観光イノベーションによる地域経済の活性化

観光イノベーションによる地域経済の活性化 ―地域の特性を生かした「北海道モデル」の分析― 溝 渕 新 蔵 要旨 本稿の目的は、
「地方創生と観光振興」の複合的な仕組みのイノベーションと、経済社会の再興ビジョンの実践的含意を
研究することである。人口減少問題から始まった「地方創生・地域づくり」より、
「観光創造と地域の繁栄」に至るプロセ
スを検証し、持続可能な経済社会の発展に貢献する仕組みを考察する。観光イノベーションは、観光振興をさらに革新的
に進める戦略であり、観光学を多様な社会的現象を俯瞰的に捉える連携学問の主導的存在と位置づけ、地方創生の総合戦
略として述べる。
「地方創生」は地方主体を根幹に据えて地域を構造的に改革する戦略である。テーマの「地方創生と観光
振興」の課題解決の研究作業自体が、課題の抽出と生成への経緯及び革新戦略を導出する。すなわち、国家戦略として平
成における観光革命であることを強調する。小稿は、学術的理論を基調とするが、論文の構成はむしろ経営士の視座から
俯瞰的分析枠組みを考察することによって、どのように実践的示唆に結び付いているかを提示したい。事例として支援内
容や地方創生及び観光振興の成功・失敗を考察し、観光立国にふさわしい地方創生と観光イノベーションの進化の方向性を
研究したものである。
Key word 観光革命、新成長戦略、地域創生、格差是正、観光イノベーション、地域ブランディング、北海道モデル 1 はじめに 地方創生という大改革を行う目的は、
「喫緊に経済改革を実行しなければ危機に瀕する大
問題が迫っている」からである。地方創生は、人口減少と高齢化社会の課題に対して、地域
統合、地方行財政改革と地域産業活性化で推進されてきたが、本論は、観光も中核(コア・
ケイパビリティ)に据える背景について考察する。戦後 70 年、世界の人口は 3 倍に、日本
は 8,150 万人から 1 億 3 千万人(1.6 倍)に膨れた。GDP は 1,610 億ドルから 30.56 倍の 4
兆 9,200 億ドル(112 兆 2,400 億円)に成長している。しかし我が国の課題は、①人口構造の
変化(人口減少、高齢化、出生率の鈍化)、②成長率の低迷(1970 年代は+5%、現在は-0.6%)、③産
業の停滞、④新興国の急追、⑤地方経済の疲弊などが山積する。そこで、地方創生に対して
「観光振興」を他の産業とバランスよく活性化させ、生産性向上が重要であると考察する。
2 新成長戦略「地域創生と観光イノベーション」の概念 2.1 地方創生による日本の変革 (1)人口減少社会の危険 人口減少は直接国力の衰退を来たす。社会的には少子化・高齢化を、経済的には企業誘致
と人材需要の減少が加速する。この議論は、日本創生会議座長増田寛也(2014)の「地方消滅
論」が嚆矢である。その骨子は、①人口の再生産力が脆弱、②地方から大都市への人口流入が
激しい、③2040 年時点では、1 万人を切る自治体が 523(29.1%)となり「消滅可能都市」
1
が高いという。地方活性化という語が人口に膾炙する以前にも議論されていたが、この人口
減少認識が基で地方創生論(ローカル・アベノミックスともいう)が再び浮上したのである。 (2)地方創生の意義 地方創生のキーワードは、
「地方の特徴を生かした産業の向上及び自律的、持続的な魅力あ
るまちづくり」である。すなわち、これら問題の共通解として設定された地方主体の「地域
イノベーション戦略」が要素として重要である。 過去の地方創生を列記すると、日本が戦後 70 年間、常に地方創生を掲げてきた歴史観
を基に振り返る。1962 年池田内閣「新産業都市計画」
、1972 年田中内閣「列島改造論」
、1998
年竹下内閣「ふるさと創生 1 億円」
、1999 年小渕内閣「地域振興券」
、2008 年麻生内閣「ふる
さと納税」等があった。再び政府は「地方創生」を取り上げて一兆円規模の予算を組み、大
規模な戦略を打ち出した上、300 億円を追加支出している。このように、手を変え品を変え
た地方創生事業は戦後政治の根幹をなしてきた。しかし、世の中は逆に一極集中や格差が拡
大してきたのである。その格差を是正するには、所得、賃金、消費、教育、選挙、文化、
行政組織など多様な側面から捉えられるが、本稿では「都市集中対地方の過疎」に特化
する。従来の「貿易立国」「外需拡大」だけではバラ色が描けないと危ぶまれ、地方の活性
化を確実に引き出すため、観光産業に力点を置く必要が導かれたのである。今後すべての地
域で少子化の影響によって定住人口が減少するため「観光による交流人口の拡大」は不可欠
