Products News 216 Products News 216 はありませんが、0.1mmの厚さに成型すると、曲 ▼一般仕様 Standard specifications LED搭載用 高熱伝導 白色プリント配線板材料 材料 Thickness 0.1 / 0.2 / 0.4 / 0.6 / 0.8 / 1.0 / 1.2 / 1.6 銅箔 (μm) 18 / 35 / 70 板厚 (mm) UL温度定格(RTI)認証を取得 得 Cu thickness 0.1mm/110℃ (電気的)ほか CS-3945,white CCL with thermal conductivity of 1.3W/mK K for LED substrate ,has newly got certification for or UL746B/RTI (0.1mm/110℃) in addition to UL94/V-0. 面を維持した形での適用が可能です。(写真1) CS-3945 品番 CS−3945 ヒンジのような可動箇所への適用は困難ですが、 リジッド基板では困難であった細部への配線取り 回し、あるいは意匠性が必要な用途へもご採用い ただけるものとご提案申し上げます。 ■薄葉化による熱抵抗の低減 Low thermal resistance by thin lamination ▲CS-3945 ■UL規格 温度定格(RTI)認証を取得 現在、高熱伝導プリント配線板材料の主流とな CS-3945は、LED周りへのご採用を想定して、 っているのは熱伝導CEM-3材ですが、これはガラ ■LED部品搭載用 高熱伝導白色プリント配線板材料 CS-3945 CS-3945は、LED部品の搭載を想定して、LED が発する光を効率よく反射するため「絶縁層を白 色」に、さらにLED部品が発する熱を効率よく放 散するため「高い熱伝導性(1.3W/mK)を付与」し たプリント配線板材料です。 【CS-3945の特長】 ● 熱伝導率は、 一般的なプリント配線板材料 の約3倍となる1.3W/mKです。 ● 白色 絶 縁 層は熱による変 色を抑えてい ます。 ● 0.1mmからの薄物に対応でき、 熱抵抗の 低減からも放熱設計をサポートします。 ●ドリル加工性はFR-4と同等です。 UL規格に基づく燃焼性試験において、94V-0の ス布とガラス不織布の複合材であるため、自ずと 認証を取得しております。 1.0mm程度の厚みを有します。 そしてこの度さらに、UL規格に基づく温度定 これに対し、ガラス布のみからなるCS-3945は 格試験(RTI)においても、0.1mm厚の材料で110℃ 0.1mmからの薄物でご提供できますので「熱抵抗 (電気的)ほかの認証を取得しましたので、ご報 の低減」、つまり「熱の抜けやすさ」という側面 告申し上げます。 からも放熱設計をサポートします。(図2) ■ULとは ガラス布 CS−3945 熱 ULとはUnderwriters Laboratories Inc.(アメ 熱伝導CEM-3材と比較したものです。CS-3945は 120℃の雰囲気に2000時間おいても、わずかに黄 リカ保険業者安全試験所)の略称で、1894年に設 1.0mm 色くなる程度であることが見て取れます。 n io at 熱 sip 放 dis al 放熱板 Heat sink rm e Th ▲CS-3945の適用イメージ Application image ■耐熱変色性 Anti-discoloration property by heat 立されたアメリカに本拠を置く、民間の安全科学 機関です。 ガラス布 LED照明は省電力に加え、長寿命が評価されて その業務は事故や火災を防止するための安全規 ▲CEM-3 普及が進んでいますが、LEDが発する熱により基 板の表面が変色すると、輝度が低下したり、色合 いに変化が生じます。 ガラス不織布 ガラス布 格を制定し、その規格に基づいて材料や製品の安 熱 全性を試験・評価・認証することです。 0.1mm 保険会社のための安全試験機関ですから、対象 LED周りの基板材料には「熱で変色しにくい」 ということもまた、大切な特性です。 ■材料構成 Material composition CS-3945の絶縁層は白色で、全ての可視領域に CS-3945はプリント配線板として一般的なFR-4 ある光を効率よく反射することができます。 材と同様に、ガラス布とエポキシ樹脂で構成され さらに、この白色の絶縁層は、熱による変色を るプリント配線板材料です。 抑えています。図1はCS-3945の加熱による変色を、 このため0.1mmからの薄物でご提供が可能です。 となるものは事故や火災の原因となる製品の数だ ▲CS-3945 けあると言っても過言ではなく、電気関係だけに ▲図2. 