CS-3945 UL温度定格110℃(電気的/0.1mm)ほかを取得(PDF 1392KB)

Products News 216
Products News 216
はありませんが、0.1mmの厚さに成型すると、曲
▼一般仕様 Standard specifications
LED搭載用 高熱伝導 白色プリント配線板材料
材料
Thickness
0.1 / 0.2 / 0.4 / 0.6 / 0.8 / 1.0
/ 1.2 / 1.6
銅箔
(μm)
18 / 35 / 70
板厚
(mm)
UL温度定格(RTI)認証を取得
得
Cu thickness
0.1mm/110℃
(電気的)ほか
CS-3945,white CCL with thermal conductivity of 1.3W/mK
K
for LED substrate ,has newly got certification for
or
UL746B/RTI (0.1mm/110℃) in addition to UL94/V-0.
面を維持した形での適用が可能です。(写真1)
CS-3945
品番
CS−3945
ヒンジのような可動箇所への適用は困難ですが、
リジッド基板では困難であった細部への配線取り
回し、あるいは意匠性が必要な用途へもご採用い
ただけるものとご提案申し上げます。
■薄葉化による熱抵抗の低減
Low thermal resistance by thin lamination
▲CS-3945
■UL規格 温度定格(RTI)認証を取得
現在、高熱伝導プリント配線板材料の主流とな
CS-3945は、LED周りへのご採用を想定して、
っているのは熱伝導CEM-3材ですが、これはガラ
■LED部品搭載用 高熱伝導白色プリント配線板材料
CS-3945
CS-3945は、LED部品の搭載を想定して、LED
が発する光を効率よく反射するため「絶縁層を白
色」に、さらにLED部品が発する熱を効率よく放
散するため「高い熱伝導性(1.3W/mK)を付与」し
たプリント配線板材料です。
【CS-3945の特長】
● 熱伝導率は、
一般的なプリント配線板材料
の約3倍となる1.3W/mKです。
● 白色 絶 縁 層は熱による変 色を抑えてい
ます。
● 0.1mmからの薄物に対応でき、
熱抵抗の
低減からも放熱設計をサポートします。
●ドリル加工性はFR-4と同等です。
UL規格に基づく燃焼性試験において、94V-0の
ス布とガラス不織布の複合材であるため、自ずと
認証を取得しております。
1.0mm程度の厚みを有します。
そしてこの度さらに、UL規格に基づく温度定
これに対し、ガラス布のみからなるCS-3945は
格試験(RTI)においても、0.1mm厚の材料で110℃
0.1mmからの薄物でご提供できますので「熱抵抗
(電気的)ほかの認証を取得しましたので、ご報
の低減」、つまり「熱の抜けやすさ」という側面
告申し上げます。
からも放熱設計をサポートします。(図2)
■ULとは
ガラス布
CS−3945
熱
ULとはUnderwriters Laboratories Inc.(アメ
熱伝導CEM-3材と比較したものです。CS-3945は
120℃の雰囲気に2000時間おいても、わずかに黄
リカ保険業者安全試験所)の略称で、1894年に設
1.0mm
色くなる程度であることが見て取れます。
n
io
at
熱 sip
放 dis
al
放熱板 Heat sink
rm
e
Th
▲CS-3945の適用イメージ Application image
■耐熱変色性
Anti-discoloration property by heat
立されたアメリカに本拠を置く、民間の安全科学
機関です。
ガラス布
LED照明は省電力に加え、長寿命が評価されて
その業務は事故や火災を防止するための安全規
▲CEM-3
普及が進んでいますが、LEDが発する熱により基
板の表面が変色すると、輝度が低下したり、色合
いに変化が生じます。
ガラス不織布
ガラス布
格を制定し、その規格に基づいて材料や製品の安
熱
全性を試験・評価・認証することです。
0.1mm
保険会社のための安全試験機関ですから、対象
LED周りの基板材料には「熱で変色しにくい」
ということもまた、大切な特性です。
■材料構成 Material composition
CS-3945の絶縁層は白色で、全ての可視領域に
CS-3945はプリント配線板として一般的なFR-4
ある光を効率よく反射することができます。
材と同様に、ガラス布とエポキシ樹脂で構成され
さらに、この白色の絶縁層は、熱による変色を
るプリント配線板材料です。
抑えています。図1はCS-3945の加熱による変色を、
このため0.1mmからの薄物でご提供が可能です。
となるものは事故や火災の原因となる製品の数だ
▲CS-3945
けあると言っても過言ではなく、電気関係だけに
▲図2. 薄葉化による熱抵抗の低減
(イメージ)
限っても家庭用電気製品や産業用電気製品はもと
Image of low thermal resistance
