定常電流・電荷密度による磁場

定常電流・電荷密度による磁場
磁場の空間的な性質を見いだす
アンペールの法則
電磁気 11
Kano
1
磁場の空間的性質
C
C’
C’
C”
直線電流の
周囲の磁場を
線積分
B
dr
電流を
囲む:
電流を
囲まない:
v∫ B ( r ') ⋅ dr ' = v∫ B ( R ) dr ' =
μ0 I
2π R = μ 0 I
2π R
v∫ B ⋅ dr ' = ∫
B ⋅ dr ' +
C
C
半径方向
R1 → R2
C'
=
∫
弧R2
電磁気 11
∫
B ⋅ dr ' +
弧R2
∫
半径方向
R2 → R1
B ⋅ dr ' +
∫
B ⋅ dr '
弧R1
μ0 I
μ0 I
B ⋅ dr ' + ∫ B ⋅ dr ' =
θ R2 −
θ R1 = 0
4π R2
4π R1
弧R
1
Kano
2
直線電流と任意の経路
電流と平行に移動するとき
磁場と変位が直交するので
この部分の線積分が0になる
電流を囲まない
電流を囲む
電磁気 11
Kano
3
複数の直線電流
任意の積分経路
磁場の線積分の値は
積分路が囲む電流の和
に比例する
I2
I3
I4
I1
N
B
⋅
d
r
'
=
μ
I
∑
i
0
v∫
C
電磁気 11
C
i =1
Kano
4
Q.直線電流による磁場
(このURLへジャンプし項目6-3をクリックしてください)
6-3
„
[状況] アニメーションには三本の直線電流の断面が示してあり,これらに
未知の電流が流れている。画面内をダブルクリックするとその位置を通
る磁力線を描くことができる。電流をクリック・ドラッグすれば位置が変わ
る。
„
[質問] どの電線を流れる電流が画面から手前に出る向きだろうか。
„
[答え] 1と3
電磁気 11
Kano
5
Q.アンペールの法則
(このURLへジャンプし項目6-5をクリックしてください)
6-5
„ [状況] 画面の中央に画面と垂直な電流が流れている(青丸)。
画面内で,位置はマウスをクリックすれば測定できる(単位
はm)。電流をまわる閉じたループ(A,Bの2つを選択できる
し,場所を移動できる)にそって磁場の線積分を行った結果
が示されていて,その単位は10-10T・mである。
„
[質問] 電流の値を求めよ。
„
[答え] -1x10-3A
電磁気 11
Kano
6
Q.アンペールの法則(1)
(このURLへジャンプし項目 追加3 をクリックしてください)
„
[状況] 未知の大きさの直線電流が2本ある(赤丸と青丸)。
画面内で,位置はマウスをクリックすれば測定できる(単位
はm)。電流をまわる閉じたループ(A,Bの2つを選択できる
し,場所を移動できる)にそって磁場の線積分を行った結果
が示されていて,その単位は10-10T・mである。
„
[質問] 測定結果とアンペールの法則から各場所の磁場を求
めることができるか。
„
[答え] 対称性がなくアンペールの法則を適用して計算するこ
とはできない。
電磁気 11
Kano
7
円ループ電流と無限に長い積分路
無限遠を通り戻る
磁場の線積分は電流に比例し
比例係数は直線電流のときと同じ
+∞
コイル
μ 0 I −a sin 3 θ
μ0
dy
=
=
=
B
y
d
y
B
d
d
θ
θ
θ
∫−∞ ( ) π∫ ( ) dθ
2 a π∫ sin 2 θ
2
0
=
μ0
2
= μ0 I
電磁気 11
0
I [ cos θ ]π =
0
μ0
2
⎛ 0
⎞
I ⎜ − ∫ sin θ dθ ⎟
⎝ π
⎠
I [ cos 0 − cos π ]
Kano
8
アンペールの法則
複数の(円)ループ電流と