であり、観光を柱とする「地域創生」が重要とならざるをえないのである。 (3)観光立国への挑戦 政府は、
「観光立国には地方強化が鍵」の行動計画が示し、2020 年には訪日客消費 4 兆円、
免税店 2 万店目標を掲げて地域ごとの観光政策を創る司令塔
「日本版 DMO(観光地域づくり推進)」
を設けた。特産品や地域の魅力を発掘する地域毎の経済振興策を立て、新規事業創出やブラ
ンド化を進め、地域の稼ぐ力を高めるよう後押しする。国連世界観光機関によれば、世界の
国際旅行者数は 1950 年 2,500 万人程度であったが、現在 10 億人超の規模に拡大している。
今後も年率 3.3%の増加を予測しており、20 年には 14 億人、30 年には 18 億人になると見込
まれる。
フランスは人口 6,603 万人だが、
観光招致戦略は 2030 年までに一億人を掲げている。
訪日外国人数は、2013 年 1,300 万人に達し、20 年には 2 千万人、30 年には 3 千万人の目標
を掲げている。新興国を中心とする訪日外国人の増加が予想されるが「日本が選ばれるには、
日本の魅力や価値が広く世界に浸透させることが必要」と述べている(岡野 2014)。 (4)産業の新陳代謝 地域の産業(特に中小企業)の活性化が重要。成長戦略には、新規事業化、IT 活用、産業育成、
生産性向上、観光振興、人材活用、雇用創出目標 40 万人等を強調する。特に地方経済の振
興には、①自立的な地域経済の形成、②企業誘致型から産業創造型へ、付加価値の高い産業
への転換、③地域資源の発掘等、地域活性化のビジネスモデル構築を推進している。よって、
地域産業と観光振興の上昇が、地域創生を押し上げるメカニズムとなるのである。 2.2 「地域創生戦略」の「まち・ひと・しごと」の活性化 2
日本は、史上経験のない急激な少子高齢化が進んでいる。2014 年に「まち・ひと・しごと
の創生法」が制定され、
「歯止めをかけて活性化を図る、地域で住みよい環境創りと将来に
わたり活力ある日本社会を維持していく」ことを掲げた。この目標は、①地方における安定
雇用、②地方へ新しい人の流れをつくる、③若い世代の結婚・出産・子育ての希望を叶える、
④地方に人材と資金を流入して「稼ぐ力」を誘導するなど、強い地域経済構築や地域創生戦
略の根幹をなしている。しかし現状の地方経済振興は進まず、U ターン・I ターンも少ない、
このままではさらなる「人口や仕事の減少」というスパイラル現象に陥る可能性が高い。 2.3 観光地域戦略と地域経済の発展 (1)観光の本義 観光の本義は、中国古典によれば「国の光を観る」であるが、むしろ「国の光を観せる(示
す)」と言われ、
「地域住民が誇りをもつ地域づくり」であることが通説となっている。20 世
紀時代は観光関連企業が中心となって「名所を見て回る」パッケージ旅行が主流であったが、
今後は自由に、カネを持ち歩き遊ぶ選択肢が広がる移動が高まることと予想される。 (2) 観光イノベーション 観光イノベーションは、観光客のニーズの多様化、旅行スタイルの変化等に応じた魅力あ
る観光地域づくりを推進する「革新」である。観光イノベーションの本義は、
『観光事業を新
たな顧客を創造し続ける革新的・創造的な取り組みを目指し、魅力と価値を創り続ける「観
光価値」を高め、かつ「観光創造」に導く戦略』と言えよう。
「観光創造」とは、更に先進的
取り組みとして、①文化のデザイン、②地域をマネジメント、③世界とコミュニケーション
などを推進する革新をいう(北海道大学〈HUSCA〉〈2010〉
)
。石森(2008)は「地域づくりの目的
は新成長戦略と第4次観光革命」であると論じている。
(3)新たなタイプの観光地域主導型 このタイプの観光地域主導型は、
「着地型観光」や自立的観光の目的である地域のコミュニ
ティを重視して、都市と地方関係をこれまでの相互依存から「自立共生への確立」へ進化さ
せることをいう。自立共生モデルは、
「メガリ-ジョン(都市周辺の地方経済単位のクラスター的
な活力」
、
「ローカルハブ(地方の自立共生モデルで連携)」の推進であり、経済発展のカギを握る
観光産業(裾野が広く、地方経済の再生に生かす)が強く期待されるのである。 (4)観光振興の基盤 観光客受け入れには、①交通機関(鉄道、道路、航空機、自動車、船舶、ホテル等)、②文化施設
(自然景観、公園、遺跡、博物館、劇場等)
、③行政関係機関、旅行事業者、観光協会、メディア、
産学官連携など、観光振興をつなぐ機関ネットワークが基盤である。交通機関は、広域観光