より、近年ではリチウム電池や太陽光発電モジュ
■曲面を持った適用をご提案
Proposal for application with curved shape
ール、風力発電機といったエネルギー関連製品に
CS-3945はフレキシブルプリント配線板材料で
まで拡大しています。
さらに最終製品のみではなく、規格はそれらを
▼図1. 耐熱変色性の比較 Discoloration comparison after 120℃ heat treatment
構成する材料や部品のレベルにも及びます。この
ためULでは実に1500件を超える規格を制定、認
証を行っています。
ULは民間とはいえ100年以上の歴史をもつ権威
ある試験機関ですので、アメリカではUL規格に
▲写真1 0.1mm厚のCS-3945は曲面を維持した格好での適用
が可能です。
薄物でご採用いただく際は、基板が放熱板などに密着するよう設
計いただきたくお願いします。
Fig.1 Installable with curved shape (0.1mm thickness)
合格しない電気部品やそれを含む電気製品の販売
はできないことが多く、UL規格は事実上、製品
安全のグローバル・スタンダードとなっております。
試料を120℃の雰囲気に置き、所定時間ごとに白色度を比較
13
Products News 216
Products News 216
はありませんが、0.1mmの厚さに成型すると、曲
▼一般仕様 Standard specifications
LED搭載用 高熱伝導 白色プリント配線板材料
材料
Thickness
0.1 / 0.2 / 0.4 / 0.6 / 0.8 / 1.0
/ 1.2 / 1.6
銅箔
(μm)
18 / 35 / 70
板厚
(mm)
UL温度定格(RTI)認証を取得
得
Cu thickness
0.1mm/110℃
(電気的)ほか
CS-3945,white CCL with thermal conductivity of 1.3W/mK
K
for LED substrate ,has newly got certification for
or
UL746B/RTI (0.1mm/110℃) in addition to UL94/V-0.
面を維持した形での適用が可能です。(写真1)
CS-3945
品番
CS−3945
リジッド基板では困難であった細部への配線取り
回し、あるいは意匠性が必要な用途へもご採用い
■薄葉化による熱抵抗の低減
Low thermal resistance by thin lamination
▲CS-3945
現在、高熱伝導プリント配線板材料の主流とな
っているのは熱伝導CEM-3材ですが、これはガラ
■LED部品搭載用 高熱伝導白色プリント配線板材料
CS-3945
【CS-3945の特長】
● 熱伝導率は、
一般的なプリント配線板材料
CS-3945は、LED部品の搭載を想定して、LED
の約3倍となる1.3W/mKです。
● 白色 絶 縁 層は熱による変 色を抑えてい
ます。
● 0.1mmからの薄物に対応でき、
熱抵抗の
低減からも放熱設計をサポートします。
●ドリル加工性はFR-4と同等です。
が発する光を効率よく反射するため「絶縁層を白
色」に、さらにLED部品が発する熱を効率よく放
散するため「高い熱伝導性(1.3W/mK)を付与」し
たプリント配線板材料です。
ス布とガラス不織布の複合材であるため、自ずと
1.0mm程度の厚みを有します。
これに対し、ガラス布のみからなるCS-3945は
0.1mmからの薄物でご提供できますので「熱抵抗
の低減」、つまり「熱の抜けやすさ」という側面
からも放熱設計をサポートします。(図2)
ガラス布
熱
熱伝導CEM-3材と比較したものです。CS-3945は
n
al
放熱板 Heat sink
板の表面が変色すると、輝度が低下したり、色合
rm
e
Th
いに変化が生じます。
ということもまた、大切な特性です。
■耐熱変色性
Anti-discoloration property by heat
■材料構成 Material composition
CS-3945の絶縁層は白色で、全ての可視領域に
CS-3945はプリント配線板として一般的なFR-4
ある光を効率よく反射することができます。
材と同様に、ガラス布とエポキシ樹脂で構成され
さらに、この白色の絶縁層は、熱による変色を
るプリント配線板材料です。
抑えています。図1はCS-3945の加熱による変色を、
このため0.1mmからの薄物でご提供が可能です。
UL規格に基づく燃焼性試験において、94V-0の
認証を取得しております。
そしてこの度さらに、UL規格に基づく温度定
格試験(RTI)においても、0.1mm厚の材料で110℃
(電気的)ほかの認証を取得しましたので、ご報
告申し上げます。
ULとはUnderwriters Laboratories Inc.(アメ
機関です。
その業務は事故や火災を防止するための安全規
ガラス布
熱
0.1mm
格を制定し、その規格に基づいて材料や製品の安
