Pacific Report 2015 Investors’ Guide 2015 年 3 月期 Contents 01 プロフィール 03 トップメッセージ 05 太平洋工業の価値創造モデル 07 太平洋工業のグローカル戦略投資 09 営業概況 11 マネジメント 14 研究・開発活動 15 パフォーマンスハイライト 17 連結財務諸表(要約) 裏表紙 会社概要・株式情報 プロフィール 長期ビジョン 「PACIFIC GLOCAL VISION 2020」 企業理念 わが社はメーカーとして 1 2 3 5つの“シンカ” 技術開発に努め、お客様の要望に応えた高いレベルの商品を提供していきます。 深化 CSRのトライアングル 新化 人間尊重を基本に、社員が“働く楽しみ” 、 “創る満足”を得る“場”を提供していきます。 企業価値 信加 進化 地球環境保全に努め、社会から期待される“良い会社”でありつづけます。 私達は、 真のグローカル経営を 追求し続けます。 太平洋工業グループは、海外6カ国12拠点に展開する自動車部品サプライ ヤーです。圧倒的なシェアを確保するバルブ製品事業、高度加工技術の専 門メーカーとして高い評価を受けるプレス・樹脂製品事業を両輪に、地域 CSR 真価 人づくり ものづくり 自動車産業の急激かつグローバルな構造転換、地球規模の環境問 深化 改善する力 進化 革新する力 新化 新技術・事業を起こす力 題・エネルギー問題、企業の社会的責任、グローバル化・技術革新 など、我々を取り巻く環境は、予想をはるかに超えるスピードで大 きく変化しています。こうした環境変化を大きなチャンスと捉え、 創業80周年の節目を機に、創業100周年に向けての一里塚とし て、これからの10年を見据えた長期ビジョン「PACIFIC GLOCAL VISION 2020」を策定し、私達グループの夢とミッションを明確 真価 企業価値を高める力 にしています。 信加 信頼を勝ち取る力 ンカ”」で事業構造を革新し、「融合経営」による企業価値の向上を 長期ビジョンは、 CSRを経営の最重要課題と位置付け、 「5つの“シ めざしています。 や環境と調和する真の“グローカル経営”を追求し続けます。 自動車の安全・安心と 地球温暖化防止に貢献するTPMS タイヤバルブ製品は日本国内100%、グローバルで20%以 売上高 営業利益 ( 百万円) 99,952 120,000 EBITDA 6,962 ( 百万円) 8,000 90,000 6,000 60,000 4,000 12,000 上のシェアを確保し、世界№1品質と技術力を誇る。米国や 欧州、韓国で法規化された次世代バルブ“TPMS”をOEM で納入する日本唯一のメーカー。 当社のエンジンカバー、バッテリー ケース等を搭載したクラウン ハイブリッド車用バッテリーケース、オイルパン、ホ イールキャップ、エンジンカバー等を生産する自動車 用プレス・樹脂製品の総合メーカー。オンリーワン技 TPMS送信機 沿 革 グローバルオペレーション 1930 1984~ 1946 1986~ 1970 1999~ トヨタ自動車工業株式会社からトヨタ品質管理賞優秀賞を受賞 2012~ 太平洋工業合名会社を創立し、自動車用バルブコアの製造を開始 トヨタ自動車工業株式会社の協力工場として、自動車用プレス部品の製造を開始 1999 6,000 30,000 バルブ事業で台湾・韓国・米国・タイに進出 プレス事業を台湾で開始 プレス・樹脂事業で米国・中国・タイに進出 2,000 2011 2012 2013 2014 2015 ( 3月期 ) 0 3,000 2011 2012 2013 2014 0 2015 ( 3月期 ) インベスターズガイド2015編集方針 太平洋工業グループは、持続可能な社会の構築に向け、より多くのステークホルダーの皆 様との双方向コミュニケーションの充実を図るため、2013年から「インベスターズガイド」 を発行しています。 3号目となる2015年度は、Webサイトを活用して網羅的に情報を開示するとともに、重要 性の高い財務情報と非財務情報を統合的に編集し、より多くのステークホルダーの皆様にお 読みいただきたい内容にまとめています。皆様の忌憚のないご意見をお待ちしております。 対象期間 2014年4月1日〜2015年3月31日(一部発行時点での最新情報を記載しています) 対象範囲 当社および一部太平洋工業グループを含む 発行日 2015年7月31日 発行部署 太平洋工業株式会社 総務部 TEL 0584-93-0113 FAX 0584-92-1804 2011 2012 2013 2014 2015 ( 3月期 ) 網羅性大 財務情報 術で低炭素社会の実現に貢献するものづくりを推進。 株式を東京・名古屋証券取引所第一部に上場 9,000 0 バルブコア 13,657 ( 百万円) 15,000 有価証券 報告書 WEBサイト インベスターズ ガイド CSR 報告書 重要性大 非財務情報 網羅性大 将来の見通しに関する記述について 当レポートは、当社の計画や戦略、業績などについて、将来の見通しに関する記述を含んでいます。これらの情報は当社が現時点利用可能な情報を元にした判断に基づくもので あり、実質的に様々なリスクや不確実性の影響を受ける恐れがあります。企業の実際の活動や業績はこれらの記述で予想されたものと著しく異なる可能性があります。 TPMS事業で米国・ベルギー・中国に進出 TPMS送信機の開発を発表 01 Pacific Industrial Co.,Ltd. PACIFIC REPORT 2015 02 トップメッセージ 「OCEAN-18」を推進し、グローカル経営 を追求していきます。 2015年3月期の取り組みと成果 投資といった事業戦略と、お客様やお取引先様との連携、 グプラン「OCEAN-18」を発表しました。「OCEAN-18」で 人財育成や地域関係の構築といった信頼関係の構築の両輪 は、これまで積極的に進めてきた拠点展開と投資の成果を を回すことで、着実に成果を出していきたいと思います。 当社グループでは、前期から進めてきた 「守りから攻めへ 刈り取りつつ、さらなる飛躍に向けた成長基盤を構築して の転換」をテーマにした一連の大型投資を、当期も引き続き いくことが目標になります。 行ってきました。これは、自動車業界のグローバル競争の激 注力課題としては、まず世界的に進む部品のモジュール 化に対応した車両の構造変化や部品の標準化などに対応する 化 へ の 対 応 が 挙 げ ら れ ま す。 ト ヨ タ 自 動 車 殿 のTNGA コーポレートガバナンスへの関心の高まりに伴い、当社 技術力を保持し、次への飛躍へとつなげるための体制作りで (Toyota New Global Architecture)では、「もっといい の社外取締役をこの度2名体制としました。また、監査役 もありました。 クルマづくり」により、部品の種類削減やコスト低減を進 会設置会社として、2名の常勤監査役・2名の社外監査役 当社では、自動車の軽量化を実現する上で主流となってき めます。