において互いに乗継等の具体的な連携が不可欠で、観光基盤整備が不十分な地方が観光客を
受け入れ体制として、地域と住民は「密接な連携と合意形成」などの対応が重要である。 (5)インバウンド拡大の要因 その拡大化の要因は、①訪日観光客は「日本の歴史・伝統文化体験、生活文化体験、自然四
季の体験などに満足度が高い、②LCC 航空の参入やネットワークの拡大、③為替水準の低下、
3
④ビザ要件の緩和、⑤近隣諸国での経済成長などが挙げられる。2014 年の訪日外国人数は前
年比 143%1,300 万人で消費額 2.3 兆円超を示す。目標は 2016 年 1,800 万人、2020 年 2,500
万人、将来 3,000 万人を想定している。欧米諸国での受け入れ数は、フランス 8,370 万人、
アメリカ 7,476 万人、スペイン 6,500 万人、中国 5,562 万人、イタリア 4,858 万人という桁
違いの数を示している。
(日本は 27 位)
(2014 年世界観光機関発表 JINTO)。 観光客の経済効果は、訪日外国人が 1.7 兆円(7%)
、日本人の場合は 22 兆円(93%)
(日
帰り旅行 4.8 兆円(20.3%)
、宿泊旅行 15.8 兆円(66.9%)
)等となっている。 (6)本物の味「和食」は観光資源 和食は自然を尊ぶ「日本の伝統的文化」であり、誇りである。ユネスコ無形文化遺産登録
を受けて、外国人の関心が高い。世界で和食店は 5 万 5 千店以上有ると言われ、訪日観光に
おいては目玉になりうる「食の魅力」をどう生かすかが大きな課題である。当然「地元の食
材をその土地にしかないメニュー」の創作が要素である。食事は目と舌に確かな地元民から
推奨されれば外国人にも高く評価される。観光客は北海道の本物を望んでいるのである。 3 観光イノベーションの新たな展開方法 観光白書(2014)によれば、国内旅行の数字は、近年は旅行回数や消費額にも縮小傾向が見
られるのは、旅の多様化の現象、例えばマスツーリズムから個性重視の観光への転換などが
関係している。観光の本質は「魅力を満喫し、感動する、もう一度行ってみたい」を思わせ
ることである。したがって、再訪者、FIT(個人旅行)、SIT(温泉など特定の目的)、滞在型への多
様な魅力の発信が重要となる。日本文化の「気質、作品、生活」のコンテンツの魅力の価値
を高めるために、経済的価値に止まらず「国際的相互理解、地域間交流を生み出す」一体的
な取り組みが重要である(クールジャパン政策)
。すなわち、日本独自のプレゼンス「自分より
相手を大事にする精神、おもてなし」のサービス心が重要な要素で、観光客に「感動した!凄
い思い出になった」という驚愕の実感を如何に与えられるか、その取り組みが重要である。 3.1 観光振興戦略の類型化と新たな観光行動 最近の行動は多様かつハイブリッドの統合型など、ニューツーリズムが展開されて来た。 (1) ニューツーリズムの本義 その本義は、新たな旅行タイプ「個人の羨望や、新たに地域資源を生かして観光の質を
高める作用」をいう。ニューツーリヅムが個人旅行中心となる趨勢の中、コンシェルジュ
機能(客の要望をよく聞く接待方法)が重要になってくる。事例として 、グリーンツーリズム、
エコツーリズム、文化・産業観光、スポーツツーリズム(マラソン、トレラン〈北海道ならではの
登山とランニング〉)、マリーンツーリズム、ヘルス(医療)ツーリズムの他ファッション、
映画等新しい観光資源も期待されてきた。今後は、魅力を感じそうな「ストーリー性」や
「テーマ性」のある地方巡りが多くなると推察する。 ニューツーリズムとしての地域密着型の着地(地域)型観光が多くなった。この特徴は、
観光客自身の自由な行動を地域が迎える密着型であり、これからの旅行形態はますます個
4
性化・多様化が進展し、高付加価値型へとシフトしていくであろう。また、観光市場のグ
ローバル化が進み、地方といえども今や海外の観光地もライバルと見て、眠れる地域資源
に光を当て、その土地ならではの魅力を掘り出していくのがポイントである「ビジットジ
ャパン(日本へ呼び込み)」が功を奏しており、北海道ではミシュラン格付け(食物だけでなく、
サービス、宿泊施設も含む)を重要視し、併せて地元の競争を促すビジネスイノベーションを図
り、滞在型観光に好影響を与えている。 3.2地域資源を生かすマーケティング視点「地域ブランディング」 (1)地域資源と地域の価値 地域資源と地域の価値とは、
「地域の自然・景観・風土・特産品などが、地域の固有の資源
と結びついてその地域の特有のイメージを付与されたもの」(内田 2009)とされる。つまり地