全性を試験・評価・認証することです。
保険会社のための安全試験機関ですから、対象
LED周りの基板材料には「熱で変色しにくい」
▲CS-3945の適用イメージ Application image
CS-3945は、LED周りへのご採用を想定して、
立されたアメリカに本拠を置く、民間の安全科学
▲CEM-3
普及が進んでいますが、LEDが発する熱により基
放 dis
ガラス不織布
ガラス布
LED照明は省電力に加え、長寿命が評価されて
io
at
■UL規格 温度定格(RTI)認証を取得
リカ保険業者安全試験所)の略称で、1894年に設
1.0mm
色くなる程度であることが見て取れます。
熱 sip
ただけるものとご提案申し上げます。
■ULとは
CS−3945
120℃の雰囲気に2000時間おいても、わずかに黄
ヒンジのような可動箇所への適用は困難ですが、
▲CS-3945
▲図2. 薄葉化による熱抵抗の低減
(イメージ)
Image of low thermal resistance
■曲面を持った適用をご提案
となるものは事故や火災の原因となる製品の数だ
けあると言っても過言ではなく、電気関係だけに
限っても家庭用電気製品や産業用電気製品はもと
より、近年ではリチウム電池や太陽光発電モジュ
Proposal for application with curved shape
ール、風力発電機といったエネルギー関連製品に
CS-3945はフレキシブルプリント配線板材料で
まで拡大しています。
さらに最終製品のみではなく、規格はそれらを
▼図1. 耐熱変色性の比較 Discoloration comparison after 120℃ heat treatment
構成する材料や部品のレベルにも及びます。この
ためULでは実に1500件を超える規格を制定、認
証を行っています。
ULは民間とはいえ100年以上の歴史をもつ権威
ある試験機関ですので、アメリカではUL規格に
▲写真1 0.1mm厚のCS-3945は曲面を維持した格好での適用
が可能です。
薄物でご採用いただく際は、基板が放熱板などに密着するよう設
計いただきたくお願いします。
Fig.1 Installable with curved shape (0.1mm thickness)
試料を120℃の雰囲気に置き、所定時間ごとに白色度を比較
12
合格しない電気部品やそれを含む電気製品の販売
はできないことが多く、UL規格は事実上、製品
安全のグローバル・スタンダードとなっております。
Products News 216
Products News 216
■プリント配線板のUL認証
またプリント回路基板を内蔵する最終製品の多
図3. UL94 水平燃焼試験のイメージ
図4. UL94 20mm炎垂直燃焼試験のイメージ
CS-3945のような、プリント配線板材料にもUL
くは、UL認証されたプリント配線板を使用する
Fig.3 Horizontal Flame Class
Fig.4 Vertical Flame Test
規格が設けられています。
必要があります。表2にUL認証が要求される最終
プリント配線板はケミカル関連製品と位置づけ
製品の一例を示します。
クランプ
られ、安全性を試験するため、難燃性ほか、さま
ざまな規格が設けられております。
試料
UL規格認証済みの製品とその登録内容は、下
記のウェブサイトで検索・確認することができます。
試料
20mmの炎に
30秒間接触
http://database.ul.com/cgi-bin/XYV/template/LI
SEXT/1FRAME/index.htm
プリント配線板に関するUL規格を表1に示します。
表1. プリント配線板に関するUL規格
規格
内 容
表2. UL認証されたプリント配線板を要求する
最終製品の一例
規格名称
対象製品
フレキシブルプリント配線板の安全に関する
要求事項
IEC 60065
音響・映 機器
UL 94
プラスチック材料の燃焼性評価
IEC 60950
IT関連機器
UL 746A
高分子材料の短期的特性評価
IEC 62368
IT関連機器および音響・映 機器
UL 746B
高分子材料の長期的特性評価
IEC 60335
家庭用電気製品
UL 746E
プリント配線板に使用する工業用積層板の
試験方法
IEC 60601
医療機器
UL 746F
プリント配線板に使用する
フレキシブルフィルム材料の試験方法
IEC 61010
研究用機器
UL 796
UL 796F
プリント配線板の安全に関する要求事項
■UL規格に基づくプリント配線板の試験
UL規格に基づくプリント配線板の試験は、プ
ラスチック材料としての燃焼試験(Flammability)
に加え、接着強度(Bond Strength)、層間剥離
(Delamination)に関する試験が代表的なものと
して挙げられます。
20mmの炎に
10秒間接触
×2回
▲ULウェブサイトでの検索結果のイメージ
(HB)
1. 水平燃焼試験
20mm炎垂直燃焼試験
(V-0、V-1、V-2)
2.
