生体電気計測による自律神経活動の概日リズムと 疲労に関する調査

平成23~25年度
(県単独研究)
研究成果事例
生体電気計測による自律神経活動の概日リズムと
疲労に関する調査
[背景・目的]
ヒトの血圧・体温・心拍数等は自律神経によってコントロールされ、おおよそ 24 時
間周期のリズムを持っています。しかし、長距離運転手や看護師など不規則な労働時間
で作業する労働者は、概日リズムの乱れやストレス等により睡眠障害・疲労感が多く、
これらの原因による事故防止の観点から、労働者の安全管理が求められています。
そこで、これらの生体の疲労症状を電気的に計測し定量的に評価するために、心電図
のゆらぎを用いた長期間の自律神経活動の解析を行い、疲労との相関について調査しま
した。また、この手法を用いて、労働現場における事故の防止を目的とした疲労測定の
システム化について研究を行います。
[これまでに得られた成果]
約 1 週間の心電図測定の被験者実験を行い、心拍変動を用いた長期間の自律神経活動
の変動の解析と、活動度の解析を行いました。週明けから週末に向かって交感神経指標
が上昇し、主観評価による疲労に関する指標との相関が見られました(図1、図2)
。
2
1.5
1
0.5
0
Mon
図1 1週間の交感神経活動指標の変動
Tue
Wed
Thu
Fri
図2 昼間の交感神経活動指標(平均値)の
週内変化
[期待される効果]
生体電気計測を用いた、新たな手法の疲労度測定装置の開発を行います。
この技術を通じて、県内電子機器関連企業への健康産業分野・医用生体工学分野の参
入への支援を行います。
協力機関
東海電子(株)
静岡大学電子工学研究所
お問い合わせ先 工業技術研究所
電子科
電話 054-278-3027