薄葉化による熱抵抗の低減 (イメージ) 限っても家庭用電気製品や産業用電気製品はもと Image of low thermal resistance より、近年ではリチウム電池や太陽光発電モジュ ■曲面を持った適用をご提案 Proposal for application with curved shape ール、風力発電機といったエネルギー関連製品に CS-3945はフレキシブルプリント配線板材料で まで拡大しています。 さらに最終製品のみではなく、規格はそれらを ▼図1. 耐熱変色性の比較 Discoloration comparison after 120℃ heat treatment 構成する材料や部品のレベルにも及びます。この ためULでは実に1500件を超える規格を制定、認 証を行っています。 ULは民間とはいえ100年以上の歴史をもつ権威 ある試験機関ですので、アメリカではUL規格に ▲写真1 0.1mm厚のCS-3945は曲面を維持した格好での適用 が可能です。 薄物でご採用いただく際は、基板が放熱板などに密着するよう設 計いただきたくお願いします。 Fig.1 Installable with curved shape (0.1mm thickness) 合格しない電気部品やそれを含む電気製品の販売 はできないことが多く、UL規格は事実上、製品 安全のグローバル・スタンダードとなっております。 試料を120℃の雰囲気に置き、所定時間ごとに白色度を比較 13 Products News 216 Products News 216 はありませんが、0.1mmの厚さに成型すると、曲 ▼一般仕様 Standard specifications LED搭載用 高熱伝導 白色プリント配線板材料 材料 Thickness 0.1 / 0.2 / 0.4 / 0.6 / 0.8 / 1.0 / 1.2 / 1.6 銅箔 (μm) 18 / 35 / 70 板厚 (mm) UL温度定格(RTI)認証を取得 得 Cu thickness 0.1mm/110℃ (電気的)ほか CS-3945,white CCL with thermal conductivity of 1.3W/mK K for LED substrate ,has newly got certification for or UL746B/RTI (0.1mm/110℃) in addition to UL94/V-0. 面を維持した形での適用が可能です。(写真1) CS-3945 品番 CS−3945 リジッド基板では困難であった細部への配線取り 回し、あるいは意匠性が必要な用途へもご採用い ■薄葉化による熱抵抗の低減 Low thermal resistance by thin lamination ▲CS-3945 現在、高熱伝導プリント配線板材料の主流とな っているのは熱伝導CEM-3材ですが、これはガラ ■LED部品搭載用 高熱伝導白色プリント配線板材料 CS-3945 【CS-3945の特長】 ● 熱伝導率は、 一般的なプリント配線板材料 CS-3945は、LED部品の搭載を想定して、LED の約3倍となる1.3W/mKです。 ● 白色 絶 縁 層は熱による変 色を抑えてい ます。 ● 0.1mmからの薄物に対応でき、 熱抵抗の 低減からも放熱設計をサポートします。 ●ドリル加工性はFR-4と同等です。 が発する光を効率よく反射するため「絶縁層を白 色」に、さらにLED部品が発する熱を効率よく放 散するため「高い熱伝導性(1.3W/mK)を付与」し たプリント配線板材料です。 ス布とガラス不織布の複合材であるため、自ずと 1.0mm程度の厚みを有します。 これに対し、ガラス布のみからなるCS-3945は 0.1mmからの薄物でご提供できますので「熱抵抗 の低減」、つまり「熱の抜けやすさ」という側面 からも放熱設計をサポートします。(図2) ガラス布 熱 熱伝導CEM-3材と比較したものです。CS-3945は n al 放熱板 Heat sink 板の表面が変色すると、輝度が低下したり、色合 rm e Th いに変化が生じます。 ということもまた、大切な特性です。 ■耐熱変色性 Anti-discoloration property by heat ■材料構成 Material composition CS-3945の絶縁層は白色で、全ての可視領域に CS-3945はプリント配線板として一般的なFR-4 ある光を効率よく反射することができます。 材と同様に、ガラス布とエポキシ樹脂で構成され さらに、この白色の絶縁層は、熱による変色を るプリント配線板材料です。 抑えています。図1はCS-3945の加熱による変色を、 このため0.1mmからの薄物でご提供が可能です。 