3. 薄物垂直燃焼試験(VTM-0、VTM-1、
VTM-2)
4. 発泡材(フォーム材)燃焼試験(HF-1、
HF-2、
HBF)
(5VA、5VB)
5. 125mm炎垂直燃焼試験
10
mm
の
間
金網
隔
脱脂綿
表3. 20mm炎垂直燃焼試験の判定基準
▲20mm炎垂直燃焼試験のようす
V-0
V-1
V-2
各試験片の燃焼時間
(1回目・2回目)
10秒以下
30秒以下
30秒以下
各試験片の燃焼時間
+☆グローイング時間
30秒以下
60秒以下
60秒以下
試験片5本の
合計燃焼時間
50秒以下
各試験片の
クランプまでの燃焼
なし
なし
なし
滴下物による
脱脂綿の着火
なし
なし
あり
250秒以下 250秒以下
☆グローイングとは着火後、炭火のように燃えている時間をさします
本稿では、CS-3945が先に認証を取得した「難
このうちプリント基板材料の燃焼試験で代表的
燃性試験」と、それに続いて認証を取得した「温
な項目である「水平燃焼試験」と「20mm炎垂直
度定格認証(RTI)」についてご紹介いたします。
燃焼試験」のイメージを図3、4に示します。
■相対温度指数RTI
プリント配線板材料のようなプラスチック材料
また、20mm炎垂直燃焼試験の判定基準を表3に
■ULの燃焼性規格
項 目
の劣化は、熱によってスピードが加速されます。
示します。
燃えにくさの判定は、燃えにくい方からV-0、
一般的には温度が8∼10℃上昇すると、その寿命
表1にあるUL94には、プラスチック材料の燃焼
V-1、V-2、HBの順です。
は半分になると言われています。
性評価が規定されております。
CS-3945はUL94に定める、このような燃焼性試
燃焼性クラスにはつぎのようなものがあります。
験の結果、V-0での認証を取得しております。
数万時間というLED照明の寿命を保証するため
▲燃焼試験は、規格に定められた
チャンバーの中で行われます
には、LED部品だけでなく、それが搭載される
15
Products News 216
Products News 216
■プリント配線板のUL認証
またプリント回路基板を内蔵する最終製品の多
図3. UL94 水平燃焼試験のイメージ
図4. UL94 20mm炎垂直燃焼試験のイメージ
CS-3945のような、プリント配線板材料にもUL
くは、UL認証されたプリント配線板を使用する
Fig.3 Horizontal Flame Class
Fig.4 Vertical Flame Test
規格が設けられています。
必要があります。表2にUL認証が要求される最終
プリント配線板はケミカル関連製品と位置づけ
製品の一例を示します。
クランプ
られ、安全性を試験するため、難燃性ほか、さま
ざまな規格が設けられております。
試料
UL規格認証済みの製品とその登録内容は、下
記のウェブサイトで検索・確認することができます。
試料
20mmの炎に
30秒間接触
http://database.ul.com/cgi-bin/XYV/template/LI
SEXT/1FRAME/index.htm
プリント配線板に関するUL規格を表1に示します。
表1. プリント配線板に関するUL規格
規格
表2. UL認証されたプリント配線板を要求する
最終製品の一例
内 容
規格名称
対象製品
フレキシブルプリント配線板の安全に関する
要求事項
IEC 60065
音響・映 機器
UL 94
プラスチック材料の燃焼性評価
IEC 60950
IT関連機器
UL 746A
高分子材料の短期的特性評価
IEC 62368
IT関連機器および音響・映 機器
UL 746B
高分子材料の長期的特性評価
IEC 60335
家庭用電気製品
UL 746E
プリント配線板に使用する工業用積層板の
試験方法
IEC 60601
医療機器
UL 746F
プリント配線板に使用する
フレキシブルフィルム材料の試験方法
IEC 61010
研究用機器
UL 796
UL 796F
プリント配線板の安全に関する要求事項
■UL規格に基づくプリント配線板の試験
(HB)
1. 水平燃焼試験
20mm炎垂直燃焼試験
(V-0、V-1、V-2)
2.
