2016 年度北海道経済の展望 <目次> 【内容】 【ページ】 1.2016年度経済見通しの要約 (1)日本経済(予測の前提) P1 (2)北海道経済 P1 <参考>道内経済見通しにおける前回予測値からの主な修正点 P1 2.日本経済(予測の前提) (1)国内景気の振り返り P3 (2)国内景気の見通し P3~4 3.北海道経済 (1)2015年度の道内景気見通し P5 (2)2016年度の道内景気見通し P5~6 (3)需要項目別にみた道内経済見通し P6~11 (4)生産側からみた道内経済見通し(主要業種別純生産) P11~14 平成27年12月 1日 2016 年度北海道経済の展望 1.2016 年度経済見通しの要約 (1)日本経済(予測の前提) ■16 年度は内需の伸び率が年度末にかけて高まっていく ・15 年度前半の国内景気を振り返ると、個人消費の持ち直しが緩やかにとどまった。加えて、 中国経済の減速などを背景に輸出が低迷し、企業の生産活動や設備投資の下押し圧力となっ た。この結果、7-9 月期の実質GDPは 2 四半期連続のマイナス成長となったが、在庫投資の 減少(=在庫取り崩しの進展)が下押しの大きな要因になった点を勘案すると、景気はもたつ きからの脱却を窺う状態にあったとみられる。 ・15 年度後半を見通すと、個人消費は、雇用・所得情勢の改善持続などから家計の購買意欲が 持ち直していくと予想。設備投資は、景況感の改善に伴い徐々に上向こう。また、在庫調整の 進展などから、生産活動は回復基調に転じるとみられる。この結果、国内景気は回復軌道に復 していくとみられるが、そのテンポは緩やかなものにとどまろう。 ・16 年度を展望すると、雇用・所得情勢の改善に加え、消費税再増税(17 年 4 月~、8→10%) を見据えた駆け込み需要が個人消費・住宅投資の押し上げに寄与しよう。また輸出は、海外経 済の緩やかな回復に伴い増加が見込まれる。こうした国内外の需要回復から企業収益の好調さ 持続が期待され、設備投資も上向こう。年度を通じて景気の回復基調が続く中、内需の伸び率 が年度末にかけて高まっていく展開が予想される。 ・以上をふまえ、実質GDP成長率は、15 年度が 0.8%、16 年度が 1.5%と予測した(図表 1) 。 (2)北海道経済 ■16 年度は民需主導により 2 年連続のプラス成長に ・15 年度前半の道内景気を振り返ると、公共工事の減少が続く中、個人消費の底堅さ、住宅投 資の持ち直し、海外客の増勢持続などから緩やかながらも持ち直し基調が続いた。 ・15 年度全体を見通すと、公共投資の減少が下押し圧力となるものの、14 年度にみられた下押 し要因(駆け込みの反動)のはく落もあり、年度を通じて緩やかな持ち直し基調を維持しよう。 個人消費は、雇用・所得情勢の改善などを背景に底堅く推移。住宅投資は、貸家・分譲住宅が けん引し増加が見込まれる。設備投資は、製造業での能力増強に向けた投資増などから前年を 上回ると予想。また、海外客の増勢持続もプラスに寄与すると見込まれる。この結果、小幅な がらプラス成長に転じよう。 ・16 年度を展望すると、公共投資は引き続き前年割れが見込まれる。一方、個人消費は、雇用・ 所得情勢の改善に加え、消費税再増税に伴う駆け込み需要により年度後半にかけて持ち直し テンポが高まろう。住宅投資は、持家・貸家の着工増により増加を予想。設備投資は、不動 産業など非製造業を中心に増加するとみられる。また移輸出は、国内需要の持ち直しに加え、 北海道新幹線開業に伴う道外客の増加などから前年を上回ろう。 ・以上をふまえ、実質道内経済成長率は 15 年度が 0.7%、16 年度が 1.2%と予測した(図表 2)。 <参考> 道内経済見通しにおける前回予測値からの主な修正点(図表 2 参照) 需要項目 実質個人消費 実質住宅投資 実質設備投資 実質公共投資 実質移輸出 実質移輸入 修正方向 2015年度 前回予測(7月)からの修正理由 実質賃金の伸び悩みや食料品の相次ぐ値上げ等を背景に、家計における先行きへの慎重 姿勢が前回想定したほど和らいでおらず、1.1ポイント下方修正。 年度上期の着工実績をふまえ貸家と分譲住宅の着工戸数を前回予測から上方修正したた め、2.6ポイント上方修正。 各種設備投資計画アンケート調査結果をふまえ、製造業での投資を前回予測から下方修 正し、1.4ポイント下方修正。 道や市町村の補正予算(9月末時点)が予想を下回ったことや、国における15年度補正予 算の動向を加味した結果、0.3ポイント下方修正。 移出の約半分を占める製造業生産の動きが前回予測を下回って推移しており、1.3ポイン ト下方修正。 道内個人消費、公共投資、製造業生産などが前回予測値から下方修正となったことをふ まえ、1.2ポイント下方修正。 住宅投資と政府消費を除く需要項目が前回予測から下方修正となったため、実質道内経済成長率を前回予測か ら0.5ポイント下方修正(1.2%→0.7%)。 1 2016 年度北海道経済の展望 図表 1 国内経済及び主要経済指標の見通し(前回予測との比較) (前年比、%) 年度 ( 項目 実質国内総生産(支出側) 実質個人消費 住宅投資 ( 設備投資 伸 民間在庫品増加 び 政府消費 率 公共投資 ) 輸出 輸入 国内需要 寄 民間需要 与 公的需要 度 海外需要 ) 名目国内総生産 国内企業物価指数 全国消費者物価指数(総合) 対ドル円レート(円/ドル) 通関原油価格(ドル/バレル) 14年度 15年度 16年度 【実績】 【見通し】 【見通し】 ▲ 0.9 0.8 1.5 ▲ 3.1 0.6 1.5 ▲ 11.6 3.6 4.1 0.5 0.5 4.1 <0.5> <0.1> <▲0.1> 0.4 1.4 0.9 2.0 ▲ 0.6 ▲ 2.5 7.9 1.4 4.9 3.6 1.0 5.4 ▲ 1.5 0.7 1.5 ▲ 1.6 0.5 1.4 0.2 0.2 0.1 0.7 1.6 2.8 2.9 109.9 91.3 0.1 2.4 ▲ 1.9 0.3 121.8 53.1 0.0 1.8 0.5 0.8 123.6 53.2 <前回(7月)予測> 14年度 15年度 16年度 【実績】 【見通し】 【見通し】 ▲ 0.9 1.7 1.7 ▲ 3.1 1.6 1.8 ▲ 11.7 1.8 4.7 0.4 4.2 3.7 <0.5> <▲0.1> <0.0> 0.4 0.8 0.7 2.0 ▲ 3.1 ▲ 3.7 8.0 5.7 5.0 3.7 5.0 5.3 ▲ 1.5 1.5 1.6 ▲ 1.7 1.5 1.6 0.2 0.0 ▲0.0 0.6 0.2 0.1 1.6 2.9 2.1 2.8 ▲ 1.3 1.0 2.9 0.5 1.0 109.9 123.3 125.1 91.3 64.8 67.9 (注1)民間在庫品増加(括弧内の数値)は前年比寄与度を表わす。 (注2)民間需要=民間消費+住宅投資+設備投資+民間在庫投資、公的需要=政府消費+公共投資+公的在庫投資。 (注3)国内需要=民間需要+公的需要、海外需要=輸出-輸入。 (注4)実質国内総生産(GDP)は、2005 暦年連鎖価格方式。 (出所)内閣府、日本銀行、総務省、財務省などの資料を基に道銀地域総合研究所作成 図表 2 道内経済の見通し(前回予測との比較) (前年比、%) 年度 項目 実質道内総生産(支出側) 実質個人消費 住宅投資 ( 伸 設備投資 び 政府消費 率 公共投資 ) 移輸出 移輸入 実質個人消費 住宅投資 設備投資 ( 政府消費 寄 公共投資 与 移輸出 度 移輸入 ) 道内民需(再掲) 公的需要(再掲) 純移輸出(再掲) 名目道内総生産 消費者物価指数(道内) 鉱工業生産指数(道内) 14年度 【実績見込】 ▲ 1.2 ▲ 2.1 ▲ 10.0 0.8 0.2 ▲ 0.6 ▲ 4.4 ▲ 4.4 ▲ 1.4 ▲ 0.2 0.1 0.0 ▲ 0.0 ▲ 1.4 1.8 ▲ 1.5 ▲ 0.0 0.4 1.6 3.1 ▲ 4.0 15年度 16年度 【見通し】 【見通し】 0.7 1.2 0.5 1.5 3.2 0.2 0.7 2.0 1.2 0.9 ▲ 4.8 ▲ 1.9 4.1 3.4 2.6 2.8 0.3 1.0 0.1 0.0 0.1 0.2 0.3 0.2 ▲ 0.4 ▲ 0.1 1.2 1.1 ▲ 1.0 ▲ 1.1 0.5 1.1 ▲ 0.0 0.1 0.2 ▲ 0.0 0.8 1.9 0.1 1.0 ▲ 1.4 1.9 <前回(7月)予測> 14年度 【実績見込】 ▲ 1.2 ▲ 2.1 ▲ 10.0 0.4 0.7 ▲ 3.2 ▲ 4.3 ▲ 4.5 ▲ 1.4 ▲ 0.2 0.0 0.2 ▲ 0.2 ▲ 1.3 1.8 ▲ 1.6 ▲ 0.1 0.5 1.6 3.1 ▲ 4.0 15年度 【見通し】 1.2 1.6 0.6 2.1 0.7 ▲ 4.5 5.4 3.8 1.0 0.0 0.2 0.2 ▲ 0.3 1.6 ▲ 1.5 1.2 ▲ 0.2 0.1 1.6 0.6 2.2 (注1)実質道内総生産は 2005 暦年固定基準年方式。 (注2)統計上の不突合などが存在するため、各項目寄与度の合計値と実質道内総生産の伸び率は必ずしも一致しない。 (注3)消費者物価指数(道内)は総合指数を採用。 (出所)北海道、北海道経済産業局、北海道開発局、総務省などの資料を基に道銀地域総合研究所作成 2 2016 年度北海道経済の展望 2.日本経済(予測の前提) (1)国内景気の振り返り 2015 年度前半の国内景気は、実質所得の伸び悩みなどを背景に個人消費の持ち直しが緩やかに とどまった。加えて、中国経済の減速などから輸出が低迷し、企業の生産活動や設備投資の下押 し圧力となった(図表 3) 。この結果、7-9 月期の実質GDP(国内総生産、一次速報値、季調済) は前期比▲0.2%(前期比年率▲0.8%)と、4-6 月期の同▲0.2%(同▲0.7%)に続き小幅なが ら 2 四半期連続のマイナス成長となった(図表 4) 。内訳をみると、住宅投資(前期比 1.9%増) が底堅く推移。4-6 月期に減少した個人消費(同 0.5%増)と輸出(同 2.6%増)は増加に転じた ものの、2 四半期連続でマイナスとなった設備投資(同▲1.3%)、民間在庫投資(前期比寄与度 ▲0.5%ポイント)がGDP全体を大きく押し下げる要因となった。もっとも、民間在庫投資の減 少(=計算上はGDPの減額要因になる)は、在庫調整(取り崩し)の進展によるものである点 を勘案すると、景気はもたつきからの脱却を窺う状態にあったとみられる(図表 5) 。 (2)国内景気の見通し 15 年度後半を展望すると、公共投資は減少傾向で推移しよう。また、海外景気の持ち直しテン ポが総じて鈍いため、輸出は小幅な伸びにとどまりそうだ。もっとも、国内総生産(支出側)の 約 6 割を占める個人消費は、労働需給の引き締まりや原油価格低位安定に伴う物価上昇圧力緩和 などを背景に、雇用・所得情勢の緩やかな改善傾向が続くとみられ、家計の購買意欲は徐々に上 向くと予想される(図表 6) 。住宅投資は、消費税増税に伴う駆け込みの反動が一巡したことなど から底堅く推移しよう。一方、企業部門をみると、設備投資は景況感の改善に伴い、先送りされ ていた計画への着手が進むとみられ、徐々に増加していこう。また、在庫調整(取り崩し)の進 展により、生産活動は回復基調に転じるとみられる。この結果、景気は回復軌道に復していくと みられるが、①個人消費や設備投資が力強さを欠くこと、②海外経済の下振れリスクなど先行き への不透明感が残ること、などから緩やかな回復テンポにとどまろう。 16 年度を展望すると、公共投資は、財政健全化に向けた歳出抑制スタンスを反映して減少が予 想される。しかしながら、雇用・所得情勢や企業収益の改善基調が続くことなどを背景に、個人 消費や設備投資は増加が見込まれる。また、輸出は、中国経済の減速が続く一方、米国など先進 国経済の回復持続を背景とした海外経済の緩やかな回復に伴い増加が予想される(図表 7)。加え て、消費税再増税(17 年 4 月、8→10%)を意識した駆け込み需要が、個人消費や住宅投資の押 し上げに寄与すると見込まれる。年度を通じ回復基調での推移が見込まれる中、そのテンポは後 半にかけて高まっていくだろう。 以上をまとめると、15 年度の国内景気は、前半にもたつきがみられたが、後半にかけて回復軌 道に復していこう。また 16 年度は、景気の回復基調が続く中、消費税再増税を意識した駆け込み 需要も見込まれ、内需の伸び率が年度末にかけて高まっていく展開が予想される(図表 8) 。 この結果、実質GDP成長率は 15 年度が 0.8%(名目:2.4%) 、16 年度が 1.5%(名目:1.8%) と予測した。 ※消費税再増税時の「軽減税率制度」導入は、対象範囲等に関して協議中(27.11.27 時点)であり、本予測で は考慮していない。 3 2016 年度北海道経済の展望 図表 3 GDP ・輸出・IIPの推移 540 (前期比・%、季調済) 【季調値】 (兆円) 図表 4 国内総生産(支出側)の実績値 (2010年=100) 105 輸出額 (実質、右目盛) IIP(鉱工業生産指数) (右目盛) 10-12月期 名目国内総生産 実質国内総生産 GDP(国内総生産) (実質、左目盛) 530 2014年度 実質個人消費 100 520 住宅投資 ( 伸 び 率 ) 95 設備投資 民間在庫品増加 政府消費 公共投資 輸 出 輸 入 ( 90 民間需要 外需(純輸出) 4-6月期 ▲0.0 ▲ 0.1 0.0 0.3 2.2 1.1 0.4 2.0 2.4 〈0.5〉 0.3 ▲ 1.3 1.9 1.9 1.2 1.2 0.0 ▲ 0.0 0.2 0.0 ▲ 0.2 ▲ 0.2 ▲ 0.6 0.5 2.4 1.9 ▲ 1.2 ▲ 1.3 〈0.3〉 〈▲0.5〉 0.6 0.3 2.1 ▲ 0.3 ▲ 4.3 2.6 ▲ 2.8 1.7 0.0 ▲ 0.3 ▲ 0.2 ▲ 0.3 0.2 0.0 ▲ 0.2 0.1 0.3 0.1 0.1 0.6 0.7 0.3 0.4 ▲ 0.7 0.0 〈▲0.3〉 0.3 0.2 2.9 0.9 国内需要 寄 与 度 ) 510 公的需要 名 目 雇 用 者 報 酬 500 実 質 雇 用 者 報 酬 85 13 12年 14 15 (四半期) (出所)内閣府「国民経済計算」、経済産業省「鉱工業指数」、日本銀行「実質輸出入」 図表 5 鉱工業の出荷・在庫バランス(全国) 2015年度 1-3月期 7-9月期 0.3 ▲ 0.1 0.9 0.8 (注1)上記は、15年7-9月期1次速報値。 (注2)括弧内の数値は、前期比寄与度を意味する。 (出所)内閣府「四半期別GDP速報」 図表 6 実質雇用者所得の推移(全国) (前年比、%) (前期比・%、寄与度・%ポイント) 15 消費税増税 (5%→8%) 3 出荷・在庫バランス 2 10 雇用者数 名目賃金 1 5 0 -1 0 出荷 -2 実質雇用者所得 ▲5 -3 ▲ 10 消費者物価指数 -4 在庫(逆目盛) -5 ▲ 15 13年度 14 (注1)上記データは、2015年9月速報値までを参照。 (注2)出荷・在庫バランス=出荷(前年比)-在庫(前年比) (出所)経済産業省「鉱工業指数」 (月次) (前年比、%) 世界経済成長率 先進国 米 国 ユーロ圏 ドイツ フランス イタリア スペイン 日 本 イギリス 新興・途上国 ロシア 中 国 インド ASEAN5 ブラジル 15 (四半期) (注)実質雇用者所得=実質賃金(一人当たり)×雇用者数 (出所)厚生労働省「毎月勤労統計調査」、総務省「労働力調査」「消費者物価指数」 図表 7 IMFの世界経済見通し(15 年 10 月) 実 績 2013年 2014年 3.3 3.4 1.1 1.8 1.5 2.4 ▲ 0.3 0.9 0.4 1.6 0.7 0.2 ▲ 1.7 ▲ 0.4 ▲ 1.2 1.4 1.6 ▲ 0.1 1.7 3.0 5.0 4.6 1.3 0.6 7.7 7.3 6.9 7.3 5.1 4.6 2.7 0.1 14 13年 15 見通し 2015年 2016年 3.1 3.6 2.0 2.2 2.6 2.8 1.5 1.6 1.5 1.6 1.2 1.5 0.8 1.3 3.1 2.5 0.6 1.0 2.5 2.2 4.0 4.5 ▲ 3.8 ▲ 0.6 6.8 6.3 7.3 7.5 4.6 4.9 ▲ 3.0 ▲ 1.0 (出所)IMF(国際通貨基金)“World Economic Outlook (2015年10月)” 図表 8 実質GDP成長率の見通し (前期比・%、寄与度・%ポイント) 2.0 消費税率引き上げ (5→8%) 予測値 1.0 0.0 ▲ 1.0 外需寄与度 実質GDP成長率 公的需要寄与度 ▲ 2.0 民間需要寄与度 ▲ 3.0 13年度 14 15 16 (四半期) (注)15年7-9月期は1次速報値。15年10-12月期以降は道銀地域総合研究所の予測値。 (出所)内閣府「四半期別GDP速報」 4 2016 年度北海道経済の展望 3.北海道経済 (1)2015 年度の道内景気見通し 足元までの道内景気を振り返ると、公共工事請負金額が 9 月まで 7 ヵ月連続で前年実績を下回 るなど、公共投資が景気の下押し圧力となっている。もっとも、個人消費は 14 年度にみられた下 押し要因(駆け込みの反動)のはく落もあって底堅く推移。住宅投資はウェートの大きい貸家の けん引により持ち直し基調で推移した。加えて、海外客の増勢持続(=インバウンド需要の好調 さ持続)も下支えに寄与するなど、道内景気は緩やかながらも持ち直し基調を維持している。年 度後半も、公共投資の弱さを民需がカバーする形で持ち直し基調が維持されよう。 こうした状況をふまえて 15 年度を見通すと、 道内総生産(支出側)の約 6 割を占める個人消費は、 雇用環境の回復基調が続く中、賃金情勢も緩慢ながら改善し、底堅く推移しよう。住宅投資は、 貸家(投資ニーズの高まり) ・分譲住宅(マンションが消費税再増税前の竣工を意識)の着工増に より前年を上回ると予想。設備投資は、製造業が能力増強投資を中心に、また、非製造業では物 流関連・宿泊施設(北海道新幹線開業への対応)などで上向くとみられ、全体でも増加。公共投 資は、①北海道開発事業費(事業費ベース)の当初予算が前年比微増にとどまったこと、②地方 単独工事で減少が見込まれること、などから前年を下回ろう。一方外需項目をみると、移輸出は、 道外・海外需要の緩やかな持ち直しに加え、海外客の増勢持続が押し上げに寄与(道外客・海外 客の消費はサービスの移出・輸出に該当)。控除項目となる移輸入は、道内民需の持ち直しから増 加が見込まれる。 以上をまとめると、15 年度は、公共投資が前年割れとなるものの、14 年度にみられた下押し要 因(駆け込みの反動)のはく落もあって民需が緩やかに持ち直そう。加えてインバウンド需要の 好調さ持続などから、小幅ながらもプラス成長に転じると見込まれる。 (2)2016 年度の道内景気見通し 16 年度を展望すると、国内・道内景気の持ち直しに伴う需要増に加え、消費税再増税(17 年 4 月~、8→10%)を見据えた駆け込み需要が見込まれる。また、北海道新幹線開業(16 年 3 月)に 伴う観光関連需要の増加もプラス材料となろう。 個人消費は、雇用・所得情勢の改善などから消費に対する慎重姿勢が徐々に和らいでいくとみ られるほか、年度後半にかけては駆け込み需要も見込まれるため、伸び率が高まろう。住宅投資 は、持家・貸家での着工増を主因に増加。公共投資は、財政上の制約を背景に引き続き減少しよ う。政府消費は、高齢化の進展を背景とした医療・介護費など現物社会給付の増加などから前年 を上回るとみられる。設備投資は、製造業(維持・更新)や不動産(再開発ビル)などのけん引 により増加しよう。一方外需項目をみると、移輸出は、道外・海外需要の持ち直しに加え、観光 消費の増勢持続(海外客に加え、北海道新幹線開業に伴い道外客も増加)が見込まれることから 増加を予想。控除項目である移輸入は、道内民需の持ち直しがプラスに寄与しよう。なお、個人 消費や住宅投資などで見込まれる駆け込み需要は、前回増税時までに一定程度の需要が先食いさ れた可能性があり、押し上げ効果は前回と比べていくぶん弱いものになるとみられる。 以上をふまえ、実質道内経済成長率は、15 年度が 0.7%(名目:0.8%) 、16 年度が 1.2%(名 目:1.9%)と予測した(図表 9)。 5 2016 年度北海道経済の展望 道内経済の活性化に向け、成長が期待される観光分野では、16 年 3 月 26 日に迫った北海道新 幹線(新青森-新函館北斗間)開業が 16 年度の明るい材料だ。ここ数年、増勢が続く海外客に対 し道外客は伸び悩んでいるが、開業後は道外客も増加が予想され、交流人口の拡大による地域経 済の活性化が見込まれる。この開業効果を一過性のものに終わらせることなく、かつ、その効果 を道南地域のみならず、全道各地に波及させていくために、官民一体となった継続的な取り組み が一層重要になるだろう。