当社でも若い技術者がお客様と一体となって、 「も に加え、補欠監査役も選任しております。社外の役員は、 ている超高張力鋼板 (超ハイテン材) の加工能力増強のため、 のづくり改革」をする土壌ができつつあります。また、環 独立役員としてコーポレートガバナンスをチェックし、必 大型プレス機を国内外の生産拠点に順次導入し、高強度の超 境保全や環境に優しい製品開発は当社グループの最重要課 要があればガバナンス体制に関して明確に指摘をして、そ ハイテン材のグローバル生産体制を整えています。2014年 題のひとつであり、年間の開発件数目標を設定して取り組 の結果を株主様にオープンにしていく体制を構築していき 7月には、米国第2生産拠点としてテネシー州に自動車用プ んでいます。昨年にはカーエアコンのリリーフバルブの技 ます。また機関投資家の方々とは、これまで以上に対話の レス・樹脂製品を生産する新会社の工場建設をスタートし、 術を転用し、燃料電池自動車 「MIRAI」に搭載される700気 機会を設けるようにしていきます。特に今後は海外売上高 稼働開始は2015年8月を予定しています。また、中国の長 圧の水素タンクの減圧弁に当社の開発したリリーフバルブ 比率の上昇に合わせ、他社に比べて低い海外投資家比率を 沙にプレス・溶接の一貫工場を建設し、2015年3月に開業 が採用されるなど成果も出ています。海外の各拠点では、 高めていくことが必要になってくると思われます。その第 式典を開催しました。国内では、2014年11月に東北の栗原 日系カーメーカーを中心にした取引先の拡大、いわゆる多 一段階として、国内に拠点がある海外機関投資家へもアプ 工場にプレス一貫工場を建設、2015年2月には東大垣工場 客化に取り組んでいます。特にタイでは樹脂製品事業を中 ローチしていきたいと考えています。 に当社最大級の3000tプレス機を導入し、順調に稼働してい 心に7社との取引が進んでいます。 また、個人投資家向け説明会やIRイベント等で、個人投 ます。さらに、安全面や環境面への対応から世界で自動車へ このような技術開発や多客化を実らせるには、ダイバー 資家の皆様と直接お話をさせていただく機会があります の装着の法規化が進んでいるTPMS (タイヤ空気圧監視シス シティの推進やグローカルな人財育成が不可欠です。国内 が、このような面談で話題に上ることが多いのが株主還元 テム) については、2014年7月に中国江蘇省常熟市にTPMS では少子高齢化を背景に女性の活躍が期待されています です。なるべく多くの利益を還元して欲しいというご要望 生産拠点となる新会社を設立し、2016年4月に生産を開始 が、当社でも女性の管理職登用や育児休暇取得の促進など に応えていくためには、当社グループの成長の原資となる する予定です。これは欧米に続き、法規化の動きが中国でも を進めています。今後は高齢者や障がい者雇用も含めて、 技術開発や設備投資資金を内部留保していくことも必要で 加速していることに対応するものです。日本でも既に上級車 多様な人財が活躍できる環境をさらに推進します。一方海 す。この点についても、中長期的な視野を踏まえ、より一 種には採用が進んでおり、事実上のスタンダードとして定着 外拠点は、国内に比べて品質管理や技能伝承、現地に適し 層の説明責任を果たしつつ、ステークホルダーすべてがプ していくことが期待されます。 た評価システムなど、まだまだ不十分な点があります。今 ラスになる道を模索していきたいと考えています。そうし 後海外売上を高めていくうえで、さらに国際人事交流を深 た中で成果を着実に出し、株主の皆様に還元していきたい め、世代・地域・人種を超えた理念の共有化を図っていき と思います。将来的には配当性向30%を目標として進め ます。 ていきますが、成長投資とのバランスを見ながら自社株買 当社グループは、2030年の創業100周年への一里塚と 当 社 は「GLOBAL」と「LOCAL」を 組 み 合 わ せ、 世 界 いも視野に取り組んでいきます。 して、長期ビジョン 「PACIFIC GLOCAL VISION 2020」 (GLOBAL)を 舞 台 に 成 長 を 図 り、 そ れ ぞ れ の 地 域 株主の皆様におかれましては、引き続きご指導とご支援 を掲げています、その具体的アクションプランとして推進 (LOCAL)の発展に貢献するというビジョン、 「グローカル を賜りますようお願い申し上げます。 してきた中期経営計画「OCEAN-15」の目標を1年前出し 経営」を標榜しています。技術開発やグローバルでの設備 中長期的な目標と、達成のための課題 03 で達成できる目途がたったため、2014年11月、ローリン 投資家とのより良い関わり方を目指して 代表取締役社長 Pacific Industrial Co.,Ltd. PACIFIC REPORT 2015 04 太平洋工業の価値創造モデル 私たちは、高シェアを誇るタイヤバルブ関連製品と、高い技術で時代の要請 に応えるプレス、樹脂製品をつくる自動車部品のグローバルメーカーです。 事業環境 内部環境 機会 ●自動車セクターの安定的な成長 ●新興市場の成長 ●TPMS装着法制化拡大 ●自動車の構造転換 課題 リスク 強み ●海外事業展開 ●国内外の経済情勢 ●国内外で高シェアのバルブ・TPMS事業 ●価格競争 ●取引先の集中 ●一貫生産体制 ●製品の品質 ●為替、金利レート変動 ●原材料の調達 ●自然災害などの影響(地震・洪水等) ● 財務資本 企業理念 ● 製造資本 ● 地域・関係資本 2018年度目標 1,100 億円 8 %台 海外売上高比率 50 %以上 総資産回転率 1.05 回転以上 連結売上高 長期ビジョン 中期経営計画 05 OCEAN-18 CSRを経営の最重要課題と位置付け、「5つの“シンカ”」で事業構造を 革新し、 「融合経営」 による企業価値の向上をめざす。 革新する力 ▶CSRと環境保全 バルブ製品事業 試作・評価 ● オープンでフェアな企業倫理にもとづき、 社会的責任を実践する企業 起業価値を高める力 ▶ものづくりは人づくり ● 社員が夢を描き、創造力とチャレンジ精神 を発揮し、自己実現・自己成長する企業 信頼を勝ち取る力 調達 生産 めざす企業像 ● 企 業 価 値 を 高 め、 ス テ ー ク ホ ル ダ ー に とって “なくてはならないグローカル企業” 新技術・事業を起こす力 ▶技術と海外 技術開発指針 シンカ 改善する力 キーワード 企画設計 製品 PGV2020 2 0 3 0 納入 ●“こだわりのものづくり” で、新しい価値を 創造し、地域の発展に貢献する企業 ● 5つの “シンカ” (深化・進化・新化・真価・ 信加) を追求する企業 1 0 0 周年 ● 環境資本 ●生産性の高い設備導入 連結経常利益率 行動指針 ● 人的資本 ●海外事業の更なる拡充 信頼される経営 中長期的な重要課題 経営理念 ● 知的資本 ●地球に優しい製品・工法・技術の開発 創業 〈 企業の方針 〉 ●次世代人財・海外人財の育成 ●CSR実践でステークホルダーから 太平洋工業グループ 投入資本 ●技術・技能の伝承 ●高度なプレス技術 ●サイバーテロ ▶あらゆる面でのグローバル対応 ▶新技術・素材対応 ▶中長期的リスクに主体的に対応 ●事業の競争力強化と高付加価値製品への構造転換 プレス・樹脂製品事業 創業製品であるタイヤバルブ製品は、世界No.1品質と技術力で国内トップ 当社はトヨタ自動車を主要顧客として、自動車の骨格となる車体部品や、ヒン メーカーとしての地位を確立するとともに、グローバル生産・販売体制で、国 ジ・バッテリーケース等の機能部品、オイルパン等のエンジン周辺部品、エン 内はもとより海外でも高いシェアを確保しています。