3. 薄物垂直燃焼試験(VTM-0、VTM-1、
VTM-2)
4. 発泡材(フォーム材)燃焼試験(HF-1、
HF-2、
HBF)
(5VA、5VB)
5. 125mm炎垂直燃焼試験
UL規格に基づくプリント配線板の試験は、プ
ラスチック材料としての燃焼試験(Flammability)
に加え、接着強度(Bond Strength)、層間剥離
(Delamination)に関する試験が代表的なものと
して挙げられます。
20mmの炎に
10秒間接触
×2回
▲ULウェブサイトでの検索結果のイメージ
10
mm
の
間
金網
隔
脱脂綿
表3. 20mm炎垂直燃焼試験の判定基準
▲20mm炎垂直燃焼試験のようす
項 目
V-0
V-1
V-2
各試験片の燃焼時間
(1回目・2回目)
10秒以下
30秒以下
30秒以下
各試験片の燃焼時間
+☆グローイング時間
30秒以下
60秒以下
60秒以下
試験片5本の
合計燃焼時間
50秒以下
各試験片の
クランプまでの燃焼
なし
なし
なし
滴下物による
脱脂綿の着火
なし
なし
あり
250秒以下 250秒以下
☆グローイングとは着火後、炭火のように燃えている時間をさします
本稿では、CS-3945が先に認証を取得した「難
このうちプリント基板材料の燃焼試験で代表的
燃性試験」と、それに続いて認証を取得した「温
な項目である「水平燃焼試験」と「20mm炎垂直
度定格認証(RTI)」についてご紹介いたします。
燃焼試験」のイメージを図3、4に示します。
■相対温度指数RTI
プリント配線板材料のようなプラスチック材料
また、20mm炎垂直燃焼試験の判定基準を表3に
の劣化は、熱によってスピードが加速されます。
示します。
■ULの燃焼性規格
燃えにくさの判定は、燃えにくい方からV-0、
一般的には温度が8∼10℃上昇すると、その寿命
表1にあるUL94には、プラスチック材料の燃焼
V-1、V-2、HBの順です。
は半分になると言われています。
性評価が規定されております。
CS-3945はUL94に定める、このような燃焼性試
燃焼性クラスにはつぎのようなものがあります。
験の結果、V-0での認証を取得しております。
14
▲燃焼試験は、規格に定められた
チャンバーの中で行われます
数万時間というLED照明の寿命を保証するため
には、LED部品だけでなく、それが搭載される
Products News 216
103
基板材料もまた、長時間にわたり高い熱にさらさ
Maximum Operating Temperature)が用いられ
れても、機械的あるいは電気的な特性を維持する
ます。
必要があります。
MOTはプリント配線板材料の段階で認証され
表1にあるUL-746Bは、相対温度指数に係る規
ているRTIの範囲内で定められます。
景観に優れた1000万人都市
格です。
表4. CS-3945の相対温度指数認証値
UL certificated value(RTI)
今 回の「 社 会と利 昌 」は、前 回ご好 評を賜った海 外 駐 在員
相対温度指数(RTI:Relative Thermal
Index)とは、一定温度の大気中に試料を10万時
相対温度指数
(℃)
品番
間(11年強)曝露した際、その材料の特性(電気
板厚
(mm)
Thickness
Product code
的・機械的)が半減する温度です。プリント配線
Relative Thermal Index
電気的
機械的
Electrical
Mechanical
海外駐在員レポート:ソウル・オフィス
レポート
(不定期連載)の第二弾で、ソウルよりお届けします。
日頃お世話になっている韓国ソウルについて、観光やグルメと
いった、ソフトな切り口でご紹介いたします。
「絶縁破壊電圧」、機械的特性においては「曲げ
CS-3945
(両面CCL)
強さ、または引張強さ」で評価されます。
▲
板材料の特性の半減は、電気的特性においては
ソウル・オフィス駐在員:ユ
(左)
と飯山
0.10
110
130
0.38
130
140
0.80
140
140
ソウル・オフィスは2003(平成15)年11月に開
春(3∼5月)と秋(9∼11月)は移動性高気圧
1.60
140
140
設。海外事業部の中で2番目に古い駐在員事務所
の影響により、乾燥した晴れの日が続きます。春
であり、本年で設立12年を迎えました。私は2005
は黄砂の影響で過ご
(平成17)年9月より当地に駐在しております。
しにくいので、秋が
●取材・記事:利昌工業株式会社 営業本部 海外事業部 ソウル・オフィス 飯山岩央
