プラズマディ スプレイパネルの計算機支援設計の研究 橘 邦英

プ ラズマデ ィスプ レイパ ネ ルの計算機支援設計 の研究
橘
邦英
京都工芸繊維大学
電子情報工学科
工 芸学部
教 授
1.は じめに
来 るべ きハ イビジョン放送 時代 の家庭用大型高精細 TV受 像機 として、プラズマディスプ レイ
パ ネル (PDP)に
対す る早期実用化の期待が高 まっている。 しか し、工業化 に至 るまでには、
発光効率や輝度の改善、動作寿命の向上 などの大 きな問題が残 されて い る1)。本課題 では放電物
理の立場か ら、 PDPの 単 一セルの放電特性や発光特性を模擬で きる実際的な シミュレー タを開
発 し、計算機支援設計 (CAD)に
よってセルの構造や動作条件の最適化の方向を探 ることを目
的 として研究を進 めた。
カラー表示用 の P D P で
は、放電 プ ラズマか らの紫外線 によ って蛍光体 を励起 し、赤 緑青 の 可
視光 に変換 して い る。従 って 、放電で紫外線 を発生 す る過程 の効率を高 め る必要が あ る。 そ こで
種 々の 素過程、すなわ ち、電子 と原子や分子の衝突 による励起や電離、電子 とイオ ンの再結合、
励起原子 の 発光 な どを考慮 して、電子や イオ ン、励起原子 ・分子 の密度 に関す る連続の式か ら成
る放電 プ ラズマ モ デルを構築 した。 そのモデルを外部回路方程式 と組み合わせて、与え られた動
作条件や境界条件で解 くことによ って、放電 特性や発光特性 の シ ミュレー シ ョンを行 った。 また、
簡単 な模擬放電 セル を用 い た実験 との比 較 によ って、計算技法や用 い た基礎定 数 の改良 を行 って、
モ デルの現実性 を高め るべ く努力を重ねて い る。
2 . 放 電 における基 礎過程 と速 度定数
PDPの
動作ガ スの 代表例 と して、図 1 に H e ―X e 混合 ガス系 の放電現象 に関わ る衝突や放射過
程 の主 要 な もの を示す。 セルの寸法が数 1 0 0 μ
m と小 さいので 、放電開始電圧を下げ るために動 作
ガ ス圧が数 1 0 0 h P a と高 い値 に設定 され、分子の励起 状態や イオ ン も生成 され る。放電 プラズマ 中
で は電子の 衝突 による電 離や励起 が主 要 な役割を担 うが、集団 と しての電子 はエ ネ ルギ ー分布 ( E
E D F ) をもち、その 分布 は場所や時間 とともに変動 して いる。種 々の弾性、非弾性 の電子衝突断面
積 の デ ー タを 用 いてB o l t z m a n n 方
程式を解 くことによ って 、換算電界 E / N ( E は電界、N ( ま
ガス密度)
の 関数 と してE E D F を求 め、電離 ・励起係数、移動速度、拡散定数な どの スウ ォー ムパ ラメー タを
計算で きる。 一方、電子移動管を用 いた実験 との比 較 によ り、その計算結果 の 妥当性 を評価 し、
2)。
衝突断面積 を改良 して最適 なセ ッ トを得 ることがで きた
また、原子や 分子 同士 の 衝突 による
励起移乗や ベニ ング電離 な どの速度定数 については、既報 の文献か ら必要なデ ー タを集積 した 3 ) 。
3 . 局 所電界 近 似 による 1 次 元連続流体 モデル
最初 に連 続流体 モ デルによる 1 次 元 の シ ミュ レー シ ョ ンを試みた 1 5 う。基本的 には粒子密度 に
関す る連続 の 式を用 い、電子や図 1 に 示 した各種 のイオ ンや励起状態原子、 分子を独立 の粒子 と
して取 り扱 った。連続の式 は次 の よ うに表 され る。
15
-
幹=q側_Lは
俳十
t)
(1)
_響
q=Ⅶ
一
電子蜘
離加
図 l He Xe混 合ガ ス系 にお ける電子、原子、分子の衝突 ・放射過程 の概略
X e ( 1 0 % )
0 02cm
… ……
下
200V
比‐
す
.