UL規格に基づく燃焼性試験において、94V-0の 認証を取得しております。 そしてこの度さらに、UL規格に基づく温度定 格試験(RTI)においても、0.1mm厚の材料で110℃ (電気的)ほかの認証を取得しましたので、ご報 告申し上げます。 ULとはUnderwriters Laboratories Inc.(アメ 機関です。 その業務は事故や火災を防止するための安全規 ガラス布 熱 0.1mm 格を制定し、その規格に基づいて材料や製品の安 全性を試験・評価・認証することです。 保険会社のための安全試験機関ですから、対象 LED周りの基板材料には「熱で変色しにくい」 ▲CS-3945の適用イメージ Application image CS-3945は、LED周りへのご採用を想定して、 立されたアメリカに本拠を置く、民間の安全科学 ▲CEM-3 普及が進んでいますが、LEDが発する熱により基 放 dis ガラス不織布 ガラス布 LED照明は省電力に加え、長寿命が評価されて io at ■UL規格 温度定格(RTI)認証を取得 リカ保険業者安全試験所)の略称で、1894年に設 1.0mm 色くなる程度であることが見て取れます。 熱 sip ただけるものとご提案申し上げます。 ■ULとは CS−3945 120℃の雰囲気に2000時間おいても、わずかに黄 ヒンジのような可動箇所への適用は困難ですが、 ▲CS-3945 ▲図2. 薄葉化による熱抵抗の低減 (イメージ) Image of low thermal resistance ■曲面を持った適用をご提案 となるものは事故や火災の原因となる製品の数だ けあると言っても過言ではなく、電気関係だけに 限っても家庭用電気製品や産業用電気製品はもと より、近年ではリチウム電池や太陽光発電モジュ Proposal for application with curved shape ール、風力発電機といったエネルギー関連製品に CS-3945はフレキシブルプリント配線板材料で まで拡大しています。 さらに最終製品のみではなく、規格はそれらを ▼図1. 耐熱変色性の比較 Discoloration comparison after 120℃ heat treatment 構成する材料や部品のレベルにも及びます。この ためULでは実に1500件を超える規格を制定、認 証を行っています。 ULは民間とはいえ100年以上の歴史をもつ権威 ある試験機関ですので、アメリカではUL規格に ▲写真1 0.1mm厚のCS-3945は曲面を維持した格好での適用 が可能です。 薄物でご採用いただく際は、基板が放熱板などに密着するよう設 計いただきたくお願いします。 Fig.1 Installable with curved shape (0.1mm thickness) 試料を120℃の雰囲気に置き、所定時間ごとに白色度を比較 12 合格しない電気部品やそれを含む電気製品の販売 はできないことが多く、UL規格は事実上、製品 安全のグローバル・スタンダードとなっております。 Products News 216 Products News 216 ■プリント配線板のUL認証 またプリント回路基板を内蔵する最終製品の多 図3. UL94 水平燃焼試験のイメージ 図4. UL94 20mm炎垂直燃焼試験のイメージ CS-3945のような、プリント配線板材料にもUL くは、UL認証されたプリント配線板を使用する Fig.3 Horizontal Flame Class Fig.4 Vertical Flame Test 規格が設けられています。 必要があります。表2にUL認証が要求される最終 プリント配線板はケミカル関連製品と位置づけ 製品の一例を示します。 クランプ られ、安全性を試験するため、難燃性ほか、さま ざまな規格が設けられております。 試料 UL規格認証済みの製品とその登録内容は、下 記のウェブサイトで検索・確認することができます。 試料 20mmの炎に 30秒間接触 http://database.ul.com/cgi-bin/XYV/template/LI SEXT/1FRAME/index.htm プリント配線板に関するUL規格を表1に示します。 