児童養護施設「筑波愛児園」 2015 年 10 月第二回寄付金振込に関する

Living in Peace 教育プロジェクト
児童養護施設「筑波愛児園」
2015 年 10 月第二回寄付金振込に関するご報告
改築前
▼
改築後
Living in Peace, all rights reserved.
目次
1.寄付実施時期と金額の報告 ................................................................................ 3
2.寄付を行うにあたっての筑波愛児園への事前確認事項のご説明 .................................. 4
3.筑波愛児園の養育事業の状況 ............................................................................ 5
3-1.施設概要 ................................................................................................ 5
3-2.施設小規模化の影響 ................................................................................. 5
3-2-1.建て替え前の筑波愛児園(写真) .......................................................... 6
3-2-2.建て替え後の筑波愛児園(写真) .......................................................... 7
4.その他全般的な子どもの状況等 .......................................................................... 8
4-1.第三者評価結果 ........................................................................................ 8
添付別紙①
寄付に関する覚書における社会福祉法人筑波会/筑波愛児園との締結事項(抜粋)
添付別紙②
施設概要
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1.寄付実施時期と金額の報告
2014 年 1 月、皆様のご支援のお陰で、私たち Living in Peace が支援をしている筑波愛児園は、
子ども達が住む全ての居住空間を、一人ひとりの子どもに個室があり、一つひとつの家に玄関
があって台所もある、小舎制ユニットに建て替えることができました。
そして、2015 年 5 月より、上記建て替えのために筑波愛児園が行った借入の返済が開始された
ことに伴い、寄付プログラム Chance Maker(以下、Chance Maker)にご登録頂いている皆様
から頂いてきた寄付を用いて、筑波愛児園への支援を開始しました。
二回目の寄付の振り込み(約 200 万円)に際し、改めて、Chance Maker の仕組みをご説明さ
せて頂きます。筑波愛児園の建て替えには、総額約 4 億円かかり、そのうち、約 2.8 億円を国か
らの補助金、0.8 億円を独立行政法人である福祉医療機構からの借入金で調達し、残りの約 0.4
億円については、筑波愛児園が自己資金より捻出致しました。
チャンスメーカーの皆様から頂いているご寄付は、上記の借入金の返済のために使われます。
福祉医療機構からの借入金の返済期間は 15 年間ですが、2013 年 4 月 1 日 からの最初の 2 年間
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は支払を留保されているため、筑波愛児園は、2015 年 5 月から 2028 年 5 月までの約 13 年間に
わたって、年約 600 万円を返済することとなっております。その 600 万円のうち、約 200 万円
は筑波愛児園が自己調達にて返済するため、残りの約 400 万円を Chance Maker にて返済致し
ます。
お陰様でこれまでに頂いた寄付金は、2015 年 9 月末にて 3,700 万円を突破致しました。Living in
Peace が筑波愛児園に対してコミットしている金額は総額 5,000 万円のため、まだ不足してお
りますが、当座の支払のための資金は確保できております。改めまして、チャンスメーカーの
皆様には、心より御礼申し上げます。
現在、Living in Peace では、チャンスメーカーの皆様から約 3,000 万円の寄付をお預かりして
おりますが、今後は、筑波愛児園、2015 年 6 月に支援を開始した鳥取こども学園の抱える借入
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福祉医療機構より借入金の資金交付を受けた年月
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金の繰上償還等も検討の上、皆様からの寄付を効果的かつ効率的に活用させて頂く所存です。
社会的養護 のもと、全国の約 600 の児童養護施設では、約 3 万人の子どもたちが暮らしていま
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す。 また、その他の児童福祉施設では、例えば、約 130 の乳児院で約 3,000 人が、約 40 の情
緒障害児短期治療施設で約 1,200 人の子どもたちが暮らしています。
私たち Living in Peace は、
チャンスメーカーの皆様と共に、引き続き、施設建て替えによる養育環境の改善に加えて、2015