.,
メ↓ t t
200 Torr
∝ 3
ド ↑
干﹁
H e
Area 0 004cnヤ
D r i v i n g V V a v e Fmo 「
of Vohage
図 2 1次
ここで、 n i O i v i D l は
元 放電 セルモ デル と駆動電圧波形
それぞれ粒 子 1 の 密度、 フラ ックス、移動速度、拡散定数であ り、
G l L l は その粒子 の生 成および消滅項を表す。 1 4 7 n m 共鳴線 の発光過程 に対 して はH o l s t e i n の
式
6
)
。
に基づ いて 光 の 閉 じ込 めを考慮 した
また、 v i や D i 並 びに電子 衝突 による電 離係数や励起係
数は、その場 の電界だけで決 ま り近傍 の電界 には影響 されない と仮定 した ( 局所電界近似) 。 一
方、電位や電界 はP o l s s o n の
式 に従 って、 イオ ンと電子 の密度差で与え られ る空 間電荷か ら求 め
る。電 位 の境界条件 は外部回路方程式 と連動 して電極間電圧か ら与え られ る。
各種粒子 に関す る連続の式の連立微 分方程式 の数値計算 の方法 と して は、拡散 と移動 の 両項を
l の を採用 した 7 ) 。モ デル計算 に用 いたセルの構造や
含む場合 に有効 なS c h a r f e t t e r G u n l m e差分法
印加電圧波形 などは図 2 に 示す。 V s は維持電圧 で パ ル ス幅を l μ s 、 同期を 4 μ s と した。V ぃは
直流 バ イアス電圧であ り、電流制限抵抗 の値 は l M Ω と した。
-16
X e 混合比 1 0 % 、 V 、= 1 5 0 V 、V “= 1 5 0 V の場合 にお ける電界
結果 の 一 例 と して、全ガ ス圧 2 6 0 h P a 、
強度 E 、電 子密度 n t 、ィォ ン密度 n l ならびに1 4 7 n m 線
発光 の上 順位 X e ( l s 4 ) 密度、順安定 のX e ( l s 5 )
密度、 1 7 3 n m バン ド発光 の 上準位X e 2 * の時間 ・空 間変化 の様子を図 3 に 示す 5 ) c 放 電 の 立 ち上が
りとともに電界 は陰極 前面 で大 き く陽極 に向か って減 少 してい くが、高電界 の領域が広 く展開 し
てお り、 その範囲で は大 きな空 間電荷が存在 し、電 子が少 な くイオ ンが 多 い陰極 シー ス領域 を形
成 して い ることを 示唆 して い る。X e ( l s 4 ) 準
の空間
位 の密度 は電 子 エ ネ ル ギ ー分布関数 E E D F とn Ⅲ
分布 の かねあいか ら、陰極 シー ス端付近で ピー クを もつが、光の再吸収 による閉 じ込 め効果 によ
って、 時間的空 間的 に比 較的緩やか な変化をす る。X e ( l s 5 ) 準
位 は準安定状態であ るため、衝突
によ って消滅 す るまでの寿 命 が さ らに長 く時間的な変化が ほとん どな く、拡散 によ って空間的 に
も広が って い る。 そのためX e ( l s 5 ) と
基底 状態X e 原子 の 3 体 衝突で生成 され るX e 2 * も同様 の 変化
をす る。
か
,ギ
と
止
?