域の価値は、地域内の生活者と共有されて生まれるのである。マーケティング視点に立った
「観光客対応、プロ-モーション、土産商品の質および価格、チャネル、コミュニケーション、
稼ぐ力、イノベーション、国際性等」を維持して開発することが重要である。石森(2008)
は、
「従来の他律的観光の優位性に陰りが生じている現在、多様な地域資源(自然・文化・人
的)を持続可能な形で活用しながら、自律的観光に進めること」が重要という。 (2)マーケティング視点による地域ブランド 多様な学説があるが、内田(2009)は「一次産品ブランド(夕張メロン等)と二次産業(地場産
業ブランド等)、あるいはサ-ビス業におけるブランド」という。経済産業省の定義は、①地
域発の商品・サービスのブランド化、②地域イメージのブランドという二つの領域を有機的
に結び付けて特産物販売や観光客等の増加を実現し、地域経済を持続的発展へと繋ぐマーケ
ティング技法」をいう。北海道においては、産業構造「食と観光分野」での地域ブランドの
さらなる開発が望まれる。 (3)地域ブランド特産品 地域ブランド特産品の拠点として、①道の駅は、北海道には約 100 ヵ所がるが、その機能
は、直売、観光、道案内のほか、道路情報、市民活動、避難所拠点など広域観光の補完とい
う役割を担う。②駅弁は、古くから地域特産品販売で地域ブランドの草分けと言えよう。③
インターネット・スマホの簡便使用のデジタルマーケティングが浸透し、急激な発展がみら
れる。直売商品には「地方の味」
「日本人の心」が詰まっていることが高く評価できる。 (4)全国で北海道物産展は大人気 物産展は、毎年全国の百貨店と量販店約 120 ヵ所で開催されていて、集客・売り上げ共に
他府県物産展よりも圧倒的に繁盛している(東武百貨店販促部)。その背景には、
「質(味)・新
鮮」のほか「安全・安心」への憧れから北海道ブランドが支持されているのではないかと思
う。これからは、さらなるブランド化を図るため、利尻産ウニ、知床産鮭、函館産昆布、旭
川産米「ユメピリカ」等生産地名と生産者名の見える商品として拡販するのが望ましい。 3.3 「一衣帯水の絆」アジア諸国の観光ビックバン「インバウンド」 5
アジアにおける観光ビックバンは第 4 次観光革命という(石森 2008)。その市場規模の大
きさと 21 世紀には確実に世界経済をリードすることが期待されるからである。近隣の台湾、
中国、韓国の旅行客は、歴史的にみても関係深化のため「内なるグローバル化(外から内への取
り組み)」の推進を図り、双方の発展を大いに活発化しなければならないと考える。
台湾客は、最も安定した親日国で、昨年は LCC とチャーター便による供給拡大もあり、訪
日客は 283 万人(前年比 47%増)、特に北海道には人気が圧倒的に高いのが特徴である。 中国客は、最近激増している。本年の春節時には爆買が発生し、今後国慶節、夏休み等に
来襲を予感する。日本文化の体験主体からショッピング主体の半自由旅行など将来 100 万人
超と予想される。要因は、日本への渡航制限緩和、個人旅行の増加や政冷経熱の関係改善が
進むなど日中関係が一変した事情でブームを招き、昨年 241 万人(前年比 81%増)となり、常
に政情不安が漂うが、今後さらなる拡大が予想される。医療観光ツアーが増加の兆しである。
今春 6 千人のパリ旅行が催されて消費金額は 17 億 4,200 万円と報じられた。北海道も観光マ
ルチビザと新千歳空港への旅客機乗り入れの規制緩和等喫緊の要請を実行すべきである。 韓国客は、かつては最も多かったが昨年は 276 万人〈前年比 12%の微増〉に止まってい
る。この背景は日韓交流の低調さと自国の経済環境悪化で中国に傾斜している事情がある。 4 北海道観光振興型と地域経済の活性化 4.1北海道経済と観光産業の現況 (1)北海道の現状と課題 北海道の開発は、150 年前の明治2年(1869) 開拓使を設置、明治 19 年北海道庁、昭和 25
年には北海道開発庁が設置された。明治2年には僅か6万人であったが、現在は 540.8 万人
約 100 倍に増えた。その間、日本経済に貢献した石炭、木材、農水産物等の産出額ははかり
えない数字である。人口は、2040 年には 109 万人減少するという厳しい試算もあり、人口ビ
ジョンの練り直しが必要である。
訪日観光客の人気都市は、
第一位は東京都(983 万人 29.3%)
、
第二位は大阪府(432 万人 12.9%)
、第三位は北海道(307 万人 9.2%)である(2013 年観光白
書)
。国内調査でも「北海道に行ってみたい」は第 3 位、「住んでみたい」も高順位を示す。
