11) マレーシアでの花結びと文化交流 − 住んでびっくりマレーシア

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マレーシアでの花結びと文化交流
住んでびっくりマレーシア
ジャングル、ジャングルマレーシアをイメージしていたので、実際に来てみて住んでみ
てびっくりしました。マレーシアでは、マハティール首相が日本や韓国から学ぼうという
ルックイースト政策が推進され、2020年に先進国入りを目指して日々刻々とその姿を
変えていました。新国際航空の開設、世界一の高さを誇るペトロナスツインタワー(45
2m、89階建て)がクアラルンプールにはそびえていました。マレーシアに住んでいる
間に間借りしていたコンドミニアムには、テニスコート、プール、レストラン、ダンスホ
ール、ジムなどがあり、まさしくリゾートホテルなみの施設です。外国人が多く住むコン
ドミニアムは、どれもこのような設備があり快適そのものです。このような3LDKのコ
ンドミニアムが家具付きで10万円前後から借りられます。想像していたマレーシアでの
生活とはまるで違って、日本での生活よりハイクオリティーな生活がそこにはありました。
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花結びフラワースクール
マレーシアの5つ星ホテルであるサンウェイホテルに、ビジネスパートナーがフラワー
ショップを運営していたので、地元新聞社(マレー系、中国系、インド系)を招いてフラ
ワーアレンジメントのデモンストレーションとフラワースクールの紹介をしました。多民
族国家であるマレーシアを反映して、マレー人、中国人、インド人の人々からの問い合わ
せや申し込みを頂きました。地元新聞は、当然英語での私のプロフィールやスクール紹介
になるので、当時3万人の日本人がマレーシアに住んでいましたが一人の問い合わせもあ
りませんでした。マレーシア在住の日本人の人たちからの問い合わせを期待していたので
すが、見事に大失敗でした。海外に住む日本人でさえ、いかに英字新聞を読まないかを身
をもって知らされました。かく言う自分もほとんど読みませんが、、
、
。マレーシアでのビザ
申請は、草月流いけばな講師、AIFD のフラワーアレンジメント講師とし申請し、2年間の
許可がおりました。こうして、英語でいけばなとアレンジメントを教える花結びがマレー
シアで始まりました。この時期に海外からの5つ星のホテルがマレーシアに多く建ち並び
始めて、ホテルが要求するハイセンスなアレンジメントを作るために、大変勉強熱心な地
元のフローリストより多くの問い合わせや申し込みを頂きました。
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いけばなインターナショナル
いけばなインターナショナルは、流派や国境を超え生け花を通じて親睦を深める会で、
1956年に創立されました。マレーシアKL支部は、1962年に72番目の支部とし
て登録され、歴代大使夫人を名誉会員に迎えて大変盛んに活動しています。その生け花イ
ンターナショナルより、ハイヤットリージェンシーホテルで行うクリスマスランチョンで
のデモンストレーションの依頼がありました。当日は、邦人会員とローカル会員の人々な
ど100名が会場を埋めて、日本とマレーシアの花文化の交流に関する関心の高さが伺え
ました。マレーシアは、真夏のクリスマスという事で4種類のクリスマスツリーを作りま
した。そのうちの1つは、黄金ヒバと赤いバラを使ったクリスマスツリーです。まず、黄
金ヒバをゴールドとレッドのワイヤーで巻いて細くしたものを7本用意します。1番長い
ものを主軸に使って、それに残りの6本を円錐形になるようにワイヤーで留めていきます。
天辺にフレンチリボンをあしらって、ゴールドのビーズをグルーで留めていきます。赤い
バラを螺旋状に円錐形をイメージしながらアレンジして、出来上がりです。
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ゲンティン・ハイランド
クアラルンプールの北東約51km、標高約2000mの高地にある熱帯にあって清涼
な高原リゾートです。マレーシア唯一の政府公認のカジノがある事で大変有名な場所です。
ここでリトル東京
イン
ゲンティン・ハイランドと銘打った日本文化を紹介するイベン
トが行われました。マレーシア在住の日本文化のデモンストレーター(生け花や日舞、お
琴の先生)は、日本大使館にて趣旨の説明やスケジュールの調整などを事前に行い、日本
からは、相撲の学生チャンピオンや和太鼓の演奏者たちが招かれて、それぞれが日本文化
の紹介をしました。このようにマレーシアでも日本文化に対する関心は大変高く、1週間
の期間中、毎日3万人以上の人たちがこのイベントを楽しみました。
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マレーシアでの花結び
日本の花文化の紹介に始まり、花を通じてマレーシアの人たちと関わってきました。花
文化を通じて、過去の戦争の歴史による日本人に対するいろいろな思いを少しでも和らげ
る手助けができればという思いもあり始めたスクールです。民族を超えて、花を通じる事
により少しは、人々の心を結べたと思います。マレーシアでフラワースクールの卒業証書
を渡しながら、これからも花を通じて世界中を結んでいこうという夢が膨らみました。