子 へ 経 営 交 代 す る こ と オ ー ナ ー 企 業 に と っ て 父 見 守 る こ と が 必 要 で す 。 あ る こ と を 自 覚 し 辛 抱 強 く 自 分 と は 全 く 違 う 別 人 格 で し い と こ ろ で す 。 て い る つ も り で 注 視 し て 欲 一 段 一 段 ゆ っ く り と 登 ら せ し て 決 め た の な ら 、 階 段 を 分 の 仕 事 を 任 す こ と が 、 自 の 内 に 後 継 者 に 少 し ず つ 自 こ と に な る の で あ れ ば 、 今 い ず れ の 日 か 経 営 を 渡 す せ 以 引 な う な 者 取 よ ん 外 先 り な 人 と 引 仕 積 っ 。 の の ま の 格 な 先 入 極 て な 経 す か で る に れ 的 、 に 営 。 は 、 後 と 先 に 事 も 交 彼 大 仕 継 っ 、 紹 前 の 代 ら 切 事 者 て 売 介 に で は に な の が 、 り し 後 も 、 と 関 能 ど 次 先 て 継 あ リ っ 心 力 の の な お 者 り ス て 事 が よ 経 ど く が ま ク 取 に ど う 営 の ④ 取 引 先 へ 後 継 者 を ひ と つ 解 き ほ ぐ し て い く 地 善 し よ う と す る な ら 、 一 つ て い ま す 。 そ の 関 係 性 を 改 現 在 の 親 子 関 係 が 成 り 立 っ 弟 関 係 な ど が 織 り 重 な り 、 の ポ イ ン ト ﹂ を 紹 介 し ま す 。 強 み を 発 揮 す る ﹁ 3 × 7 つ 係 性 を 維 持 し 、 親 子 経 営 の す 。 で は 、 親 子 が 上 手 く 関 が 、 こ こ か ら 主 題 に 入 り ま 前 置 き が 長 く な り ま し た し い の で す 。 実 は 、 簡 単 な し ず つ 権 限 の 委 譲 を し て 欲 前 段 階 に お い て 後 継 者 に 少 父 親 は 、 経 営 交 代 を す る 仕 事 を 任 せ て い く ② 後 継 者 に 少 し ず つ 継 者 は 、 こ れ か ら 役 員 や 社 が 大 切 で す 。 間 違 い な く 後 員 の 心 情 に 配 慮 を す る こ と の は 順 当 な こ と で す が 、 社 が 自 分 の 子 供 に 会 社 を 譲 る オ ー ナ ー 企 業 な の で 父 親 積 極 的 に 取 引 先 と 関 係 を 深 2015.5 の 家 庭 環 境 、 夫 婦 関 係 、 兄 子 供 た ち が 生 ま れ て か ら 留 意 す る ③ 社 員 と 後 継 者 の 関 係 に 悟 を 決 め て く だ さ い 。 自 分 の 子 供 と い え ど も 、 分 の 責 任 と 役 割 で あ る と 覚 必 要 で す 。 で 役 長 ょ す 員 で う 。 や あ 。 社 る そ 員 父 れ が 親 を 多 に 、 く ご ご い 注 丁 た 進 寧 は し に ず た 会 ど の 批 判 を し て い た の で し る ご と に 父 親 の 経 営 方 針 な す が 、 役 員 や 社 員 に 、 事 あ す る こ と で す 。 係 性 も 変 え る と い う 作 業 を つ 変 え る こ と で 、 2 人 の 関 今 後 の 互 い の 行 動 を 少 し ず よ う な と き の 解 決 方 法 は 、 に 理 解 は で き ま せ ん 。 そ の し か し 現 実 は 、 そ う 簡 単 も の で す 。 一 度 、 後 継 者 と か い 目 で 見 守 っ て や り た い 憂 す る の で な く 、 冷 静 に 温 す 。 