VIZ3入門 2日目 PDFファイル

2 日目のレッスン
本日のポイント
マテリアル
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Lesson3
マテリアル
マテリアル
まずは、一般的なマテリアルの概念について説明します。
オブジェクトがどうのように見えるかは、オブジェクトがどの様な素材から
できているかにより決定されます。
ここでは、素材の特性(マテリアル プロパティ)の総称を素材(マテリ
アル)と呼ぶこととします。
マテリアルとは、オブジェクトの表面に素材感や質感を与えるデータです。
CGで最も重要なマテリアル プロパティの特性として次の物があります。
・ 反射
(reflected)
鏡面反射(表面が滑らかなオブジェクトに生じ、光の反射
の方向が決まっています。)
VIZのハイライトの色に相当します。
拡散反射(表面が粗いオブジェクトに生じ、光はあらゆる
方向に均一に拡散されます。)
VIZのオブジェクトの色に相当します。
・ 透過
(transmitted)
オブジェクトの色と密度に影響を受けます。
鏡面透過(規則正しい内部構造の物体を透過します。)
拡散透過(粗い物体を透過します。)
VIZの不透明度に相当します。
屈折率(密度の違う 2 つのオブジェクトを透過する時。)
VIZの屈折に相当します。
・ 吸収
(absorbed)
反射されない光。
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マップ
例えば、オレンジをモデル化する場合に表面のでこぼこを表現する必要が
あります。ただし細部をモデリングするには膨大な作業が必要となりま
す 。
そこで、簡単に表現するために、面の上に絵、壁紙、写真などを貼り付
ける方法が考えられます。
この、壁紙や写真などの模様を一般にテクスチャマップ(texture map)、
テクスチャ(texure)または、マップ(map)と呼びます。
またテクスチャを貼り付ける事をテクスチャマッピングと呼びます。
テクスチャマッピングの種類:
・ ピクチャマッピング
面の表面にテクスチャを貼り付ける事。
貼り付ける際にテクスチャの位置をU軸 , V軸で指定します。
VIZのマップ/拡散反射光カラーに相当します。
・ 透過マッピング
透過マップに設定された値を使用して、面の透過率をコン
トロールします。
VIZのマップ/不透明度に相当します。
・ 素材マッピング
複数のテクスチャをどの位置に適用するかと言う素材マッ
プを利用しマッピングします。
VIZのマルチ/サブオブジェクト マテリアルに相当します。
・ バンプマッピング
面の凹凸を表現するバンプマップを利用する。面の法線ベ
クトルを少し傾け、小規模な凸凹を表現する。
VIZのマップ/バンプに相当します。
・ 変位マッピング
変位マップの値を利用して面を移動する。面を歪める場合
に使用する。
VIZのマップ/ディスプレイメントに相当します。
・ テクスチャの階層および複数のテクスチャ
VIZのマップ/ブレンドや合成に相当します。
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マテリアルが参照、
格納される場所
VIZの機能の中で、マテリアルおよびマップを作成および編集するツール
がマテリアル エディタです。
VIZにはあらかじめ基本的なマテリアルを定義しているマテリアルライ
ブラリが用意されています。
マテリアルライブラリを管理するツールがマテリアル/マップ ブラウザ
です。
オブジェクト
ディスク
マテリアルライブラリ
参
照
取
出
し
保
存
割
り
当
て
オブジェクトが持つマテリアル
割
り
当
て
マテリアル/マップ ブラウザ
マテリアルエディタ
取出し
サンプルスロットが持つマテリアル
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マテリアルエディタ
ショートカット
M
インターフェース
サンプル スロット
ホットマテリアル
オプション
マテリアルを取得
マテリアル/マップ ブラウザ
マテリアル/マップ ナビゲータ
マテリアル
を選択へ割り当て
マテリアルを選択へ割り当て
ライブラリに追加
マテリアルの種類
マテリアル
をオブジェクト
から選択
マテリアルを
オブジェクトから選択
マテリアルライブラリのインターフェース
サンプル スロット
絵の具のパレットの役割があります。必要に応じてマテリアルライブラリ
等から取出します。
ここでの変更は、「ライブラリに追加」ボタンを押さない限り、全くマテリ
アルライブラリには影響を与えません。
ホット マテリアル
ホット マテリアル
サンプル スロットに取出されているマテリアルには、ホット