年 4 月より開始された児童養護施設退所者向けの奨学金 の給付を通して、社会的養護のもとに
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暮らす子どもたちに必要な支援を行っていきます。引き続きのご支援を、どうぞよろしくお願
い致します。
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2.寄付を行うにあたっての筑波愛児園への事前確認事項のご説明
2-1.寄付に関する覚書の遵守状況
添付別紙①寄付に関する覚書における社会福祉法人筑波会/筑波愛児園と Living in Peace の締結
事項(抜粋)を確認すると共に、同法人と LIP メンバーによる Q&A セッションを実施した結果、
大きな問題は発見されませんでした。
2-2.社会福祉法人筑波会/筑波愛児園の財政状況
貸借対照表・活動計算書レビュー、資金収支計算書のレビュー、借入金に関する証憑のレビュ
ーを行いましたが、異常点は発見されませんでした。
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社会的養護とは、保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会
的に養育し保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。社会的養護は、
「子どもの最善の利益のために」と「社会全体で子どもを育む」を理念として行われています。
引用:厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/syakaiteki_yougo
/index.html
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大学・専門学校への進学を志す児童養護施設の子どもたちへの、使途を住宅確保に限定した奨学金とな
ります。2015年4月より給付を開始しました。詳細は以下のHPよりご覧ください。
http://livinginpeace.wix.com/kodomo#!scholarship/c17z7
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3.筑波愛児園の養育事業の状況
3-1.施設概要
詳細は、添付別紙②の通りです。
2014 年度は、施設の小規模化を伴う建て替えにより、国・地方公共団体からの補助金が増加し、
職員ケアワーカー数が 19 名から 22 名へ 3 名増加しました。
3-2.施設小規模化の影響
施設の小規模ユニット化の効果として、職員の方々より以下のコメントを頂いています。
・小規模化したことで、子どもと職員が深く関われるようになったこと
・園舎の改築が終わり養育形態が小規模化され、子どもたちの住環境は格段に良くなったこと
こと
・小舎制になり、体の負担が減ったように感じること
・移転新築ともない、利用者のプライバシーが完全に守られ各室となったこと
・ファミリールームの設置により、自宅の外泊が困難な家庭でも外泊ができるようになったこ
と
さらに、子どもたちより新しいホームに移ってから良くなったこととして以下のコメントを頂
いています。
・綺麗になって住みやすくなったこと
・ひとり部屋になったこと
・リビングが広くなったこと
・生活が良い方向に変わったと言われること
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3-2-1.建て替え前の筑波愛児園(写真)
②全体図
①施設の廊下
③施設の内観
詳細は、以下 URL の旧施設のストリートビューを参照
http://www.blog.living-in-peace.org/vt/aijien_formerly/aijien_1.html
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3-2-2.建て替え後の筑波愛児園(写真)
①新しい施設は中庭を取り囲んで、一般住宅の
②生活ユニットの外観
ような 5 棟の建物で作られています
③子どもたちの個室
④子どもたちが暮らす生活ユニットのキッ
チン
⑤施設内の広場
⑥3 つの親子生活訓練棟(宿泊施設)
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4.その他全般的な子どもの状況等
4-1.第三者評価結果
東京都における福祉サービス第三者評価制度により筑波愛児園の運営状況やサービス内容が評
価されました。
その中で、以下の主に 3 点について高く評価されています。
1.「理念検討委員会」で理念を見直し、職員への検討に取り組んでいること。
移転を機に職員による「理念検討委員会」を設置し、理念について議論を重ね、見直しに取
り組んでいる。理念について議論することにより、職員の理念に対する認識が深まり、具体化
に向けて意思統一が図られている。これにとどまらず、施設全体で浸透をさらに図っていくた
めに、職員会議での読み合わせを引き続き取り組む方針である。職員の理念に対する共通認識
を図って行くプロセスを経て、子どもの支援を一丸となって進められる組織として成熟できる
ように職員が鼓舞し合って取り組んでいる。
2.小規模化で子ども一人ひとりと向き合う時間が増え、専門職との連携により専門性の高い個
別支援を行っていること。
今年度の新築移転後、1 ユニット 6 名〜7名の小人数によるユニットがスタートしており、小
規模化によって子どもと向き合う時間が増え、一人ひとりが抱える悩みや課題の把握に務めて
いる。また、虐待経験や障害等、個別的な支援が必要な状況により、ユニット担当職員を中心
に心理療法・個別対応・治療指導員等の専門職も積極的に関わり、専門的な視点から支援を行
っている。さらに小児精神科医を招いてケースカンファレンスを開き、ここのケースにおける
