各 論 第3章 施策の展開 第2節 1 健康づくり・介護予防 健康づくり 当村は、昭和30年代寒さや塩分の摂りすぎによる出血性の脳血管疾患が国民健康保険の 財政を圧迫していました。そのため昭和39年から村民一丸となって健康な村づくりを進め てきました。現在は、糖尿病や脂質異常による動脈硬化性脳血管疾患が増加し課題となって きました。生活習慣病対策を実施することにより、健康寿命(認知症や寝たきりにならない 状態で生活できる期間)を延ばし、健康格差がない社会づくりを進め介護予防施策につなげ ていく必要があります。 そのためには個人の健康づくりや生活改善に取り組みやすいように、的確な情報提供を行 うとともに、行政だけでなく地域全体で支援していく環境を整備することが大切です。すべ ての住民が生涯にわたって健康に過ごせるよう施策を展開します。 過去の統計からみると、脳血管疾患による死亡が多い・介護保険の介護サービス利用する 為の原因疾患が、認知症や脳血管疾患であることから、アポプレキシー(脳卒中)のない村 づくりを目指して各種の事業に取り組んでいきます。 (1)健康で自立した生活の確保と継続 若い頃からの健康づくりと脳血管疾患、心臓病等の生活習慣病の予防、早期発見、早期治 療を図るとともに、高齢者が介護の必要な状態にならずにできるだけ自立するように支援 することを目的として次のことに取組んでいきます。 ① 健康診査 生活習慣病を予防する対策の一環として、各種健診によって疾患の疑いのある方や 危険因子を持つ方を見つけ出すとともに、個人に合った生活習慣行動の改善支援や 医療機関への受診勧奨を行ないます。 ■基本健康診査 平成20年度から、40歳から74歳の方を対象にメタボリックシンドローム該当 者・予備軍を健診結果から抽出して、リスクの高い方に対して効率的な保健指導を行 い、生活習慣を予防・改善していくことを目的とした特定健診と特定保健指導が各医 療保険者に義務付けられました。 村では39歳以下、75歳以上の方にも基本健康診査を行い、各個人に合わせた生 活指導や適切な治療勧奨を行っています。若い時から良い生活習慣を身につけて生活 習慣病にならないように39歳以下の基本健診の自己負担を無料にして受診勧奨して います。 12 各 論 第3章 施策の展開 ○基本健康診査受診状況 39歳以下 健診対象者 受 診 者 受 診 率 朝日村国保特定健診 25年度 29年度 ― ― 890 900 100 357 540 40.1% 60.0% 91 ― 25年度 ― 75歳以上 29年度 25年度 ― 29年度 ― 91 ― 100 ― *39歳以下及び75歳以上の健診対象者はあくまでも希望者であり数値化はしない。 ■がん検診及び骨密度検診 各種がん検診を総合的に行なうようにします。知識を十分に普及します。全ての検 診の精検受診率を100%にするとともに、若年者への健診の機会づくりのため村で 行う40歳のがん検診を無料にします。 ② 平成25年度 平成 29 年度 胃検診 205人 230人 子宮検診 138人 150人 乳房検診 150人 170人 大腸検診 433人 450人 肺検診 579人 600人 前立腺検診 116人 130人 骨密度検診 133人 150人 健康教育 個々にあわせた生活習慣病予防のため、健康診査結果や生活習慣(食生活、運動習慣 など)等の情報をもとに、積極的に健康教育の充実を図ります。 平成26年度から30年度まで、運動教室を開催し、正しい運動方法と運動習慣の定 着を図ります。 ■健康出前講座 様々な教室や集まりの時間を利用して健康に関する情報を提供します。 地区組織の協力により出前講座を開催します。 平成25年度 回 数 参加延人数 66回 967人 平成29年度 70回 1,000 人 ③ 訪問指導 生活習慣病の予防をするため、各個人の生活実態を把握しながら指導を行ないます。 延べ人数 平成 25 年度 平成 29 年度 247 人 300 人 13 各 論 第3章 施策の展開 ④ 健康相談 気軽にかつ幅広く相談できる窓口を常時開設して相談に応じ、必要な支援・助言を随時 行ないます。 (2)関係機関との連携 地域住民が自らの健康づくりに関心をもてるよう、地区組織(地区長、保健補導員、ヘ ルスメイト等)と連携して地域の取り組みを支援します。 2 介護予防事業 活力ある長寿社会を構築するには、元気でいきいきした高齢者を増やす必要があります。 地域包括支援センターでは、介護状態の発生を出来る限り将来へ延ばし、可能な限り住み 慣れた地域で生活できるように介護予防事業を推進します。そのため、従来の「要支援者」 と「自立した一般の高齢者」とを区別せず、「新しい介護予防事業」として、村の実情に 応じた効果的な介護予防の取り組みを推進します。また、介護予防の取り組みを機能強化 するために、リハビリ専門職等の関与ができるよう準備をすすめます。 (1)新介護予防事業の構成 ① 介護予防・生活支援サービス事業 (従来の要支援者・要支援認定を受けた者(要支援者)・基本チェックリスト該当者“介 護予防・生活支援サービス対象者”) ア 訪問型サービス 1 現行の訪問介護相当 2 それ以外の多様なサービス: (緩和した基準によるサービス・住民主体、民間主体によるサービス提供) ○買い物・調理・掃除等の家事支援 ○見守り・安否確認・外出支援等の生活支援 ○移動の際の生活支援 イ 通所型サービス 1 現行の通所介護相当 2 それ以外の多様なサービス (緩和した基準によるサービス・住民主体、民間主体によるサービス提供) ○ミニデイサービス、運動レクリーション等 ○体操、運動活動など自主的な通いの場 ○運動機能向上や栄養改善、口腔機能の向上など ウ その他の生活支援サービス 1 栄養改善を目的とした配食 2 住民ボランティアによる見守り 14 各 論 第3章 施策の展開 エ 介護予防ケアマネジメント 1 自立支援に向けた介護予防ケアマネジメント 2 サービス担当者会議と他職種協働による介護予防ケアマネジメン支援 ② 一般介護予防事業 ア 介護予防把握事業:基本チェックリストの分析により地域の実態把握や、閉じこ もりなど何らかの支援を要する者を把握し、介護予防につなげます。 イ 介護予防普及啓発事業:閉じこもり予防・運動・レクリエーションなど、また、 住民主体型の趣味・サークル活動など自主的な交流の場を支援します。 ウ 地域介護予防活動支援事業・地域における住民主体の介護予防活動の育成・支援 を行います。例えば、ボランティアが運営している地域サロン介護予防教室や 団塊の世代のみなさんへの講座などがあげられます・。 エ 一般介護予防事業評価事業:介護保険事業計画に定める目標値の達成状況等を検 証し、事業評価をします。 オ 地域リハビリテーション活動支援事業(新) :地域における介護予防の取り組みを 強化するため、リハビリ専門職等の参加を促進します。 (2)生活管理指導員の派遣事業 生活管理ができない方に、規則正しい生活ができるように指導員を派遣し指導します。 平成 26年度見込 対象者実数 派遣回数 平成27 年度 平成28 年度 平成29 年度 1人 1人 1人 2人 12 回 12 回 24 回 36 回 (3)地域包括支援事業 ① 総合相談・支援事業 地域住民からの介護や生活支援、虐待等の相談の窓口となり、必要時は関係機関と連携 し、介護保険制度や成年後見制度、日常生活自立支援事業等の制度利用の支援をしていき ます。 ② 介護予防プランの作成 高齢者がいきいき生活できるように要介護状態になる恐れのある方(要支援)に介護予防 プランを作成し、支援していきます。 予防プラン 平成26年度見込 対象者実数 27人 30 人 37 人 46 人 324人 360 人 396 人 435 人 延べ人数 平成27年度 15 平成28年度 平成29年度 各 論 第3章 施策の展開 ③ 包括的・継続的ケアマネジメント支援 ケアマネージャーの困難事例への支援・助言や、相談に随時応じ適切なプランづくりの 支援をします。また、ケアマネージャーの資質向上の為専門講師による研修会を行います。 16
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