L211 数学と論理学 第3回 プライニング ノルベルト [email protected] http://www.preining.info/jaist/l211/2015j/ 前の講義 計算からパターンの理論まで 大事な点 I 算術の基本定理 I 素数定理(Prime number theorem) 自然数の中に素数がどのくらいの「割合」で含まれている π(n) ∼ I n ln n ゴールドバッハの予想 全ての 2 よりも大きな偶数は二つの素数の和として表すこと ができる。 I 完全化: 足算:N → Z 割算:Z → Q ルート:Q → A, A → R, R → C 証明 国語辞書 ある物事や判断の真偽を、証拠を挙げて明らかにする こと。 「身の潔白を―する」 「本人であることを―する 書類」「身分―」 「印鑑―」 訴訟法上、当事者が事実の存否について、裁判官に確信 を抱かせること。または、これに基づき裁判官が確信を 得た状態。 他の人に正確を納得させる! いろんな証明方法 I 当たり前の証明:「そんなに簡単な証明を述べなくていい」 I 便利さの証明: 「正しかったら、よかった。 。 。 」 I 必要さの証明: 「これは正しくなかったら、世界の終わりだ」 I 脅迫の証明: 「バカにしないで、正しいぞ」 I 悪い類推の証明:「まっ、ちょっとそれに似っているから、 正しい」 I 直感の証明:「僕の感じで正しい」 I 権威の証明: 「XXX はおっしゃったから正しい」 Last but not least . . . 愛情の証明: 「彼氏から指輪をもらったから、 。 。 。」 数学の証明 I 正確さを確かめる I 推論する I I I I 公理から 前に証明された定理・補助定理から ひとつづのステップを確認できる 伝えられるように書く 数学の真偽 真 命題は正しいか正しくない。 「半分正しいというがない!」 命題の組立方法 ∨ オア (選言) A∨B ∧ アンド (連言) A∧B → ならば (含意) A→B ¬ ノット (否定) ¬A 必要と十分と必要十分 必要 A は B であるための「必要条件」 x 2 = 1 は x = 1 であるための必要条件 B→A 十分 A は B の「十分条件」 x = 1 は x 2 = 1 の十分条件 A→B 必要十分 必要条件でもあり十分条件でもある条件 A↔B 真理値表 真 偽 基本価値 A ¬A 1 0 0 1 1 0 真理値表2 A B A∨B A B A∧B A B A→B 0 0 1 1 0 1 0 1 0 1 1 1 0 0 1 1 0 1 0 1 0 0 0 1 0 0 1 1 0 1 0 1 1 1 0 1 A B A↔B 0 0 1 1 0 1 0 1 1 0 0 1 真理値表3 真理値表の練習 (P ∨ Q) → R 量記号 全称記号 記号:∀ 「すべての」. . . 例:∀n ∈ N : P(n) 全ての自然数 n に対して P(n) である。 存在記号 記号:∃ 「ある」. . . 例:∃n ∈ N : P(n) ある自然数 n に対して P(n) である。 他の作用素:∃! 量記号の関係 「全ての n に対して P(n) である」と否定すると . . . ¬∀nP(n) 「ある n に対して ¬P(n) である」になる ¬∀nP(n) ⇔ ∃n¬P(n) ¬∃nP(n) ⇔ ∀n¬P(n) 証明方法 直接証明 定理 2つの集合 A と B は、A ⊆ B かつ B ⊆ A が成り立つならば、 A = B が成り立つ。 証明 I x ∈ A が成り立つならば、A ⊆ B のため、x ∈ B が成り立つ。 I (1) それゆえ、全ての x ∈ A に対して、x ∈ B である。 I x ∈ B が成り立つならば、B ⊆ A のため、x ∈ A が成り立つ。 I (2) それゆえ、全ての x ∈ A に対して、x ∈ B である。 I (1) と (2) は A = B を導く。 直接証明 定理 (A ⊆ B) ∧ (B ⊆ A) ⇒ (A = B) 証明 I (1) x ∈ A ∧ A ⊆ B ⇒ x ∈ B I (2) x ∈ B ∧ B ⊆ A ⇒ x ∈ A I (1) ∧ (2) ⇒ A = B 対偶証明 直接証明 前提 =⇒ 結論 前提を仮定すると、結論を証明する。 対偶証明の基本パターン A→B ⇔ ¬B → ¬A 結論の否定を仮定して、前提の否定を証明する。 対偶の確認 A B A→B ¬A ¬B ¬B → ¬A 0 0 1 1 0 1 0 1 1 1 0 1 1 1 0 0 1 0 1 0 1 1 0 1 対偶の例 定理(n は自然数) n2 は偶数が成り立つならば、n も偶数が成り立つ。 対偶の式 n は偶数が成り立たないならば、n も偶数が成り立たない。 証明 n は偶数ではないから n = 2k + 1 が成り立つ n2 = (2k + 1)2 n2 = 4k 2 + 4k + 1 n2 = 2(2k 2 + 2k) + 1 だから n2 も偶数ではない。 矛盾証明 基本のパターン A を仮定すると、矛盾を推論できる場合は、 A は正しくない。 例 √ 2 は無理数である。 証明 √ 2 は有理数を仮定する。。。 矛盾証明 素数の数 素数の数は無限である。 証明 素数の数が有限を仮定する。 。 。 まとめ I 社会の証明と数学の証明は違う I 証明は公理から一歩一歩続いてる I いろんな証明方法 演習の紙 次の講義:帰納法 Sources I Ring: http: //www.fotocommunity.de/pc/pc/display/29133067
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