知的電子システム(LSI)の開発を通して ハードウェアの基礎技術を修得する 組込みソフトウェア工学科教授 吉田 正廣 専門:集積回路工学、VLSI設計 5 mm~ 10mm角のシリコン(珪素:Si)半導体基板上に、多数の電子部品(トランジスタ、抵抗、コン デンサ)を組み合わせてある機能を実行するように作った電子回路は大規模集積回路(Large Scale IntegratedCircuit:LSI)と呼ばれています。この LSIはコンピュータ、携帯電話、電子辞書などの電子機器 を作る上で必要不可欠なものであり、今日の高度情報化社会を支える各種産業の米と呼ばれています。私の 研究室では、新しい機能を持ったLSIの研究・開発を通して、組込みソフトウェア技術者として必要不可 欠なハードウェアの基礎技術を修得させる教育に取り組んでいます。4年次の卒業研究では下記のような研 究を行っています。 卒業研究概要 ◎知的メモリ(記憶装置)の構成法に関する研究 LSI技術によって人間の脳の機能の一部を擬似的に実現したものは連想メモリ(Associative Memory)と か内容照合メモリ(Content Addressable Memory:CAM)と呼ばれています。こ のメモリを用いると柔軟性に富んだ知的情報処理が実現できると考えられていま す。このようなことから、私の研究室では様々な機能を有する各種CAM・LSIの 構成法に関する研究に取組んでいます。右の図はCAM・ LSIのパターンレイアウ ト(LSIを製作する際に用いる回路の幾何学的図面)です。 ◎知的デジタル LSIの構成法に関する研究 通常の LSIは、それを構成している各種電子部品の物理的配置やそれらの接続 関係が固定されるため、それによって LSIの機能も決まってしまいます。したが って、一度作ってしまうと、後から LSIの機能を変更することはできません。こ のため、通常の LSIは「ハードウェア」と呼ばれています。私の研究室では、ニ ューロン MOSトランジスタと呼ばれる新デバイスを用いて知的デジタル LSI の開発に取組んでいます。この LSIは、同一の回路構成であるにも関わらず、 外部から与える電気信号を切り換えることによってその機能を変えることがで きます。そのため、このような LSIは「やわらかいハードウェア」と呼ばれて います。右図はコンピュータを駆使して新しいLSI を開発している写真です。 組込みソフトウェア工学実験3の概要 組込みソフトウェア工学実験3は、卒業研究を履修するための導入科目として位置づけられています。し たがって、組み込みソフトウェア工学実験3ではまず、これまでに学んできたハードウェアに関する専門的 知識を体系的に整理し、理解します。また、卒業研究で使用する回路シミュレータSPICEの使用法を修 得します。更には、与えられた課題に対する文献調査法を指導すると共に、プレゼンテーション能力を育成 します。これによって、卒業研究に取り組む素養を身に付けます。 ◎組込みソフトウェア工学実験3 授業スケジュール 第1回 ガイダンス 第2回 第3回 第4回 第5回 電気回路、電子回路、パルスデジタル回路、論理回路に関する復習 第6回 第7回 第8回 SPICEの使用方法の修得(LSIを設計する上で必要な回路シミュレータSPICEの使用方法を実習を通して修得 第9回 する) 第10回 与えられた課題(具体的回路)に関して文献調査、理論解析等を行い、SPICEよって動作の検証を行う 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 実験報告書の作成指導 実験報告書の提出と取り組み内容に関するプレゼンテーション ◎オープンラボ(1号館4階、1418研究室または1407実習室) 第一回目:9月 24日(木):13:00~14:00 第二回目:9月 28日(月):13:00~14:00 第三回目:9月 30日(水):12:30~13:30 第四回目:10月 1日(木):13:00~14:00 出来ればメールで事前予約をして下さい :[email protected]
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