カーエアコン等の空調・ ジンカバーやホイールキャップをはじめとする樹脂製内外装品の生産を行って 冷媒を制御する制御機器製品のほか、次世代バルブとして開発したTPMS送信 います。高度加工技術の専門メーカーとして小型化、軽量化、低コスト化はも 機の生産も国内外で行っています。創業からの固有の技術を基礎として、お客 ちろんのこと、お客さまのニーズに対応した付加価値の高い製品・サービスの 様のニーズに対応すべく研究開発を推進しています。 提供に努めています。 Pacific Industrial Co.,Ltd. PACIFIC REPORT 2015 06 太平洋工業のグローカル戦略投資 戦略的な投資で、変化を捉える 国内三拠点体制の充実 九州工場 超ハイテン材加工プレス機 ■ プレス・樹脂製品事業 ■ バルブ製品事業 東北地区 冷間プレス 増強 九州地区 栗原工場 プレス・溶接 九州工場 若柳工場 プレス・溶接・樹脂 当社グループでは 「守りから攻めへの転換」 をテーマに、国内外で一連の大型投資を行っており、 「トップクラスのグローカルな 部品メーカー」 をめざして、お客様のニーズや社会課題に応える、付加価値の高い製品を提供できる体制の構築を図っていま 東北地区 拠点整備 (プレス一貫工場建設) 樹脂 栗原工場新プレス棟 (2014年11月完工) す。計画的な戦略投資で、自動車業界のグローバル競争の激化に対応した車両の構造変化や、部品の標準化などに対応する技 術力を高めながら、コスト・品質の競争力のレベルを上げ、更なる飛躍へつなげていきたいと考えています。 戦略投資の 背景 1 九州 新技術・次世代技術への投資 当社グループでは、お客様のニーズや社会課題に応えるため、積極的に新技術や 中部地区(技術開発拠点) プレス事業については、自動車プレス製品の主流となりつつある 「超高張力鋼板 (超ハイテン材) 」 を加工するため、冷間プレス・ホットスタンプの技術開発を行い、 に順次導入し、グローバル生産体制を強化・拡充しています。 CO2排出量低減に寄与する 2槽式オイルパン 料および加工技術の研究・開発、環境配慮製品の開発に注力しています。 自動車の安全性や環境性の向上はグローバルな社会課題として関心が寄せられて タイヤ空気圧を監視し、事故防止と燃費向上に役立つTPMSは、世界で装着法規 化が加速しています。昨年度、当社は 「スナップインTPMS」 として、従来品より少な い工数でタイヤへの装着が可能で、軽量化された新型のTPMS送信機を開発しまし た。 また、トヨタ自動車の燃料電池自動車 「MIRAI」 には、システム内の流体圧力を調整 する安全弁となる当社の 「燃料電池自動車用リリーフバルブ」 が搭載されています。 背景 3 超ハイテン材加工、ホットスタンプ、 アルミ成形・接合、材料着色樹脂成形、発泡成形、 フィルムインサート成形、インモールド成形 北大垣工場 バルブ エアシール、制御機器、TPMS送信機、センサー、 高精度プレス、アルミダイカスト 美濃工場 2014年度 研究開発費 9.0億円 グローバルな安全・環境への関心の広がり おり、その課題への企業の取り組みが重視されています。 戦略投資の 東大垣工場 プレス ・樹脂 養老工場 また、自動車の小型化や構造変化に対応する製品開発を推進し、要素技術、新材 2 本社・西大垣工場 東大垣工場3000tプレス機 環境対応 超ハイテン材を用いた センターボデーピラー 超ハイテン材の加工技術を確立しました。2500~3000t級の大型プレス機を国内外 背景 東北 冷間プレス・ ホットスタンプ増強、 環境投資 高精度プレス事業の 増強 次世代技術への投資を行っています。 戦略投資の 中部 海外での積極的な設備投資 TPMS法規化の状況 地域 法規開始時期 (2012年度〜2015年度) 北米 2005年10月 韓国 欧州 2012年11月 韓国 2013年1月 設備投資 台湾 2014年11月予定 中東7カ国 2015年予定 ロシア 2016年1月予定 中国 未定 日本 未定 カーエアコン用コンプレ ッサーのケーシング部品 億円 をダイカストから切削加 工まで一貫生産。 ▶ タイ 設備投資 ▶ 多客化と現地化 25 ダイカスト事業拡充 樹脂生産開始 第2工場を建設し、樹脂製品の 生産を開始。主要製品のホイー ルキャップは、日系自動車メー カー7社から受注を獲得。 現地化は品質の確保が大前提であり、グローバル人財育成として海外現地社員を 日本で受入れ、教育を実施し、品質の確保を図っています。 タイの子会社では、新工場を建設し、樹脂製品の生産を開始しました。主要製品 57 ▶ 億円 プレス事業強化 堅調な北米市場におけ る更なる拡販を目的と し、テネシー州ジャク ソン市近郊に新たな生 産 拠 点 を 設 立。2 0 1 5 年8月からプレス製品 を生産予定。 億円 中国 化が重要となっています。 設備投資 11 新興国メーカーの台頭によるグローバル競争の激化で、自動車産業の海外移転が 加速する中、コスト競争に勝ち抜くための海外現地生産と、利益確保のための多客 米国 設備投資 32 ▶ 億円 プレス設備増強 2014年9月、長沙子会 社にプレス一貫工場が完 成。ハイブリッド車用バ ッテリーケースの生産を 開始し、日系メーカー向 けに拡販予定。 設備投資 20 ▶ 億円 TPMS現地生産 中国でのTPMS装着法規 制化を想定し、子会社を 設立。日系・欧州系・ ローカル自動車メーカー の受注拡大をめざす。 のホイールキャップは、技術・コスト競争力等が評価され、日系自動車メーカー7社 から受注を獲得するなど、顧客からの信頼を得ています。 07 タイ子会社で生産している樹脂製品 Pacific Industrial Co.,Ltd. PACIFIC REPORT 2015 08 営業概況 2 0 1 4 年 度 の 経 営 成績に関する分析 2015年度の見通し 2014年 度 セ グ メ ン ト 別 の 状 況 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日銀によ 今後の経済見通しにつきましては、国内経済は引き続き、 る経済対策や金融政策を背景に企業業績の回復や雇用情勢 総じて回復基調で推移すると期待されるものの、個人消費 の改善により、景気は緩やかな回復基調が認められるもの の低迷や円安継続による輸入原材料等の高止まり等、引き の、消費増税後の個人消費回復の足取りは弱く、円安によ 続き予断を許さない状況が予想されます。