信 託 相 談 所 取 扱 状 況 (平成 27 年 4 月から 6 月中) (概況) 信 託 相 談 所 の 平 成 27 年 度 第 1 四 半 期 の 取 扱 件 数 は 412 件 で 、 前 年 同 期 の 376 件 と 比 べ て 大 幅 に増加した。 相 談 ・ 照 会 件 数 は 407 件 で あ り 、 業 務 別 の 多 い順でみると、信託業務では、①特定障害者の 生活の安定に資するための特定贈与信託に関す る も の( 110 件 )、② 後 見 制 度 支 援 信 託 、教 育 資 金 贈 与 信 託 、結 婚 ・子 育 て 支 援 信 託 を 含 む 金 銭 信 託 ・ 貸 付 信 託 に 関 す る も の ( 99 件 )、 ③ 不 動 産 の有効活用を図るための不動産の信託に関する も の( 10 件 )で あ っ た 。併 営 業 務 で は 、株 式 の 名義書換等を行う証券代行業務に関するもの ( 14 件 )、 遺 言 の 執 行 等 を 行 う 遺 言 ・ 相 続 関 連 業 務 に 関 す る も の ( 10 件 )、 そ の 他 と し て は 、 信 託 法 ・ 信 託 業 法 関 係 ( 27 件 ) で あ っ た 。 また、苦情件数は 5 件であった。 (主な相談・照会の事例) 1.信託業務 ・金銭信託・貸付信託について Q 結 婚・子 育 て 支 援 信 託 と は ど の よ う な も のか。 A 結 婚・子 育 て 支 援 信 託 は 、孫 等( 受 益 者 ) の結婚・子育て資金として祖父母等(委 託者)が信託銀行等(受託者)に金銭を 信 託 し た 場 合 に 、 1,000 万 円 ( 結 婚 に 際 し て 支 出 す る 費 用 に つ い て は 300 万 円 ) を限度として贈与税が非課税になる信託 です。なお、贈与を受ける方(受益者) は、信託を設定する日、すなわち信託契 約 を 締 結 す る 日 に お い て 20 歳 以 上 50 歳 未満の個人に限られています(内閣府の 「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈 与税非課税措置に関するQ&A」をご参 照 く だ さ い 。)。 ( http://www8.cao.go.jp/shoushi/budge t/pdf/zouyozei/qa.pdf) Q 後見制度支援信託とはどのようなものか。 A 後見制度を利用するご本人の財産管理面 でバックアップするための信託です。家 庭裁判所の指示にもとづき、ご本人の現 金や預貯金に関して、信託を活用して管 理することができる仕組みになっていま す。ご本人(委託者兼受益者)が、金銭 を信託銀行等に信託します。信託された 金銭は、元本補てん契約の付いた指定金 銭信託で安定的に運用されます。なお、 元本補てん付きの指定金銭信託は預金保 険制度の対象にもなっています。信託契 約の締結、一時金の交付、信託の変更、 解約の手続は、家庭裁判所の指示書にも とづいて行われます。 ・特定贈与信託について Q 対象となる「特定障害者」は、障がいの 程 度 に よ っ て 、贈 与 税 の 非 課 税 限 度 額 が 異なるのか。 A 異 な り ま す 。障 が い の 程 度 に よ っ て 、「 特 別 障 害 者 」と「 特 別 障 害 者 以 外 の 特 定 障 害 者 」に 分 け ら れ て お り 、「 特 別 障 害 者 」 と は 、精 神 ま た は 身 体 に 重 度 の 障 が い が あ る 方 を い い 、 6,000 万 円 ま で 贈 与 税 が 非 課 税 に な り ま す 。 ま た 、「 特 別 障 害 者 以外の特定障害者」に該当する方は、 3,000 万 円 ま で 贈 与 税 が 非 課 税 に な り ま す 。な お 、特 別 障 害 者 等 の 範 囲 等 は 、相 続税法で定められています。 Q 信託設定後3年以内に委託者が亡くなっ た場合、相続財産となるのか。 A 委託者が亡くなった場合、本制度により 非課税の適用を受けた金額に相当する部 分の価額は、相続開始以前3年以内のも のであっても、相続税の課税価格に加算 されません。 2.その他 ・信託法・信託業法関連について Q 家族信託とは、どのような内容ですか。 A 遺言代用信託とは、委託者が受託者に財 産を信託して、委託者自身を自己生存中 の受益者とし、子・配偶者などを死亡後 の受益者とすることによって、死亡後に おける財産の分配を信託によって達成し ようとするもので、例えば、相続が発生 したときに、葬儀費用や当面の生活費な どの必要な資金を予め指定された受取人 が速やかに受理することができます。ま た 、後 継 ぎ 遺 贈 型 の 受 益 者 連 続 信 託 と は 、 例 え ば 、夫 が 生 前 は 自 ら を 受 益 者 と し て 、 夫の死後は妻を、妻の死亡後はさらに長 男を連続して受益者とする旨を定める 信託です。 (苦情の主な事例) ・亡くなった父親名義の端株があることがわ か り 、銀 行 に 連 絡 し た と こ ろ 、「 既 に 売 却 済 み」との連絡を受けた。念の為、払出し手 続きの用紙のコピーを送ってもらったが、 筆跡が父親のものではなく誰が手続きした かわからない。第三者に騙し取られたので はないか。近くで、法律相談が開かれるの でそこで相談しようと思っているが、納得 がいかない。 ・ 7 年 半 前 に 購 入 し た 投 資 信 託 ( 10 百 万 円 ) の解約手続きをし、銀行から解約金の連絡 を 受 け た が 、実 際 の 振 込 額 は 約 6 万 円 少 な か っ た 。銀 行 の 担 当 者 に 確 認 す る と 、「 源 泉 徴収金額を誤ってしまい、手取り額につい て実施より約 6 万円多く回答してしまっ た」との簡単な謝罪をして誤りを認めたも の の 、「 振 込 自 体 は 正 し い も の で あ り 問 題 もなく責任はない」との回答であった。納 得がいかない。 ・執行付遺言信託の契約を結ぼうと銀行と話 を 進 め て い る が 、遺 言 書 の 条 文 に「『 遺 留 分 を計算する時は不動産を相続税評価額で計 算すること』という文言を入れてほしい」 と 申 し 出 た と こ ろ 、銀 行 か ら は 、「 そ の よ う な文言は無効であるため条文に入れること は不可である」との回答であった。納得が いかない。 信 託 相 談 所 取 扱 状 況 ( 平 成 27 年 4 月 ~ 6 月 中 ) 当四半期 前四半期 項 目 ( 平 成 27 年 4 月 ~ 6 月 中 ) 相談・照会(計) ( 1) 信 託 業 務 ( 2) 併 営 業 務 ( 3) 銀 行 業 務 ( 4) そ の 他 (うち信託法・信託業法関係) 苦情(計) ( 1) 信 託 業 務 ( 2) 併 営 業 務 ( 3) 銀 行 業 務 ( 4) そ の 他 合 計 407 232 26 19 130 (単位:件) ( 平 成 27 年 1 月 ~ 3 月 中 ) 433 282 21 17 113 前年度同四半期 ( 平 成 26 年 4 月 ~ 6 月 中 ) 371 245 22 26 78 ( 27) ( 23) ( 25) 5 0 3 2 0 412 8 1 5 1 1 441 5 0 3 2 0 376
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