つまり、北海道の魅力は「自然と人間が邂逅する」が最大ポイントであろう。 (2)広域観光圏のための北海道モデル」の提案 地域創生に鑑みて、各支庁を振興局に組み替え、地方分権への対応や広域的政策への柔軟
な展開を行ったが、さらに市町村合併、共同処理方式、広域連携の展開を一層進めるなど、
小さな拠点づくりを拡充すべきである。観光面では、優れた自然環境、安全な食、健康、産
業遺産など、地域の特性を生かした戦略的な取り組みを推進すること。さらに 4~5 地区の広
域観光圏を設定して各地区の人材育成、地元の魅力と産業の発信等、観光の「みえる化」か
ら「見せる化」を推進することである。体験移住事業も年々伸びて 2014 年には 2,526 人とな った。2014 年度㈱日経リサーチ選定の第 1 回地域ブランド大賞“北の大地北海道・地域ブラ
ンド”を構成する指標「独自性」
「愛着度」
「購入意向」
「訪問意向」で受賞している。 (3)アイヌ民族文化とのふれあい 6
アイヌは、縄文時代からの北方系民族として蝦夷地に定住する誇りある民族である。その
文化は、口承による言葉・神謡・聖伝、叙事詩、文字の他、民具、踊り、狩猟、織物や木工
芸品、地形図、チセ(伝統家屋)、家族系など、民族共生文化の象徴と言える。2020 には、年
白老ポロト湖畔に国立アイヌ文化博物館「民族共生の象徴となる空間」が開設され、アイヌ
文化復興に向けたナショナルセンターとして、ガイド・人材育成や体験交流を担う狙いがあ
る。こうしたアイヌの自然回帰思想は、現代では「生物学的多様性保存」や「持続的な利用・
再生」といった概念の中で、多くの研究や理論的試みがなされている(菊地 1998)。 (4)航空路の整備 北海道のハブ空港である新千歳空港の乗客数は、昨年 1,926 万人で過去最高となり、特に
国際線は前年比 21%増の 154 万人と好調。今後さらに増加が見込まれるため、昼間の発着枠
増、24 時間運用の拡充や入国審査の迅速化、他の交通機関とのネットワーク拡充など大改革
が急務である。全国的にも LCC(格安航空会社)による空港のハブ化が進められ、LCC 専用のタ
ーミナル新設やグランド・ハンドリング(地上支援業務)の充実も求められている。また、新
千歳空港と道内 12 空港とのネットワークの新たな展開が必要である。新千歳空港では一部
外国航空機(旧共産圏)の乗り入れ制限もあり、道内全域の訪日外国人を受け入れていくた
めには、新千歳以外の道内空港における CIQ (出入の際の管理)体制の整備を図るとともに、
観光商品の企画・販売機能の充実が重要である。観光客と共に、新千歳空港における 2014
年度国際貨物取扱量は前年比 56%増 1 万 870 ㌧に上昇している。 (5)北海道の文化交流活動の事例「世界との姉妹都市交流」(クールジャパン政策例) 事例として北海道カナダ協会を述べる。1979 年民間組織として設立され、現在、会友は
235 名、北海道とカナダが理解を深め友好親善を進めるために学術、文化、スポーツ、観光
などにわたって協力し合っている。筆者は理事として今秋北海道知事を団長とするカナダ親
善訪問団に参加して訪日客増加の誘致と共に実践的含意を確認したい。姉妹都市を結ぶ相手
国は、アメリカ、イギリス、ドイツ、ロシア、フランス、中国、韓国等 32 ヶ国に上っている。
4.2 観光と農業等戦略産業とのハイブリット重視型(統合化) 観光客の増加は買い物の増加につながり、よって、特産品や名産品の生産量増加、6 次産
業化の推進に貢献される。地方にはその土地特有の産業や生産物があり、地域の特徴を体験
することも魅力であろう。提供される「食材」は地域特産品が望ましく、地域らしさやおも
てなしの魅力を高めることになる。6 次産業との連携は、農業国北海道として観光とのハイ
ブリット効果が推進される。食糧生産は、我が国の食料自給力が 40%に対し、北海道は 200%
を超える能力がある。農業生産額は 1 兆 705 億円(ダントツ全国 1 位)、水産額は 3,000 億円(全
国の 27% 2014 年農林省農水産統計)となっている。農水産物等の輸出実績は前年比 160%増加と
なり、観光による農水産物の輸出額を 1,000 億円に増やす目標は期待できよう。 北海道地域ブランド認証品例 夕張メロン、十勝川西長いも、鵡川ししゃも、豊浦いちご、
十勝ワイン、歯舞昆布、ゆめピリカ米等 24 品目。その他流通、販売事業者の認証がある。 7
4.3 地域創生・観光振興型の事例分析(成功と失敗等)の概要 北海道の観光産業を概観すると、①広大な北海道の空を網羅する新千歳空港(他に道内 12 空