海外では、中国 る輸入原材料の上昇等により、先行き不透明な状況が続い での成長鈍化や欧州経済の足踏みに加え、原油価格の下落 ております。一方海外では、米国は回復基調が継続するも、 による資源国への影響等の不安要素はあるものの、世界経 欧州経済は総じて足踏み状態であり、中国経済も成長ペー 済全体は米国経済に牽引されて引き続き緩やかな回復が進 スは鈍化傾向となりました。 当社グループの主要事業分野 むものと期待されます。 であります自動車関連業界におきましては、主要顧客の自 当社グループの属する自動車関連業界におきましては、 動車生産は、日本では前期より若干の減少となったものの、 海外市場での販売増加は見込めるものの、日本市場におい 景気回復が続く米国や自動車普及が進む中国では前期を上 ては大きな成長を期待することは難しい状況にあります。 回りました。 このような状況のなか、当社グループでは、 また、今後も引き続き、品質要求レベルは高度化し、安全 新たに中期経営計画 『OCEAN-18』 を策定し、 「守りから攻 で環境に優しい製品開発競争がグローバルに繰り広げられ め」 へ転じ積極的な拠点展開と投資を実行しつつ、多客化や るものと予想されます。 現地化、拠点整備など改革のスピードを加速し、将来の飛 このような状況のなか、次期の業績見通しにつきまして プレス製品 樹脂製品 売上高・営業利益 売上高 営業利益 68,558 1,574 ( 百万円) 75,000 60,000 躍に向けた成長基盤の構築を進めてまいりました。 以上に は、売上高1,020億円 (当期比2.0%増) 、営業利益70億円 より、当連結会計年度の売上高は999億52百万円(前期比 (当期比0.5%増) 、経常利益82億円 (当期比5.7%減) 、当期 8.7%増)と増加し、利益面では、販売物量の増加や原価改 純利益60億円 (当期比10.6%減) を見込んでおります。本業 15,000 善効果、円安に伴う為替差益等により、営業利益は69億 績見通しにおける為替レートは1US$=115円を前提とし 0 62百万円 (前期比26.6%増) 、経常利益は86億91百万円 ております。 (前期比23.1%増) 、当期純利益は67億14百万円 (前期比 68.6% プレス・樹脂製品事業 ( 百万円) 3,000 45,000 2,400 主要顧客の自動車生産は、日本においては前期比若干の減少となったも のの、米国や中国においては前期を上回り、また、円安による為替換算の 影響も加わって、当事業全体の売上高は685億58百万円 (前期比6.2%増) となりました。利益面では、物量増加や原価改善などにより、営業利益は 15億74百万円 (前期比18.0%増) となりました。 1,800 30,000 1,200 600 2011 2012 2013 2014 2015( 3月期) 0 31.0% バルブ製品事業 46.4%増) となりました。 なお、当連結会計年度より、当 社および国内連結子会社は、有形固定資産 (リース資産を除 TPMS製品 タイヤバルブ製品 く) の減価償却方法を、主として採用していた定率法から定 制御機器製品 額法へ変更しております。これにより、従来の方法と比べ て、減価償却費は7億36百万円減少しております。 地域別売上高 ( 百万円) 日本 地域別営業利益 北米 60,000 アジア 54,598 ( 百万円) 日本 北米 海外売上高比率 アジア 5,150 6,000 5,000 40,000 24,162 21,191 20,000 09 2012 2013 2014 2015( 3月期 ) 50 3,000 1,107 612 2,000 (1,000) 2011 2012 2013 2014 2015( 3月期 ) 売上高 営業利益 ( 百万円) 31,000 5,387 35,000 28,000 4,000 1,000 2011 49.5 (%) 40 0 0 売上高・営業利益 30 ( 百万円) 6,000 21,000 20 14,000 10 7,000 0 0 2011 2012 2013 2014 2015( 3月期 ) 4,800 バルブ関連製品およびTPMS製品の販売は海外を中心に前期に引き続き 順調に推移し、また、円安による為替影響もあり、当事業全体の売上高は 前期を大きく上回り、 310億円 (前期比14.4%増) となりました。利益面では、 物量増加や原価改善に加え、円安に伴う為替差益等が寄与し、営業利益は 53億87百万円 (前期比29.0%増) となりました。 3,600 2,400 1,200 2011 2012 2013 2014 2015(3月期) 0 Pacific Industrial Co.,Ltd. PACIFIC REPORT 2015 10 マネジメント 取締役 、 監 査 役 及 び執行役員 内部監査および監査役監査 監査役は、取締役会その他の重要な会議に出席するとと 取締役・監査役 を行っております。 執行の監査を行っております。 の実施とともに各部門における内部統制の状況を確認し、 状況を聴取し、重要な契約や決裁書類を閲覧するなど業務 ■ 6 ■ ■ 3 ■ 4 ■ 5 ■ 9 問題点の指摘・改善勧告を行っており、金融商品取引法に 深めるため、定期的な会合をもっております。 ても内部監査範囲を拡充しております。 執行役員で構成される経営会議に出席し、監査役会では、 監査職務の遂行にあたり、内部監査部門等と緊密な連携を 行っております。なお、社外監査役と当社との取引等の関 会を開催しております。 常勤監査役は、毎月開催している取締役、監査役および 経営会議で決議された取締役会議案について、事前審議を 係はありません。 会計監査人と監査役は、期初において相互に監査計画を ■ 2 ■ 8 小 川 信 也 1 社外取締役 黒 川 博 7 常務執行役員 白田 隆幸 取締役副社長 石 塚 隆 行 2 社外取締役 本 島 修 8 常務執行役員 野田 照実 取締役専務執行役員 大 庭 正 晴 3 監査役 永 田 博 9 執行役員 森 義男 取締役専務執行役員 鈴 木 克 也 4 監査役 河 合 智 執行役員 浅野 晴紀 取締役専務執行役員 小 川 哲 史 5 社外監査役 間仁田 幸雄 執行役員 林 一也 取締役常務執行役員 粥 川 久 6 社外監査役 高 橋 勝 弘 執行役員 栗田 雅隆 2015年6月13日就任の役員 コーポ レ ー ト ・ ガ バ ナンス 当社は、経営に対する監視機能を強化するとともに、経 会、会計監査人等の法律上の機能に加え、戦略会議・経営 営執行機能を明確に分離しています。 検討を行っています。 経営を監視するしくみとして監査役制度を採用し、社外 監査役2名を含めた監査役4名が、内部監査部門と緊密に連 会議において経営上の重要案件および経営戦略等の審議・ 取締役会は、経営の基本方針の決定と業務執行の監督を 行う機関と位置づけ、その機能を効果的・迅速に果たすた 携し業務監査を行っています。 