とクール
マテリアルがあります。
クール マテリアル
サンプル スロットの四隅に白い三角形が表示されているマテリアルが
マテリアルです。それ以外が、クール
マテリアルです。
ホット マテリアル
クール マテリアル
マテリアルは、そのマテリアルがオブジェクトに割り当てられて
ホット マテリアル
います。
マテリアルは、オブジェクトに割り当てられていません。
クール マテリアル
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マテリアルを取得
マテリアル / マップブラウザ
マップブラウザが表示され、マテリアルまたはマップを選
択できます。
マテリアルを選択へ割り当て
アクティブなサンプル スロット内のマテリアルを、現在選択されている
オブジェクトに割り当てます。
割り当てと同時に、サンプル スロットがホット マテリアルになります。
マテリアルをオブジェクト
から選択
ライブラリに追加
マテリアルの種類
シーンで使われているオブジェクトからマテリアルを取得します。
スポイト ボタンをクリックし、スポイト ボタン カーソルをシーン内の
オブジェクトに移動します。カーソルを目的のオブジェクト上でクリック
すると、そのオブジェクトのマテリアルがアクティブなサンプルスロット
に割り当てられます。
選択したマテリアルを現在のライブラリに追加します。
”ライブラリに追加”ダイアログ ボックスが表示され、マテリアル エ
ディタで使用したマテリアル名とは別の名前を入力できます。
マテリアルはディスクのライブラリ ファイルに保存されます。
ちなみに、このボタンを押さない限り、マテリアル エディタでどの様な
編集を行っても、マテリアル ライブラリが変更されることはありません。
VIZには、各種のマテリアルが用意されています。
・ 標準マテリアル :既定値マテリアルです。汎用のマテリアルです。
・ レイトレース マテリアル : 完全にレイトレースされた反射と屈折を作
成することができます。
・ マット / シャドウ マテリアル : 環境マップを表示するための特別なマ
テリアルです。シーン内で非表示ですが、他のオブジェクトからの
投影を受けることができます。
・ ブレンド マテリアル : 2 個のマテリアルを1つの表面上でミックスし
ます。
・ 合成マテリアル : 加算カラー、減算カラー、または不透明ミキシング
を使用して 10 個までのマテリアルをミックスします。
・ 両面マテリアル : 異なるマテリアルをオブジェクトの表面と裏面に割
り当てることができます。
・ マルチ / サブ オブジェクト マテリアル : サブオブジェクト レベルを
使用し、マテリアル ID 値に基づいて 1 つのオブジェクトに複数の
マテリアルを割り当てます。
・ セラック マテリアル : 加算構成を使用して、あるマテリアルを別のマ
テリアルにスーパーインポーズします。
・ トップ / ボトム マテリアル : あるオブジェクトの上端と下端の面に異
なるマテリアルを割り当てることができます。
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マテリアル/ マップ ブラウザ
インターフェース
マテリアル / マップ ブラウザ
ブラウザは、マテリアルまたはマップを選択したり、
保管したりする時に使用します。
ツール ボタン
文字入力
サンプル スロット
参照元領域
表示領域
マテリアル /マップリスト
ファイル
領域
ファイル領域
マテリアル / マップ リスト
マテリアルおよびマップの一覧表です。
一覧表では、マテリアルは青色の球で、マップは緑色の平行四辺形で示され
ます。
文字入力
このフィールドにマテリアル名を入力すると、リストの中から最初に一致し
たマテリアルが選択されます。エンターキーを押すと次の一致するマテリア
ルが選択されます。
サンプル スロット
現在選択されているマテリアルのサンプルが表示されます。
このサンプルからマテリアル エディタのサンプル スロット等にドラッグ
することができます。
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ツール ボタン
マテリアル リストの表示とマテリアル ライブラリを管理を行います。
リストで表示
マテリアルおよびマップを一覧表で表示します。
青の球体はマテリアルを示します。緑の平行四辺形はマップを表します。
リスト + アイコンで表示
マテリアルおよびマップを小さいアイコンでの一覧表で表示します。
小アイコンで表示
マテリアルおよびマップを小さいアイコンで表示します。
大アイコンで表示
マテリアルおよびマップを大きいアイコンで表示します。