表1. プリント配線板に関するUL規格 規格 内 容 表2. UL認証されたプリント配線板を要求する 最終製品の一例 規格名称 対象製品 フレキシブルプリント配線板の安全に関する 要求事項 IEC 60065 音響・映 機器 UL 94 プラスチック材料の燃焼性評価 IEC 60950 IT関連機器 UL 746A 高分子材料の短期的特性評価 IEC 62368 IT関連機器および音響・映 機器 UL 746B 高分子材料の長期的特性評価 IEC 60335 家庭用電気製品 UL 746E プリント配線板に使用する工業用積層板の 試験方法 IEC 60601 医療機器 UL 746F プリント配線板に使用する フレキシブルフィルム材料の試験方法 IEC 61010 研究用機器 UL 796 UL 796F プリント配線板の安全に関する要求事項 ■UL規格に基づくプリント配線板の試験 UL規格に基づくプリント配線板の試験は、プ ラスチック材料としての燃焼試験(Flammability) に加え、接着強度(Bond Strength)、層間剥離 (Delamination)に関する試験が代表的なものと して挙げられます。 20mmの炎に 10秒間接触 ×2回 ▲ULウェブサイトでの検索結果のイメージ (HB) 1. 水平燃焼試験 20mm炎垂直燃焼試験 (V-0、V-1、V-2) 2. 3. 薄物垂直燃焼試験(VTM-0、VTM-1、 VTM-2) 4. 発泡材(フォーム材)燃焼試験(HF-1、 HF-2、 HBF) (5VA、5VB) 5. 125mm炎垂直燃焼試験 10 mm の 間 金網 隔 脱脂綿 表3. 20mm炎垂直燃焼試験の判定基準 ▲20mm炎垂直燃焼試験のようす V-0 V-1 V-2 各試験片の燃焼時間 (1回目・2回目) 10秒以下 30秒以下 30秒以下 各試験片の燃焼時間 +☆グローイング時間 30秒以下 60秒以下 60秒以下 試験片5本の 合計燃焼時間 50秒以下 各試験片の クランプまでの燃焼 なし なし なし 滴下物による 脱脂綿の着火 なし なし あり 250秒以下 250秒以下 ☆グローイングとは着火後、炭火のように燃えている時間をさします 本稿では、CS-3945が先に認証を取得した「難 このうちプリント基板材料の燃焼試験で代表的 燃性試験」と、それに続いて認証を取得した「温 な項目である「水平燃焼試験」と「20mm炎垂直 度定格認証(RTI)」についてご紹介いたします。 燃焼試験」のイメージを図3、4に示します。 ■相対温度指数RTI プリント配線板材料のようなプラスチック材料 また、20mm炎垂直燃焼試験の判定基準を表3に ■ULの燃焼性規格 項 目 の劣化は、熱によってスピードが加速されます。 示します。 燃えにくさの判定は、燃えにくい方からV-0、 一般的には温度が8∼10℃上昇すると、その寿命 表1にあるUL94には、プラスチック材料の燃焼 V-1、V-2、HBの順です。 は半分になると言われています。 性評価が規定されております。 CS-3945はUL94に定める、このような燃焼性試 燃焼性クラスにはつぎのようなものがあります。 験の結果、V-0での認証を取得しております。 数万時間というLED照明の寿命を保証するため ▲燃焼試験は、規格に定められた チャンバーの中で行われます には、LED部品だけでなく、それが搭載される 15 Products News 216 Products News 216 ■プリント配線板のUL認証 またプリント回路基板を内蔵する最終製品の多 図3. UL94 水平燃焼試験のイメージ 図4. UL94 20mm炎垂直燃焼試験のイメージ CS-3945のような、プリント配線板材料にもUL くは、UL認証されたプリント配線板を使用する Fig.3 Horizontal Flame Class Fig.4 Vertical Flame Test 規格が設けられています。 必要があります。表2にUL認証が要求される最終 プリント配線板はケミカル関連製品と位置づけ 製品の一例を示します。 クランプ られ、安全性を試験するため、難燃性ほか、さま ざまな規格が設けられております。 試料 UL規格認証済みの製品とその登録内容は、下 記のウェブサイトで検索・確認することができます。 試料 20mmの炎に 30秒間接触 http://database.ul.com/cgi-bin/XYV/template/LI SEXT/1FRAME/index.htm プリント配線板に関するUL規格を表1に示します。 表1. プリント配線板に関するUL規格 規格 表2. UL認証されたプリント配線板を要求する 最終製品の一例 内 容 規格名称 対象製品 フレキシブルプリント配線板の安全に関する 要求事項 IEC 60065 音響・映 機器 UL 94 プラスチック材料の燃焼性評価 IEC 60950 IT関連機器 UL 746A 高分子材料の短期的特性評価 IEC 62368 IT関連機器および音響・映 機器 UL 746B 高分子材料の長期的特性評価 IEC 60335 家庭用電気製品 UL 746E プリント配線板に使用する工業用積層板の 試験方法 IEC 60601 医療機器 UL 746F プリント配線板に使用する フレキシブルフィルム材料の試験方法 IEC 61010 研究用機器 UL 796 UL 796F プリント配線板の安全に関する要求事項 ■UL規格に基づくプリント配線板の試験 (HB) 1. 