はなみずきだよりNo.8

はなみずきだより
No.8
武蔵野市立第四小学校
校長 河村 祐好
はなみずき学級
平成27年2月2日(月)
安心できる関係を
1
渡邉 悟司
.
私がはなみずき学級に赴任し、間もなく一年が経とうとしています。これまで多くの経験を積んだ中
で、私が大事にしてきたことがあります。それは、私が子供たちにとって「一緒にいて安心できる存在」
になることです。
はなみずき学級では、担当の子供との関係づくりを何より重視します。それは、子供との信頼関係が
築けていなければ効果的な指導を行うことができないからです。学習のつまずきに合わせた魅力的な教
材を用意する、一緒に身体を動かして遊ぶ中で関係をつくるなど教員によって関係づくりの方法は様々
です。
その中で私は、笑顔で子供と接すること、できる限り叱らないで指導をするということを心掛けてき
ました。例えば、子供が冗談を言ったり面白い行動をしたりした時、一緒に笑う。注意をするときには
「△△はしてはいけない。
」ではなく「○○ができるとかっこいいんだけどな。」などの肯定的な言葉掛
けをする。指導が必要な場面ではなぜ指導をされるようなことをしてしまったか、どういう気持ちなの
かなどを伝えることができた時にはそれを称賛してから指導を行うようにするといったことです。教員
として当たり前のことですが、それを重視して指導することで、子供から話しかけてくる頻度も上がり、
指導を聞き入れて行動できることも増えてきました。
一緒にいて安心できる関係づくりができれば、子供の心に余裕が生まれ、その子のもつ力をさらに引
き出すことができると私は考えます。子供の力を引き出しながら「できなかったこと」を「できること」
に変えていき、子供たちが笑顔で過ごせる時間が尐しでも長くなるよう支えてまいります。
2月の予定
月
2日
火
3日
水
4日
木
5日
6日
担任連絡会終了
担任連絡会(1/26~)
9日
金
10日
11日
12日
13日
建国記念の日
16日
17日
18日
19日
20日
23日
24日
25日
26日
27日
保護者面談
3月20日まで
※
今年度の通級は3月17日(火)で終了します。
朝・帰りの会、給食
朝の会では、
「ぼくの、わたしの冬休み」をテーマにスピーチをしました。嬉しそうに手を挙げ
る顔ぶれのほとんどが1・2年生で、帰省した時のことを話しました。遊んだ相手の年齢の話、ゲ
ーム三昧の内容、連れて行ってもらった百貨店の内装。そのユニークな話題に大人は目が点にな
り、子供は身を乗り出して聴いていました。さて、給食では中学年が大活躍。子供同士で席を固め
てさっさと完食して、なぞなぞやアニメの話に夢中でした。
身体感覚の課題
火曜日
水曜日
縄跳びに取り組んでいます。縄を跳ぶた
今月から始めたラダー運動では、つま先
めには、縄を回す動きに合わせて跳躍をす
立ちで走ったり、両足でステップを踏んだ
るという、上半身の動きと下半身を連動さ
りと、思った以上に上手な動きをしていま
せることが必要です。身体をスムーズに連
した。ただし、短縄を持った途端にベタ足
動できるようになることで、自分の身体を
着地になって、脚と腕のリズムがバラバラ
イメージ通りに動かすことにつながって
になります。また、50センチ径のバラン
いきます。
スボールを使った蹴る動作では、しっかり
現在は、空中で手を叩くことやジャンプ
加重して真っ直ぐ飛ばす者と、蹴る度に左
しながらじゃんけんをすることなどに取
右に行ってしまう者とに分かれています。
り組み、縄跳びが苦手な子供でも楽しめる
2月中旬にはPKゲームができるよう、身
ように工夫しています。
体感覚を養います。
木曜日
金曜日
一定の制限がある動きに対して、身体の
動きを調整させる活動として「ラダー」に
挑戦し始めました。
基本姿勢は、つま先立ちです。
まずは、等間隔に歩く練習です。B・C
君は、最初は綱渡りのようにバランスを取
りました。大人と手をつないだり、掛け声
を掛けてもらったりしながら繰り返し取
り組みました。
慣れて来た頃、次は手拍子に合わせて走
りました。テンポよく身体を動かせるよう
になり、目に見えて上達しています。
一定の制限(姿勢、歩幅、テンポ)に合
わせて、滑らかに動かせるようになってき
ました。
長縄跳びに取り組んでいます。勢いよく
回転する縄を、目で見て反応する必要があ
ります。まずは、跳ばずに走り抜ける練習
に取り組みました。回転する縄を目で追う
ことが苦手で、怖がっていたAさん。縄に
入るタイミングで背中を押してもらうと、
縄に当たらずに走り抜けることができま
した。一度成功できたことで、次からは自
分でタイミングをと
ることができました。
関係性の課題
火曜日 「たたいてかぶってジャンケンポン」を課題活動の一つとして取り組んでいます。ジ
ャンケンに勝ったら相手をハンマーで叩き、負けたらヘルメットでガードするというルールで
す。安全面を考慮し、ハンマーはスポンジ製の物を使用しています。
最初、勝敗のある活動になると「勝ち」にこだわって活動そのものを楽しめなかったり、負