また、本道と東北・北関東地域間の移動時間が大きく短縮されること により、観光関連にとどまらず、モノ・サービス・情報などビジネス面での往来・交流の活発化 も期待される。民間企業には、こうした環境変化の中から生まれるビジネスチャンスをしっかり と取り込むための戦略的アクションが求められよう。個々の企業の成長は、その広がりを通して 道内経済全体の活性化・底上げにつながるはずだ。 図表 9 2016 年度までの道内総生産(支出側) (百万円、前年比・%) 実質道内総生産(支出側) 実質個人消費 住宅投資 設備投資 政府消費 公共投資 移輸出 移輸入 名目道内総生産(支出側) 名目個人消費 住宅投資 設備投資 政府消費 公共投資 移輸出 移輸入 14年度【実績見込】 金 額 伸び率 19,406,712 ▲ 1.2 12,472,408 ▲ 2.1 424,354 ▲ 10.0 1,538,065 0.8 4,903,618 0.2 1,467,254 ▲ 0.6 5,817,790 ▲ 4.4 7,528,678 ▲ 4.4 18,568,209 1.6 11,661,701 0.1 465,313 ▲ 6.8 1,474,235 2.1 4,898,714 2.5 1,593,438 2.3 6,354,772 ▲ 1.9 8,183,673 ▲ 2.9 15年度【見通し】 金 額 伸び率 19,536,681 0.7 12,539,894 0.5 437,942 3.2 1,548,169 0.7 4,964,742 1.2 1,397,418 ▲ 4.8 6,057,223 4.1 7,720,974 2.6 18,723,968 0.8 11,701,351 0.3 483,926 4.0 1,496,770 1.5 4,944,883 0.9 1,525,980 ▲ 4.2 6,578,144 3.5 8,311,628 1.6 16年度【見通し】 金 額 伸び率 19,766,950 1.2 12,727,243 1.5 438,800 0.2 1,579,863 2.0 5,009,932 0.9 1,370,509 ▲ 1.9 6,264,921 3.4 7,935,944 2.8 19,077,240 1.9 11,923,677 1.9 494,088 2.1 1,540,366 2.9 5,014,941 1.4 1,524,006 ▲ 0.1 6,860,089 4.3 8,586,692 3.3 (注)各需要項目の合計は、他に「統計上の不突合」などがあるため、総生産と一致しない。 (出所)北海道の資料などを基に道銀地域総合研究所作成 (3)需要項目別にみた道内経済見通し ① 雇用・所得情勢 個人消費や住宅投資の動向に影響が大きい雇用・所得情勢をみていくと、まず、雇用面では、 15 年 8 月の常用雇用者数(パートを含む)が前年比 0.5%増と 2 ヵ月連続で前年を上回った。ま た、9 月の有効求人倍率(パートを含む常用)が 1.01 倍(前年比 0.13 ポイント上昇、42 年ぶり の 1 倍超え)となるなど、労働需給については改善が続いている(図表 10) 。一方、所得面をみ ると、一人当たりの現金給与総額を指数化した名目賃金指数(10 年=100、事業所規模 5 人以上) が、7 月まで 5 ヵ月連続で前年水準を下回った。パート比率の上昇や中高年齢者の再雇用などか ら一人当たりの賃金は伸び悩んでいるものの、企業業績の改善などを背景に道内においても賃上 げの動きがみられ、また、人材確保(=人手不足への対応)のために賃上げが進みやすい状況と いえる。この結果、15 年度の雇用者報酬は増加が見込まれる。 16 年度は、労働力人口の減少などから雇用者数の増加テンポはいくぶん鈍化しよう。 もっとも、 人手不足解消や人材定着率向上に向けた民間企業における賃上げ実施、 、公務員給与も引き上げが 6 2016 年度北海道経済の展望 見込まれるため、雇用者報酬全体では増加基調が続くと予想される。 以上をふまえ、名目雇用者報酬は、15 年度が前年比 1.2%増、16 年度が同 1.3%増と予測した。 ② 民間最終消費支出(以下、個人消費) 足元までの個人消費を家計調査等の需要側統計からみると、実質賃金の伸び悩みに加え、食料 品の相次ぐ値上げなどもあり、節約志向の根強さが窺える。もっとも、供給(販売)側の統計か らみると、軽自動車税増税(15 年 4 月~)の影響などから乗用車新車販売台数(軽含む)で前年 割れが続いているものの、百貨店・スーパーの販売額は、9 月まで 6 ヵ月連続で前年を上回るな ど持ち直しの動きが続いている(図表 11)。春から夏にかけて発行されたプレミアム商品券など 政策面での押し上げ効果も一定程度あったとみられ、供給側統計に含まれるインバウンド消費(道 外客・海外客の消費は道民経済計算上、移輸出に計上される)を除いても、底堅く推移してきた とみられる。15 年度下期は、実質賃金の緩やかな上昇、原油価格下落に伴うガソリン・灯油価格 の下落などを背景に、消費に対する慎重姿勢は徐々に和いでいこう。この結果、15 年度の個人消 費は、僅かながらも前年を上回ると見込まれる。 16 年度を展望すると、 実質賃金の上昇や、 経済対策による子育て支援策の充実などが見込まれ、 消費マインドは徐々に上向いていくとみられる。さらに、年度後半にかけては消費税再増税(17 年 4 月~)に伴う駆け込み需要も見込まれる。この結果、16 年度の個人消費は前年よりも伸び率 が高まると予想した。なお、駆け込み需要については、①税率引き上げ幅が前回引き上げ時より も小さいこと、②これまでの各種購入促進政策や前回の消費税増税(駆け込み)により、自動車 など耐久消費財において一定程度の需要が先食いされている可能性があること、などを勘案し、 押し上げ効果は前回よりもいくぶん弱いものになると見込んだ。 以上をふまえ、実質個人消費は、15 年度が前年比 0.5%増(名目:同 0.3%増) 、16 年度が同 1.5%増(名目:同 1.9%増)(注 1)と予測した。 (注 1)道民経済計算では、需要側統計である総務省「家計調査」 「家計消費状況調査」における品目別消費支出を主要指 標として利用している。ただ最近では、これらの需要側統計の動きが、道内の供給側統計や、全国の需要側統計の 動きとかい離が見受けられる。本予測ではそうした事情もふまえて、予測値を算出した。 図表 10 道内雇用関連指標 (倍) 図表 11 道内の主な消費関連指標 (10年=100) 106 1.0 有効求人倍率 (左目盛) 0.9 (前年比、%) 20 (5%→8%) 0.7 104 10 103 5 0 ▲ 10 ▲5 ▲ 10 100 ▲ 20 乗用車新車販売台数 (軽含む)(右目盛) ▲ 15 0.5 ▲ 30 百貨店・スーパー販売額(全店) (左目盛) 99 ▲ 20 0.4 30 10 0 101 常用雇用指数 (右目盛) コンビニエンスストア販売額(全店) (左目盛) 20 102 0.6 40 15 105 0.8 (前年比、%) 50 消費税増税 ▲ 40 ▲ 50 98 13年度 12年度 13 14 (注)有効求人倍率はパートを含む常用、常用雇用指数は規模5人以上の企業。 (出所)厚生労働省北海道労働局、北海道 14 15 (月次) 15 (注)平成27年7月の商業動態統計の改正に伴い、「北海道大型小売店販売動向」が「北海道百貨店・スーパー販 売動向」に名称変更された。併せて、調査対象事業所の見直し(専門量販店との重複是正)が行われたため、こ れに関わる前年比増減率は、この見直しに伴うギャップを調整するリンク係数で処理した数値で計算されている。 (出所)北海道経済産業局、日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会 (月次) 7 2016 年度北海道経済の展望 ③ 民間住宅投資 住宅投資の先行指標となる新設住宅着工戸数は、15 年度上期(4-9 月)が前年同期比 10.9%増 と、持ち直し基調で推移している。下期(10-3 月)も増勢こそ鈍化するものの概ね堅調に推移し、 前年同期実績を上回ると見込まれる。利用関係別に年度を通してみると、持家は、消費税増税に 伴う駆け込みの反動から持ち直すものの、水準は低いものにとどまろう。貸家は、相続税の基礎 控除額縮小(15 年 1 月~)を背景とした投資意欲の高まりから 2 ケタの伸びを予想。分譲住宅は、 供給への慎重姿勢緩和(建築費の上昇一段落、図表 12)や、消費税再増税前の駆け込み(16 年度 中の竣工・引き渡しを意識)などで大幅増が見込まれるマンションが押し上げに寄与しよう。 16 年度の新設着工戸数を展望すると、持家は、消費税再増税に伴う駆け込みを主因に前年を上 回ろう。もっとも、これまでの住宅取得促進策や、前回増税時の駆け込みによる需要先食いの影 響もあり、押し上げ効果は前回の駆け込み時(13 年度)よりもいくぶん弱いものになろう。貸家 は、道外からの投資を含め相続税対策としての投資意欲の旺盛さが維持されるほか、駆け込み効 果も予想され、リーマンショック後に大きく落ち込んで以来、8 年ぶりに 2 万戸台を回復すると 見込んだ。分譲住宅では、16 年度中の竣工を意識した着工が概ね 15 年度内で一段落するマンシ ョンで前年を下回ろう。また、注文住宅(持家)との競合等を背景に、戸建ても弱い動きで推移 すると見込まれる。この結果、新設住宅着工戸数は、分譲住宅が減少するものの、持家・貸家の けん引により 2 年連続で前年を上回ろう(4 年ぶりの 3 万 5 千戸台が見込まれる) 。 以上をふまえ、新設住宅着工戸数は、15 年度が 34,890 戸(前年比 8.3%増) 、16 年度が 35,603 戸(同 2.0%増)と予測(図表 13) 。この結果、工事出来高ベースに展開した実質住宅投資は、 15 年度が前年比 3.2%増(名目:同 4.0%増) 、16 年度が同 0.2%増(名目:同 2.1%増)と予測 した。 図表 12 建築費指数(工事原価、札幌市内) 図表 13 新設住宅着工戸数の見通し 年度 (05年平均=100) 115 利用関係別 新設住宅着工戸数(戸) (前年比、%) 113.0 110 持家(戸) 集合住宅 (鉄筋コンクリート造) (前年比、%) 貸家(戸) (前年比、%) 105 分譲住宅(戸) (前年比、%) 104.9 マンション(戸) 100 (前年比、%) 戸建(戸) 住宅 (木造) (前年比、%) <参考> 名目住宅投資(百万円) 95 (前年比、%) 10年度 11 12 13 14 (注1)15年9、10月分は速報値。 (注2)分譲マンションの大半が鉄筋コンクリート造、持家・分譲戸建ての大半が木造。 (出所)一般財団法人建設物価調査会「建築費指数」 15 実績 2012 見通し 13 14 15 16 35,523 12.5 12,055 2.4 18,901 18.9 4,387 17.0 2,438 30.2 1,929 5.0 34,967 ▲ 1.6 13,304 10.4 17,502 ▲ 7.4 3,900 ▲ 11.1 2,013 ▲ 17.4 1,869 ▲ 3.1 32,225 ▲ 7.8 10,604 ▲ 20.3 17,809 1.8 3,586 ▲ 8.1 1,728 ▲ 14.2 1,816 ▲ 2.8 34,890 8.3 10,980 3.5 19,635 10.3 3,969 10.7 2,303 33.3 1,666 ▲ 8.3 35,603 2.0 11,600 5.6 20,100 2.4 3,610 ▲ 9.0 2,016 ▲ 12.5 1,594 ▲ 4.3 476,029 4.2 499,100 4.8 465,313 ▲ 6.8 483,926 4.0 494,088 2.1 (注1)新設住宅着工戸数は、14年度までが実績。15年度以降が道銀地域総合研究所の予測値。 (注2)名目住宅投資は、12年度までが確報値。13年度は速報値。14年度以降は道銀地域総 合研究所の予測値。 (注3)利用関係別には上記のほかに給与住宅があるが、構成比が小さいため記載していない。 (出所)国土交通省、北海道 (月次) ④ 民間設備投資(以下、設備投資) 建設投資の先行指標となる民間建築物着工床面積(非居住用)をみると、15 年 4-9 月期は前年 同期比 0.2%増と小幅ながら前年を上回った。また、主要機関の設備投資計画アンケート調査結 果では幅広い業種で前年を上回る計画となっている(図表 14)。道内景気の緩やかな持ち直しに 伴い企業収益も改善傾向にあり、15 年度の設備投資は小幅ながらも前年を上回ろう。製造業では、 8 2016 年度北海道経済の展望 自動車部品や食品関連などで能力増強投資が予想される。一方非製造業では、卸・小売業で減少 が見込まれるものの、物流関連・空港施設のほか宿泊施設(北海道新幹線開業への対応)などで 投資が上向こう。 16 年度を展望すると、企業収益の改善持続が見込まれる中、生産性向上に向けた投資に加え、 再開発関連・観光関連の投資が全体の押し上げに寄与しよう。業種別にみると、製造業では、老 朽化設備の維持・更新・省力化投資が増加すると予想される。一方非製造業では、札幌市内にお ける再開発に伴う大型複合ビルの着工・継続工事のほか、国内・外からの観光客受入態勢整備に 向け、不動産・サービス関連投資の増加が見込まれる。 以上をふまえ、実質設備投資は、15 年度が前年比 0.7%増(名目:同 1.5%増) 、16 年度が同 2.0%増(名目:同 2.9%増)と 5 年連続の増加を予測した(図表 15) 。 図表 14 設備投資計画アンケート調査 図表 15 名目民間設備投資 (兆円) (前年比、%) 日本銀行 (15年9月調査) 日本政策投資銀行 (15年6月調査) 14年度 15年度 14年度 15年度 14年度 15年度 実績 計画 実績 計画 実績 計画 10.0 6.6 5.9 13.0 1.8 7.9 製造業 ▲ 15.1 5.4 19.4 ▲ 9.8 ▲ 0.4 18.8 25.9 7.1 2.3 20.0 2.5 2.5 (注1)日本銀行(短観)における調査対象は「電力・ガス」「金融・保険」を除く道内企業。 