任意の形の積分路
磁場の線積分は積分路と「絡み合う」電流に比例する
N
v∫ B ⋅ dr ' = μ0 ∑ Ii
I2
i =1
C
I1
I3
I4
C
電流密度を用いて表す
v∫ B ⋅ dr ' = μ ∫ j ⋅ dS
0
C
電磁気 11
S
Kano
9
任意の電流と
任意の積分路
電流を
微小な円ループで構成する
C
I
積分路と絡むループは1個
I
積分路 C を
無限に長い L (および無限遠を回る経路)と、
電流ループを通過しないC‘とから構成する
C’
L
+
C
電磁気 11
Kano
10
Q.アンペールの法則(2)
(このURLへジャンプし項目 追加3 をクリックしてください)
„
[状況] 未知の大きさの均一な磁場があり、その方
向は面内上向きである。画面内でマウスをクリック
すれば位置(単位はm)と磁場の大きさ(10-3 T)を
測定できる。
„
[質問] 図のループにそって反時計回りに1周する線
積分を行え。
„
[答え] 0
電磁気 11
Kano
11
Q.アンペールの法則(3)
(このURLへジャンプし項目 追加4 をクリックしてください)
„
[状況] アニメーションには磁場とループが示してあ
る。位置(単位はm)と磁場の大きさ(10-3 T)が測定
できる。
„
[質問] 図のループにそって反時計回りに1周する線
積分を行え。
„
[答え] 12x10-3 T m
電磁気 11
Kano
12
アンペールの法則と磁場の計算
対称性から磁場の向きなどが分かっているとき
無限に長いソレノイドコイルに流れる電流
2
1
3
(i)①
2
4
2
1
(ii)② 3
4
1
(iii)③
3
4
平面を流れる一様な電流
電流
2
1
H
(i)①
4
2
3
(ii)②
3
1
4
電磁気 11
Kano
13
アンペールの法則と電荷保存則(1)
電荷保存則を適用すると:
定常電流、電荷分布は時間的に一定
電流密度の面積分は0
∫
j ⋅ dS = −
S0 +S1
B
dQ
d
= − ∫ ρ dV = 0
dt
dt V
S1
S0
I
アンペールの法則を適用すると:
dS
C
v∫ B ⋅ dr ' = μ ∫ j ⋅ dS = μ I
0
C
V
0
S1
v∫ B ⋅ dr ' = μ0 ∫ j ⋅ dS = − μ0 I
-C
I
dS
および
自明の関係
S0
v∫ B ⋅ dr ' + v∫ B ⋅ dr ' = 0
−C
C
定常状態について、アンペールの法則と電荷保存則は矛盾しない
電磁気 11
Kano
14
アンペールの法則と電荷保存則(2)
時間的に変化する状況、たとえば、
電流は一定だが電荷分布が変動するとき、
アンペール則は適用できない!
B
I
S1
dQ
>0
dt
S0
dS
dS
CV
∂E
∂t
v∫ B ⋅ dr ' + v∫ B ⋅ dr ' = 0 に対して
-C
電磁気 11
C
Kano
μ 0 ∫ j ⋅ dS + 0 = − I ≠ 0
S0
15
マクスウェルによる発見
時間的に変化する状況に拡張する
B
∂E ⎞
⎛
v∫C B ⋅ dr ' =μ0 ∫S ⎜⎝ j + ε 0 ∂t ⎟⎠ ⋅ dS I S
„
S1
dQ
>0
dt
0
dS
電荷保存則とガウスの法則
閉曲面を、電流が通過する面と、電場がある面に分割
I=
CV
∂E
∂t
dQ Q = ε 0
E ⋅ dS = ε 0 ∫ E ⋅ dS + ε 0 ∫ E ⋅ dS
∫
S0 +S1
S0
S1
dt
片側の面を
通過した電流
電磁気 11
dS
I = ε0
d
∂E
⋅
=
ε
⋅ dS
E
d
S
0
∫
∫
∂t
dt S1
S1
Kano
16