第2学年3組 図画工作科学習指導案 1 題材名 きって,ひねって,つなげ

第2学年3組 図画工作科学習指導案
1
題材名
きって,ひねって,つなげてみよう
2
題材について
(1) 題材観
本題材は,図画工作科第 1 学年及び第 2 学年の目標(2)「造形活動を楽しみ,豊かな発想をするな
どして,体全体の感覚や技能などを働かせる」に当たり,内容【A
表現】の(1)「材料を基に造形
遊びをする活動」に該当する。本題材では,人工の材料の中でも紙パックや紙コップを切ったりひね
ったりする活動を通して,物の形を自分の思うように変えたり,偶然にできた形の変化のおもしろさを
味わったりしていく。
材料は,牛乳などが入っていたパックを開かない状態で集める。紙コップも市販の決まった大きさ
や形の物を,教師が用意するのではなく,ファーストフードやコンビニエンスなどの飲み物が入って
いたコップを集めて持ってこられるようにさせたい。わざわざ材料を買うのではなく,身の回りには
たくさんの材料があることに気づけるとよいと考える。
紙パックは,内側がなめらかな手触りで,つるっとしており,外側に柄がついている。縦に切り込み
を入れると長い棒状の紙がとれ,斜めに切り込みを入れると長く曲線的な紙がとれる。それらを曲げ
たりねじったりすることによって,もともとの形とは違うおもしろい形が作れる。また,それらの紙を
自分が作った別の紙や友だちの紙とホチキスで留めたり,ねじったり,巻いたりすることで更に複雑で
ユニークな形が楽しめると考える。
指導要領には[共通事項]として,ア「自分の感覚や活動を通して,形や色,動きや奥行きなどの
造形的な特徴をとらえる」
,イ「形や色などの造形的な特徴を基に,自分のイメージを持つ」と示さ
れている。紙パックや紙コップを切り開き,ねじったり留めたりする活動をしながら,その物の形の
変化を味わい,さらに自由に変えていくことで形の変化の特徴や偶然の色合わせのおもしろさを感じ
ることができるだろう。また,次第に増えていく特徴についての気づきを生かした作品作りを楽しむ
ことができると考える。
(2) 児童の実態 調査日12月2日(男子15名 女子17名 合計32名)
事前にアンケート調査を行った。結果は,以下の通りである。
① 図工はすきですか。
好き 25名
普通 6名
嫌い 1名
② 工作はすきですか。
好き 25名
普通 6名
嫌い 1名
③ はさみは,うまく使えますか。
うまい 21名
普通 10名
苦手 1名
④ アイデアは,たくさんありますか。
たくさん 17名
普通 7名
少し 8名
⑤ 友だちの作品のよいところを見つけるの
は,得意ですか。
得意 13名
普通 14名
苦手 5名
⑥ 図工の勉強で楽しかったのは,何ですか。 ・カッターを使った「かみをたてたかたちから」
・「あきをならべていいかんじ」
・「くいしんぼうのなかまたち」
・「ちきゅうからのおくりもの」
・図画
・はさみを使った飾り作り
本学級では,ほとんどの児童が図画工作が好きであり,工作も同様である。
技能面については,はさみをほとんどの児童が「上手に使える」または,「普通に使える」と答えて
いる。カッターの使い方は,授業で実施したばかりだが,どの子も安全に気をつけてゆっくりと手前に
引いて切ることができている。
発想については, 半数の児童が「アイデアがたくさん出てくる」と答え,1/4の児童が「普通」,
1/4の児童が「あまり浮かばない」と答えている。担任から見ると,本学級の児童は,子どもらしい
豊かな発想がある子が多いと感じられるが,技能面との兼ね合いでうまく表現しきれていないと感じ
ているように思う。
子どもたちは,図画工作の学習の中で楽しかったとアンケートに記入している活動は,授業中,子
どもたちが主体的に楽しく取り組んでいた。また,「ちきゅうからのおくりもの」や「あきをならべ
ていいかんじ」では,班ごとの活動で子どもたち同士のアイデアの交流や協力があったことが楽しか
ったと答えている。
本題材でも,個人の発想を広げることはもちろん,班活動で友だちとの交流を通して,自分のアイ
デアのよさを認めてもらったり,友だちのアイデアをもらったりする楽しさを味わわせたい。
(3) 指導観
本題材では,紙パックや紙コップという身近な材料を使って造形活動を行う。日頃,目にはしてい
るが,機会がなければなかなか形を変えたり,組み合わせて楽しんだりすることがないものでもある。
子ども達の日常に,身近な物を使った活動が減ってきていることを感じている。テレビやゲーム,
既製のおもちゃが溢れている中,用途が決まっている物にわざわざハサミを入れて形を変えたり,組
み合わせたりしようとすることが少ないのだろうと考える。
しかし,子ども達は,実は身近な物を切ったり,貼ったり,折ったりしてなにかを作り上げること
が好きなのだと,アンケートや日頃の様子からわかる。これは,この時期の子どもが見たものや触っ
