- 1 - 仮想クライアント環境要求仕様作成業務委託特記仕様書 1 目的

仮想クライアント環境要求仕様作成業務委託特記仕様書
1 目的
現在、横須賀市(以下、
「本市」という。)では、約 2,300 台の一般事務用パソコン(以
下、
「LAN 端末」という。
)を、平成 27 年度から順次更新するにあたり、セキュリティ
や運用面の課題を解決するため、仮想デスクトップ環境、業務アプリケーション接続用
環境、及びファイルサーバ(以下、「仮想クライアント環境」という。)の導入を検討し
ている。
この仮想クライアント環境の導入に際しては、公平性・競争性を担保しつつ各事業者
からの提案を評価するプロポーザル方式により、本市の業務運用に適した提案を行った
事業者を選定することを考えている。
本業務は、平成 27 年度に予定するこのプロポーザルに先立ち、現状の LAN 端末から
仮想クライアント環境へ移行することに伴う影響を整理し、仮想クライアント環境によ
り職員が安定的に業務を遂行でき、運用管理が効率化されるよう、必要な機能要求・非
機能要求を定義しつつ要求仕様としてまとめるとともに、提案依頼書(RFP)
(案)及び
評価項目を整理してまとめた一覧表を作成することを目的とする。
2 対象
本業務における検討の対象範囲は、後述の「5
業務内容」に記載の範囲とする。詳
細は「別紙1_現状の LAN 端末環境の概要」に記載のとおり。
3 仮想クライアント環境の導入に関する基本的な考え方
現在、情報システム課が所管する約 2,300 台の LAN 端末に関する様々な課題に対応す
るため、仮想クライアント環境を平成 27 年度に導入し、併せて LAN 端末を平成 27 年度
から 28 年度にかけて順次更新する。
なお、現在検討中の内容は「別紙2_検討中の仮想クライアント環境の概要」に記載の
とおり。
(1)仮想デスクトップ環境
仮想化技術を利用し、各職員が利用する端末のデスクトップ環境を仮想化するこ
とで、物理的な端末と分離しサーバ上で一括管理する。
LAN 端末を、ハードディスクを持たない端末(シンクライアント)に移行するこ
とにより、端末の長寿命化(7~10 年)や、セットアップが不要になることによる
経費の軽減が期待できる。
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また、デスクトップ環境をサーバ側で一括管理するため、OS やインストールした
アプリケーションのバージョンアップ等への対応が容易になり、これまで必要とし
ていた業務委託工数の軽減も期待できる。
(2)業務アプリケーション接続用環境
仮想化技術を利用し、原則として仮想デスクトップではなく当該環境を提供する
サーバ側で開いた InternetExplorer(以下、
「IE」という。)を通じて業務アプリケー
ションを利用することを可能にする。
このことにより、仮想デスクトップ側の OS や IE は業務アプリケーションの対応
状況に合わせる必要がなくなる。
なお、この業務アプリケーション接続用環境には、既存 LAN 端末も接続すること
を想定している。
また、この環境を利用して、インターネットを閲覧する環境を仮想化することも
可能であるため、業務データの流通するネットワークと、インターネット接続環境
を分離できることも期待している。
(3)ファイルサーバ
端末故障によるデータ消失や、端末の紛失や盗難による情報漏洩といった運用上
の課題を解決するため、ファイルサーバを導入する。
ファイルサーバの導入と仮想デスクトップ環境の導入により、LAN 端末へのデー
タ保存を禁止し、各課で導入している外部記憶デバイスも可能な限り廃止していく。
4 仮想クライアント環境導入にあたって、懸念している運用等
「別紙1_現状の LAN 端末環境の概要」に記載した現状の LAN 端末の環境から仮想ク
ライアント環境に移行する際に、既存環境や運用に影響があることが想定されるが、
「別
紙2_検討中の仮想クライアント環境の概要」を踏まえ、現時点における運用や経費への
影響として次の内容を懸念している。
(1)LAN 端末全体の運用に及ぼす影響
ア
現行の LAN 端末に共通するソフトウェア
・
ウィルス対策ソフト:TrendMicro 社のウィルスバスターCorp を使用
・
端末管理ソフト
・
スキャナ用ソフト :富士ゼロックス社の DocuWorks を使用
・
ファイル圧縮ソフト:デジカ社の WinRAR を使用
