アデランス工場開所式における岸野駐ラオス日本国大使挨拶(案

アデランス工場開所式における岸野駐ラオス日本国大使挨拶(案)
2015.07.24
サワナケート
サイソンポン・ポムヴィハン国民議会副議長閣下
カンプ-イ・パンタチョン・サワナケート県副知事閣下
ソンプー・デュアンサワーン・ラオス日本友好議員連盟会長閣下
根本信男アデランス会長兼社長
ご列席の皆様
今年は、日本とラオスが外交関係を樹立してから 60 年目に当ります。この記念す
べき年に、この晴れの舞台に出席し、ご挨拶できることを光栄に思います。最初に、
工場の完成とお披露目に心からお祝い申し上げます。
日本とラオスは、今日最も強固な絆で結ばれており、これを踏まえ、本年 3 月のト
ンシン首相訪日時には、両国首脳の間で、二国間の関係を「戦略的パートナーシップ」
に格上げすることが合意されました。また、7 月の訪日時には、戦略的パートナーと
しての関係を強化し、質の高いインフラ整備を進めていくことで一致しました。
その中で、ビジネス分野に於ける両国のパートナーシップの進展には近年顕著なも
のが見られます。日系企業関係者の来訪が相次ぎ、日系企業によるラオスでの新たな
事業展開が次々に生まれています。この国に進出する日系企業の数はこの三年間で倍
増し、現在 126 社を数えています。御社アデランス・ラオもそのひとつです。
御列席の皆様
今日、メコン地域の連結性が向上し、ASEAN 経済共同体の発足を年末に控え、メ
コンに「面としての経済圏」が生まれつつあります。多くの企業が、地域全体を視野に
入れつつ、域内各国の特性を踏まえ、どこで何を作り、どの流通経路を使ってヴァリ
ューチェインを繋ぎ、生産・分業の最適化を図っていくのか、真剣に検討しています。
この流れの中で、ラオスもメコン地域の生産分業体制の一端を担い始めています。
タイとフィリピンに工場を持つ御社が、2012 年にラオスで委託生産を開始し、そ
の成果を踏まえ、昨年から工場建設に着手し、勤勉で手先が器用なラオス人労働者を
活用する、かつら製造事業を立ち上げたことを、心より歓迎したいと思います。ビエ
ンチャン工場と併せ、当初 1100 人体制での操業と承知しますが、競争力ある賃金と
勤勉な労働力という、ラオスが持つ強みと特性を活かし、当地に於ける事業が順調に
拡大し、何れラオス工場がタイ工場に取って代わる日が来ることを期待しています。
このサワナケートから日系企業の成功物語が生まれることを願ってやみません。
私は、日本国大使として、日本企業がラオスでビジネスを円滑に行えるよう、必要
な情報を共有し、日本の優れた技術や製品の売り込みを後押しし、問題に直面した際
には問題解決に向け支援していくことが、重要な任務のひとつと認識しています。何
かあれば、遠慮なく当館経済班までご連絡下さい。いつでもお手伝いします。
最後に、当地で活動する日系企業がこれまで賜ったご支援に対し、ラオス政府及び
サワナケート県に謝意を表明します。これら企業は、この地域に根を下ろし、新たな
雇用と需要を生み出し、地域経済の活性化に貢献しています。現地パートナーと技術
やノウハウを共有し、また、訓練を通じ労働者の技能向上にも寄与しています。これ
は双方のウィンウィンの関係に繋がるので、引き続きご支援をお願いします。
結びにあたり、皆様のご健康とご多幸をお祈りし、私の挨拶と致します。