カーネーションの夏季日没後短時間冷房で 開花促進と秋季品質向上 【背景・目的・成果】 兵庫のカーネーションは関西市場でトップシェアの品目であり、本県を代表する花きの一つです。 しかし、夏季の高温により秋季の品質低下が問題となっています。そこで、冬季暖房で利用が進み つつあるヒートポンプ空調機（業務用エアコン）を利用し、夏季の夜間冷房による秋季品質向上を検 討しました。その結果、夏季の日没後4時間を21℃で冷房すると品質が向上し、開花時期が2週間 以上早まることが分かりました。 1 夏季の日没後4時間を21℃設定で冷房すると終夜冷房よりも消費電力を約40％削減可能 で、無処理の切り花に比べて秋季の茎が硬くなり品質が向上しました。 日没後短時間 冷房 40 施 設35 内 温 30 度 25 ℃ 20 硬い （ ） 無処理 （時刻） 12 15 18 6 9 12 無処理 4時間冷房 硬い 終夜冷房 写真 茎を水平に持った時の垂れ下がる角度 終夜冷房に比べ消費電力を大幅削減 2 日没後の4時間冷房することで、開花 が2週間以上短縮することが判明しました。 端境期の出荷による有利販売が可能にな ります。 3 夏季日没後短時間冷房の現地実証試験 を実施し、その結果から、電気基本使用料 を合わせた1株当たりの冷房電気料金は約 10円程度と算定され、農家ほ場でも適用可 能であることを確認しました。 135 開 花 ま で の 日 数 130 2週間以上 開花が早い 125 120 115 110 無処理 無処理 4時間冷房 終夜冷房 4時間冷房 終夜冷房 【技術の活用】 実証ほ等での結果から、夏季日没後短時間冷房（21℃設定）の導入にあたっては、 短時間冷房後の室内気温の上昇を防ぐため、ヒートポンプ以外に温室側窓をタイマー制御で自動開 閉する装置、または、時間帯によって設定温度の変更が可能な４段サーモが必要です。 兵庫県立農林水産技術総合センター 淡路農業技術センター
© Copyright 2024 ExpyDoc
