緊急情報 平成27年8月21日 「胴割粒」の発生防止対策 オールやまがた米づくり日本一運動本部 平成 26 年産米の一部で胴割粒が発生し、販売先などからクレームがありました。 今年は、出穂が平年より3日早く、出穂後も高温が続いたことや、穂揃いがやや悪いことから 胴割粒が発生しやすくなっています。胴割粒の発生防止に向けた今後の水管理、刈取り、乾燥調 製を徹底しましょう。 1 胴割粒とは・・・ 米は登熟する時に籾の水分を吸収したり、放出したりを繰り返しますが、気象条件や水管理 の影響で米粒の成長バランスが崩れると、米粒内部に圧力の不均衡が生じて亀裂が発生して胴 割粒になります。 また、刈取り、乾燥、籾摺り時の物理的な衝撃や急激な乾燥で米粒に亀裂が発生し、胴割粒 となります。 2 胴割粒の発生要因 (1)出穂後 10 日間の高温で発生 米粒が縦に伸長する出穂後 10 日間に高温に遭遇するとデンプン蓄積に異常が発生し、米 粒に亀裂が入りやすくなります。 今年は、出穂後 10 日間の気温がかなり高く、胴割粒が発生しやすい状況です。 (出穂盛期:8 月 3 日で平年に比べて 3 日早い) (2)早期落水で登熟期の根の活力が低下 早期に落水して土壌が過乾燥となった場合や、作土層が浅く根圏が少ない場合などは、根 の活力が弱り、籾水分が低下して割れやすくなります。 (3)穂揃いが悪い 今年は、穂数が多い傾向で、穂の揃いがやや悪くなっています。圃場や株内で登熟の差が 大きくなると、早く登熟した米粒に胴割粒が発生しやすくなります。 (4)刈り遅れは胴割れを助長 刈取適期を過ぎると籾水分が低下するため、急激に胴割粒が発生しやすくなります。 (5)急激な籾乾燥・ロール調整不足の籾摺りに注意 高水分籾(水分 25%以上)の急激な乾燥、籾摺り時のロールの老朽化やロール幅の不適 切な設定で割れやすくなります。 3 胴割粒の防止対策のポイント (1)登熟後半まで可能な限りの長い水管理 (早期落水はゼッタイしない) (2)高温やフェーン時の水管理の徹底 (圃場の水分は切らさない) (3)適期内の刈取り順守 (むしろ適期に入ったらすぐに刈取り) (4)ゆっくり丁寧な乾燥、試し摺りの励行 (ロールを必ず確認)
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