水平燃焼試験 20mm炎垂直燃焼試験 (V-0、V-1、V-2) 2. 3. 薄物垂直燃焼試験(VTM-0、VTM-1、 VTM-2) 4. 発泡材(フォーム材)燃焼試験(HF-1、 HF-2、 HBF) (5VA、5VB) 5. 125mm炎垂直燃焼試験 UL規格に基づくプリント配線板の試験は、プ ラスチック材料としての燃焼試験(Flammability) に加え、接着強度(Bond Strength)、層間剥離 (Delamination)に関する試験が代表的なものと して挙げられます。 20mmの炎に 10秒間接触 ×2回 ▲ULウェブサイトでの検索結果のイメージ 10 mm の 間 金網 隔 脱脂綿 表3. 20mm炎垂直燃焼試験の判定基準 ▲20mm炎垂直燃焼試験のようす 項 目 V-0 V-1 V-2 各試験片の燃焼時間 (1回目・2回目) 10秒以下 30秒以下 30秒以下 各試験片の燃焼時間 +☆グローイング時間 30秒以下 60秒以下 60秒以下 試験片5本の 合計燃焼時間 50秒以下 各試験片の クランプまでの燃焼 なし なし なし 滴下物による 脱脂綿の着火 なし なし あり 250秒以下 250秒以下 ☆グローイングとは着火後、炭火のように燃えている時間をさします 本稿では、CS-3945が先に認証を取得した「難 このうちプリント基板材料の燃焼試験で代表的 燃性試験」と、それに続いて認証を取得した「温 な項目である「水平燃焼試験」と「20mm炎垂直 度定格認証(RTI)」についてご紹介いたします。 燃焼試験」のイメージを図3、4に示します。 ■相対温度指数RTI プリント配線板材料のようなプラスチック材料 また、20mm炎垂直燃焼試験の判定基準を表3に の劣化は、熱によってスピードが加速されます。 示します。 ■ULの燃焼性規格 燃えにくさの判定は、燃えにくい方からV-0、 一般的には温度が8∼10℃上昇すると、その寿命 表1にあるUL94には、プラスチック材料の燃焼 V-1、V-2、HBの順です。 は半分になると言われています。 性評価が規定されております。 CS-3945はUL94に定める、このような燃焼性試 燃焼性クラスにはつぎのようなものがあります。 験の結果、V-0での認証を取得しております。 14 ▲燃焼試験は、規格に定められた チャンバーの中で行われます 数万時間というLED照明の寿命を保証するため には、LED部品だけでなく、それが搭載される Products News 216 103 基板材料もまた、長時間にわたり高い熱にさらさ Maximum Operating Temperature)が用いられ れても、機械的あるいは電気的な特性を維持する ます。 必要があります。 MOTはプリント配線板材料の段階で認証され 表1にあるUL-746Bは、相対温度指数に係る規 ているRTIの範囲内で定められます。 景観に優れた1000万人都市 格です。 表4. CS-3945の相対温度指数認証値 UL certificated value(RTI) 今 回の「 社 会と利 昌 」は、前 回ご好 評を賜った海 外 駐 在員 相対温度指数(RTI:Relative Thermal Index)とは、一定温度の大気中に試料を10万時 相対温度指数 (℃) 品番 間(11年強)曝露した際、その材料の特性(電気 板厚 (mm) Thickness Product code 的・機械的)が半減する温度です。プリント配線 Relative Thermal Index 電気的 機械的 Electrical Mechanical 海外駐在員レポート:ソウル・オフィス レポート (不定期連載)の第二弾で、ソウルよりお届けします。 日頃お世話になっている韓国ソウルについて、観光やグルメと いった、ソフトな切り口でご紹介いたします。 「絶縁破壊電圧」、機械的特性においては「曲げ CS-3945 (両面CCL) 強さ、または引張強さ」で評価されます。 ▲ 板材料の特性の半減は、電気的特性においては ソウル・オフィス駐在員:ユ (左) と飯山 0.10 110 130 0.38 130 140 0.80 140 140 ソウル・オフィスは2003(平成15)年11月に開 春(3∼5月)と秋(9∼11月)は移動性高気圧 1.60 140 140 設。海外事業部の中で2番目に古い駐在員事務所 の影響により、乾燥した晴れの日が続きます。春 であり、本年で設立12年を迎えました。私は2005 は黄砂の影響で過ご (平成17)年9月より当地に駐在しております。 