ライブラリからデザイン マテリアルを更新
シーンのマテリアルを、ライブラリに保存されている同じ名前のマテリアル
に更新します。
ライブラリから削除
選択したマテリアルまたはマップをライブラリ表示から削除します。
ディスク上のライブラリは、保存を行わない限り変更されません。
マテリアル ライブラリをクリア
ライブラリ表示からすべてのマテリアルが削除されます。
ディスク上のライブラリは、保存を行わない限り変更されません。
参照元領域
マテリアル / マップ リストに表示するマテリアルの参照元を選択します。
Mtl ライブラリ
ディスクからマテリアルライブラリ ファイルの内容をリストに表示します。
マテリアルライブラリは、VIZがインストールされているフォルダ中の
”matlibs
matlibs”フォルダに存在します。”3DSVIZ_BIG.MAT
3DSVIZ_BIG.MAT”には、ほとんどのマ
matlibs
3DSVIZ_BIG.MAT
テリアルが用意されています。
Mtl エディタ
サンプル スロットの内容をリストに表示します。
アクティブ スロット
現在アクティブなサンプル スロットの内容をリストに表示します。
選択
選択されたオブジェクトに割り当てられたマテリアルをリストに表示します。
デザイン
シーン内のオブジェクトに割り当てられたマテリアルをリストに表示します。
新規
新しいマテリアルを作成するために、VIZで利用できるマテリアル / マッ
プの種類を表示します。
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表示領域
マテリアル/マップ リスト表示の管理を行います。
マテリアル
マテリアル、サブマテリアルの表示/非表示を切り替えます。
マップ
マップの表示/非表示を切り替えます。
ルートのみ
マテリアル / マップ リストにマテリアル階層の親階層だけが表示されます。
チェック マークを消すと、全階層が表示されます。
ファイル領域
マテリアルライブラリの管理を行います。
開く
マテリアル ライブラリを開きます。
合成
現在のマテリアル ライブラリに、別のマテリアル ライブラリを読み出して
合成します。
保存
現在開いているマテリアル ライブラリを保存します。
名前をつけて保存
現在開いているマテリアル ライブラリを新しい名前を付けて保存します。
マテリアル/ マップナビゲータ
マテリアル / マップ ナビゲータ
ナビゲータは、マテリアル内のマップや合成マテリア
ル内のサブマテリアルの階層を表示し、階層間を簡単に移動するための
ツールです。
VIZは、このような複雑なマテ
リアルを階層構造にして持たせる
ことにより、強力な表現を可能に
しています。
ただし、マテリアル エディタだけ
で多種類のパラメータを変更する
には、自分が今どこの階層で作業
しているのか解らなくなることが
あります。
マテリアル /
その様な場合に、マテリアル
マップ ナビゲータ
ナビゲータを利用して階
層間を移動して下さい。
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マテリアルの割り当て
では、実際にオブジェクトにマテリアルを割り当てみましょう。
マテリアル/マップ ナビゲー
タを使ってサンプル スロット
に割り当てたいマテリアルを
取出します。
サンプル スロットに取り出し
が出来れば、アクティブ ス
ロットからシーン中のオブ
ジェクトにドラッグしてみま
す 。
また、”マテリアルを選択
に割り当て”を選んでもマ
テリアルの割り当てが出来ま
す 。
ドラッグ
または
オブジェクトにマテ
リアルが割り当てら
れました。
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VIZのマテリアルのパラメータの基本を押さえましょう。
これさえ知っていれば、マテリアルのパラメータの設定が解ります。
マテリアルのパラメータ
∼これだけは覚えよう∼
マテリアル エディタ
2
3
1
8
6
4
7
5
1
マテリアルをオブジェクトから選択
シーンで使われてるオブジェクトからマテリアルを取得します。
2
マテリアルによる選択
アクティブ スロットのマテリアルがどの
オブジェクトに割り当てられているかを
オブジェクト ダイアログを表示して選択
します。
3
マテリアル/マップ ナビゲータ
マテリアル/マップ ナビゲータを表示し、
マテリアルの階層間の移動を簡単に行う
ことが出来ます。
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光の種類
4
・
・
・
5
周囲光
拡散反射光
鏡面反射光
: 翳り部の光の色。通常は黒っぽい色。
: 素材がもつそのものの色。