道外での投資額も含まれている。回答社数は488社。ソフトウェア投資含む、除く土地投資額。 (注2)日本政策投資銀行の調査における調査対象は、「金融・保険等」を除く、資本金1億円以上の 民間企業(含む道外企業)であり、道内での投資額のみが計上。回答数は734社(うち道内本社 企業が471社)。建設仮勘定を含む有形固定資産の計上額ベース。 (注3)北海道財務局の調査における調査対象は、資本金1千万円以上の道内所在法人。但し、 「電気・ガス・水道」「金融・保険」は資本金1億円以上が対象。集計企業数は518社。 ソフトウェア投資含む、除く土地投資額。 (出所)日本銀行札幌支店「短観」、日本政策投資銀行北海道支店「2014・2015年度 北海道地域 設備投資計画調査」、財務省北海道財務局「法人企業景気予測調査」 同、前年比 (右目盛) 民間設備投資額 (名目、左目盛) 北海道財務局 (15年9月調査) 全産業 非製造業 (前年比、%) 2.0 10 予測値 1.6 5 1.2 0 0.8 ▲5 0.4 ▲ 10 0.0 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 ▲ 15 16 (年度) (注)12年度までが確報値、13年度が速報値。14年度以降が道銀地域総合研究所の予測値。 (出所)北海道 ⑤ 公的固定資本形成(以下、公共投資) 足元までの公共工事請負金額は、①北海道開発事業費(事業費ベース)の当初予算が前年比微 増にとどまったこと、②地方単独工事が減少していることなどを背景に、9 月まで 7 ヵ月連続で 前年割れ(4-9 月期累計:前年同期比▲16.0%)となるなど低調に推移している。下期も弱い動 きが予想され、15 年度の公共投資は前年を下回ろう(本予測では国の補正予算による大規模な景 気対策を見込んでいない) 。 16 年度を展望すると、北海道新幹線(新函館北斗-札幌間)関連を含む公的企業部門での発注 増加が予想される。一方、ウェートの大きい国・地方自治体では財政上の制約等を背景に、公共 事業関連予算の抑制傾向が続くとみられ、総体の工事量減少に伴い 16 年度の公共投資は 3 年連続 で前年を下回ると見込んだ。 以上をふまえ、実質公共投資は、15 年度が前年比▲4.8%(名目:同▲4.2%)、16 年度が同▲ 1.9%(名目:同▲0.1%)と予測した(図表 16) 。 ⑥ 政府最終消費支出(以下、政府消費) 15 年度は、人事院勧告(2 年連続の引き上げ勧告)を受けて、名目雇用者報酬(=公務員人件 費)の増加が見込まれる。また、医療費や介護費などの現物社会給付は、高齢化の進展に伴い増 加基調を辿るとみられ、総体でも増加が予想される。 9 2016 年度北海道経済の展望 16 年度を展望すると、固定資本減耗は、公共投資の縮減傾向を背景に伸び率の鈍化が見込まれ る。一方、現物社会給付は、高齢化率・介護認定率の上昇傾向持続を背景に増加が予想されるほ か、公務員給与引き上げが見込まれる名目雇用者報酬も増加しよう。総体では引き続き前年を上 回ると見込んだ(図表 17) 。 以上をふまえ、実質政府消費は、15 年度が前年比 1.2%増(名目:同 0.9%増) 、16 年度が同 0.9%増(名目:同 1.4%増)と予測した。 図表 16 名目公共投資 図表 17 名目政府消費の要因分解 (兆円) (前年比、%) 2.0 公共投資額 (名目、左目盛) 20 予測値 同、前年比 (右目盛) (前年比・%、寄与度・%ポイント) 予測値 3.0 2.0 現物社会給付 その他 1.6 10 1.0 1.2 0.0 0 -1.0 固定資本減耗 0.8 -2.0 雇用者報酬 ▲ 10 0.4 -3.0 政府消費(名目) -4.0 0.0 07 08 09 10 11 12 13 14 15 ▲ 20 16 (年度) (注)12年度までが確報値、13年度が速報値、14年度以降が道銀地域総合研究所の予測値。 (出所)北海道 ⑦ 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年度) (注1)12年度までが確報値。政府消費の伸び率は13年度が速報値。14年度以降は道銀地域総合研究所の予測値。なお、 寄与度内訳は13年度以降が同所予測値。 (注2)その他には、中間投入、生産・輸入品に課される税、商品・非商品販売(控除項目)などが含まれる。 (出所)北海道 財貨・サービスの移輸出(以下、移輸出) 移出額(北海道→都府県)の約半分を占める製造業の生産水準をみると、15 年度上期(4-9 月) は道外需要の伸び悩みなどを背景に前年同期を下回る弱い動きとなった。下期は道外・海外需要 の持ち直しに伴い緩やかに上向いていくと予想される(図表 18)。一方、輸出は、アジア向け水 産品や化学製品などを中心に前年を上回ろう。また、サービスの輸出に該当する海外客の消費は、 上期の外国人入国者数が前年同期比 37.4%増となるなど(図表 19) 、増勢持続が見込まれ、輸出 のプラス要因になろう。この結果、15 年度の移輸出は増加を見込んだ。 16 年度を展望すると、財の移出では、国内景気の持ち直しに伴う需要増により、製造工業製品 を中心に前年を上回ると予想。また、サービスの移出は、北海道新幹線開業による入込客数増加 (=道外客の消費増加)がプラス要因となろう。一方、財の輸出は、海外経済の回復などを背景 に、北米向け自動車部分品やアジア向け水産品などが堅調に推移すると予想。サービスの輸出は、 海外客の増勢がいくぶん鈍化するものの前年を上回ると見込んだ。 以上をふまえ、実質移輸出は、15 年度が前年比 4.1%増(名目:同 3.5%増) 、16 年度が同 3.4% 増(名目:同 4.3%増)と予測した。 ⑧ 財貨・サービスの移輸入(以下、移輸入) 足元までの輸入は、15 年 4-10 月累計の輸入額が前年同期比▲7.0%と、鉱物性燃料の減少が下 押し要因となった。道内景気の持ち直しに伴い、後半はやや上向くとみられるが、年度ベースで は前年を下回ろう。一方ウェートの大きい移入は、道内需要の持ち直しを主因に増加が予想され る。この結果、15 年度の移輸入は、移入の押し上げによりプラスに転じると見込んだ。 10 2016 年度北海道経済の展望 16 年度を展望すると、まず移入は、個人消費や設備投資など道内民間需要の持ち直しに伴い堅 調に推移するとみられる。加えて、消費税再増税前の駆け込み需要もプラス要因となろう。一方 輸入は、天然ガスの増加が見込まれること(新たなLNGタンクが 16 年秋に稼動開始予定)など から、鉱物性燃料が押し上げに寄与すると見込んだ。 以上をふまえ、実質移輸入は、15 年度が前年比 2.6%増(名目:同 1.6%増) 、16 年度が同 2.8% 増(名目:同 3.3%増)と予測した。 