\
に。
文
︵千 〓 。 i o ︻ X ︻ ︶
///
\
\
・
で
図 3
1 次 元 の局所電界近似 モ デルで計算 された( a ) 電
界強度、( b ) 電
子密度、
( C X e + イオ ン密度、( d X e ( l s 4 ) 密
e
x
e
(
l
s
5
)
密
度、(
度、( f X e 2 X 密度 の
時間 ・空間変化
- 17 -
4 . 模 擬放電 セルにおける測定 との比 較
上述の シ ミュ レー シ ョン結果 と比 較す るために、電圧、電 流波形 などの簡単 に計測 で きる量 の
みな らず、X e 原子 の 1 4 7 n m 発光や、X e 2 分子 の1 7 3 n m バン ドの 発光 スペ ク トルの 強度や波形を、X e
混合比 や印加電圧をパ ラメー タと して測定 した 8 ) 。真空紫外光 の測定 は、前面を サ フ ァイヤガラ
ス と した特別 の パ ネ ル を製作 し、分光器 に入射 ス リッ トの フ ラ ンジに0 リ ングを介 して密 着 させ
た。測定 され た電 極間電圧 V F や電 流 I d 、1 4 7 n m 発光 の波形 の例を、 シ ミュ レー シ ョン結果 と比 較
して図 4 に 示す。実験 と計算 の結果 は波 形 の特徴 の みな らず、定量的 に もまず まずの一 致を示 し
て い る。
慨
︵堆ミ 三 娯 慨 慨 終
ド
a國
V
︰
圧
電
源
電
一
︲
︵こ 田
︵堆ミ こ ポ 慨 即 終
ド
︵こ 四 慨
図 4 電 極間電圧、放電電流、 1 4 7 n m 線発光波形 の計算値 と実験 値 の比 較
V B = 1 5 0 V 、全 ガス圧 2 6 0 h P a 、X e 1 0 % )
(Vs=200V、
全印加電圧 ( V s + V L ) を3 5 0 V で一定 と し、V B を変化 させた ときの1 4 7 脚線 の 発光強度 の相対変化
の様子 を計算値 と比較 して図 5 に 示す が、両者 の 変化 は互 いによ く一 致 している 5 ) 。しか し、V B
が3 0 0 V まで増加 した場合 には測定値 は計算値 よ り大 き く下 にずれ てい る。 そ こで は電流 値 が大 き
くな って電子密度 も増え、電子衝突 による励起準位か らの 累積電離 も増大 して い ると推定 され る。
その効 果を取 り入れた新 しい計算 の結果で はその不 一 致がか な り改善 された。
印可電圧や全封入圧力を一 定 と し、H e に対す るX e の混合比を変化 ささせ た場合の 1 4 7 n m 線の発
光強度 の 変化 の様子 を図 6 に 示す。実験、計算 の結果 とも約 5 % 程 度 の混合比で最大 の 強度が得
られ ることを示 して いる。 この 他 に、1 4 7 n m と1 7 3 n m の発光強度 の相対比 率や、 それ らの 時間変化
の波形 で も両方 の結果 は比較的よ く一 致 して い る5 9 ) 。
-18-
︵i
r
C
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o
つた
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ふ
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E﹂ C
〇
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O ネ ∽⊆ 〇 C
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γ﹂
卜 寸 一 ×
△〉
RJ定値
O 言十算値
〇計算値
△油け直1直
辻
0
100
10
Bios VO110ge(V)
20
Xe Perceni(%)
図 5 X e 1 4 7 n m 線 の 平均発光強度の
直流 バ イアス電圧 V B 依存性
( V s t t V B = 3 5 0 V定
一、
全 ガス圧 2 6 0 h P a 、X e 1 0 % )
図 6 X e 1 4 7 帥 線 の 平均 発光強度 の
X e 混合比 依存性
( V s = 2 0 0 V 、V は= 1 5 0 V 、
全 ガ ス圧 2 6 0 h P a )
5 . モ デルの改良 と多次元化