め、取締役の数を8名とし、取締役任期は1年としていま 任の明確化と意思決定の迅速化を図っています。 性・客観性を確保するため、社外取締役2名を選任すると 事業推進にあたっては執行役員制度を導入し、役割・責 経営管理組織としては、株主総会、取締役会、監査役 す。また、意思決定に第三者の視点を加え、経営の透明 ともに、独立役員4名を選任しています。 リスク 管 理 体 制 の 整備の状況 当社では、グローバルな事業展開に伴い、多様化するリ し、その顕在化の未然防止に努めるとともに、被害を最小 います。企業経営に重大な影響を及ぼす様々なリスクに対 業継続計画) の策定を進めています。 スクを最小化すべくリスク管理の充実・強化に取り組んで 11 社外監査役のうち1名は長年にわたり上場会社の経理業 務を担当した経験を有しており、1名は公認会計士として について説明を受けるとともに、情報交換を行うなど連携 ります。 ぞれ、財務および会計に関する相当程度の知見を有してお 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針 代表取締役社長 営執行における迅速な対応を図るため、経営監視機能と経 保ち、効率的な監査を実施するように、定期的に情報交換 ■ 執行役員 取締役・監査役 監査役は、会社の業務および財産の状況の調査その他の の専門的な知識および豊富な監査経験を有しており、それ を図っております。更に期中においても、会計監査人から ■ 1 係る内部統制監査に万全を期す一方、その他の業務に対し 提示し意見交換を行っております。第2四半期末および期 末時は、報告会を開催し、会計監査人から会計監査の内容 ■ 7 また、CSR・監査室 (人員4名) においては、内部業務監査 更に、監査役と代表取締役は、経営の現状・会社が対処 すべき課題等について意見交換し、相互認識と信頼関係を ■ 監査指摘事項や当社の課題について報告を受け、意見交換 もに、取締役・執行役員・各部門・子会社から職務の執行 当社は役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関 高めることを目的とし、取締役の報酬等の額とは別枠で年 する方針を定めております。 基本報酬につきましては、株 額50百万円の範囲内でストックオプションとして新株予約 酬規程」 の基準に基づいて、役員の職位ごとに決定しており しました。また、退職慰労金制度廃止時までの在任期間を また、役員賞与につきましては、業績連動型賞与制度を とし、取締役退任時に支給することとしております。 業務向上に対する意欲や士気を高めるため、連結経常利益 につきましては、 「役員退職慰労金規則」 を定め、職位と在 定しております。 たっては、株主総会の承認を得て、社外取締役については 員退職慰労金制度を廃止し、その代替として、中長期に継 額を決定しております。 主総会で承認された年額報酬限度額の範囲内で、 「役員報 ます。 導入しており、社外取締役を除く取締役に対し、取締役の 額と連結株主資本当期純利益率を指標とした方法により算 平成23年6月より、社外取締役を除く取締役に対する役 権を割り当てる株式報酬型ストックオプションを導入いた 対象とした退職慰労金については、打ち切り支給すること なお、社外取締役および監査役に対する役員退職慰労金 籍年数等により支給見込額を算出しております。支給にあ 取締役会にて、監査役については監査役の協議にて、支給 続した業績向上と企業価値向上への貢献意欲や士気を一層 役員の報酬等 役員区分 報酬等の総額 (百万円) 報酬等の種類別の総額(百万円) 基本報酬 ストック・オプション 取締役(社外取締役を除く) 285 180 26 監査役(社外監査役を除く) 41 37 ― 社外役員 14 13 ― 賞与 退職慰労金 73 対象となる 役員の員数 (名) 4 7 ― 3 2 ― 1 3 化する迅速・的確な初動・復旧対応ができるよう、BCP (事 Pacific Industrial Co.,Ltd. PACIFIC REPORT 2015 12 マネジメント 研究・開発活動 CS Rマ ネ ジ メ ン ト 研究・開発活動への取り組み 当社グループは、社会から信頼され期待される健全な事業活動のために、CSRを経営の基礎と認識し、各国・各地域のあら 当社グループは、創業以来培ってきた固有・保有技術に TPMS送信機は、現在、日本・米国での生産を行ってい 磨きをかけるとともに、お客様のニーズや自動車業界に求 ますが、世界で拡がるTPMS装着の法規制化への対応と、 められる社会的課題に対応するため、専門メーカー・大 更なるシェア獲得をめざし、2016年からは中国での生産 学・研究機関など、産官学を含めた体制で、新材料・新工 も開始し、3拠点生産体制を整える予定です。 法の開発にスピード感を持って取り組んでいます。 また、トヨタ自動車の燃料電池自動車 (FCV) 「MIRAI」 に プレス製品においては、燃費向上につながる 「軽量化」 が は、水素タンク装着用に開発した当社のリリーフバルブが 重要課題の一つとなっており、近年は、従来の安全性を保 採用されており (※製品紹介にて詳細を記載) 、長年の経験 ったまま軽量化が可能となる超高張力鋼板(超ハイテン材) で培った技術をベースに研究開発を行い、新たな製品を生 が急速に普及しています。超ハイテン材はその硬さから、 み出しています。 加工には高度なプレス成型技術・型技術が必要とされるた 今後も、当社グループは、お客様に密着した開発を行う め、当社は研究を重ね、 「冷間プレス加工」 と 「ホットスタン とともに、将来を見据えた研究に取り組み、環境性・安全 プ工法」 による超ハイテン材の加工を可能にしました。それ 性・快適性を追求した製品の開発に取り組んでまいります。 ゆる事業活動を通じて、社会の持続的な発展に貢献できる 「真のグローカル企業」 をめざしています。経済・環境・社会との調 和を保ち、オープンで公正なコミュニケーションの充実を図るとともに、すべてのステークホルダーの皆様とWin-Win関係を 構築することが最も重要であると考えています。 CSR マネジメント CSR 推進体制図 CSR 会議 お CSR 活動全体の統括・推進機関 株主 客様 技術 取引先 人財 品質 地域 貢献 原価 ●内部統制 省エネ ●環境保全 ●情報開示 ●コーポレート・ ●リスク ガバナンス マネジメント コンプライアンス委員会 危機管理委員会 情報システム委員会 その他委員会 ●コンプライアンス (地 域 ) ーカル リスクマネジメント会議 環境 グロ 安全 様々なリスクや脅威の中 で、ステークホル ダ ー の皆様から信頼・期待 される企業であり続ける ために、コンプライアン スやリスクマネジメント 等をすべての事業活動 の根幹と位置づけてい ます。 社員 らに対応した新設備を国内外の生産拠点に順次導入してお 研 究 開 発 費 /売上高研究開発費率 り、グローバル生産体制を整えるとともに、今後は更なる ■ 研究開発費 ● 売上高研究開発費率 工法の深化を推進していきます。 