恵山通商植樹式・MOU 署名式に於ける岸野駐ラオス日本国大使挨拶 2015.06.06 ビエンチャン県 UD Farm ペット・ポムピパック農林副大臣閣下 シンカム・コンサワーン・ビエンチャン県副知事閣下 ケントン・ヌアンタシン・駐日ラオス大使閣下 浅野恵山通商代表取締役 ニットサワーン UD Farm 社長 ご列席の皆様 今年は、日本とラオスが外交関係を樹立してから 60 年目に当ります。この記念す べき年に、この晴れの舞台に出席し、ご挨拶できることを光栄に思います。最初に、 緑化を図る植樹、並びに恵山通商と UD Farm の間の MOU 締結に心からお祝い申し 上げます。 日本とラオスは、今日最も強固な絆で結ばれており、これを踏まえ、本年 3 月のト ンシン首相訪日時には、両首脳の間で、二国間の関係を「戦略的パートナーシップ」 に格上げすることが合意されました。両国のビジネスパートナーシップの進展には、 近年目を見張るものがあります。日系企業関係者の来訪が相次ぎ、日系企業によるラ オスでの新たな事業展開も次々に生まれています。この国に進出する日系企業の数は この三年間で倍増し、現在 125 社を数えています。2013 年に恵山通商の現地法人と して設立された、Lao Charcoal Trading Co. (LCTC)もそのひとつです。 御列席の皆様 今日、メコン地域の連結性が向上し、ASEAN 経済共同体の発足を年末に控え、メ コンに「面としての経済圏」が生まれつつあります。多くの企業が、地域全体を見すえ ながら、域内各国の特性を踏まえ、どこで何を作り、どの流通経路を使ってヴァリュ ーチェインを繋ぎ、どのように生産・分業の最適化を図っていくのか、検討し始めて います。この流れの中で、ラオスもメコン地域の生産分業体制の一端を担い始めてお り、製造業、特に部品産業には日系企業の参入が相続いています。 然し乍ら、日系企業の関心はそれだけに留まりません。というのは、ラオスには、 安価で比較的安定した電力の供給、賃金が相対的に安く、勤勉で、訓練すれば使える 労働力の他、肥沃な土地と豊富な資源という特性と強みがあるからです。LCTC が進 める製炭事業は、正にこの点に着目したものであります。 既に事業は軌道に乗っており、マイチュー(Mai Tiew)を使って製造した白炭約 700 トンが日本に輸出されています。備長炭に似たこの炭は日本で大変人気があると聞い ています。単に樹木を伐採するだけでなく、植林も同時に推進し、自然との共生の中 で炭の製造・輸出が営まれていることがこの事業の特色です。植林や炭作りのノウハ ウを、技術指導を通じて地元の事業者や農民と共有し、人材育成を図っていることも 特色のひとつです。是非このビエンチャン県から日系企業の成功物語が生まれること を願ってやみません。 御列席の皆様 私は、日本国大使として、日本企業がラオスでビジネスを円滑に行えるよう、必要 な情報を共有し、日本の優れた技術や製品の売り込みを後押しし、問題に直面した際 には問題解決に向け支援していくことが、重要な任務のひとつと認識しています。何 かあれば、遠慮なく当館経済班までご連絡下さい。いつでもお手伝いします。 最後に、当地で活動する日系企業がこれまで賜ったご支援に対し、ラオス政府及び ビエンチャン県に謝意を表明します。これら企業は、この地域に根を下ろし、新たな 雇用と需要を生み出し、地域経済の活性化に寄与しています。現地パートナーと技術 やノウハウを共有し、また、訓練を通じ労働者の技能向上にも貢献しています。これ はウィンウィンの関係に繋がるので、引き続きご支援をお願いします。 皆様のご健康とご多幸をお祈りし、私の挨拶とさせて頂きます。
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