( 1 ) 1 次 元 ビー ム電子 モ デル
局所電界近似で は、原子 ・分子 との 衝突 による電 子 の エ ネルギ ーの緩和が、位置 の 移動や時間
の経過 に対 して 十分速 く起 こることを仮定 して い る。 この仮定 はガス圧が低 い場合や印加電圧 の
変化 の 早 い場合 には当て はま らな い ことが あ る。非平 衡 な電 子 エ ネ ル ギ ーの成分を簡単な扱 いで
取 り入れ ることがで きるモ デル と して、E E D F にビー ム成分を含ませ る方法を試み た 1 0 ) 。このモ
デルで は、 陰極 へ の イオ ン衝撃 による γ効果で発生す る 二次電子を単 一 エ ネ ル ギ ーの ビー ム と し
て扱 い、 その密度や エ ネル ギ ーの 時間空間変化 に関す る連続の式 も連立 させて 解 いて い く。 さ し
当た って 簡 単化す るために、空 間電荷密度 の 小 さいプラズマバ ル ク部 に存在す る熱的 に緩和 した
冷電子 はエ ネ ル ギ ーが小 さ く、電離や励起 に関与 しない と したが、P o l s s o n の
式を通 して空間 的
な電 界分布 の形成 には関わ って くる。
このモデルによる計算結果を局所電界近似 の場合 と比 較す ると、電 極間の電界分布 の様子がや
や異な ってお り、冷電子 の密度が高 くなるた めにバ ル ク部 で電 界が急速 に小 さ くな っている。 し
か し、 高 エ ネルギ ーの ビー ム成分で決 まる電離や励起 の頻度 な らびに1 4 7 n m 発光強度 の結果 には、
最大 2 倍 程度 の違 い しか現れて こなか った。
19
( 2 ) 2 次 元連続流体 モ デ ル
現実 の 放電 セルにおける側壁 の存在 な どの効果を取 り入れ、 よ り定量性を高 め るためには多次
元的な モ デ ルが必要 とな って くる. 我 々 も現在、 2 次 元 モデルの構築 に着手 して い るが、 同一 の
計算 手法で は単純 に評価 して も 1 次 元 の場合 の計算時間の 2 乗 程度 の 時間が必 要 となる。 円筒形
状 のよ うに軸対称性 を取 り入れた り、扱 う粒 子数を減 らす ( 具体的には時間変化 の遅 い もの は時
間刻みを間引 いて計算す る) な どの工 夫を要す るc 方 形 の 1 辺 を陽極 と し対向す る陰極の幅 は有
限 で、 周 りを絶縁壁で囲 まれて い る 2 次 元形状 において計算 された結果の 一
例を図 7 に 示す。荷
電粒子 の 絶縁壁 方向へ の拡散 による再結合損失 が生 じるため、縦方向 ( 電極間 の方向) で の電界
や電子密度の分 布が影響 を受 けて い る。 この計算で は実 質 に電 子 とX e ィ ォ ン、準安定 X c 原子 し
か独立 な粒子 と して考慮 されて いないが 、言十算時間 は5 0 M I P S 程
度 の ワー クステ ー シ ョンで 5 日 間
程度必要で あ った。
-8.96x102‖
lcl
Cス
チ々 ミ
0く
(3.36x107 cl-3)
図 7 2次
元 モ デ ルに よるHe Xe混 合 ガスの 直流放電特性 の計算例
6.お わ りに
PDPの
実用化 に向けての実験的研究を支援す るた めに、計算機 シ ミュ レー シ ョンによる単 一
セルでの放電現 象 の解析を行 った。 その結 果、封入 ガスの組成や印加電圧 などの 変化 に対す る放
電電圧、電流 および紫外線発光特性の 変化が定性的に予測 で きるモ デルが構築 で きた。 さ らに定
量性 を高 めて い くた めには、 多次元 のモデルが必 要 になるが、現実的 な計算時間で 有効 な結 果が
得 られ るよ うに、計算手法 な どに更 に工 夫を重ね て い く必要がある。
最後 に、 本研究 の遂行 にあた って 多大 の御支援 を い ただ いた働高柳記念電子科学技術振興財団
並 びに関係各位 に厚 く御礼 申 し上げます。 また、共同研究者 の橋 口、伊藤 (京都 工 繊大)、 高橋、
l)、 坂井、松崎、村上 (NHK技
竹井、河原 (松下電子 工 業l■
す。
20-
研)の 各氏 の御協力 に感 謝致 しま
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