: ハイライトに付ける色。通常は白っぽい色。
鏡面反射光レベル
光沢
マテリアルに光沢を付けたい場合にレベル値を大きくします。光沢
光沢と共に
調整が必要です。
6
自己照明
オブジェクト自身が発光するような、翳り部がない物に適用します。
7
ワイヤ
マテリアル単位で、ワイヤフレームによるレンダリングを行います。
ワイヤ
ワイヤを選択
8
両面
面の表面と裏面の両側にレンダリングを適用します。
面の表裏がメッシュ中で逆転している場合など、面が抜けた様に表示され
る場合がありますが、この両面を選択することで回避出来ます。
両面を選択する
両面を選択すると表示される。
面の一部が抜けている
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マテリアルに対して適用するマップやパラメータを設定するロールアウトで
す 。
マップ ロールアウト
1
2
3
4
5
6
1
拡散反射光カラー : マッピングを行った後で必ず調整して下さい。
この値の設定次第で、マテリアルの見栄えが大きく変ります。
2
拡散反射光マップ : マップ マテリアルのそのものです。
アセット ブラウザからオブジェクトにドラッグした場合は、この部分に自
動的に設定されます。
3
不透明度マップ : 透過マッピングに使用するマップです。アルファデータ
やマップの暗い部分が透過する部分となります。
4
バンプ : マテリアルに凸凹感を持たせたい時に使用します。初期値は小さ
目に設定されていますので値を大きくする等の調整が必要です。
バンプマップ : このマップの明暗がバンプの凸凹の量となります。
5
6
鏡面の表現をしたい時
反射マップ : オブジェクトに映り込みの表現をしたい場合に利用します。
ここに、レイトレースマップを割り当てます。
拡散反射光カラー
周囲光カラー
鏡面反射光カラー
鏡面反射光レベル
光沢
反射のマップ
反射のマップ
:
:
:
:
:
:
:
黒
黒
白
0
0
100
レイトレース マップを割り当てる
以上で、鏡の反射が表現出来ます。
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マルチ/サブオブジェクト
マテリアル
VIZでは、オブジェクトのサブオブジェクト レベル毎に異なったマテリ
アルを割り当てることができます。
オブジェクトへ割り当てる方法は、マテリアル エディタのサンプル
スロットにマルチ/サブオブジェクト マテリアルを割り当てます。
マテリアル/マップ ブラウザから”新規”を選び、 マルチ/サブオブジェ
クトをクリックします。
マテリアル エディタにマルチ/サブオブジェクト基本パラメータが表示さ
れます。
数を設定を選んで、サブオブジェクト マテリアルの数を指定します。
次に、それぞれのサブオブジェクト マテリアルに対するマップを指定しま
す。
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次に、メッシュ編集モディファイヤ
メッシュ編集モディファイヤを使用します。
メッシュ編集モディファイヤ
選択したいレベルをサブオブジェクトレベルに設定します。
選択方法を選んでオブジェクトの1つの面を選択します。
この選択した面に、複数のマテリアル中のど
のサブマテリアルを割り当てるのかを決めま
す 。
オブジェクトの選択した面に、直接サブマテ
リアルからドラッグする事で割り当てが行え
ます。
オブジェクトの選択
ドラッグ
または、メッシュ編集モディファイやから指 した面にドラッグ
定するにはマテリアルのID番号にサブマテ
リアルの番号を設定します。
以上で、マルチ/サブオブジェクト マテリア
ルが設定されます。
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∼ 困ったときのワンポイント∼
シーンのオブジェクトにマップを表示
させるには
新規にマップ マテリアルを作成してシーンのオブジェクトに割り当てたと
きに、作成したマップが表示されない場合があります。
その様な場合は、次の方法を試してみて下さい。
マテリアル エディタで、設定しているマテリアルのマップに対する マップ
ロールアウトを開きます。
ボタン
”ビューポートにマップを表示
ビューポートにマップを表示”ボタン
ボタンが利用できる状態(黒く表示)
ビューポートにマップを表示
に
変ります。
ボタン
”ビューポートにマップを表示
ビューポートにマップを表示”ボタン
ボタンを押します。
ビューポートにマップを表示
ビューポートに、指定したマップが表示されます。
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