LC application data No.032004H(1/4) June 2015 蛍光検出器 FP-4020 のスペクトルオートスキャン機能による励起・蛍光スペクトル測定 Excitation and Emission Spectrum Measurement by Spectral Auto Scanning of the Fluorescence Detector FP-4020 【はじめに】 多環芳香族炭化水素(PAHs)は、縮合芳香族環からなる化合物であり、ディーゼル油や石炭などの炭素含有物質の不完全 燃焼によって生成されます。PAHsのうち幾つかは発がん性物質としても知られており、環境中のPAHsの検出及び定量が重 要になってきます。 一方、これらの検出を行う蛍光検出器では、最適な励起波長・蛍光波長を選択することで、より高感度な測定を行うことがで きます。 今回は、蛍光検出器FP-4020及び制御ソフトであるChromNAVを組み合わせ、スペクトルオートスキャン機能を使用して PAHsの励起及び蛍光スペクトルを測定した結果を報告します。 Keyword : PAHs, CrestPak C18S, FP-4020, 励起スペクトル, 蛍光スペクトル, オートスキャン 【実験】 [Equipment] Pump: Pump option: Autosampler: Column oven: Detector: [Conditions] Column: PU-4180 DG unit AS-4150 CO-4061 FP-4020 (Analytical Cell) 表1 Eluent: Flow rate: Column temp.: Wave length: Cell temp.: Injection volume: Standard: タイムプログラム Time (min) Ex (nm) Em (nm) 0.0 3.5 4.1 5.0 6.0 8.5 276 266 250 336 268 262 334 310 402 392 384 408 CrestPak C18S (4.6 mmI.D. x 150 mmL, 5 µm) Acetonitrile/Water (78/22) 1.0 mL/min 40 ̊C Time program (see Table 1) 20 ̊C 1 µL Mixture of 10 µg/mL naphthalene, 1 µg/mL fluorene, anthracene, pyrene chrysene and benzo[a]pyrene in methanol 【結果】 図1に、励起スペクトルスキャン時のPAHs 6成分のクロマトグラムを示します。Naphthalene, Fluorene, Anthracene, Chrysene及びBenzo[a]pyreneは10000 μV、Pyreneは5000 μVを閾値とし、その値を満たした時にスキャンを実行しまし た。 6 2 1 3 5 閾値10000 4 閾値5000 Scan speed 30 nm/sec 図1 励起スペクトルオートスキャン時のPAHs 6成分のクロマトグラム 1: Naphthalene, 2: Fluorene, 3: Anthracene, 4: Pyrene, 5: Chrysene, 6: Benzo[a]pyrene 〒192-8537 東京都八王子市石川町2967-5 http://www.jasco.co.jp No.032004H(2/4) June 2015 図2 に、スペクトルオートスキャンによって得られた各成分の励起スペクトルを示します。 図2 Naphthalene Pyrene Fluorene Chrysene Anthracene Benzo[a]pyrene スペクトルオートスキャンで得られたPAHs 6成分の励起スペクトル ChromNAVには、スペクトルデータの解析用に、スペクトルマネージャが標準で搭載されています。図3に、スペクトルマネー ジャによるピーク検出設定及び結果表示画面を示します。スペクトルマネージャのピーク検出機能を使用することにより、励起 及び蛍光スペクトルから極大波長を簡単に見つけることができます。 実行 図3 スペクトルマネージャによるピーク検出設定及び結果表示(左: 検出設定, 右: 検出結果) 〒192-8537 東京都八王子市石川町2967-5 http://www.jasco.co.jp LC application data No.032004H(3/4) June 2015 図4 に、蛍光スペクトルスキャン時のPAHs 6成分のクロマトグラムを示します。Naphthalene, Fluorene, Anthracene, Chrysene及びBenzo[a]pyreneは10000 μV、Pyrene は5000 μVを閾値とし、その値を満たした時にスキャンを実行しま した。 1 2 3 5 6 閾値10000 4 閾値5000 Scan speed 30 nm/sec 図4 蛍光スペクトルオートスキャン時のPAHs 6成分のクロマトグラム 1: Naphthalene, 2: Fluorene, 3: Anthracene, 4: Pyrene, 5: Chrysene, 6: Benzo[a]pyrene 図5 に、ChromNAVによるスペクトルオートスキャンの設定画面を示します。<コントロールメソッド>作成時に検出器を選 択し、<タイムプログラム>タブにて設定を行います。ここでは、各成分の励起・蛍光波長、オートスキャン開始時間及び終 了時間を設定します。 図5 ChromNAV によるスペクトルオートスキャンの設定画面(上: Ex オートスキャン、下: Em オートスキャン) 〒192-8537 東京都八王子市石川町2967-5 http://www.jasco.co.jp No.032004H(4/4) June 2015 図6 に、スペクトルオートスキャンによって得られた各成分の蛍光スペクトルを示します。 図6 Naphthalene Pyrene Fluorene Chrysene Anthracene Benzo[a]pyrene スペクトルオートスキャンで得られたPAHs 6成分の蛍光スペクトル 〒192-8537 東京都八王子市石川町2967-5 http://www.jasco.co.jp
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