実際の評価は10万時間もの長時間をかけられな
いため、RTIを取得したい材料(キャンディデー
ES-3940
(アンクラッド)
ト材料)と、すでにRTIを認められている材料
(コントロール材料)を同じオーブンに入れ、ア
レニウスモデルを用いた高温での加速試験により
10万時間に相当する温度(相対温度インデック
ス)を算出しますが、それでもおおよそ1年前後
の時間を要します。
この度、CS-3945は相対温度指数の認証を取得
しました。その認証値を表4に示します。
CS-3945は0.1mm厚でも110℃(電気的特性)の
温度定格認証を取得しました。
なお、プリント配線板材料を評価するのには相
対温度指数(RTI)が用いられますが、そのプリン
ト配線板材料に回路を形成したプリント回路基板
を評価するのには、最高使用温度(MOT:
■おわりに
CS-3945の温度定格認証取得を機に、これまで
ご説明の機会が少なかったULという機関の概要
をはじめ、代表的な燃焼性規格と、相対温度指数
についてご紹介しました。
高熱伝導白色プリント配線板材料CS-3945は、
絶縁抵抗 Insulation resistance
一年のうちで最も過
のようなレポートを執筆させていただけること
ごしやすいと感じて
を何かの縁と考え、当オフィスが所在する韓国
おります。
ソウル市の一端をご紹介したいと存じます。
私の視点で韓国の
気候に対する印象を
FR-4材の約3倍の熱伝導率に加え、熱で変色しに
▲インチョン国際空港
くい白色の外観、さらには薄物でのご提供が可能
■乾燥する北国 9∼11月がベストシーズン
であることから、LED用途を中心に多くのご採用
関西国際空港から2時間弱、東京羽田空港から
旅行は、秋晴れの高く青い空が印象的で、食べ物
を賜っております。
約2時間45分。海外へのフライトとしては短い搭
が美味しい9∼11月を推薦いたします。
今回の相対温度指数の取得で、より広範な用途
でご使用いただけることを期待しております。
■一般特性 General properties
試験項目 Test items
日韓国交正常化50周年という節目の年に、こ
単位
処理条件
Unit
Treatment
MΩ
C-96/20/65
3.0×108
9
CS-3945
申し上げますと 乾燥する北国 です。韓国へのご
乗時間で、隣国韓国に到着です。
韓国は中緯度温暖性気候帯に位置し、気候は大
■中国依存型の経済
陸性気候と海洋性
2014年に韓国を訪れた日本人観光客は約228万
気候の中間型で、
人(前年比約17%減)。これに対して中国人観光
四季の変化がはっ
客は約612万人(前年比約41%増)です。外国人
表面抵抗 Surface resistance
MΩ
C-96/20/65
1.0×10
きりしています。
観光客の約43%が中国人ということもあり、最近
体積抵抗率 Volume resistivity
MΩ・m
C-96/20/65
1.0×107
短い夏と長い冬が
はソウル市内の繁華街である明洞(ミョンドン)
7.0
特徴で、夏(6∼8
比誘電率 Dielectric constant
1MHz
―
A
誘電正接 Dissipatipn factor
1MHz
―
A
銅箔引き剥がし強さ Peel strength
35μm
kN/m
はんだ耐熱性 Solder limit
260℃
熱伝導率
(レーザーフラッシュ法)
Thermal conductivity(Laser flash)
難燃性 UL flammability
▲機窓より
などで、ショッピングを楽しむ多くの中国人観光
月)は北太平洋高気圧の影響により高温多湿で、
客を見かけます。
0.015
日本ほどではありませんが蒸し暑い日が続きま
韓国貿易協会の統計によると、2014年の日本か
A
1.0
す。冬(12∼2月)は大陸性高気圧の影響により
ら韓国への輸入額は約538億ドル(前年比約10.4
sec.
A
300<
寒冷乾燥で、寒くて乾燥した日が続きます。
%減)で、輸入全体の約10%になります。同じ年
W/mK
A
1.3
冬はとても寒く2012年2月の大寒波では最低気
の韓国から日本への輸出額は約322億ドル(前年
温−17℃(体感気温−23℃)となり、ソウル市内
比約7.2%減)で、輸出全体の約5.6%になります。
―
UL94
V-0
を流れる漢江(ハンガン)が全面凍結しました。
これに対し、韓国最大の貿易相手国は中国です。
※上表記載の各種データは測定値の一例であり、数値を保証するものではありません。
17