港)
、②JR 新幹線は、函館までが 2016 年春、札幌延伸は 2030 年末の予定。北海道総合政策部
の試算では、利用客 370 万人、経済効果 900 億円、③6 次産業との連携強化、波及効果として
人的・物流・情報交流が見込まれている。道予算は現在 6.5 億円を 30 億円に増加する等広域
化・滞在型の拡大戦略を推進している。以下北海道内の地域創生と観光振興に先駆的な取り組
みを行う 4 地域の地理的特性、観光特性、魅力、支援内容、地方創生成功及び失敗要因につい、
間接的であるが「地域創生・観光振興型の事例分析」の概要を述べる。 ①さっぽろ 地理的特性 明治 2 年(1869)札幌に開拓使本府が置かれ、蝦夷地が北海道と改称されて以来
150 年、現在人口 191.4 万人を中心とする広域観光を設定し、ゴールデンルート
の策定を進めている。近郊の小樽市は、かつては 24 万人、北のウォール街とい
われた経済の中枢であったが、現在人口 12 万人で歴史と文化の香る街。旧建物、
ガラス工芸、小樽ワイン、クルージング等の観光資源活用の推進が重要 地域創生 北海道の政治・経済の中心地、北海道全体を考えた地域・観光の活性化を。札幌
の人口増加も停滞気味だが一極集中の動き。観光・サービス産業の拡大を図る。
国の緊急経済対策活用で、地域商品券 71 億を発行し地域創生にプラス 産業と産出額 全産業の生産した財・サービス総額は 10.64 兆円、観光消費額 3.689 億円。道外
客 1643 億円(44.5%)道内客 885 億円(24%)外国人 364 億円(9.9%)、札幌市
民 798 億円(21.6%)
。さらなる外国人招致に努力すべき。 観光の魅力 さっぽろ時計台、道庁赤レンガ、北海道大学、北大植物園、北海道神宮、サッポ
ロビール園、大倉山ジャンプ台、大通公園、定山渓温泉、すすきの歓楽街 催事イベント (2 月)雪まつり 235 万人、ジャンプ大会、国際スキーマラソン、(5 月)ライラック
まつり 、(6月)YOSAKOI ソーラン祭(270 チーム、踊り子 2.7 万人、観客 200
万人超)北海道神宮祭、(7 月)札幌国際芸述祭、(8 月)北海道マラソン等 61 件 支援内容と 国際観光の拡大と地域経済の活性化に力点を置き道都にふさわしい魅力の発信
強化課題 を。広域グループ化と北海道活性化のエンジンとして札幌の存在感を更に高め
北海道全体の地方創生に全力を挙げること。MICE(国際会議、学会、イベント等)の
開催推進を。外国人客に、案内板、無料 WI-FI の整備、通訳の配置拡充を 出所:札幌時計台の歴史、札幌市公式ウェブサイト札幌市観光ナビ、札幌市長政策室札幌市観光産業経済効果 調査資料。小樽案内人(小樽観光大学校)、筆者は札幌まちづくり委員としてカンファレンなど実施。 ②ニセコ 地理的特性 二セコ町と近郊の倶知安、共和、蘭越、余市各町を含む。日本海側の天然の良港
を控え、農・水産業、観光事業が盛ん。自然体験の野生の宝庫である。 積丹ブルーの美景、ダイナミックな海岸線と海の幸が豊富。古くはニシン大漁地
帯、ニセコ連峰を背景に東洋のサンモリッツと称される日本最高のスキー場。清
流、新緑、温泉など素材の宝庫。日本有数のリゾート地と言える 地域創生 財政豊かな地域で、観光、農水産物を主として、更なる地域創生発展を見込む 産業と産出額 ぶどう産出日本一「ブドーバレー設立」を企画、ワインツーリズムを形成する。
フルーツ王国(ブドウ、リンゴ、さくらんぼ他)。余市ワイン、イチゴ、ジャガイモ、
蘭越米、野菜等豊富。観光と 6 次産業連携のモデルと言える 観光の魅力 国の「観光地ものがたり」に指定された国際的なリゾート地。観光入込客数約
1,200 万人(外国人 280 万人、日本人 920 万人<内道内客 8 割・内 5 割が札幌〉)、海
釣り、アユ釣り、ゴルフ、登山、ハイキング、ラフティング等遊河やアウトドア
体験が目玉。外国人はオーストラリア(66%)が主。高級ホテルやコンドミニアム
が誕生。民宿やリーズナブルホテル開設が望まれる。原点は余市町ニッカウィス
キー旧工場は盛況(NHK テレビ マッサン人気)の持続を期待する 催事イベント 余市町は金メダリスト笠谷選手出身、毛利 衛宇宙飛行士記念館、サケ・マス養
殖場。フルーツ狩り観光が盛ん。ニセコは、スポーツ(スキー、サッカー、野球
等)練習場が盛況、これらを観光事業に結び付けて、地域活性化を図ることが不
可欠。 8
支援内容と 強化課題 スキー施設・規模は日本最大級、外人客招聘は成功、外人村への不満や治安問題
に悩む。しかし日本人は少ない、観光入込客数は前年比 6 万人減(-0.5%)