:SKY 社の SKYSEA Client View を使用
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現状の LAN 端末では紙文書の電子化に、USB 接続のフラットベッドスキャナ
イ
を利用している。
現状の LAN 端末では、内蔵の CD/DVD ドライブで光学式メディアにデータを
ウ
書き出すことを可能としている。
(2)各所属での LAN 端末の運用に及ぼす影響
各課で LAN 端末に個別にインストールしているアプリケーション
ア
特に CAD 等の端末スペックが必要となるアプリケーションの実装方法には注意
が必要と考えている。
イ
各課で個別に導入しているプリンタの運用とドライバの実装方法
5 業務内容
(1)スケジュールの作成
本業務に関するスケジュールを作成し、本業務開始後速やかに本市の承認を得る
こと。
(2)仮想クライアント環境に対する要求仕様の前提条件の整理
前章「4
仮想クライアント環境導入にあたって、懸念している運用等」の内容
を踏まえ、以下のとおり本市の現行環境を調査し、仮想クライアント環境に対する
要求仕様の前提条件を整理すること。
ア
仮想クライアント環境への移行に伴う影響評価
現状の LAN 端末やネットワークに関する以下のヒアリングや調査を実施し、仮
想クライアント環境へ移行した際の影響を評価すること。
○ 「別紙1_現状の LAN 端末環境の概要」の背景となる詳細情報(LAN 端末に
インストールされたアプリケーション 等)についてのヒアリング
○
ネットワーク環境の構成・機能・セキュリティ・可用性・性能に関する要求
事項のヒアリング
○
イ
ファシリティ環境(コンピュータ室のラック及び電源等)に関する調査
仮想デスクトップ環境の構成の検討
上記影響評価を踏まえ、仮想クライアント環境のうち仮想デスクトップ環境の
構成について、VDI 方式を導入すべき要件の基準を提案すること。
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ウ
現行環境のパフォーマンス情報の収集
仮想クライアント環境が実装すべき基本性能項目(ユーザあたりメモリ容量・
平均 CPU・平均ストレージ性能、OS あたりのストレージ容量 等)を算出する
ため、現状の LAN 端末やネットワーク環境に対して、アセスメントツールを使用
し、以下に示す「表1」に記載のパフォーマンス情報の収集を行うこと。また、
収集した情報を整理するとともに、課題の抽出と改善策の提案をまとめて、
「仮想
クライアント環境への移行に関する影響評価報告書」を作成すること。この報告
書の提出にあたっては必ず日本語で作成し、内容について本市の了解を得ること。
ここで使用するアセスメントツールは、Liquidware 社の Stratusphere Fit また
は LakeSide 社の SysTrack を想定している。なお、これ以外のツールを使用する
場合には、あらかじめ横須賀市の許可を受けた上で、「表1」記載の情報が収集で
きるツールを使用すること。またツールの利用に必要となるライセンス費用等は
本業務の費用に含めるものとする。
対象とする LAN 端末は 2,300 台を想定しているが、最終的な端末数や取得情報
は本市と協議の上決定するものとする。
(表1)
取得項目
LAN 端末環境
取得情報
端末のアセット情報
端末の負荷情報(CPU 使用率、メモリ使用量)
時系列での端末同時利用人数
アプリケーション環境
アプリケーション概要
-使用ユーザ数
-使用時間
-バージョン数
-平均 CPU 利用率
-平均メモリ使用量
-平均 IOPS
アプリケーション単位
-使用ユーザ数(合計、時系列)
-CPU 使用率
-メモリ使用量
-IOPS
ネットワーク環境
端末側の最大・平均使用帯域
WAN 環境の調査
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なお、このツールの各端末への展開作業は本市が実施するため、必要となる技
術情報については受託者から提供すること。
情報収集に必要となるサーバについて以下のスペックのサーバは本市から提供
可能であるが、サーバへのセットアップやミドルウェア等に関する費用は本業務
に含めること。また、利用するツールの仕様により、別途サーバが必要となる場
合に係るリース料等についても本業務の費用に含めるものとする。