図表 18 製造工業生産指数 (10年=100) 120 前年比伸び率(右目盛) 図表 19 (前年比、%) 5 予測値 0 115 ▲ 5 110 製造工業生産指数 (左目盛) ▲ 10 105 ▲ 15 来道者数と外国人入国者数 来道者数 年度 人数(人) 外国人入国者数 前年比、% 人数(人) 前年比、% 2011 10,791,022 ▲ 3.8 350,843 ▲ 21.0 2012 11,722,463 8.6 482,852 37.6 2013 12,268,315 4.7 682,412 41.3 2014 12,308,189 0.3 929,999 (前年比、%) 30 36.3 (前年比、%) 200 外国人入国者数 (右目盛) 20 150 100 10 100 ▲ 20 95 ▲ 25 ▲ 30 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (注)15年度及び16年度の指数は道銀地域総合研究所の予測値。 (出所)北海道経済産業局「北海道鉱工業生産動向」 (年度) 0 ▲ 50 ▲ 10 ▲ 20 90 50 0 ▲ 100 来道者数 (左目盛) ▲ 150 ▲ 30 ▲ 200 11年度 12 13 (出所)(公社)北海道観光振興機構、法務省 14 15 (四半期) (4)生産側からみた道内経済見通し(主要業種別純生産) □「総生産」と「純生産(要素費用)」 ・総生産:1 年間に生産活動によって新たに生み出された付加価値の合計(各産業の粗生産額に当 たる産出額から原材料費などの経費を控除したもの) 。 ・純生産:総生産(粗付加価値)から固定資本減耗(減価償却)と純間接税(間接税-補助金) を控除したもの。雇用者報酬と営業余剰・混合所得の合計に相当する。 (参考1)道内純生産(要素費用) =道内総生産(産出額-中間投入)-固定資本減耗-純間接税(間接税-補助金) =雇用者報酬+営業余剰・混合所得 (参考2)営業余剰とは、企業部門に分配される付加価値を指す(≒企業の営業利益総計) 。混合所得 とは、家計部門のうち個人事業主に分配される付加価値を指す。 □第 1 次産業 ① 農業 15 年度の粗生産額(数量×庭先販売単価)は、作物部門が前年を下回る(米:収穫量減、過年 度産米の在庫残存に伴う需給緩和で単価低下)ものの、畜産部門の押し上げ(生乳:搾乳量増加 に加え、乳価引き上げ)により、全体では前年を上回ろう(前年比 1.3%増)。光熱動力費など生 産コストの縮減もあり(図表 20)、純生産は前年実績を上回ると見込まれる。 16 年度を展望すると、作物部門の粗生産額は、平年作(注 2)を前提に前年を上回ると予想。米(収 11 2016 年度北海道経済の展望 量減も、在庫の過剰感緩和で単価は上昇)や小麦(収量減も、道産品の需要増を背景に単価は上 昇)などで増加が見込まれる。一方、畜産部門の粗生産額は、主力の生乳(注 3)(増産、乳価引き 上げを予想)がけん引し増加しよう。この結果、農業総体の粗生産額は前年比 2.9%増と、6 年連 続のプラスを見込んだ。 以上をふまえ、農業の純生産は、15 年度が前年比 2.0%増、16 年度が同 2.7%増と予測した。 (注 2)当該年の前 7 年間における年平均の単位面積当たり収量(最高・最低を除く 5 年の平均) 。 (注 3)道内農業粗生産額の構成比は、作物部門:47.5%(うち、米 12.2%、麦類 2.1%、豆類 3.0%、い も類 6.2%、野菜 18.6%など) 。畜産部門:52.5%(うち、乳用牛 35.3%、肉用牛 7.6%、豚 3.4%、 鶏 3.2%など) 。 (出所:農林水産省、2013 年実績) ② 水産業 15 年度における主要魚種(注 4)の粗生産額(漁獲量×産地市場販売単価)は、秋サケが小幅なが ら前年実績を上回ろう。一方ホタテ(昨冬のしけの影響で漁獲量が約 3 割減、単価は上昇、図表 21)では前年割れが見込まれ、その他魚種を含めた全体の粗生産額でも前年を下回ると予想され る(同▲5.6%)。純生産は前年を下回るものの、燃油価格低下に伴う生産コストの縮減により、減 少幅はいくぶん緩和されよう。 16 年度を展望すると、主要魚種では、秋サケ・ホタテとも漁獲量が引き続き低調となる中、産 地市場販売単価は高止まりが予想され、粗生産額はいずれも概ね前年並みの水準となろう。もっ ともその他魚種は、資源不足や海水温上昇といった漁場環境の変化等を背景に不漁傾向が続くと みられ、全体の粗生産額は前年割れが見込まれる(同▲0.5%)。 以上をふまえ、水産業の純生産は、15 年度が前年比▲4.0%、16 年度が同▲0.8%と減少幅は縮 小するものの 2 年連続で前年実績を下回ると予測した。 (注 4)道内漁業粗生産額に占める主要魚種の構成比は、ほたてがい:28.0%、さけ類:19.9%、たら類:5.8%、 こんぶ類:5.0%、いか類:7.1%、たこ類:2.7%、さんま:3.7%。 (出所:農林水産省、2013 年実績) 図表 20 農業生産資材価格指数(全国) 図表 21 (10年=100) (千トン) 135 500 産地市場価格:単価(右目盛) (円/キロ) 300 ホタテ漁獲量(左目盛) 予測値 うち光熱動力 130 ホタテの漁獲量と単価(北海道) うち飼料 400 250 300 200 200 150 100 100 125 120 農業生産資材価格指数(総合) 115 110 うち農機具 うち肥料 105 100 9 10 11 12 1 2 14年 (出所)農林水産省「農業生産資材価格指数」 3 4 5 15 6 7 8 0 9 50 2007 08 09 10 11 12 13 14 (注)14年度までが実績。15・16年度は道銀地域総合研究所の予測値。 (出所)北海道漁業協同組合連合会 (出所)国立研究開発法人 水産総合研究センター (月次) 15 16 (年度) (年、年/月) □第 2 次産業 ① 製造業 足元の製造業生産動向をみていくと、15 年度上期は、公共投資の減少及び道外需要の伸び悩み などに伴い減産となった業種が多く、上期平均の製造工業生産指数(注 5) (以下、生産指数)は 95.7 12 2016 年度北海道経済の展望 (前年同期比▲2.8%)となった。下期は、 「電気機械」 (スマートフォンの高機能化に伴う部品の 受注増)や、「輸送機械」 (北米向けを中心に堅調な自動車部品需要)などの下支えにより、全体 では前年同期並みの水準が見込まれる。以上をふまえ、年度平均の生産指数は 96.3(前年比▲ 1.4%)と予測。この結果、純生産は前年を下回るものの、原材料・燃料の価格低下により下押し 圧力は緩和されよう。 16 年度を展望すると、国内での設備投資増加に伴う需要や、堅調な海外需要が見込まれる「一 般機械」 、消費税再増税に伴う駆け込み需要(国内乗用車)向けに棒鋼の増産が予想される「鉄鋼」、 国内(駆け込み需要)・海外向けに自動車部品の増産が見込まれる「電気機械」「輸送機械」など で生産水準が高まろう。また、 「紙・パルプ」 「食品」での増産も期待される(図表 22) 。一方「印 刷」は、紙媒体から電子媒体への流れに伴い減産傾向が続くと予想される。