少 し の 出 来 事 で 一 喜 一 に な っ て も 頼 り な く 思 え ま 父 親 に と っ て 子 供 は い つ 長 い 目 で 育 て る る 瞬 間 か も し れ ま せ ん 。 す 。 経 営 交 代 に 躊 躇 を 覚 え 抱 い て し ま う こ と も あ り ま ら 、 大 き な 不 安 と 喪 失 感 を た 権 限 を 失 く す わ け で す か で 当 然 の こ と と し て 存 在 し な い と で き ま せ ん 。 こ れ ま か ﹂ を 知 ら せ て お く こ と が 経 営 交 代 す る つ も り な の 者 が 誰 で あ る か ﹂ ﹁ い つ 頃 や 社 員 に そ れ と な く ﹁ 後 継 で し け る ろ 築 員 そ す て 入 だ で い と の 。 や れ け す て ど た る ら 彼 。 い の め こ れ ら し こ よ に と る に た う う 、 が よ ス が か に 事 と う ム っ と 人 前 て 、 ー て 悩 間 に も 配 ズ 、 む 関 役 重 慮 に で と 係 員 要 を 受 き こ を 最 後 は 筆 者 の 想 像 の 域 で の 近 道 で す 。 た の で し ょ う 。 こ れ も 苦 々 し く 見 つ め て い ま し た 。 お そ ら く 父 親 は 、 新 店 舗 の 建 設 な ど が 行 わ れ る こ と が 関 係 性 改 善 の 一 番 り 過 去 か ら 現 在 ま で 振 り 返 に 虚 心 坦 懐 に な り 、 じ っ く 道 な 作 業 が 必 要 で す 。 互 い ① 後 継 者 を す か ら 、 そ れ な り の 覚 悟 が 1. 7 つ の こ と 仕 事 の 一 部 を 任 せ る こ と で 父 親 か ら す れ ば 、 自 分 の 父 親 が や る べ き の 権 限 の 一 部 委 譲 で す 。 よ う で 意 外 と で き な い が こ May 2015 特集企画 が見つけにくい状況にあります。その中で、経営 株式会社ウイズダムビジネス研究所 分野でも「おもてなし」に代表される日本文化を 代表 見直す機運が高まっています。グローバル資本主 河野 賢一 E-mail 義や欧米流ビジネス手法の限界が見えてきた、今 Blog だからこそ、古くから日本経済を支えてきた職人 [email protected] http://d.hatena.ne.jp/kohnoken/ 道、商人道を見直してみましょう。 2015 活路は日本の老舗企業に!! 「職人道」と「商人道」を極め イノベーション経営に挑む 5 May き た 職 人 道 は 、 欧 米 流 の 生 せ 界 ︵ ョ ば こ ん 観 室 ン 、 の 。 は 町 を 能 見 初 も の 脈 逃 期 た 世 々 す の ら 界 と こ 能 に 日 と 役 し イ 本 は 者 た ノ に で ︶ 世 ベ 培 き の 阿 ー っ て ま 世 弥 シ 山 木 工 ﹂ は 、 1 0 0 年 先 も 横 浜 市 都 筑 区 に あ る ﹁ 秋 の 職 人 は 技 術 よ り 人 柄 ﹂ と 制 度 を 続 け て お り 、 ﹁ 一 流 一 流 職 人 は 技 術 よ り 人 柄 を 紹 介 し ま す 。 ら 職 人 道 を 例 え る の で あ れ ま た 、 伝 統 文 化 の 承 継 か 専 門 性 を 活 か さ な け れ ば な す 。 以 下 に 、 そ の 関 連 事 例 い の で 現 場 力 向 上 は 重 要 で ら ず 、 シ ス テ ム 化 が し づ ら 10 億 円 の 小 さ な 企 業 で す 。 具 を 制 作 ・ 販 売 す る 売 上 高 2 0 0 年 先 も 使 え る 注 文 家 組 み で す 。 商 人 の 世 界 を 支 え て き た 仕 す が 、 こ れ は モ ノ づ く り や ャ リ ア ア ッ プ し て い く の で か ら な の で し ょ う か 。 