<本市が提供可能なサーバ(6 台)>
OS:Microsoft Windows Server 2008 Standard SP2
CPU:Intel Xeon CPU X5570 2.93GHz/4 Core
MEMORY:4GB
HDD:300GB×2(RAID1)
(3)要求仕様の作成
ア
(2)で行った影響評価に基づき、本市が導入すべき仮想クライアント環境の
基本構成と既存ネットワークへの接続における構成や必要な機能、セキュリティ、
可用性、性能を検討すること。また、利用者の業務運用に支障が出ないよう機密
性・完全性・可用性について充分配慮すること。
なお、この検討に際しては、最新の技術動向や今後の運用上の課題、導入・運
用におけるコスト等を充分に考慮し、最適な提案を行うこと。
また、検討結果を基に、仮想クライアント環境の構成概要図を作成すること。
イ
アの検討結果を基に、実現すべき機能要求、非機能要求を整理し、要求仕様書
としてとりまとめること。
なお、この要求仕様書においては、必須要件として具体的に定義する項目と、
提案を求める項目とを明確にすること。
ウ
この時点において仮想クライアント環境の導入に必要となる概算経費(構築経
費、ハードウェア・ソフトウェア購入経費、5 年間の保守経費等)を試算すること。
(4)提案依頼書(RFP)
(案)及び評価項目の作成
前述(3)イでとりまとめた要求仕様書に基づき、本市が平成 27 年度に行うプロ
ポーザル方式の調達において提供する提案依頼書(RFP)
(案)及び提案内容を評価
するための評価項目を整理してまとめた一覧表を作成すること。
(5)会議の開催
本業務を実施するうえで必要となる会議体を週 1 回開催すること。必要に応じて
別途会議を開催する場合には2日前までに通知すること。また、開催後3営業日以
内に議事録を提出し、本市の承認を得ること。
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6 成果物
5に記載した業務において作成した資料、調査報告書、各種ドキュメントを報告書の
形に編纂し、最終成果物として納品すること。
また、要求仕様書と概算経費については中間成果物として提出すること。中間成果物
の提出時期については、本市と協議のうえ決めるものとする。
(1)最終成果物提出期限
平成 27 年2月 28 日
(2)報告書部数
紙媒体
1部
電子媒体
1部
(3)報告書の内容
・仮想クライアント環境への移行に関する影響評価報告書
・仮想クライアント環境要求仕様書及び概算経費
・提案依頼書(RFP)
(案)
・評価項目一覧表
・議事録
等
7 その他
(1)報告書等、成果物の権利
納品された成果物の権利は、本市に帰属するものとする。
(2)再委託の禁止
受託者は、本市が書面をもって承諾した場合を除き、本委託業務を第三者に再委
託してはならない。
(3)後続案件への参加制限
本業務を受託した事業者は、仮想クライアント環境の導入に関する事業者選定の
ために実施するプロポーザルに参加することはできないものとする。
また、本業務における成果物の内容が、関連会社等に著しく有利にならないよう
留意すること。
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(4)業務体制の承認
本業務に携わる業務責任者および作業担当者を記載した業務体制図を提出し、本
市の承認を得ること。体制図に記載する人員は開催される会議体に出席できる者で
あること。また、体制に変更が生じる場合は速やかに届け出ること。
(5)技術認定資格
業務体制には、次に示す技術認定資格のうちいずれかを保有する者を 1 名以上含
むこと。なお、保有資格により成果物に記載する製品を限定するものではない。
・ CCP-V(Citrix Certified Professional Virtualization)
・ MCSE : Desktop Infrastructure (Microsoft Certified Solution Expert)
・ VCP(VMware Certified Professional) 5 – Desktop
(6)疑義の解消
本特記仕様書に定めのない事項、または、疑義が生じた事項については、受託者
と本市が協議して定めるものとする。
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