設問 次の【問題 1】から【問題 40】に対する適切な答えを一つ選びなさい。 【問題1】 頭頸部の構造について誤っているのはどれか。 1.顎関節は、下顎骨の関節突起が側頭骨の下顎窩との関節結合により形成される。 2.ヒトの乳歯は、中切歯、側切歯、犬歯、臼歯で、全部揃うと 22 本になる。 3.舌を形成している筋肉は、横紋筋である。 4.味蕾は舌に最も多いが、軟口蓋、咽頭にも分布する。 【問題2】 口腔の構造と機能について誤っているのはどれか。 1.口腔前庭とは、口唇・頬と歯列の間の狭い間隙のことである。 2.口腔感覚は、口唇側の方が咽頭側よりも感度が高い。 3.口腔底には、耳下腺と舌下腺が開口する。 4.内舌筋は、舌の形状を変化させる機能を持つ。 【問題3】 咽頭の構造について正しいのはどれか。 a. 咽頭は、上方は頭蓋底、下方は輪状軟骨の位置までの筒状の空間である。 b. 咽頭は、上咽頭と下咽頭に 2 分される。 c. 上咽頭は、左右両側壁の耳管咽頭口から内耳につながっている。 d. 下咽頭は、喉頭を介して気管につながっている。 1.a, b 2.a, d 3.b, c 【問題4】 喉頭の構造について誤っているのはどれか。 1.喉頭蓋は、嚥下時に喉頭口を塞ぐ蓋となる。 2.舌骨と喉頭は、甲状舌骨筋によって結ばれている。 3.輪状軟骨の下方に、甲状軟骨が位置している。 4.喉頭蓋と舌根部の楔状の間隙を、喉頭蓋谷という。 2 4.c, d 【問題5】 食道の構造と機能について誤っているのはどれか。 1.食道は、気管の後方に位置している。 2.成人の食道の長さは、食道起始部から胃噴門部まで 25~30 ㎝程度である。 3.嚥下時の下部食道括約筋の弛緩は、迷走神経反射によって起こる。 4.食道には、2 カ所の生理的狭窄部位がある。 【問題6】 嚥下の 5 期モデルの説明について誤っているのはどれか。 1.先行期は、食物を認識して食べ方を判断し、口元まで運ぶ段階である。 2.口腔期は、口へ取り込んだ食物を咀嚼し食塊を形成する段階である。 3.咽頭期は、食塊が咽頭を通過し食道に送られる段階である。 4.食道期は、食塊を食道に流入させ、蠕動運動により胃に運ぶ段階である。 【問題7】 唾液について誤っているのはどれか。 1.唾液中のアミラーゼは、タンパク質の消化を助ける。 2.唾液腺の中で最も分泌量が多いのは、顎下腺である。 3.唾液中のラクトフェリンは、抗菌作用を有する。 4.唾液中のムチン糖タンパクは、口腔の表面に潤滑膜をつくり口腔内組織を保湿する。 【問題8】 咀嚼について誤っているのはどれか。 1.咀嚼は、脳幹の咀嚼中枢によって行われる半自動運動である。 2.咀嚼によって、唾液分泌が促進される。 3.偏咀嚼では、咀嚼側の歯列が不潔になりやすい。 4.咀嚼によって、食物の栄養吸収が促進される。 3 【問題9】 摂食嚥下のプロセスにおける口腔器官の働きについて誤っているのはどれか。 1.捕食時には、口唇や舌の感覚受容器で食物の物性を感知する。 2.咀嚼時には、舌と頬筋が協力して食物を咬合面に保持する。 3.咀嚼中の舌の主な動きは、上下運動である。 4.舌が前方から後方へ口蓋に舌背を押し当てて、食塊を咽頭に送り込む。 【問題 10】 嚥下反射に関連した運動について誤っているのはどれか。 1.反射運動が開始した後は、随意的に制御することはできない。 2.軟口蓋が咽頭後壁と接触し、鼻咽腔を閉鎖する。 3.舌骨が挙上し、喉頭が引き下げられる。 4.輪状咽頭筋が弛緩し、食塊が食道へ送られる。 