の は 、 一 体 ど の よ う な 理 由 小 企 業 は 、 特 定 の 分 野 で の け れ ば な り ま せ ん 。 特 に 中 意 識 を 高 め 実 行 し て い か な ま か で 職 あ す な 、 人 ら 。 も 次 道 た の 世 を め に 代 見 て す 経 直 現 る 営 し 場 必 の て 力 要 基 み 強 が 盤 る 化 あ を こ の り 確 と の 伝 承 は 必 須 で す 。 過 去 の た 。 丁 稚 、 手 代 、 番 頭 と キ 公 と い う 仕 組 み が あ り ま し か つ て 、 日 本 に は 丁 稚 奉 と な る 現 場 力 が 落 ち て い る 時 代 が 変 わ ろ う と も 技 能 代 を 経 て 、 こ の 経 済 の 基 本 の 円 高 に よ る 産 業 空 洞 化 時 き た の は 現 場 力 で す 。 一 時 日 本 の 中 核 産 業 を 支 え て 念 で は な い で し ょ う か 。 産 業 界 の 土 台 と も い え る 概 躾 ﹂ の 徹 底 な ど は 、 日 本 の ﹁ 整 理 ・ 整 頓 ・ 清 掃 ・ 清 潔 ・ 日 本 の 産 業 界 の 土 台 例 え ば 5 S 活 動 、 す な わ ち 高 度 経 済 成 長 を 支 え ま し た 。 現 場 力 を 支 え る 職 人 道 日 本 に 脈 々 と 培 う 結 び つ き 、 昭 和 30 年 以 降 の 産 性 向 上 や 品 質 管 理 活 動 と 図1 秋山木工の職人心得三十箇条の一部 若 者 を 育 成 す る た め に 社 長 一 流 の 家 具 職 人 を 目 指 す 職人心得1 挨拶のできた人から現場に行かせてもらえます。 職人心得2 連絡・報告・相談のできる人から現場に行かせてもらえます。 職人心得3 明るい人から現場に行かせてもらえます。 職人心得4 周りをイライラさせない人から現場に行かせてもらえます。 職人心得5 人の言うことを正確に聞ける人から現場に行かせてもらえます。 … 自 ら が 先 頭 に 立 ち 人 材 育 成 職人心得30 レポートがわかりやすい人から現場に行かせてもらえます。 Special Feature アベノミクスとはいえ、中小企業は将来の展望 出典:秋山利輝 著『一流を育てる』 (現代書林 2013年刊)を参考に作成 24 特集企画 旧と新の攻防 図2 舞妓の言葉の一部 Special Feature 25 言 葉 意 味 一歩外に出たら、たとえ急いでいるときでも、お顔を知らない方で ●電信棒見ても、 もこの街の関係者と思う人には、その場で止まって、よろしくお願い おたのもうします しますというつもりで、頭をきちんと下げて挨拶しなさい。 「うちがなんでこれをせなあかんねん」と思うことがマイナス。頭で ●頭で考える前に、 考える前に、動くことが大事。そうしないと、お座敷という現場で舞 おいど動かさんと 妓さんらしい仕事ができない。 見習いさんが、見習い期間を活かすために大切なことは、周囲の人 ●みせてもろうて、 に教えてもらえる用意が整っていること。より良い学習の機会を得、 よろしおすか そのことに感謝し、自ら学ぶことが大事。 芸妓さんや舞妓さんは、プロジェクトチームのように仕事をしてい ●かわいがってもら る。未熟で慣れていないからこそ、ご一緒してくださる方々に溶けこ いよしや もうという気持ちを持つことが大事。 ●そのままほっとくの が恥ずかしいことや 「ほっとく」というのは京ことばで「放置する」ということ。間違う ことが恥ずかしいことではなく、それを認めず、反省もせず、そのま までいいと放置することこそが、恥ずかしいこと。 出典:西尾久美子 著『舞妓の言葉』 (東洋経済 2012年刊)を参考に作成 統 が 受 け 継 が れ る こ と で 他 弁 ︶ と も 一 味 違 い 、 こ の 伝 使 わ れ て い る 京 言 葉 ︵ 京 都 の 言 葉 ﹂ が あ り ま す 。 