。国
際色豊かな街にふさわしい観光と共に、スキー学校や英語学校の開設と、農村体
験型集客重点策の推進を図ること、夏型観光客招致拡大が課題。 主な出所:学(小樽商科大学)官(後志振興局、ニセコ・倶知安町などの観光課)との連携、JA 羊蹄農協(ニセ
コ、倶知安等5村)のヒアリング。筆者は前商大 CBC 所属として産業・観光事業資料を頂く(2015.5)。 ③しれとこ 地理的特性 世界遺産指定 10 周年、国立公園指定 50 周年。知床は神秘・峻厳な景観と凍てつ
く酷寒のさいはて、まさに異次元の秘境、日本で最も早い夜明け。他の国立公園
は、知床利尻礼文サロベツ、阿寒、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺の計 6 か所知床、
釧路、帯広、阿寒の広域周遊ルートを計画中であるが早急に事業化が必要 地域創生 北方領土に近接。観光開発と自然保護の効果的な調和を図ること。北方 4 島問題
と開発・観光の狭間で難しい問題を抱えている。かつて住民の森林・土地一坪保
存運動が世界遺産決定に結び付いた偉業が特筆されよう。 産業と産出額 隣接の釧路は北海道唯一の石炭採掘地、酪農・水産で全国一を記録。豪華観光船
寄港による観光が明るい。特産は鮭、毛ガニ、ほっけ、シシャモ、昆布、うに 観光の魅力 2005 年「動植物の希少種や固有種が生息・生育する重要な地域」に登録された
(頭数は道庁 観光客は知床だけで 235 万人、うち外国人 3.1 万人(2005 年の 5.6 倍)
、タンチ
の推定) ョウ(1500 羽)
、エゾシカ(60 万頭)
、ひぐまが増加(6.474 頭)シマフクロウ
は釧路湿原に群生。阿寒湖(まりも)は天然記念物。圧巻のパノラマは「曠野」 催事イベント 日本有数のくじら・希少鳥類(オジロワシ、シマフクロ等)、トド・流氷等のウォ
ッチング。流氷観光船「ガリンコ号」「知床ネーチャークルーズ」回遊は雄大で
外人客(30%)に大人気。トレッキング、ダイビング、マリーンツーリング等 支援内容と 知床発の広域観光拡大でフラワーストリートは高い評価。近隣の釧路、帯広、阿
強化課題 寒に至る観光ルート開発は成功。知床の地元は観光客急増で多忙。設立中の「知
床自然大学院大学」は自然・生態系・地域開発研究は世界的に注目の的である 主な出所:知床羅臼観光協会「世界遺産 知床・羅臼」観光資料、道の駅「知床・らうす」 ガイド集、知床商工会、羅臼ライオンズクラブ、観光案内所等ヒアリング(2015.5) ④ ゆうばり 地理的特性 北海道のほぼ中心部、明治から石狩炭田の中枢の石炭王国。石炭採掘の終焉によ
り「炭鉱から観光へ」転進し、莫大な資金を投入、観光開発に取り組んだが結
局破綻。課題先進地夕張市が日本再生のモデルを目指す努力を高く評価する 地域創生 農産物「夕張メロン」は全国ブランドの代表。夕張農業産出額の 96%を占める 29.4
億円。地域再生計画指定を受け地域創生、観光の総合戦略の核の位置づけ 産業と産出額 1890 年夕張炭鉱の採鉱開始、我が国最大級の炭鉱地として生産量 329 万トン、
従業員 1 万 6 千人を擁し戦前戦後の日本経済・産業再建に絶大な貢献を果たす。
1990 年石炭需要の減退と安い海外炭の影響を受けて閉山。 観光目的で、同年第 3 セクター㈱石炭の歴史村観光を設立、次いで炭鉱生活館、
アドベンチャーファミリーを開業し、観光振興に転換したが結局破綻した 観光開発から 1987 年国土計画が夕張岳ワールドリゾート開発、松下興産がレースイリゾート
破綻への道 開発したが 1989 年両社共断念し撤退。2006 年㈱石炭の歴史村、次いで夕張観光
開発も自己破産。要因は、大企業遺産の引き継ぎもあったが観光開発への過大
投資、第 3 セクターの放漫経営。炭鉱関連の負債額 632 億円、観光関係 353 億
円の内 80 億円は返済。返済の道のりは遠いが、確実に歩んでいる。 2006 年加森観光㈱が観光施設を一括運営して再稼働した、将来見込みは明るい 観光の魅力 1985 年夕張メロン城開業。元中田市長は「炭鉱から観光へ」政策転換し、一時は
230 万人の観光入込客数で観光イメージは成功と見る時があったが、結局失敗 新鈴木直道市長は、人口減少と高齢化(48%という)の課題に果敢に取り組み、年
地域再生法の「地域再生計画」認定を受け、地域再生へエンジンがかかった 催事イベント 観光目的に、国際映画祭、音楽祭、産業遺産の PR 等の実施、継続的な集客につ
ながらないが今後は高速道路開通、農産物販売とのシナジー効果が実ると予測 支援内容と 石炭、観光事業の失敗は大きいが、最近 37 年ぶりに石炭露天掘り計画が進み、