けることが嫌で活動に参加することを拒んだりする子もいました。D君には、まずは審判の役
割を与えることで、勝ち負けのある活動の楽しさを実感させました。すると、プレイヤーとし
ても参加でき、優勝しました。力の加減も徐々にできつつあります。
勝ったり負けたりする活動を、
「楽しい」と思う感情とともに経験を重ねていきます。
水曜日 「水道管ゲーム」というカードゲームをしています。これは、ハンドルから蛇口まで
の間を、決められた枚数の「管カード」でつなぎ、一本の「水道管」を完成させるものです。
水漏れした管カードは、修理をしなければ先へは進めません。相手が先に進めないようにする
か、自分のカードを先につなげるか、全体の状況を判断した駆け引きのある活動です。
1年生と上学年がペアになってゲームをしました。すると、2年生のEさんは、1年生のF
さんにルールや作戦を教えてあげていました。自分のことばかりではなく、1年生にもゲーム
を楽しんでほしいという気持ちが行動に表れていました。
水漏れカードを相手に出されてしまったGさん。以前なら途中でゲームを止めていたかもし
れません。しかし、今では、
「悔しい。」と呟きながらも、次の手を考え、楽しく継続すること
ができています。
木曜日
今月は、学校行事が重なって、尐し寂しい活動でした。それでも、一人一人はやる気
満々です。ソフトバレーボールを使ったキックベースでは、壁直撃のホームランが飛び交いま
す。ただし、大人の声が無いと、走塁では逆走や中抜けや追越しのオンパレードです。手本の
中学年は呆れるばかりですが、当人たちは真剣そのものです。来月は、
体育館で思いっきりできる姿を想像している大人たちです。
金曜日 授業開始になってもつい立の向こうに 1 人でいたF君。何かあったようです。この日
H君を「王様しっぽ取り」の王様に指名しました。チームの友達から「おいで。
」と声を掛けら
れると、H君は元気のない顔で王様の用意を始めました。しっぽを取られないようにチームの
皆に守られて活動をしているうちに、H君は次第に笑顔になっていきました。H君を指名した
時、誰も不満を漏らしませんでした。恐らく子供たちは、H君の様子を見て
H君に華をもたせた方がいいと判断したのでしょう。互いを思いやる気持ち
が育ってきたな、と成長を感じた場面でした。
支援教材紹介
子供たちの文房具。よく見ると様々な種類があります。例えば消しゴム。今は弱い力でよく
消える物や、強い力でも折れにくい物があります。鉛筆も正しい持ち方が身に付くように工夫
された尐し太めの三角えんぴつや、溝が掘られた物もあります。定規も数字や目盛りのコント
ラストがはっきりしている物、mm の目盛りの長さが尐しずつ長くなっていたり色がついてい
たりするので数えやすい物、真ん中に滑り止め素材がついていて指を添えると定規が紙に固定
され線が引きやすくなる物などがあります。コンパスも回しやすい工夫がされている物があり
ます。
手先の巧緻性が弱い子や見え方に特徴のある子にとっては、
「その子にとって扱いやすい文房具」を使うことが学習意欲を
支えることになります。吉祥寺にある大型の生活雑貨店や手芸
雑貨店では、様々な種類の文具を扱っています。
「その子に合っ
た文房具」を探してみませんか?
教育インターンシップ生として今年度
の5月から1月まではなみずき学級で、
子供たちと一緒に活動してきました。約
1年間はなみずき学級で過ごし、多くの
不安がありましたが、元気いっぱいに遊
ぶ笑顔の子供たちに癒され、楽しく子供
たちと一緒に学習することができまし
た。1学期にはできなかったことが今で
はできるようになるなど、子供たちの成
長を身近で感じることができうれしく思
います。ここで学んだことを将来に生か
していけるようこれからも勉学
に励んでいきます。1年間あり
がとうございました。
5月から1年間、毎週水曜日にイン
ターンシップ生として、はなみずき学
級にお世話になりました。初めはどの
ように子供に接し、どのような指導を
していくべきか分からず、何もできず
に1日が終わってしまうこともありま
した。しかし、先生方のご指導の下、
子供に寄り添いながら、多くのことを
学びました。毎回驚きと発見があり、
また子供の成長を感じる時もあり、今
は別れがとても悲しいです。この1年
間、本当に貴重な経験をさせていただ
きました。丁寧なご指導をしてくだ
さった先生方、インターンシップをご
理解していただいた保護者の方、そし
て笑顔で受け入れてくれた子供たち、
皆様に感謝申し上げます。本当にあり
がとうございました。
保護者学習会のお知らせ
今年度2回目の保護者学習会は、以前第四小学校のスクールカウンセラーとしてお勤めに
なり、現在司馬クリニックの心理士である宮崎真名子さんをお迎えし、
「関係機関との関わり
方」という題目のもと、医療的・教育的な観点から講義・演習をしていただく予定です。多
くの方のご参加を心よりお待ちしております。
3月10日(火)午後2時~ プレイルームにて
※会場の都合により、参加される方をお子様が市内通級指導学級を利用している方に限らせ
ていただきます。ご了承ください。