日 常 ま す 。 つ ま り 、 現 場 の 重 要 の 苦 し み も 深 く 認 識 し て い て い ま す 。 ま た 、 逆 に 現 場 丁 稚 や 現 場 の 楽 し さ を 知 っ 外 し た り し て い ま す 。 り 、 景 気 予 測 や 経 済 動 向 を な い 情 報 の 提 供 が な さ れ た こ に は 受 け 継 が れ た ﹁ 舞 妓 自 分 を 磨 い て い き ま す 。 そ に 、 芸 事 や し き た り を 習 い だ か ら と い う 言 い 訳 を せ ず ド バ イ ス に 耳 を 傾 け 、 未 熟 舞 妓 さ ん た ち は 周 囲 の ア 彼 ら 創 業 者 は 共 通 し て 、 大 企 業 へ と 導 い て き ま し た 。 経 営 者 が 小 さ な 商 店 か ら 巨 流 通 チ ェ ー ン 企 業 も 、 創 業 内 功 氏 に 代 表 さ れ る 今 日 の た 、 ダ イ エ ー を 創 業 し た 中 で も 息 づ い て い ま す 。 に 育 成 さ せ る 仕 組 み が 今 日 と い う プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル を 舞 妓 さ ん か ら 芸 妓 さ ん へ に あ っ て 、 10 代 の 少 女 た ち 花 街 ﹂ で は 、 接 客 業 の 世 界 急 拡 大 さ せ て き ま し た 。 ま ル 企 業 を 小 さ な 町 工 場 か ら ニ ク ス と 自 動 車 の グ ロ ー バ 者 は 、 日 本 発 の エ レ ク ト ロ 郎 氏 に 代 表 さ れ る 創 業 経 営 松 下 幸 之 助 氏 や 本 田 宗 一 り な 統 査 こ 場 て ー 見 も ア そ ま ど 計 だ と 、 い ネ ら 現 や れ す を デ け な 取 ま ッ れ 場 エ に 。 し ー で く 材 す ト ま 力 コ よ た タ 記 、 先 が の す を ノ り り だ 事 ネ な 、 普 。 軽 ミ 誤 す け を ッ ど 事 及 こ 視 ス っ る で 書 ト に 件 に れ す ト た 傾 景 い の 足 ・ も は る の 深 向 気 た 閲 を 事 関 イ 動 世 み が 予 り 覧 運 故 連 ン き 界 の あ 測 調 ぶ 現 し タ が で 、 な お 、 昨 今 は マ ス メ デ ィ 2015.5 ﹁ 舞 妓 の 言 葉 ﹂ の 重 み 0 年 続 く 伝 統 産 業 の ﹁ 京 都 の 世 界 で も 重 要 で す 。 3 5 だ け で な く 接 客 サ ー ビ ス 業 職 人 の 思 想 は 、 製 造 現 場 感 が あ り ま す 。 の ま に か 忘 れ 去 ら れ る 危 機 の 意 識 変 化 で も あ り 、 い つ ん 。 そ れ は ま た 、 教 わ る 側 行 く よ う に 思 え て な り ま せ 基 本 や 丁 稚 教 育 が 、 消 え て 今 日 、 こ の よ う な 現 場 の で は な い で し ょ う か 。 い て し ま っ て い る の が 現 状 ら 、 経 営 と 現 場 の 距 離 が 開 で 、 ﹁ 現 場 重 視 ﹂ と 言 い な が 営 者 に か な い ま せ ん 。 そ こ い と こ ろ で の 理 解 は 創 業 経 い 訳 で は あ り ま せ ん が 、 深 十 箇 条 ﹂ に な り ま す 。 本 が 、 図 1 の ﹁ 職 人 心 得 三 こ と も 怠 り ま せ ん 。 そ の 基 を 磨 く と 同 時 に 人 柄 を 磨 く い う 信 念 の も と 、 創 る 技 術 ズ レ る 経 営 と 現 場 の 距 離 感 の で す ︵ 図 2 ︶ 。 