たものを自由に形を変えて表すことそのものに作る喜びを見いだせるからではないかと思う。よい形
ができたとか,人より優れた表現だとか比べて考えるのは,大人の評価のように思う。この活動を通
して,体全体の感覚を十分に働かせて自分なりに活動の面白さや楽しさを味わってほしいと考えてい
る。
紙パックや紙コップは,前もって教室で集めておき,自由に追加して使えるようにしたい。また,
ハサミやホチキスの使い方は活動前に十分説明し,刃先を人に向けたり,歩きながら使ったりするこ
とがないようにしたい。
作品を見合いながら話をする際には,自分の作品の面白い点や楽しかったことも話すようにさせ,
友だちの作品についての話をよく聞いて認め合えるようにさせたい。
この活動を通して,身近な物は,見方を変えるといろいろな形になったり,違う見え方をしたりす
ることに気づいてくれたらよいと思う。また,このような活動の積み重ねから,いろいろな事柄を一
通りだけでなく,いろいろな角度から見られる柔らかい感覚が身に着いたり,どんなことでも諦めな
い強さが生まれたりすると嬉しい。
3
題材の目標
・パックを切り開いて,つなげて形を変えていく活動を楽しもうとする。(造形への関心・意欲・態度)
・パックを切り開いて,つなげていくとどのような形ができるか想像を広げることができる。
(発想や構想の能力)
・パックの切り方やひねり方,つなげ方を試み,新しい形を見つけて表すことができる。
(創造的な技能)
・友だちの作品の切り方やつなげ方を見て,作品のよさをみつけ,話し合うことができる。(鑑賞の能力)
4
指導計画( 3時間扱い)
時配
本時1/3
主な学習活動
評価基準(方法)
・パックを切り落とさないように長く切り
・パックを切り開いて,形が変わってい
開く。
くことを楽しもうとしている。
・切り開いたものをひねったり,ホチキス
で留めたりして,楽しむ。
(関)[観察・対話]
・パックの切り方,つなぎ方を試み,新
しい形を見つけて表している。
(創)[観察・作品]
1
・自分のパックと友だちのパックをつない
・パックを切り開いて,つなげていくと
だり,組み合わせたりして楽しむ。
どのような形ができるか想像をひろげて
活動している。
(発)[観察・対話・作品]
1
・できた作品を見合いながら,感想を話し
友だちの作品の切り方やつなぎ方を見
合う。
て,作品のよさをみつけようとしている。
(鑑)[対話・発表]
5
本時の指導
(1) 目標
・パックを切り開いて,つなげて形を変えていく活動を楽しもうとする。(造形への関心・意欲・態度)
・パックを切り開いて,つなげていくとどのような形ができるか想像を広げることができる。
(発想や構想の能力)
(2) 展開
時配
5
学習内容と学習活動
指導・支援 ○評価
資料
学習内容と手順を知る。
・リンゴの皮をむくときのように,切
紙パック
・パックを切り長い棒状にして, り落とさないで長くするように意識
紙コップ
ひねったり留めたりしておもし
させる。
ハサミ
ろい形にすることを知る。
・はさみを紙の表面に沿わせて切るよ
ホチキス
1
うにすること,席についてはさみを使
うことを指導する。
パックの手を広げておもしろいパックダンスをしよう。
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2
パックを切り開く。
・長さや細さを変えたり,切り込みを
・パックをはさみで切り開き,長
入れる向きを変えたりして,おもしろ
い手のように何本も出す。
い動きのあるパックになるように助
・
「長く切れた!」
言をしたり,うまくできている子の作
・
「切り落としちゃった」
品を紹介したりする。
・
「細く切れた!」
・自分なりの表現をしていたり,活動
・
「紙がくるくるしている」
自体を楽しんでいる児童を賞賛する。
○パックを切り開く活動を楽しんで
いる。
10
3
(関)
[観察・対話]
パックの手をひねったり,ホ ・パックの形から,ひねることができ
チキスで留めたりする。
る方向とひねることができない方向
・パックから切り開いた手がおも
があるので,無理にひっくり返して切
しろい動きを持つように工夫し
ってしまわないようにさせる。
てひねったり,留めたりする。
・「あれ?ひねれない。向きがあ
るよ」
・
「留めたら,本当に手みたい」
○パックをひねったり,ホチキスで留
めたりして,どのような形ができるか
想像して楽しく活動している。
・
「踊っているみたい」
5
4
(関)
[観察・対話]
作品を紹介し合い,次時の活 ・作品のおもしろさや自分が頑張った
動について知る。
ことを紹介し合うことによって,今日
・工夫した点や,面白くできた点
の活動の楽しさを感じ,次時では,友
を紹介し合い,次時にお互いの
だちと一緒にどんなことをしようか
作品をつなげたり,組み合わせ
楽しい気持ちを膨らませるようにさ
たりすることを知る。
せる。