具体的なアドバイスを日常の支援に活かす等、専門性の高い個別支援を行っている。
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3.親子訓練等の設備整備と家庭支援専門相談員の専任等により、家庭両方事業を開始し、子ど
もと保護者の関係調整を推進していること。
家庭支援専門相談員を専任にして家庭療法事業を開始している。個々の自立支援計画の支援
方針に基づき、家庭支援専門相談員が保護者に積極的に電話をしたり家庭訪問を行うことによ
り、保護者が抱えている課題を把握し、施設全体で解決に取り組んでいる。再統合 が難しい場
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合、これまでは面会や外出等にとどまっていたが、ファミリールームを使用して子どもと保護
者が生活をともにしたり、遊んだり関わる時間をより多く設けて親子関係の調整を推進してい
る。
とうきょう福祉ナビゲーションホームページ
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http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/
「親子の再統合」は狭義に捉えれば、施設措置等によって分離された親子が再び一緒に暮らすこと
(re-unification)と解される。広義に捉えれば、親子が再び一緒に暮らすことだけでなく、親子関係の在
り方の様々な変容、家族機能の改善・再生(re-integration)と捉えられる。
引用:厚生労働省
子ども虐待対応の手引き(平成 25 年 8 月
改訂版)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/dl/120502_11.pd
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添付別紙①
寄付に関する覚書における社会福祉法人筑波会/筑波愛児園と Living in Peace の締結事項(抜粋)
(1)筑波愛児園から Living in Peace への提出資料
①東京都民間児童養護施設等措置費の交付申請書及びその添付資料の内、
Living in Peace が指定するもの
②当初予算、補正予算及び最終補正予算書
③措置費申請の根拠となる支出明細書
④貸付金残高証明書
⑤監事及び外部専門家による監査済みの事業決算報告書
(財産目録、貸借対照表、事業活動収支計算書、事業活動収支内訳書、
事業活動収支計算書、資金収支計算書及び資金収支計算内訳書)
⑥事業報告書
⑦東京都における福祉サービス第三者評価の結果
(2)社会福祉法人筑波会/筑波愛児園から Living in Peace への報告事項
① ある半期における支出合計額が、事前に提出された予算の支出予定額の 120%以上と
なった場合
② 愛児園の職員が半年の間に多数(全体の 3 割以上)退職した場合
③ 愛児園の施設長の変更があった場合
④ 筑波会の理事の変更があった場合
⑤ 愛児園における事件、事故、災害その他児童の安全が害されるおそれのある事態が発生
した場合
⑥ 筑波会が取引先金融機関から融資の拒絶を受けた場合
⑦ 筑波会において、労務問題が発生した場合
⑧ 筑波会又は愛児園において、重要な訴訟が発生した場合
⑨ 行政機関・司法機関による筑波会又はその職員に対する処分、勧告、指導又は通知が
あった場合
⑩ 次条第 1 項に定める事由が発生した場合又は発生するおそれがある場合
⑪ 前各号のほか、LIP が筑波会及び愛児園のモニタリングのために必要に応じて報告を求
めた場合
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添付別紙②
施設概要
【筑波愛児園を運営する法人の概要】
法人名
社会福祉法人筑波会
住所 茨城県つくば市前野 308 番 5
代表者名
理事長
山口公一
連絡先 TEL:029-869-6001 FAX:029-869-6002
【法人実施事業】
代表者名
施設長
児童養護施設
小林弘典
筑波愛児園
住所 茨城県つくば市前野 308 番 5
連絡先 TEL:029-869-6001 FAX: 029-869-6002
定員 40 名
地域小規模児童養護施設
筑波愛児園第一分園「つくしホーム」
住所 茨城県つくば市大曽根 2758 番地 2
連絡先 TEL/FAX:029-875-9350
定員 6 名
【役員等の状況】
社会福祉法人筑波会の理事長 阿内 紘子殿が、2015年7月21日(火)に享年74歳にて永眠され
ました。
阿内殿の生前のご厚情に深く感謝申し上げますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
なお、2015年10月1日(木)より正式に以下の通り運営体制の変更がございました。
社会福祉法人筑波会
児童養護施設
新理事長:山口公一(前児童養護施設
筑波愛児園
筑波愛児園
新施設長:小林弘典(前児童養護施設
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施設長)
筑波愛児園
統括主任)
【職員の状況】
職員の構成(平成 27 年 3 月 31 日時点)
施
設
長
本
常勤
1
統
括
主
任
1
事
務
員
児
童
指
導
員
・
保
育
士
家
庭
支
援
専
門
相
談
員
個
別
対
応
職
員
心
理
療
法
担
当
職
員
治
療
指
導
員
自
立
支
援
コ
ー
デ
ィ
ネ
ー
タ
ー
調
理
員
2
19
1
1
1
1
1
4
嘱
託
医
精
神
科
医
用
務
小
計
32
園
GH
非常勤
2
常勤
2
2
非常勤
1
1
1
3
1
7
5
5
グループホームの略
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