に は な い 競 争 力 が 生 ま れ る は 、 も ち ろ ん 現 場 経 験 が 無 で 性 と す を こ 。 肌 ろ で が 感 、 じ 現 取 在 っ の て 経 い 営 る 者 の 八重洲ブックセンター 本店調べ 1 2 書 名 編 著 者 出 版 社 税込定価 最強の未公開企業ファーウェイ 田濤、呉春波 東洋経済新報社 1,944円 プレジデント社 1,620円 プルデンシャル生命保険株式会社フェイ アメリカ本国を驚愕させたプルデンシャル生命の「売る力」 スブック(日出ずる国の営業)運営事務局 3 リクルートのトップ営業が後輩に伝えていること 的場正人 日本経済新聞出版社 1,512円 4 小山昇の失敗は蜜の味 小山昇 日経BP社 1,620円 5 安心老後をつくるマンション投資の教科書 山越尚昭 すばる舎 1,620円 書 名 編 著 者 出 版 社 税込定価 ビジネスは30秒で話せ! ケビン・キャロル、ボブ・エリオット すばる舎 1,512円 Information 月間ビジネス書ランキング 2015年3月 ジュンク堂書店 名古屋店調べ 1 2 一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか? 上野啓樹、俣野成敏 クロスメディア・パブリッシング 1,490円 3 0ベース思考 スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー ダイヤモンド社 1,728円 4 なぜ、この人と話をすると楽になるのか 吉田尚記 太田出版 1,200円 5 挑戦する会社 神田昌典 フォレスト出版 1,620円 ビジネス図書館「BizRepo」 今後の追加予定と付録の案内 本誌掲載原稿以外にもビジネス・カウ 会社が存続するには、利益をもたらす顧客の確保が必要不可 ンセラーによる執筆レポートを中小企 欠です。 「新規開拓なくして企業の成長なし」といわれますが、 業経営研究会webサイト(ビジネス図 顧客を新規獲得することはなかなか難しいものです。そこでビ 書館「BizRepo」 )にて掲載しています ビジネス図書館「BizRepo」URL ▼ ▼ ▼ http://www.bizrepo.jp/ ジネス図書館「BizRepo」では、新規開拓目標と計画の立て方、 ターゲットのリストアップの仕方等、顧客獲得のためのマニュ アルをステップごとに紹介していきます。 今月の速習は「法的手段に訴えない債権回収の極意」です。 債権を回収するにあたり、なるべく訴訟などの法的手段をとら ないで、なるべく弁護士に依頼しないで債権を回収するノウハ ウが満載です。将来、取引先から債権が回収できずに困ってし まう場面に備えておきたい1冊です。 近代中小企業 Vol.50 No.5 発行者/芦澤 貞春 発行所/中小企業経営研究会 http://www.datadeta.co.jp 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-33-13 千年ビル8F 株式会社データエージェント内 フリーダイヤル・0120-791604 編 集/アトリエマジカナ http://www.map-net.org 〒134-0088 東京都江戸川区西葛西5-5-7 STYビル3F 編集協力/経営堂(http://www.keieido.net) 研修堂(http://www.kenshudo.net) C 2015 Dataagent 版権所有・禁無断転載 ○ ISBN978-4-907196-51-6 C0034 2015年 6月号予告 古いけど新しい 商品とサービス 古き良き商品の復刻だが 機能は最新技術によってよみがえる 時代の変化に対する先読み商品を探る 50
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