強化課題 CBM(単層メタンガス)開発も計画。地理的表示法の認定も近く、夕張風土に合わせ
た夕張メロン、長芋など名産品等と炭鉱遺産の活用、トレラン、スキー等の相乗
効果を期待する。今後は革新的なビジョンを鈴木直道市長が心血を注ぐコンパク
トシティなどの行政に、国を挙げての応援体制は明るい方向と見る 9
主な参考文献:夕張観光協会、市役所広報課、鹿の谷町等のヒアリング〈2015.4・5〉
。 青野豊作(1987)「夕張市長町おこし奮戦記」PHP。 夕張市広報 HP 資料。 5 むすび:今後の研究課題 地方創生においては経済社会の再興戦略に観光創造が不可欠と認識された。本稿は実践的
な分析枠組みで研究したが、本研究から導き出される重要な知見は以下の二点である。 第一は、支援者(経営士)の役割「政策目標に沿って地域と観光活性化へのプロデュース」
。
支援者は「何ができるかを認識すること」が最重要であり、その理由は、①地域創生と観
光振興に力点をおく、②産・学・官+金融の連携が不可欠、③地域の「儲かるビジネス」支援
の役割を担う戦略実行である。その要がプロデュース役の支援者であり、地域経済活性化の
媒体となり得る。経済市場では死の谷(資金、技術、特産品、熱意が無い)を標榜するが、この
改革にビジネスキルを持って対応するのが支援者であると解する。 第二は、成功条件づくりと成功要因強化の課題をあげる。 現代はまさに観光事業は揺籃期であり、地域創生の萌芽が生まれつつある段階と見る。
本論で強調したのは、国を挙げて「地域創生と観光革命」に尽力することである。成功条件
を強化するには各機関の重層的な連携と補完関係(シナジェスティック・バランス)による課題
の整理を行うこと、更に強力に包括的かつ持続的に遂行する「経営革新的解決」が成功要因
と考える。向後は、北海道型発展モデルの学術的研究を継続し、観光と地方創生の発展の中
心概念にイノベーション・ミリュウ(革新の最適補完関係)を据えた理論を進めたいと考える。 謝 辞
小稿は、先行研究資料のほか、小樽商科大学 CBC(ビジネス創造センター)
・COC(文科省地(知)の拠点整
備事業:観光動態調査)
、北海道大学観光高等教育センター(HUSCAP)及び観光事業者から資料やアドバイ
スを頂いたことに厚くお礼申し上げます。特に北方マーケティング研究会学兄からさまざまな示唆と改善点
のご指摘を仰いだことに深く感謝申し上げます。 参考文献
『旅行・観光の経済学』drian Bull 「The Economics of Travel and Tourism」菊池均他訳文化書房博文社(1998)。
『観光立国時代における観光創造』石森秀三 北海道大学観光学高等研究センター(2008)
。 『地域ブランド創造の戦略』内田純一 北海道大学観光学高等研究センター(2009)
。 『観光創造研究』HUSCAP 北海道大学観光学高等研究センター編 No7(2010)
。 『観光ビジネス論』谷口知司編 ミネルヴァ書房(2010)
。 『地域創生への挑戦』清成忠男 有斐閣(2011)
。 『マーケティング思考の可能性』石井淳蔵 岩波新書(2012)。 『世界を救う処方箋-共感の経済学が未来を創る』Jeffrey David Sachs 野中郁子他訳早川書房(2012)。 『環境価値の創造と環境経営成果足表』加藤敏文 酪農学園大学(2013)
。 『成熟と多様性を力に経済社会ビジョン』伊藤元重監修 経済産業省(2014)。 『観光立国と日本の稼ぐ力①②③④』岡野 武 ㈱大和総研(2014)
。 『地方消滅』増田寛也 中央新書(2014)
。 『マーケティング学の試み』黒田重雄 北海学園大学経営論集第 12 巻第 3 号(2014)
。 「北海道観光入込客数調査報告書平成 25 年度」北海道経済部観光局編(2014)
。 『戦略的ものづくりイノベーションの新たな展開』溝渕新蔵 日本経営士学会(2014)
。 『人口減少時代に地方創生論』佐々木信夫 PHP 研究所(2015)
。 「COC(知の拠点整備事業)観光を軸とした地域振興策の展開」小樽商科大学(2015)
。 「訪日観光客の観光及び消費者行動の実態調査」土橋 明 北方マーケティング研究会(2015)。 「観光白書 2014」国土交通省(2015)
。 「北海道総合政策部航空局新千歳空港周辺対策局資料」(2015)。 「アイヌ文化交流センター資料」アイヌ文化振興・研究開発推進機構(2015)
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