【問題 11】 損傷すると末梢性運動麻痺が生じる脳部位はどれか。 1.中心後回 2.脳神経核 3.内包 4.帯状回 【問題 12】 運動神経の経路中、錐体交叉が存在する部位はどれか。 1.中脳 2.橋 3.延髄 4.脊髄 4 【問題 13】 一般体性感覚の中枢が存在する脳葉はどれか。 1.後頭葉 2.側頭葉 3.頭頂葉 4.前頭葉 【問題 14】 意識水準を覚醒状態に保つ中枢はどれか。 1.大脳基底核 2.大脳辺縁系 3.小脳 4.脳幹網様体 【問題 15】 損傷すると声帯麻痺を引き起こす脳神経はどれか。 1.外転神経 2.三叉神経 3.迷走神経 4.副神経 【問題 16】 唾液分泌に関与する脳神経はどれか。 1.動眼神経 2.顔面神経 3.三叉神経 4.舌下神経 5 【問題 17】 乳幼児の正常発達の原則について誤っているのはどれか。 a. 基本的な運動発達は、脚部から上方へ向かう。 b. 脳神経系は、乳幼児期までの間に急速に発達する。 c. 粗大運動は、微細な運動よりも先に発達する。 d. 言語の獲得は、抽象的概念の獲得後に始まる。 1.a, b 2.a, d 3.b, c 4.c, d 【問題 18】 乳児が成人に比べて脱水になりやすい理由はどれか。 1.尿細管での水の再吸収能力が低い。 2.体重あたりの基礎代謝量が少ない。 3.体重に占める体水分量の割合が低い。 4.体液における細胞内液の割合が高い。 【問題 19】 乳児の気道の解剖学的特徴について正しいのはどれか。 1.鼻腔の間隙が広い。 2.気道の直径が小さい。 3.喉頭蓋の位置が低い。 4.口腔内での舌の割合が小さい。 【問題 20】 気管支の構造・機能について正しいのはどれか。 1.右気管支は、左気管支よりも分岐角度が小さい。 2.左気管支は、3 本の葉気管支に分かれる。 3.右気管支は、左気管支よりも細くて長い。 4.気管支は、迷走神経刺激で拡張する。 6 【問題 21】 呼吸について誤っているのはどれか。 1.吸気時には、外肋間筋と横隔膜筋とが収縮する。 2.呼吸中枢は、延髄に存在する。 3.呼吸の中枢化学受容体は、主に動脈血酸素分圧に反応する。 4.肺胞における拡散能は、炭酸ガスの方が酸素より高い。 【問題 22】 脱水について誤っているのはどれか。 1.水欠乏型脱水では、細胞外から細胞内へ水が移動する。 2.Na 欠乏型脱水は、低張性または等張性の脱水である。 3.水欠乏型脱水よりも Na 欠乏型脱水の方が、循環血漿量の減少が著しい。 4.脱水では尿細管での Na+ 再吸収が亢進し、尿中 Na+が低下する。 【問題 23】 次のうち、正しいのはどれか。 1.タンパク質は、1 g あたり 9 kcal のエネルギー源となる。 2.赤血球は、ブドウ糖のみをエネルギー源として利用する。 3.体内で糖質がエネルギーに変わるときには、ビタミン C が必要である。 4.必須脂肪酸は、酵素やホルモン、神経伝達物質の材料になる。 【問題 24】 次のうち、誤っているのはどれか。 1.葉酸とビタミン B12 は、ともに赤血球の形成に関わっている。 2.ビタミン A の欠乏は、皮膚や粘膜の脆弱化や視力低下の原因となる。 3.ビタミン D の過剰摂取は、骨からカルシウムを遊離させる。 4.ビタミン E は、体内に貯蔵されない。 7 【問題 25】 脳部位と機能障害の組み合わせで、適切でないのはどれか。 1.前頭葉 ―――――― 遂行機能障害 2.側頭葉 ―――――― 記憶障害 3.大脳基底核 ―――― 感覚障害 4.