所得税・住民税の節税効果があるそうですが。

〇 青色申告
〇 青色申告をするために
す。主な特典は次の通りです。
る年の 3 月 15 日までに青色申告承認申請書を提出する必
青色申告を選択すると、税務上各種の特典が受けられま
●青色事業専従者給与の必要経費計上
次の要件を満たす場合に認められます。
●不動産賃貸事業者と生計を一にする親族で年齢が
15 歳以上の人に払った給与
●賃貸事業に 6 カ月以上専従していること
青色申告をするには税務署の承認が必要です。承認を得
要があります。ただしその年の 1 月 16 日以降、新規に開
業した人の場合には、開業から 2 カ月以内に税務署に提
出する必要があります。
〇 建物等の減価償却
建物等が年々老朽化して価値が減少するのを経費化して
●青色専従者給与に関する届出書を税務署に出してい
いくことを減価償却といいます。賃貸住宅の減価償却費の
●給与が仕事内容に見合った金額であること
ート造、木造などの主要構造部の仕様により賃貸住宅の耐
ること
※配偶者が専従者になった場合には、配偶者控除は受けら
れません。
●青色申告特別控除 所得金額から最高 65 万円か、10 万円が控除されます。
● 65 万円が控除できる場合
計算は、定額法によることとされています。鉄筋コンクリ
用年数が決められています。この耐用年数に基づいた償却
率が決められていますので、これを用いて計算します。
なお、建物の付属設備は、建物本体とは別に償却額を計
不動産貸付事業が貸家で 5 棟、貸室で 10 室以上などの
算することになっています。この場合、定額法のほか定率
●正規の簿記の原則によって記帳していること
付属設備を取得し利用を始めた年に税務署へ「所得税の減
事業規模であること
●貸借対照表を損益計算書とともに確定申告書に添付し
て提出すること
● 10 万円が控除できる場合
65 万円控除の要件に該当しない人が対象です。
●そのほかの利点
青色申告をしていると、不動産所得で赤字の金額がある
場合で、損益通算をしても、なお控除しきれない赤字(純
損失の金額)が残る場合には、その赤字を翌年以後 3 年
間にわたって繰り越して、各年分の所得金額と合算するこ
とができます。なお、前年も黒字で青色申告をしている場
合は、赤字を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得
税を還付することも可能です。
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法を選択することができます。
定率法を選択するときには、
価償却資産の償却方法の届出書」を提出する必要がありま
す。
保有時の税金
〇 損益通算
〇 事業用資産の買換え特例
他の所得と合算して課税所得を求めることになります。こ
資産を譲渡した後、一定期間内に特定の資産を取得して事
でも不動産所得の赤字が 300 万円の場合には、課税され
という特例です。不動産賃貸業に供している不動産でも利
不動産所得を計算して赤字になった場合、一定の順序で、
れを損益通算といいます。たとえば給与所得が 600 万円
る所得金額は差し引き 300 万円となるわけです。ただし
土地の借入金利子については、不動産所得の必要経費で、
不動産所得が赤字になったとしても、土地の借入金利子で
赤字になった金額は損益通算ができません。
〇 賃貸不動産など事業用の不動産の譲渡
賃貸不動産を譲渡して譲渡益が出れば、譲渡所得税等が
課税されます。譲渡所得の求め方は次の通りです。
計算式:譲渡所得 = 売却代金 (取得費+譲渡費用)
取得費と譲渡費用の内訳は、建物の減価償却相当額の計
算を除き、居住用不動産と同じです。譲渡所得の計算方法
事業用資産の買換え特例は、個人・法人が特定の事業用
業の用に供したときは一定の金額について課税を繰延べる
用できます。
この特例は次のすべての要件を満たす場合に限って適用
されます。
●譲渡資産と買換資産は特定の組み合わせ関係にある資
産であること
●譲渡資産は棚卸資産(棚卸資産に準ずる資産を含む)
である土地建物等ではないこと
●譲渡資産は事業の用に供している土地建物等であるこ
と(ただし、法人については事業用であるかどうかの
要件は不要です)
●譲渡資産は、収用等による譲渡・贈与・交換・現物出
資・代物弁済により譲渡したものではないこと
●買換資産は、譲渡資産を譲渡した年の前年中(原則)
、
その譲渡した年中又は税務署長の承認を受けたその譲
渡した年の翌年中(原則)に取得したものであること
の箇所をご覧ください。建物等の減価償却は、通常の減価
●買換資産は贈与・交換・代物弁済により取得したもの
は減価償却された帳簿価額が参考になります。
●買換資産が土地等である場合には、買換資産とするこ
償却による計算で求めます。賃貸住宅や付属設備について
適用される税率は、保有期間の長短によって異なります。
これも居住用不動産を譲渡した場合とかわりません。なお、
当然ながら居住用不動産で利用できた各種の特例は利用で
きません。
でないこと
とができる土地等の面積は譲渡資産である土地等の面
積の5倍(原則)までに限られること
●買換資産は、その取得の日から 1 年以内に事業の用
に供すること
事業用資産の買換え特例には、優遇される買換えのパ
ターンが決まっています。このうち最も利用しやすいのは
9 号買い換えです。国内の不動産なら国内のどの区域の不
動産でも買換えができます。
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