しにくいので、秋が ●取材・記事:利昌工業株式会社 営業本部 海外事業部 ソウル・オフィス 飯山岩央 実際の評価は10万時間もの長時間をかけられな いため、RTIを取得したい材料(キャンディデー ES-3940 (アンクラッド) ト材料)と、すでにRTIを認められている材料 (コントロール材料)を同じオーブンに入れ、ア レニウスモデルを用いた高温での加速試験により 10万時間に相当する温度(相対温度インデック ス)を算出しますが、それでもおおよそ1年前後 の時間を要します。 この度、CS-3945は相対温度指数の認証を取得 しました。その認証値を表4に示します。 CS-3945は0.1mm厚でも110℃(電気的特性)の 温度定格認証を取得しました。 なお、プリント配線板材料を評価するのには相 対温度指数(RTI)が用いられますが、そのプリン ト配線板材料に回路を形成したプリント回路基板 を評価するのには、最高使用温度(MOT: ■おわりに CS-3945の温度定格認証取得を機に、これまで ご説明の機会が少なかったULという機関の概要 をはじめ、代表的な燃焼性規格と、相対温度指数 についてご紹介しました。 高熱伝導白色プリント配線板材料CS-3945は、 絶縁抵抗 Insulation resistance 一年のうちで最も過 のようなレポートを執筆させていただけること ごしやすいと感じて を何かの縁と考え、当オフィスが所在する韓国 おります。 ソウル市の一端をご紹介したいと存じます。 私の視点で韓国の 気候に対する印象を FR-4材の約3倍の熱伝導率に加え、熱で変色しに ▲インチョン国際空港 くい白色の外観、さらには薄物でのご提供が可能 ■乾燥する北国 9∼11月がベストシーズン であることから、LED用途を中心に多くのご採用 関西国際空港から2時間弱、東京羽田空港から 旅行は、秋晴れの高く青い空が印象的で、食べ物 を賜っております。 約2時間45分。海外へのフライトとしては短い搭 が美味しい9∼11月を推薦いたします。 今回の相対温度指数の取得で、より広範な用途 でご使用いただけることを期待しております。 ■一般特性 General properties 試験項目 Test items 日韓国交正常化50周年という節目の年に、こ 単位 処理条件 Unit Treatment MΩ C-96/20/65 3.0×108 9 CS-3945 申し上げますと 乾燥する北国 です。韓国へのご 乗時間で、隣国韓国に到着です。 韓国は中緯度温暖性気候帯に位置し、気候は大 ■中国依存型の経済 陸性気候と海洋性 2014年に韓国を訪れた日本人観光客は約228万 気候の中間型で、 人(前年比約17%減)。これに対して中国人観光 四季の変化がはっ 客は約612万人(前年比約41%増)です。外国人 表面抵抗 Surface resistance MΩ C-96/20/65 1.0×10 きりしています。 観光客の約43%が中国人ということもあり、最近 体積抵抗率 Volume resistivity MΩ・m C-96/20/65 1.0×107 短い夏と長い冬が はソウル市内の繁華街である明洞(ミョンドン) 7.0 特徴で、夏(6∼8 比誘電率 Dielectric constant 1MHz ― A 誘電正接 Dissipatipn factor 1MHz ― A 銅箔引き剥がし強さ Peel strength 35μm kN/m はんだ耐熱性 Solder limit 260℃ 熱伝導率 (レーザーフラッシュ法) Thermal conductivity(Laser flash) 難燃性 UL flammability ▲機窓より などで、ショッピングを楽しむ多くの中国人観光 月)は北太平洋高気圧の影響により高温多湿で、 客を見かけます。 0.015 日本ほどではありませんが蒸し暑い日が続きま 韓国貿易協会の統計によると、2014年の日本か A 1.0 す。冬(12∼2月)は大陸性高気圧の影響により ら韓国への輸入額は約538億ドル(前年比約10.4 sec. A 300< 寒冷乾燥で、寒くて乾燥した日が続きます。 %減)で、輸入全体の約10%になります。同じ年 W/mK A 1.3 冬はとても寒く2012年2月の大寒波では最低気 の韓国から日本への輸出額は約322億ドル(前年 温−17℃(体感気温−23℃)となり、ソウル市内 比約7.2%減)で、輸出全体の約5.6%になります。 ― UL94 V-0 を流れる漢江(ハンガン)が全面凍結しました。 これに対し、韓国最大の貿易相手国は中国です。 ※上表記載の各種データは測定値の一例であり、数値を保証するものではありません。 17
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