年度平均の生産指数 は 98.2(同 1.9%上昇)と予測。この結果、純生産は前年を上回ると見込んだ。 以上をふまえ、製造業の純生産は、15 年度が前年比▲0.1%、16 年度が同 2.9%増と予測した。 (注 5)鉱工業生産指数は、 「製造工業(製造業各業種の総平均) 」と「鉱業」に分類される。現在は 2010 年を 100 として算出され(10 年基準ベース) 、ウェートは、製造工業が 98.587%、鉱業が 1.413%。なお、鉱 工業生産指数の前年比伸び率(予測値)は、15 年度:▲1.4%、16 年度:1.9%上昇。 ② 建設業 15 年度の工事受注額は、設備投資の増加や住宅の持ち直しに伴い民間発注工事で前年を上回ろ う。一方、ウェートの大きい官公庁発注工事は国・地方とも減少が見込まれ、この結果、建設業 総体の受注額は前年を下回るとみられる。資材高に伴う価格転嫁は進むものの総体受注額の減少 が影響し、純生産は前年を下回ろう。 16 年度を展望すると、民間発注工事の受注額は、設備投資の増加により非住宅・土木で増加が 見込まれるほか、住宅も駆け込み需要などから増加が予想される。官公庁発注工事は、財政の制 約を主因に減少が見込まれるものの、新幹線工事の増加などから減少幅は小幅にとどまろう。こ の結果、建設業総体の受注額は民間工事の押し上げにより前年を上回り、純生産はプラスに転じ ると見込んだ(図表 23)。 以上をふまえ、建設業の純生産は、15 年度が前年比▲3.2%、16 年度が同 1.4%増と予測した。 図表 22 道内製造業の業種別変動要因(16 年度) 図表 23 建設業の純生産額 (億円) 業種 主な変動要因 16,000 一般 機械 国内での民間設備投資に伴う需要や、海外の経 済成長に伴う堅調な需要が予想される。 14,000 方向 鉄 国内での民間設備投資に伴う需要や、消費増税 鋼 前の駆け込み需要(国内乗用車)に伴う増産が 予想される。 上昇 電 気 機 械 消費増税前の駆け込み需要(国内乗用車)に伴 8,000 ▲4 食 2,000 低下 印 2 0 4,000 (出所)道銀地域総合研究所 4 ▲2 紙・パルプ 消費増税前の駆け込み需要(トイレットペーパー 紙媒体から電子媒体への流れが続くことにより減 刷 産傾向が続くと予想される。 予測値 前年比 (右目盛) 10,000 6,000 等の衛生用紙や缶・瓶入り飲料など)に伴う増産 6 純生産額 (左目盛) 12,000 う増産や、海外向け製品(自動車用部品)の堅調 輸 送 機 械 な需要が見込まれる。 品 が期待される。 (前年比、%) ▲6 ▲8 ▲ 10 ▲ 12 0 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 ▲ 14 16 (年度) (注)12年度までは確報値、13年度が速報値、14年度以降は道銀地域総合研究所の予測値。 (出所)北海道 13 2016 年度北海道経済の展望 □第 3 次産業 15 年度は、消費税増税や円安に伴う輸入物価上昇に対応した商品・サービス価格への転嫁が総 じて浸透。加えて、インバウンド消費の好調さや原油安によるコスト縮減効果などもあり、卸・ 小売業や運輸業などを中心に収益が上向くと見込まれる。 16 年度を展望すると、海外客を中心とした観光入込客数の増勢持続、高齢化に伴う医療・福祉 関連市場の拡大、景気持ち直しによる道内外需要の増加などが見込まれるほか、消費税再増税を 見据えた駆け込み需要の発生が予想される。この結果、卸・小売業、不動産業、運輸業(旅客・ 貨物) 、医療・福祉関連を始めとする対個人向けサービス業など、幅広い業種で収益が底上げされ よう。 以上をふまえ、第 3 次産業の純生産は、15 年度が前年比 2.1%増、16 年度が同 2.5%増と 4 年 連続の増加を予測した(図表 24)。 図表 24 道内純生産(要素費用)の見通し 第1次産業 農業 林業 水産業 第2次産業 鉱業 製造業 建設業 第3次産業 電気・ガス・水道業 卸売・小売業 金融・保険・不動産業 運輸・通信・サービス業 政府サービス生産者 対家計非営利団体 道内純生産 (要素費用表示) 14年度【実績見込】 金額 伸び率 626,467 2.0 499,028 1.6 14,779 11.6 112,660 2.7 2,020,542 ▲ 3.1 9,762 ▲ 7.4 883,809 ▲ 7.8 1,126,970 0.9 8,895,359 2.1 147,186 32.4 2,130,421 1.0 1,961,755 2.3 4,655,997 1.7 1,613,994 1.4 390,634 4.5 13,546,996 15年度【見通し】 金額 伸び率 632,057 0.9 509,106 2.0 14,750 ▲ 0.2 108,201 ▲ 4.0 1,982,722 ▲ 1.9 8,951 ▲ 8.3 882,488 ▲ 0.1 1,091,283 ▲ 3.2 9,084,801 2.1 159,402 8.3 2,168,769 1.8 1,999,718 1.9 4,756,912 2.2 1,618,029 0.3 403,330 3.3 1.2 13,720,939 1.3 (百万円、前年比・%) 16年度【見通し】 金額 伸び率 645,700 2.2 522,639 2.7 15,708 6.5 107,353 ▲ 0.8 2,022,880 2.0 8,318 ▲ 7.1 908,090 2.9 1,106,472 1.4 9,311,041 2.5 159,880 0.3 2,229,495 2.8 2,034,017 1.7 4,887,649 2.7 1,626,119 0.5 416,438 3.3 14,022,178 (注1) 要素費用とは、一定期間中に新たに生み出された付加価値のことで、生産のために必要とされる労働・資本等の生産要素 に対して支払われた費用である賃金・利潤などから構成される。 (注2) 百万円単位は四捨五入しているため、各項目の合計と道内純生産は必ずしも一致しない。 (注3) 道銀地域総合研究所の予測値。 (出所)北海道の資料などを基に道銀地域総合研究所作成 14 2.2 2016 年度北海道経済の展望 2016 年度北海道経済の展望 発 行 企画・編集 株式会社 北海道銀行 株式会社 道銀地域総合研究所 経済調査部 (照会先) 〒060-8676 札幌市中央区大通西 4 丁目 1 番地 道銀別館ビル 電話 011-233-3562(担当:飯田、黒瀧、上田、渡辺) ・ 当資料は、作成時点で入手可能なデータ等を参考に、情報提供のみを目的として作成されたものであ り、何らかの行動を勧誘するものではありません。 ・ 当資料に出てくる道民経済計算の概念や用語等につきましては、北海道のホームページの「道民経済 計算の解説」等を参照願います。
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