CS R方 針 バルブ製品事業においては、創業製品のバルブコアは生 太平洋工業グループ 方針 C S R お客様 株主様 私たちは、 「お客様第一」の精神 のもと、お客様から信頼され、満 足していただける安全で高品質 な環境にやさしい製品やサービ スの提供に努めます。 私たちは、株主の皆様からの信 頼と期待に応えるため、双方向コ ミュニケーションを基本とし、常に 長期的視点に立ち、企業価値の 向上に努めます。 お取引先様 従業員 私たちは、お取引先様を尊重し、 対等・公平な立場で強固なパート ナーシップを築き、相互信頼に基 づく共存共栄をめざします。 私たちは、人間尊重を基本に、 心身ともに健康で安心して働ける 職場づくりと、従業員が働きがい と誇りを持ち、創造力・チャレンジ 精神を発揮できる環境・しくみづ くりを推進します。 グローカル (地域社会) 環境 私たちは、環境にやさしい製品・技術の開発を 強化するとともに、全ての工程において環境保 全と環境負荷削減に配慮したものづくりを推進 します。 社会 800 本を達成しています。2014年度は、ゴムの反発力を生か 600 0.6 して、タイヤリムにTPMS送信機を固定・密着させる 「スナ 400 0.4 ップインTPMS」 を開発し、従来品からの小型化・軽量化、 200 0.2 組み付け工数低減によるコストダウンを実現しました。 0 国内外の法令及び社会的規範を遵守し、文化 や慣習を尊重するとともに、国際社会への貢献 と、地域発展の推進に努めます。 2010 2011 2012 2013 0.8 0 2014(3月期) 社会貢献 私たちは、地域社会との密接な連携と協調を図 り、様々な社会貢献活動を積極的に実施し、 「良 き企業市民」としての役割を果たします。 製品紹介 ❺ この環境方針を内外に周知し、社員は地域社会の一員として、環境活動に取り組みます。 のリリーフバルブ (燃料電池自動車用リリーフバルブ) が して圧力を開放し、また設定圧力以下になると閉弁す ることで、システム内の圧力異常を防止する安全弁で ❶ 環境に優しい製品の提供、および環境負荷の低減に配慮した開発から生産・出荷までの生産活動等を通じて、社会に貢献するこ とをめざすとともに、グローカルに地域社会との共生を図ります。 ❹ 内部環境監査を定期的に実施し、環境マネジメントシステムの定着化と有効性の向上を図り、環境の継続的改善および汚染の予 防に努めます。 (FCV) 「MIRAI」 には、水素タンク装着用に開発した当社 採用されています。リリーフバルブとは、システム内の 地球環境保全に努め、 社会から期待される " 良い会社 " でありつづけます。 ❸ 法規制、地域条例、業界ガイドラインはもとより、当社の自主管理基準を定め遵守します。 トヨタ自 動 車 が 発 売 を 開 始し た 燃 料 電 池 自 動 車 流体圧力が設定圧力以上になった場合、自動的に開弁 す。燃料電池自動車用リリーフバルブは、その上流に 設けられた減圧弁の調圧不良等によって、減圧弁以降 ❷ 事業活動の諸条件を反映した環境目的・目標を設定し、省資源・省エネルギー・再生利用等により、 環境保全の向上に努めます。 13 905 1.0 TPMS (タイヤ空気圧監視システム) 送信機は、生産累計1億 環境理 念 ・ 方 針 環境方針 (%) 1,000 産累計150億本を超え、次世代バルブとして開発した 燃料電池自動車「MIRAI」に搭載された リリーフバルブ 環境理念 0.91 ( 百万円 ) の下流配管が異常高圧になった場合、バルブが開弁し 燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」 て水素ガスを放出し、システムを保護する役割を担っ ています。 燃料電池自動車用 リリーフバルブ Pacific Industrial Co.,Ltd. PACIFIC REPORT 2015 14 パフォーマンスハイライト (太平洋工業および連結子会社、4月1日〜3月31日までの1年間) 売 上 高 経 常 利益率 設備 投 資 額 (%) 8.7 10.0 8.0 ( 百万円 ) 15,390 18,000 15,000 12,000 6.0 会計年度 減価償却費 ( 百万円 ) 10,000 6,637 8,000 6,000 6,000 2.0 3,000 0 2011 2012 2013 2014 2015(3月期) 0 2011 2012 2013 133,694 ( 百万円 ) 150,000 ( 百万円 ) 75,459 90,000 120,000 90,000 60,000 30,000 2012 2013 2014 2015(3月期) 2,000 当期純利益 *1 1385.19 (円) 1,500 1,200 30 30,000 20 15,000 10 0 0 2012 2013 2014 2015(3月期) EPS( 1 株 当たり純 利 益 ) (円) 125.47 150 10.00 300 30 5.00 0 2011 2012 2013 2014 2015(3月期) ( 回転 ) 6.9 (%) 1.25 8.0 0.80 1.00 2011 2012 2013 2014 24.00 6.0 2.0 3.0 2012 2013 2014 2012 2013 2014 2015(3月期) 0 2011 2012 2013 2014 2015(3月期) 0 ¥99,952 903,562 5,500 6,962 62,941 3.9 6.1 4.6 5.2 6.0 6.9 ─ 3,595 5,281 4,147 5,372 7,062 8,691 78,566 4.6 6.2 5.2 6.4 7.7 8.7 ─ 2,498 2,969 3,297 2,807 4,587 6,714 60,698 3.2 3.5 4.1 3.4 5.0 6.7 ─ 12,042 11,520 14,205 13,657 123,459 6,855 7,820 11,168 15,390 128,069 減価償却費 *1 10,007 8,930 7,117 6,564 6,996 6,637 60,000 研究開発費 *1 684 735 603 647 735 905 8,185 会計年度末 百万円 2011 2012 2013 2014 千米ドル 2015 (3月期) 2015 (3月期) 総資産 ¥93,004 ¥81,934 ¥90,540 ¥96,976 ¥116,562 ¥133,694 1,112,548 純資産 38,797 39,126 42,396 50,969 60,648 75,459 627,936 38.9 44.6 44.1 49.6 49.5 55.5 ─ 百万円 2010 2011 2012 2013 2014 千米ドル 2015 (3月期) 2015 (3月期) 営業活動によるキャッシュ・フロー ¥17,850 ¥12,695 ¥7,041 ¥9,934 ¥10,689 ¥11,130 92,623 投資活動によるキャッシュ・フロー (5,028) (5,121) (6,997) (7,405) (10,749) (15,370) (127,908) 財務活動によるキャッシュ・フロー (4,562) (9,624) 3,050 (3,195) 5,515 (1,812) (15,080) フリー・キャッシュ・フロー 12,821 7,574 44 2,529 (60) 1株 当 た り デ ー タ (4,240) 円 2011 2012 2013 2014 ─ ドル 2015 (3月期) 2015 (3月期) 純資産 (BPS) ¥677.64 ¥684.01 ¥748.15 ¥900.89 ¥1,079.42 ¥1385.19 11.52 純利益 (EPS) 46.74 55.54 61.68 52.57 85.80 125.47 1.04 7.00 10.00 10.00 11.00 16.00 24.00 0.19 2011 2012 2010 10.2 2012 2013 2014 2015(3月期) 2014 2015 (3月期) 0.88 0.97 0.92 0.89 0.86 0.80 4.0 6.0 4.8 5.7 6.6 6.9 ROE(自己資本当期純利益率)(%)*2 7.3 8.2 8.6 6.4 8.7 10.2 ES G デ ー タ 2010 2011 2012 2013 2014 2015 (3月期) CO2 排出量 (kt)*3 23 24 24 26 26 27 廃棄物排出量 (t)*3 389 376 361 339 429 335 VOC 排出量 (t)*3 320 250 165 175 156 151 育児休業取得者数 *3 2011 2013 ROA(総資産経常利益率)(%)*2 休業災害度数率 *3 2011 ¥91,976 4,340 5,065 2015(3月期) 0.50 0 ¥83,700 3,699 主要経営指標 2011 0.75 0.25 ¥79,579 5,151 13,862 配当金 (%) 4.0 ¥84,631 3,073 2010 12.0 9.0 千米ドル 2015 (3月期) 2015 (3月期) 4,329 2015(3月期) ROE(自己資本当期純利益率) 6.0 2014 キャッシュ・フロー 0 ROA( 総 資 産 経 常 利 益 率 ) 2013 13,933 総資産回転率 ( 回転 ) 総資産回転率 2012 設備投資額 *1 20.00 60 2015(3月期) 55.5 EBITDA*2 自己資本比率 25.00 600 2014 2015(3月期) 2011 ¥78,202 2010 (円) 15.00 2013 2014 1 株 当たり配 当 金 90 2012 2013 50 900 2011 2012 (%) 45,000 120 0 2011 60 40 B P S( 1 株 当たり純資産) 売上高当期純利益率 (%) 0 60,000 2011 売上高営業利益率 (%) 売上高経常利益率 (%) 自己 資 本 比 率 75,000 2011 2015(3月期) 営業利益 *1 4,000 純資 産 総資産 0 2014 売上高 *1 経常利益 *1 9,000 4.0 百万円 2010 従業員数 7 8 10 9 10 8 0.29 0 0 0.53 0.51 0.51 3,067 3,125 2,944 3,128 3,264 3,418 注記: *1 米ドル建表示金額は、2015年3月31日現在の為替レートである1米ドル=120.17円を用いて、円貨額を換算したものです。 但し、*1のついたものについては、期中平均レートである1米ドル=110.62円を用いて換算しています。 *2 各種指標の計算方法 EBITDA = 税金等調整前当期純利益+支払利息+減価償却費 ROA = 経常利益÷ (前期末総資産+当期末総資産) ÷2 ROE = 当期純利益÷ (前期末自己資本+当期末自己資本) ÷2 *3 CO2、廃棄物、VOCの排出数値、育児休業取得者数、休業災害度数率は国内拠点のみ (関連会社含まず) を対象としています。 15 Pacific Industrial Co.,Ltd. PACIFIC REPORT 2015 16 連結財務諸表(要約) 連結貸 借 対 照 表 百万円 千米ドル 百万円 2014(3月期) 2015(3月期) 2015(3月期) 資産の部 流動資産 現金及び預金 受取手形及び売掛金 商品及び製品 18,924 13,811 114,933 13,108 15,104 125,694 2,724 3,147 26,188 仕掛品 1,956 2,084 17,345 原材料及び貯蔵品 1,776 2,025 16,852 繰延税金資産 1,001 1,041 8,668 未収入金 その他 貸倒引当金 流動資産合計 1,844 1,874 15,601 394 324 2,701 △ 27 △ 31 △ 262 41,702 39,382 327,720 91,976 99,952 903,562 流動負債 78,989 85,129 769,563 売上総利益 12,986 14,822 133,999 支払手形及び買掛金 9,423 6,553 54,532 - 6,281 52,269 短期借入金 3,754 3,698 30,780 1 年内返済予定の長期借入金 4,304 2,990 24,884 未払金 7,063 4,154 34,574 未払費用 1,148 1,233 10,263 未払法人税等 1,375 951 7,915 未払消費税等 35 165 1,376 その他 電子記録債務 賞与引当金 1,433 1,487 12,379 73 73 615 設備関係支払手形 329 37 311 その他 548 1,186 9,872 29,491 28,813 239,772 6,000 6,000 49,929 12,064 13,237 110,155 6,503 8,661 72,079 役員賞与引当金 流動負債合計 16,667 138,696 繰延税金負債 機械装置及び運搬具 16,121 21,398 178,072 役員退職慰労引当金 226 233 1,944 工具、器具及び備品 3,397 4,329 36,028 退職給付に係る負債 241 201 1,676 入会保証金 134 133 1,111 1,251 954 7,946 固定負債合計 26,422 29,422 244,840 負債合計 55,914 58,235 484,612 リース資産 建設仮勘定 有形固定資産合計 無形固定資産 47,269 615 486 4,048 6,075 8,053 67,018 46,987 56,615 471,131 709 1,002 8,341 投資その他の資産 投資有価証券 長期貸付金 繰延税金資産 6,339 △ 12 △ 12 △ 103 投資その他の資産合計 27,163 36,694 305,357 