小脳 ――――――― 運動失調 【問題 26】 くも膜下出血に伴う変化として適切でないのはどれか。 1.血性の脳脊髄液 2.頭蓋内圧亢進 3.心房細動 4.脳血管攣縮 【問題 27】 脳幹出血の症状として適切でないのはどれか。 1.眼球運動麻痺 2.瞳孔異常 3.観念失行 4.呼吸障害 【問題 28】 ワレンベルグ症候群の病変部位はどれか。 1.大脳皮質下 2.橋上部 3.延髄外側 4.脊髄後索 8 【問題 29】 半側空間無視の原因病巣はどれか。 1.後頭葉 2.側頭葉 3.頭頂葉 4.前頭葉 【問題 30】 ブローカ失語について正しいのはどれか。 a. 責任病巣は、前頭葉にある。 b. 聴力は正常だが、話し言葉が理解できない。 c. 舌の運動麻痺のため、発音が不明瞭である。 d. その事物が何かわかっているが、喚語できない。 1.a, b 2.a, d 3.b, c 4.c, d 【問題 31】 パーキンソン病の 4 大徴候として適切でないのはどれか。 1.安静時振戦 2.無動・寡動 3.姿勢反射障害 4.痙縮 【問題 32】 筋萎縮性側索硬化症の病態として正しいのはどれか。 1.運動神経細胞の脱落 2.大脳基底核の変性 3.骨格筋の神経筋接合部での伝達阻害 4.中枢神経系の脱髄 9 【問題 33】 舌癌により舌半側切除術を行った場合に、予測される摂食嚥下障害として 適切でないのはどれか。 1.嚥下反射の惹起性低下 2.嚥下圧形成不全 3.鼻咽腔閉鎖不全 4.早期咽頭流入 【問題 34】 慢性閉塞性肺疾患における酸素療法の目的として、誤っているのはどれか。 1.肺性心の進行予防 2.CO2ナルコーシスの予防 3.エネルギー消費量の低下 4.運動耐容能の改善 【問題 35】 統合失調症で服薬治療中、手指の振戦と流涎が目立つようになった。 この症状を指すのはどれか。 1.パーキンソニズム 2.遅発性ジスキネジア 3.アカシジア 4.ジストニア 【問題 36】 ダウン症候群の特徴はどれか。 a. 筋緊張の亢進がある。 b. 口腔容積が大きい。 c. 歯の萌出が遅延する。 d. 心臓などに合併症を持つことが多い。 1.a, b 2.a, d 3.b, c 10 4.c, d 【問題 37】 脳性麻痺児の特徴について誤っているのはどれか。 1.脳の進行性病変による障害である。 2.運動と姿勢の発達異常である。 3.筋緊張の異常を伴う。 4.二次的に骨格の変形が生じる。 【問題 38】 咳嗽反射の感受性が低下するのはどの場合か。 1.ACE 阻害剤の服用 2.ドーパミン分泌の亢進 3.サブスタンス P の減少 4.カプサイシンの摂取 【問題 39】 薬剤とその副作用の組み合わせで正しいのはどれか。 a. トリヘキシフェニジル塩酸塩(抗コリン剤)――― 唾液過多 b. シクロフォスファミド(抗悪性腫瘍剤)――――― 消化機能亢進 c. ベンゾジアゼピン(睡眠剤)―――――――――― 平滑筋弛緩 d. ハロペリドール(定型抗精神病剤)――――――― 錐体外路症状 1.a, b 2.a, d 3.b, c 4.c, d 【問題 40】 経鼻経管栄養法の実施方法とその目的の組合せで正しいのはどれか。 1.注入前に胃内容物を吸引する ――――― 胃の保護 2.注入中はファウラー位にする ――――― 逆流の防止 3.注入終了後は微温湯を流す ―――――― 誤嚥の予防 4.注入終了後はチューブを閉鎖する ――― 嘔吐の予防 11
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