第 10章 舗装路面診断機能

第 10章 舗装路面診断機能
http://www.imsoft.co.jp
1.路面の撮影
① 撮影カメラ
500万画素以上、光学 10 倍ズーム機能を持ったデジタルカメラを使用してください。(但し、コ
ンパクトカメラなどの小径レンズを使用したカメラは、高画素が高画質に繋がらないこともありま
すので、カメラの選定には、ご注意ください)
② 撮影方法
片側2車線までの車線であれば、路肩からの撮影で可能です。(1m60cmの身長の撮影者)
片側 3 車線の追越車線を路肩から撮影する場合は、踏み台などを利用し少し高い位置から撮
影することをお勧めします。(正射影変換後の画質を上げるため)
または、800万画素以上のデジタルカメラの利用をお勧めいたします。
③ 撮影条件
路面の舗装状態に合わせ、ひび割れは正射影変換後、確認できる方法を選択してください。
順光撮影、逆光撮影の変更やストロボ使用などひび割れの撮影が可能な方法を選択してくださ
い。
④ 撮影範囲
500万画素以上のカメラで、延長方向5mを撮影画像横方向なるように撮影してください。
必ず、基準となる位置(マーク)などを含め撮影してください。
⑤ 撮影カメラにレンズの球面収差により、画像に歪みがある場合は、第 9 章 「画像からの作図」
2.「収差補正設定」と3.「収差補正適用」を実施してください。
2.立面図の準備
標準立面図は、プログラムインストールフォルダ¥立面図フォルダに用意してあります。
① 標準立面図の内容
基準点位置左設定
舗装試験法便覧(0.5m)桝目
幅員3.0m∼3.50
0.05m間隔
50m延長立面画像 10 枚(0∼500m)
0.5m以下の桝目は上下別のフォルダに入っています。
高速道路規格(延長方向1m桝目、幅員方向 幅員の1/4)
幅員3.5m∼3.9m
0.05m間隔
50m延長立面画像 10 枚(0∼500m)
② 標準立面図に無い立面図が必要な場合
[email protected] までメールでご連絡ください。
記載内容:ご要求者名、ご連絡先(TEL)、組織名(会社名)、部署名
幅員、立面図の延長、桝目の大きさ、基準点位置(左右)、総延長、端数桝目の配置(上下)
③ 診断に必要な立面図を、診断用のフォルダを作成しコピーしてください。
91
3.相対座標設定
①相対座標の考え方 例) 開始点 kp112.235 から 終了点 kp112.615
調査開始点
KP112.235
調査終了点
KP112.615
相対座標=0m
相対座標=380m
* 調査開始点は相対座標の0に合わせてください(開始点は必ず立面図0∼50を使用)。
* 調査終了点は立面図350∼400の立面図になります。
* 調査終了点は、m単位で指定できます。
② 立面図と撮影画像を開きます。
③ 撮影画像をアクティブにしてから、「基準点設定」ボタンを押します。ダイログが表示されます。
④ 基準点の指定
ア) 立面図側の基準点指定
設定のルールは、左下を No1 に反時計回りで4点指定してください。
撮影画像の 4 点と立面図上の 4 点を指定します。
桝目の内側でマウスクリックし
ますと、近くの交点にスナップ
します。
92
イ) 撮影画像側の基準点設定
立面図に対応する 4 点を反時計回りで指定します。
⑤ ダイアログの設定を行います。
ア)座標基準登録がチェックされグレー表示になっていることを確認してください。
イ)「基準点座標取得」ボタンを押してください。座標がテキストボックスに表示されます。
ウ)「基準点で範囲指定」にチェックを入れてください。
エ)「OK」ボタンを押します。撮影画像が変換され、立面図上にアイコン画像が作成されます。
93
4.ひび割れトレース
第7章 初期診断 診断トレース(55項)を参照してください。
「舗装診断」メニューのひび割れトレースでも、ひび割れのトレースが可能です。
*「舗装診断」メニューのひび割れトレースのほうがサブメニューの選択が簡単です。
5.診断画像の保存
基準点設定を行った立面図と変換された撮影画像を開いている状態で、トレースした撮影画像を
BDF ファイルで名前を付けて保存してください。
立面図のアイコン座標とリンク関係が保存されます。
立面図を閉じた状態ではリンクが保存されず、アイコン画像をマウスダブルクリックしても、撮影画
像を開くことができません。
*立面図の調査範囲内を、3.相対座標設定∼5.診断画像の保存を繰り返します。
6.トレース線の座標合成
第7章 初期診断 トレース合成(62項)を参照してください。
7.スケッチ法による診断
①マウス右クリックしメニューから「アイコン画像見えないように」を選択し、立面図からアイコン画像
を非表示にします。
② 診断方法を選択します。
94
③桝目単位での診断
対象の桝目でマウス右クリックしますとメニューが表示され、メニューから診断内容を選択します。
診断マークは、四角がひび割れ、丸がパッチングを意味します。
診断マークの塗潰し色の色濃度を設定するには、「オプション」メニューの「環境設定」診断マー
クの色の濃さの数値を変更してください。0∼255で最大濃度が255です。
8.データ出力
「舗装診断」メニューより「診断データの Excel 出力」を選択します。出力画像の選択で、ひび割れ
状況図に貼り付ける画像を選択し「OK」ボタンを押します。Excel にデータが保存されます。
9.立面図の保存
BDF ファイル形式で保存してください。調査距離で必要な部分を3、基準点設定から繰返します。
95
10.ImageSR ツールでの集計
① Excel に出力されたデータシートを選択し、ImageSR ツールバーの「舗装診断データの集計」ボタ
ンを押します。
② 集計項目入力にデータ入力や選択をし「OK」ボタンを押しますと 3 種の集計シートが作成さ
れます。
・ひび割れ状況図 A4用紙 1 枚への画像貼付け枚数。
・表示画像の縦横比
3 種の集計シートが作成されます。
【ひび割れ計算結果】
96
【試験報告】
【ひび割れ状況図】
11.印刷
ImageSR ツールの「印刷」ボタンを押しますと、ダイログが表示されます。印刷する項目にチャック
を入れて、印刷部数を設定し、「OK」ボタンを押しますと印刷を開始します。
97
第 11章 経年変化の追跡
ファイルの管理はフォルダ別けすることをお勧めします。
① 最新の撮影画像を、第 7 章または第 10 章の「相対座標設定」を実施し、正射影変換した画像
を作成します。
② 正射影変換された撮影画像を、アクティブにして、過去にひび割れトレースした同一座標の
BDF ファイルから、最新の撮影画像にトレース合成します。
トレース合成ボタン
③ 前にトレースしたひび割れデータが、合成されます。画像上でマウス右ボタンを選択し、メニュ
ーから「すべてを選択」を選びます。
98
④ 線種や線の太さまたは色を変え、今回のひび割れトレースと区別ができるようにします。、
⑤ 撮影画像上で今回変化のあった部分をトレースします。
⑥ 名前を付けて今回のフォルダに保存します。
⑦ 立面図にトレース合成します。
破線のひび割れが前回の調査時のひび割れ、今回の調査でのひび割れ増加部が実線で表示さ
れます。
99