固定資産合計 74,860 94,312 784,828 貸倒引当金 資産合計 116,562 133,694 1,112,548 359 489 4,425 持分法による投資利益 590 577 5,216 為替差益 646 601 5,435 359 302 2,738 2,007 2,005 18,128 支払利息 249 196 1,775 その他 196 80 728 営業外収益合計 営業外費用 営業外費用合計 445 276 2,503 7,062 8,691 78,567 固定資産売却益 3 0 7 特別利益合計 3 0 7 固定資産除売却損 85 62 561 投資有価証券評価損 20 143 1,294 経常利益 特別損失 減損損失 - 1,663 15,034 106 1,868 16,889 税金等調整前当期純利益 6,959 6,823 61,684 法人税、住民税及び事業税 2,382 2,098 18,969 28 △ 141 △ 1,281 特別損失合計 法人税等調整額 17,688 4,866 43,996 △ 38 △ 1,847 △ 16,702 4,587 6,714 60,698 資本金 4,320 4,320 35,953 資本剰余金 4,587 4,597 38,262 利益剰余金 37,846 43,878 365,139 △ 334 △ 318 △ 2,652 46,419 52,478 436,701 その他の包括利益累計額 761 受取配当金 1,956 株主資本合計 893 その他 314 4,548 1,072 40,742 34 受取利息 2,410 128 4,895 51 営業外収益 少数株主損益調整前当期純利益 16 2,684 71,058 62,941 法人税等合計 255,771 1,536 7,860 6,962 株主資本 30,735 184 7,486 5,500 純資産の部 23,449 132 退職給付に係る資産 その他 販売費及び一般管理費 営業利益 特別利益 13,969 5,680 千米ドル 2015(3月期) 売上原価 長期借入金 6,807 百万円 2015(3月期) 売上高 建物及び構築物 土地 2014(3月期) 負債の部 転換社債型新株予約権付社債 有形固定資産 連結損益計算書 2014(3月期) 2015(3月期) 2015(3月期) 固定負債 固定資産 17 千米ドル 自己株式 9,891 14,786 123,050 為替換算調整勘定 1,321 5,693 47,379 退職給付に係る調整累計額 84 1,183 9,846 その他の包括利益累計額合計 11,297 21,663 180,275 145 168 1,400 2,785 1,148 9,560 60,648 75,459 627,936 少数株主持分 純資産合計 負債純資産合計 当期純利益 連結包括利益計算書 2014(3月期) 少数株主損益調整前当期純利益 百万円 千米ドル 2015(3月期) 2015(3月期) 4,548 4,866 43,996 その他有価証券評価差額金 1,419 4,968 41,348 為替換算調整勘定 3,987 4,239 35,282 - 1,099 9,147 その他の包括利益 その他有価証券評価差額金 新株予約権 少数株主損失(△) 116,562 133,694 1,112,548 退職給付に係る調整額 持分法適用会社に対する持分相当額 その他の包括利益合計 包括利益 230 150 1,254 5,637 10,458 87,031 10,186 15,325 131,027 10,180 17,080 146,898 6 △ 1,755 △ 15,871 (内訳) 親会社株主に係る包括利益 少数株主に係る包括利益 Pacific Industrial Co.,Ltd. PACIFIC REPORT 2015 18 総務部 〒503-8603 岐阜県大垣市久徳町100番地 TEL. 0584-93-0113 FAX. 0584-92-1804 E-mail: [email protected] www.pacific-ind.co.jp 会社概要 社名 : 所在地 [ 本社 ]: 設立 : 代表者 : 資本金 : 従業員数 : 事業内容 : 株式上場 : 証券コード : 株式の状況 太平洋工業株式会社 岐阜県大垣市久徳町100番地 TEL 0584-91-1111(大代表) 1930年8月8日 代表取締役社長 小川 信也 43億2,000万円 1,660人(連結:3,418人) 自動車部品、電子機器製品等の製造ならびに販売 東京証券取引所・名古屋証券取引所市場第一部上場 7250 本 太平洋産業株式会社 太平洋開発株式会社 太養興産株式会社 PEC ホールディングス株式会社 国 Pacific Industries USA Inc. Pacific Manufacturing Ohio, Inc. 湾 太平洋汽門工業股份有限公司 韓 国 太平洋バルブ工業株式会社 イ Pacific Industries(Thailand)Co., Ltd. 中 国 太平洋工業(中国)投資有限公司 4,638名 持株数(千株) 2,679 4.96 株式会社大垣共立銀行 2,671 4.95 株式会社十六銀行 2,619 4.85 日本生命保険相互会社 2,359 4.37 第一生命保険株式会社 2,349 4.35 PECホールディングス株式会社 1,987 3.68 CBNY-GOVERNMENT OF NORWAY 1,949 3.61 岐建株式会社 1,891 3.50 太平洋工業取引先持株会 1,795 3.33 太平洋工業社員持株会 1,544 2.86 所有者別分布状況 証券会社 自己株式 1.3% 1.2% 天津太平洋汽車部件有限公司 個人・その他 金融機関 28.8% 長沙太平洋半谷汽車部件有限公司 38.0% 太平洋汽車部件科技(常熟)有限公司 ベルギー 持株比率(%) 株式会社三菱東京UFJ銀行 ております。 太平洋エアコントロール工業株式会社 タ 株主数 (注)持株比率は自己株式(672,508株)を控除し、小数点以下第3位を四捨五入し Pacific Manufacturing Tennessee, Inc. 台 54,646,347株 株主名 ピーアイシステム株式会社 米 90,000,000株 発行済株式の総数 大株主 グループ会社 日 発行可能株式総数 Pacific Industries Europe NV/SA 外国法人 その他国内法人 17.0% 株価 13.7% 日経 225 太平洋工業 株価 (円) (円) 1,200 24,000 900 18,000 600 12,000 300 6,000 0 0 売買高 (千株) 6,000 4,000 2,000 0 ’10/06 ’11/01 ’12/01 ’13/01 ’14/01 ’15/01 ’15/06
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