航空機部品生産における成形シミュレーション適用事例のご紹介

Applying stamping simulation to aircraft parts manufacturing
航空機部品生産における成形シミュレーション適用事例のご紹介
FUJII KAZUYOSHI, Mitsubishi Heavy Industries, ltd.
三菱重工業株式会社 藤井和慶
Abstract / アブストラクト
当社は、これまで民間の完成機体製造メーカーの 1 次下請け企業として、ボーイング
767、777 の胴体、最新鋭機である 787 の複合材主翼の製造などに携わってきた。これら
の経験を活かして、今後 20 年間で全世界 5,000 機以上の新規需要が見込まれているリ
ージョナルジェット市場に参入することを決めた。 2014 年 10 月に、これまで開発を進め
てきた MRJ をロールアウトした。
近年、航空機製造産業を取り巻く経営環境は厳しさを増している。中・大型機市場で
は、ボーイングとエアバスが熾烈なシェア争いを繰り広げている。また、リージョナルジェッ
ト市場も、ボンバルディア、エンブラエルなどが新機種を開発しており開発競争が激化して
いる。グローバル市場で勝ち抜いていくためには、効率の高い生産工法による部品生産
コストの低減が必須な状況である。
本報告では、航空機の構造と生産工法に関する説明を行い、航空機板金部品の工法
に関する理解を深める。そして、現在、弊社で取り組んでいる高精度化、低コスト化の課
題を説明するとともに、課題解決の一環として実施している成形シミュレーションの適用事
例について紹介する。